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安全性

新型コロナウイルスにより”ビューティーワールドジャパン”中止のお知らせ

ビューティーワールドジャパンの中止

新型コロナウイルスによりネイルだけならず、美容関係の最大のイベントであるビューティーワールドジャパンが中止となってしまいました。

2020年4月20日(月)-22日(水)東京ビッグサイトにて開催を予定しておりましたビューティーワールド ジャパンの開催中止を決定いたしました。

事務局では、新型コロナウィルスの感染拡大のなか、できる限りの感染防止対策を講じた上での開催を目指してまいりましたが、開催における参加者の感染リスクを完全に排除できないとの判断に至りました。開催に向けて準備を進めていただいた出展者様、来場を予定していただいた来場者様のほか、関係者の皆様には誠に恐縮ではございますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

2020年3月17日
メッセフランクフルト ジャパン株式会社
ビューティーワールド ジャパン事務局
東京ネイルフォーラム事務局

新型コロナウイルスとは

新型コロナウイルスは聞き覚えのあるSARSや中東~欧州で流行ったMARSと同じ分類のウイルスです。

現在はCOVID-19という名前で呼ばれています。

COVID-19の大きな特徴は、比較的長い潜在期間(感染してから発症するまでの時間)と非常に強い感染力です。

今のところ空気感染は恐らくないとされていますが、飛沫や接触により容易に感染することが確認され、その結果現在のような世界中で多くの人が感染することに繋がっています。

ただし感染した場合に、健康な方であれば38℃程度の熱が数日続くのみで、比較的重い風邪と同程度です。

重視しなければならないのは、高年齢(70歳以上)の方の感染です。

最も死者の出ているイタリアでは、お亡くなりになった方の年齢の中央値は80歳となっています。

またお亡くなりになった方の大半は既にいくつかの持病(呼吸疾患、心臓疾患、糖尿病、肝疾患等)を抱えていた方がほとんどです。

COVID-19の封鎖は事実上できない

当初、政府はCOVID-19の封鎖を検討しました。

中国では武漢の交通網を遮断し、封鎖を図りましたが、失敗しました。

日本でもダイアモンドプリンセスを横浜港に停泊させ、客員を下ろさないという手段を取り、世界中から非難も浴びましたが、できるだけ封鎖しようという試みでした。

しかし、検査で陰性だった方も後に陽性になるなど、結果的に封鎖に失敗しました。

アメリカの対応は早く、中国や韓国からの入国をすぐに制限しました。

欧州も同じように感染国からの入国を制限し、COVID-19が入ってこないように試みましたが、失敗に終わりました。

となると、封鎖ではなく新たな方法を考える必要があります。

国民総感染による免疫の獲得

日本政府は公言していませんが、国民総感染による免疫の獲得を計画していると思います。

これはUKと同じ政策です。

封じ込めができなければ、抗体を作らせるしかない。幸い、COVID-19は健康であればそれほど重篤化しないので、健康な人が感染するには問題がないという考えです。

昔、近くの子どもがおたふくかぜに罹ったら、貰いに行くという習慣がありました。

それと同じように少なくとも一度罹ることで抗体は作ることができるはずです。

そうして重篤化する前に抗体を作り、今後、重篤化することを防ぐというアイデアです。

この政策にはおよそ国民の40%が感染する必要があり、夏以降まで時間を要することが見込まれています。

隔離すべきは高齢者

このことから、日本政府は欧米などとは大きく異なり、大きな自由の制限をかけず、テレワークを推奨はするものの、レストランなどは通常通り営業し続け、交通網にもほとんど制限をかけていません。

つまり意図的に潜在的な感染者を増やし、不用意に検査を行わず、じっくり蔓延させようという狙いがあります。

そうすることで、健康な人は、穏やかにCOVID-19に感染し、抗体を獲得できます。

一方、本当に見なければならない重篤患者にベッドを用意し、手厚い看護と適切な治療を施すことにより、死者を最低限に留めているため、時期的に早い段階から感染が確認されていたのにも関わらず、死者数が低いという成功を収めています。

一方、イタリアはともかく、感染者数が同程度のUK、首都ロンドンでもlocking downと呼ばれる、町の閉鎖が始まっています。

ドイツでは2人より多い人数で会うことが禁止されています。(家族を除き)

こうした動きは、封じ込めをするために検査を行った結果、その感染力の高さからCOVID-19に感染している人の割合があまりにも多く、隔離を行うべく、入院が不要な患者にまで入院をさせ、ベッド残数を減らし、医療従事者が疲弊し、本来見るべき人々が見れず死者も多くなってしまっています。

サロンでできる新コロナウイルスCOVID-19対策

新コロナウイルスがクラスター(集団感染)する条件として、

人が密集するところ

換気が悪いところ

会話がある

の3条件が揃うところです。

ネイルサロンはそれに該当する為、もし無症状であってもコロナウイルス患者(キャリア)が来店された場合、スタッフや他のお客さんに感染する可能性があります。

そこで、クラスター化を防ぐ方法としては、まずはお客さんに手洗いをして頂くことです。

それが難しければ、消毒用のエタノールでまず手指消毒をまず行うことです。

普段ならばまず手を確認し、オフからまたはデザインの話をする際に手を触ると思いますが、必ずその前に手指消毒をスタッフとお客さんどちらも行うことが必要です。

その上で、お客さんにもマスクの着用をお願いし、できるだけ面と向かって会話しないようにすることです。

また定期的に換気し、外気を取り入れることも重要です。

空気清浄機ではコロナウイルスが死滅するかどうかわからない為、換気にはなりません。

こうした対策はお客さんにも安心感を与え、今のネイルサロン離れも少しは改善できると思います。

COVID-19は大変な影響を世界に与えていますが、それに負けずに頑張りましょう。

 

 

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サクラ

国産ジェル「sacra」誤充填により回収

国産ジェルネイル「sacra」とは

sacraは私たちの大切な人のためにと誕生いたしました。
やさしさを限界まで追求し、全てにおいてこだわり続けています。

sacraだからできるもの。
sacraにしかできないもの。
そんな商品造りに日々真面目に取り組んでいます。

sacraはあなたへの安心と満足のメッセージ。
やさしく、そして美しく・・・

日本の国花でもある「桜」をモチーフにしたジェルネイルです。

容器やロゴも可愛く、安全にも配慮されていそうな素敵な印象を与えてくれるジェルです。

化粧品かどうか

肌と爪にやさしく、
アレルギーゼロを目指して

ジェルアレルギーや肌トラブルの原因とされるアクリル酸とHEMAを使用せず、化粧品原料にこだわりました。

日本人の肌に合った
カラーバリエーション

sacraは日本女性の肌に似合うカラーを取り揃えております。
sacraジェルで皆様の爪に彩りを

化粧品登録済の
完全日本製ジェル

原材料から生産、充填、容器に至るまですべてが目の行き届く日本製で、化粧品登録しています

国内で生産された化粧品登録のされたジェルネイルと謳っております。
ただ少し注意したいのが、HEMAを使用せず、化粧品原料に拘りました。のところです。
HEMAは化粧品原料として登録されています。
成分番号 560926
表示名称 HEMA
INCI名 HEMA
定義 本品は、次の化学式で表されるメタクリル酸2-ヒドロキシエチルである。

これから言えることは、化粧品原料=安全ではないということです。
つまり、化粧品原料を使用しているからといって安全とは限りませんし、化粧品原料を使用していないからといって安全ではないとも言えないです。

誤充填により回収

そんな国内で製造・充填の管理までされていたsacraですが、残念ながら誤充填した製品を流通させてしまったようです。

「SACRA トップジェル」で、他製品に充填すべき内容物を誤って充填したことが判明したため、該当ロットを回収する。誤って充填した内容物も同じくジェルネイルのトップコートであり、粘性が異なるものの化粧品基準に適合しているため安全性に問題はなく、重篤な健康被害発生の恐れはない。これまでに当該品の使用による健康被害の報告はない。

sacraには二種類のトップジェルがあり「トップジェル」と「2wayトップジェル」です。

2wayトップジェルは長さだしもできるように粘度が恐らく高いものと思われます。

この誤充填はきっとトップジェルと2wayトップジェルが逆になってしまった為に起こったのではないでしょうか。

または充填工場は、多くの場合その製品だけを充填していることはなく、別ブランドの製品の充填なども請け負うことが多いです。

つまり、別メーカーのトップジェルを誤って別のブランドの容器に充填してしまったということも考えられます。

その場合、同社製品ではアレルギー等の反応が出てなかったとしても、別メーカーのジェルには例えばHEMAやアクリル酸が入っていて、皮膚に合わずアレルギーが出てしまうといったことも考えられます。

いずれにせよ、もし同ロットの製品を持ちの方は、迷わず交換して頂くのが良いと思います。

回収対象商品

販売名:SACRA トップジェル
ロット:B19101
数量:251個
包装単位:4g
出荷時期:2019/10/09
製造販売業者:(株)ユーアイエー 愛知県名古屋市西区上名古屋一丁目1番6号
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セルフネイル フルーリア ライト 安全性

UVで上手にジェルネイルを硬化させる方法

ジェルネイルの硬化方法

ジェルネイルの硬化方法にはいくつか種類があります。

昔ながらのUV硬化、最近中心になってきているLED硬化、その間にCCFL硬化といったものもあります。

どのように違うかというと、UV硬化はまずライトが5000円以下でも手に入る程安いです。

一方、ライトの出力は徐々に下がってくるので、気づかないうちに硬化不良を起こす可能性があります。

波長としては365nmの光を使っており、紫外線領域なので目などにはあまり良くないです。

また照度も低いため、硬化させるのに時間を必要とします。

LED硬化はライトが高く、5本指の入るものだと10000円以上します。

時々8Wくらいの簡易LEDのようなものもありますが、それですべてを賄うのは難しいと思います。

LEDの良いところは、一般的な使用の範囲では出力の大幅低下がないことです。

また波長も405nmの可視光を使っており、光自体は悪いものではありません。

一方照度は高いので、短時間で硬化させられますが、一方で強い光を見るということが目にはよくないです。

またベースジェルやトップジェルでは重合に伴う発熱で熱い思いをすることがあります。

フルーリアUV硬化時間延長

多くのネイルサロンではすでにほとんどがLEDに置き換わっていると思います。

一方でセルフの方、または学生などではまだまだUVライトも使われているのではないでしょうか。

そんな中、フルーリアがUV硬化の時間を1分から2~3分に延長するといった発表がありました。


規格変更(2019.07.11)

フルーリアジェル カラージェル一部商品の硬化時間が以下のとおり変更になります。

【対象商品】
27718カラージェル M14 エンジェルホワイト ★受注発注
49245カラージェル 008 ダブルホワイト

<UV>1分 → 2~3分 <LED>20秒(変更なし)
※使用するライトにより硬化時間が異なります。

なお、長期欠品となっておりました「フルーリアジェル カラージェル 008 ダブルホワイト」は7月16日(火)より再販いたします。

今回の発表は特にマットなホワイトに限定されています。

ホワイトは光を反射しやすい色なので、UVライトで硬化させるのが最も難しい色です。

恐らく、UV1分では、いわゆる半熟になるといったクレームが多く、照射時間を延長してもらうようなお願いをすることが多かったため、このような規格変更をしたのだと思います。

一方でLEDの405nmでは、酸化チタンの白色はその領域に反射を持たない為、比較的白を固めやすいという性質があります。

ただし、白色のジェル特にマットなホワイトのものは非常に多くの時には10%程度酸化チタンが含まれているので、それだけ光の透過は悪くなり、いくらLEDで光が通り易いといっても、十分に硬化しない可能性もあります。

ラジカル重合のメカニズム

ジェルネイルはラジカル重合という仕組みで硬化します。

ラジカル重合とは、エキソオレフィン末端にラジカル種が付加することで、連鎖的に起こる重合の一つです。

ジェルネイルには光重合開始剤というものが含まれていて、365nmや405nmの光を吸収し、ラジカル種を発生させます。

つまりジェルネイルに光を当てることで、光重合開始剤からラジカル種が発生し、そのラジカル種がアクリレート末端に付加し、アクリレート末端が連鎖的に重合することで、液体だったものが固体へと変化します。

ここで光を沢山充てることで、光重合開始剤にたくさんの光を当てることができ、ラジカル種を生む光重合開始剤も増えるため、重合性が良くなります。

この光重合開始剤が、硬化時に使われないと、硬化後もジェルネイルの中に光重合開始剤が残ってしまいます。

すると、日常の光で反応し、白のジェルが少し黄色みがかってきた、やジェルネイルがボロボロになってきたといったよくないことも起きます。

なのでジェルネイルを硬化させるときは、できるだけたくさんの光を当てて、光重合開始剤を全部使うようにすることが望ましいです。

そうすることで、後の悪い変化を起こさせないようにすることができます。

UV硬化の危険性

ただし長時間光をただ当てればよいということはありません。

特にUVライトの場合、先の通り、照度が低いため、光が十分にジェルの奥深くまで当たらず、奥底で重合が不十分になることが多いです。

それはいくら光を当てても、透過しないものは透過しないので、変わりません。

また365nmという光が波長としてはエネルギーの強い分類に入ります。

UV光をずっと当て続けることで、今度は逆に固体になったジェルに悪影響を与えます。

外においてあったプラスチック製品が脆く割れやすいのは、太陽光に含まれる紫外線による影響です。

それと同じことがジェルネイルにも起きるので、当てすぎると逆にボロボロになるきっかけを作り出してしまいます。

外に置くことを前提とした樹脂製品には、光吸収剤はHALSとよばれる物質を入れて、対候性に強い樹脂にしていますが、それらの樹脂製品は熱硬化樹脂が多く、基本的に光で固めて作るようなものはありません。

光で固めたいのに、光で影響を受けない樹脂ってあり得ないですよね。

UVライトで上手にジェルネイルを硬化させる方法

UVライトは弱い光しか出ません。

長い時間あてても、逆効果を生むかもしれませんし、光が届かないところにはいくら当てても届きません。

そこでUVライトでも上手く色の濃い、白や黒、黄色を硬化させるためには、薄く何度か重ねるのがオススメです。

実際に薄く塗ると、膜厚も均一になるので、見た目も綺麗に仕上がります。

カラージェルがボコボコとしてしまうと、それをトップジェルを厚く塗り覆い隠そうとしますが、そうすると硬化熱で痛いといった問題や、トップジェルの厚みに差があるので、結局光が綺麗に入らず、なんだかボコボコしているといったことになります。

薄く、何度か2度3度または4度と塗り重ねることで、綺麗なカラージェル層が作れますし、そうすることでジェルネイル自体のモチも良くなります。

UVライトでもジェルネイルはちゃんと楽しめるので、ご安心ください。

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つめ

ジェルネイルを少しでも楽に辞める方法

ジェルネイルをすると爪がペラペラになる

ジェルネイルをしていると爪がペラペラになってきます。

ペラペラになった爪では生活できないので、ジェルネイルを塗ります。

そうするとまた爪がペラペラになります。

そんな悪循環がジェルネイルにはあります。

そんな悪循環から抜け出したい、抜け出さなければならなくなる人もいると思います。(お仕事やお金の問題で)

そういった方に、どうすればジェルネイルを楽に辞められるかを考えてみます。

そもそもなぜペラペラになるのか

ジェルネイルをするとなぜ爪がペラペラになるのでしょうか。

私はサンディングのせいだとは思っていません。

あの少量の爪の粉が出るくらいのバフがけで爪が削れてくというのならば、普段の生活で爪が無くなってしまってもおかしくないように思います。

そのくらい爪は常に様々な衝撃を受けています。

パラジェルがサンディングをしないから爪に優しい、ペラペラになりませんといった謳い文句で売っていますが、誇大広告だと思っています。

ではなぜペラペラになるのか。

第一の理由はソークオフに使用するアセトンです。

アセトンは水と油のどちらにもなじみが良く、どちらも爪から持って行ってしまいます。

爪表面にある皮脂は爪から水分が飛びすぎるのを防ぎますが、その油をまずアセトンが溶かし、水分が出やすい状況が生まれ、アセトンに水がどんどん出ていき、代わりに爪にアセトンが入り込みます。

しかしアセトンは非常に揮発性が高いので爪にはいったアセトンはすぐに飛んで行ってしまいます。

その結果、油も水分もなくなった爪が出来上がり、スカスカになってしまいます。

これが爪がペラペラになっていく構造です。

爪がペラペラにならないジェルネイルの楽しみ方

ソークオフ時のアセトンが爪をペラペラにすることは間違いありません。

であれば、アセトンを使わなければ良いとなります。

しかしジェルネイルを剥がすときにはジェルネイルに溶剤をしみこませる必要がある為、協力な溶剤が必要です。

エタノール等では代用できません。

では、いっそのこと剥がさずにそのまま使おうというアイデアがフィルインです。

フィルインとはベースジェルをソークオフせず、マシンでトップ・カラーを削り、その上から爪の伸びた部分も含めてベースジェルを塗りなおし、カラー・トップを塗っていく方法です。

こうすることで、ソークオフをせずに新しい色に変えることができます。

しかしこの方法にも注意点があります。

ベースジェルが全く浮いていないことがフィルインをする前提にあります。

もし少しでも浮いていたりすれば、そこから水等が入り、雑菌が繁殖し、グリーンネイルをはじめとする爪の病気が発病する可能性があります。

フィルインをするためにはベースジェルがしっかりとくっついていることが何よりも重要です。

ジェルネイルを少しでも楽に辞めるには

ジェルネイルを剥がせば、爪がペラペラになるのは目に見えています。

では辞めるためにどうすればよいか。

それはクリア系のジェルを塗ってそのまま6か月過ごすことです。

クリア系であれば爪が伸びてきても目立ちにくく、伸びてきた感を少し和らげることができます。

そしてそのまま数か月過ごします。

根本は新しい爪なので水分と油分をたっぷり含んだ良い状態の爪です。

この爪が爪先にくるまでの約6か月を我慢すれば、ペラペラではない爪が生えかわり、ジェルネイルを辞めることができます。

伸びてくる爪はどんどんカットして良いと思います。

この時に浮いてくることもあるかもしれませんが、それを無理やり剥がしてしまっては、爪の表層を剥がしてしまうことになるので、ペラペラの爪が出てくるだけになってしまいます。

ジェルネイルを辞めるのは大変ですが、6か月我慢して辞めれば、健康な割れにくい爪が戻ってきます。

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ブランド

ジェルネイルの中身は似たり寄ったり?

エースジェルの代わりのジェル

先日ネイリストの方からこんなお話を頂きました。

エースジェルが無くなってから、新しい良いベースに出会えてないと。

確かにエースジェルのレオやノアは良いベースジェルでした。

成分については私も良く知りませんが、使っている方は多く、それだけクレームもなかったからだと思います。

そんなベースジェルの代わりになるものがないので、店舗で在庫している分がなくなれば難民になってしまうと。

そこでどこのメーカーのが良いかと尋ねられました。

エースジェルが無くなってから、確かにどこのジェルネイルが良いのかと探されている方はまだいるのかなと思います。

そういった方に、今のジェルネイル業界の製造側の話をさせて頂こうかと思います。

ジェルネイルはメーカーが作っている訳ではない

ジェルネイルのメーカーは沢山あります。

無くなってしまったエースジェルも含め、パラジェルやプリジェル、シャイニージェル、リーフジェル、サンシャイベイブ等等。

しかし、これらのメーカーは自社で工場を持ち、ジェルネイルを作っているわけではありません。

すべてのメーカーはどこかジェルネイルを作ることが出来る工場に依頼して製造してもらっています。

ジェルネイルは化学製品です。

つまり白衣を着ているような化学者でなければ作ることができません。

そんな化学者はジェルネイルメーカーには居ません。

ジェルネイルメーカーから求人がでていることもあると思います。

その求人欄に理系大学または大学院卒業の人を募集しているのを見たことがありません。

つまり、そういうことです。

UVレジンを作る工場

それではどのようなところが作っているかというと、UVレジンを扱うことができるような工場が代わりに作っています。

そこで雇われている研究者が配合を考え、製品を作り、納品し、メーカーが代わりに販売しているといった構図です。

どうしてこのような構図になっているのかというと、工場を持つということは非常にお金がかかることだからです。

敷地も必要ですし、働く人も必要です。

機械も必要ですし、ノウハウも必要です。

それだけあってもまだ足りません。

今度はその工場を週5日稼働させ続けなければなりません。

しかしジェルネイルの大きさや販売されている数を考えてください。

シャンプーと比べると、毎日使うシャンプーに対してジェルネイルは使う量が少なく、使う人も少ないです。

そうなると、毎日ジェルネイルを作ってしまうと生産過剰になり、在庫を沢山抱えてしまうことになります。

またジェルネイルには季節的な波があります。

冬には足は塗らなくても良いかと、使用量が減ります。

そうした結果、メーカーは自社でジェルネイル工場を持つことができなくなります。

ではどのようになっているかというと、一つの工場がいくつのメーカーと契約し、複数社のジェルネイルを一挙に製造しています。

そうすることで、年間の生産量を調整し、毎日仕事があるような状態を作ることができます。

そしてそのジェルネイルの設計をする人も限られてくるので、その契約しているメーカーのジェルネイルは似たり寄ったりの成分になります。

製造上も同じ配合の方が転用できるのでコストメリットもでてきます。

つまり、ラベルや容器が違うだけで、中身は同じようなジェルネイルが市場には多く出回っているということです。

ではエースジェルの代わりはどうか

エースジェルを作っていたのは十条ケミカルであるという話を以前にしました。

その十条ケミカルは化粧品に配合してはならない顔料をずっと配合してしまっていたことにより、市場からエースジェルを回収しなければならなくなり、その負債を負ったと考えられます。

十条ケミカルはそのジェルネイル事業を恐らく今は続けていないので、エースジェルと同じような中身のジェルは今は市場にないのではないかと考えられます。

ベースジェルは爪と相性のあるものです。

しかしその相性は作り出すことが出来るものです。

同じベースジェルを使い続けることで、爪にそのベースジェルに馴染みやすい土壌ができます。

その結果、ベースジェルの持ちが良くなり、欠けにくく、浮きにくくなります。

そうした努力をしなければベースジェルの切り替えはできません。

万人に合うベースジェルがないように、エースジェルから切り替えることは大変ですが、使い続けても何の解決にもなりません。

評判の良い、使い勝手の良いベースジェルを決めて、そのベースジェルを塗り続けて、そのベースジェルにあった爪にしていくことが大事です。

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つめ ベースジェル 安全性

酸性のジェルネイルは本当に爪に悪いのか?

酸性のベースジェル

ベースジェルは爪に密着させる為に酸性成分が入っています。

全成分表示の「アクリル酸(2-プロペン酸)」や「メタクロイルエチルホスフェート」「メタクロイルエチルフタル酸」などがそれに該当します。

アクリル酸やフタル酸はカルボン酸。

ホスフェートはリン酸です。

酸性度で言うとリン酸の方が強いです。

爪組織はケラチノサイトと呼ばれており、その組織に酸が入り込むことにより、アンカー効果を生み、ベースジェルと爪が接着します。

ベースジェルのような親油性の高いものを、生体組織に接着させるためには、こうした親水性の高い成分を入れる必要があります。

酸は爪に悪い?

レモン汁は酸性です。

コーラも酸性です。

昔、コーラを飲むと骨が溶けるといった眉唾ものの話がありました。

もちろんそんなことはありません。

もしそれが本当ならば、コーラ死やコーラによる骨消失死みたいな話題がもっと挙がるのではないでしょうか。

私は聞いたことがありません。

医者が死因はコーラです。と言っていたら少しシュールですね。

もっと言えば、胃液も酸性です。

もともとが酸性の胃に酸性のものを入れて、影響があるのでしょうか。

そもそもコーラやレモン汁は食品です。

食べても大丈夫な酸性のものを爪に塗ると悪いというのはどういうことなのでしょうか。

つまり、酸性だから悪いということは決してありません。

ジェルネイルはそもそも爪に悪い

そもそも酸性のベースジェルといいよりも、ジェルネイル自体が爪に良いことではありません。

ジェルネイルが爪に蓋をすることで、水分が入ってこなかったり、爪から水分が抜けてしまうことで、爪がペラペラになってしまいます。

それを補う為にジェルネイルで補強する、そしてその結果爪がペラペラになるということを繰り返してしまいます。

それを感じさせない為にフィルインといった技術も開発されました。

これはアセトンを使わないという点で皮膚には良いことですが、根本的な問題を解決しているわけではありません。

弱酸性であることを謳ったベースジェルや、アクリル酸を使っていないベースジェルが安全であるかのような広告を良く見ますが、間違った知識です。

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ブランド ベースジェル マックスオーガニック 特許

オーガニックジェルネイルの謎

マックスオーガニックとは

マックスオーガニックから「オーガニックジェルネイル」なるものが販売されています。

以前オーガニックジェルネイルとは何かと思って調べていましたが、具体的にどうオーガニックなのかについては触れられておらず、断念していましたが、特許を検索したところ、出願されていたので、中身を確認していきたいと思います。

まず、マックスオーガニックの謳い文句を見てみましょう。


オーガニックコスメのニーズが高まり安心な化粧品が充実してきています。しかし、ネイルに関しては例外で、安全やオーガニックに配慮した製品や施術工程がほとんど存在しませんでした。そもそも、ジェルネイルは化学物質がベースになっています。ですから100%オーガニックにすることは不可能ですので開き直っている業界とも言えます。
 
その結果、爪がボロボロになった、ペラペラになったと悩みジェルネイルを休んでいるという方も増えてきました。安全にこだわりたいならネイルは止めるしかない、と考えられていたからです。
  
全ての施術工程で有害揮発性成分をなくし、アシッド=酸性度の高いジェルを不使用としノンアシッドジェルのみを使用し、有害な部分を最大限に減らしました
そしてオーガニック成分を可能な限り増やしました
 
オーガニックコスメにこだわってきた自分自身が、ネイルも安心して楽しみたいという一心から、開拓してきたノウハウです。オーガニックコスメにこだわる方たちに、100%オーガニックではなくても、少しでも多くの安心と安全をお届けしたいと願っています。製品の研究開発は時間がかかるものであり、これからもより良いものへと進化していきます。
 
オーガニックエキスを取り入れ、化粧品許可を受けたオリジナルの国産オーガニックジェルネイルを開発し、ネイル施術の全行程内でジェル以外はすべての製品が100%オーガニック植物性です。これは驚くべき方法です。
ジェルは弱酸性のノンアシッドオーガニックジェル、施術工程においてはアセトン、アクリル、キューティクルニッパーを一切使用しないで非常に美しく仕上げるオーガニックメソッド®の施術。工程は少し手間をかけますが、出来上がりは一般のジェルネイル以上に美しく仕上げることが可能です。抜群にツヤのある仕上がりで、爪の形を美しく整えながら施術を行う方法です。安全にこだわっているカラーも美しくてとても人気があります。
 
・3週間はとれません。
・自分の爪を強く補強でき、いくらでも伸ばせるようになります。
・またアレルギーも起きにくくなります。
※(体質や生活条件等により例外もあります) 


https://www.jelnail.jp/about-organic-nails/

確かに昨今、オーガニックを謳う製品や食品は多くなっている印象を受けます。

オーガニックとは

そもそもオーガニックとはどういう意味でしょうか。


農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法をさします。

オーガニックが広まることにより、人や動植物、微生物などすべての生命にとって、平穏かつ健全な自然環境・社会環境が実現します。

国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。


http://www.jona-japan.org/about/

なんとなく「オーガニック」と聞くと、良いもののようなイメージですが、もともとの意味としては、化学農薬を使わないということのようです。

つまり決して「オーガニック」=「体に良い」という意味ではありません。

でも化学農薬を使わないのだから、体に良いのでは?という意見もあると思います。

化学者からすると、この世のすべての物質は「化学物質」であって、天然だから良い、人工だから悪いといった認識は間違っていると思います。

少し話がそれて申し訳ないですが、少し前にはちみつを赤ちゃんに食べさせてしまったというお話がありました。

もちろんはちみつは天然物です。

しかし実は毒性もあります。

あまりにも小さい子はその毒に対する免疫がない為、はちみつを食べるとむしろ健康を害してしまいます。

一方漆はどうでしょうか。

漆は皮膚に付着するだけでかぶれてしまうものです。

もちろん漆も天然物ですが、それは安全と言えるでしょうか。

そうした特定の危ないものだけを挙げて、天然物は安全ではないというのは確かにフェアではないかもしれません。

しかし一方ですべての人工的に作られた化学物質が悪とも言えないのではないでしょうか。

医薬品のほとんどは人工的に作られたものですが、それらは人々の生活を健やかに保つのに大きく貢献しているのではないでしょうか。

農薬も同じです。

単に生産者の怠慢で農薬を使うわけではありません。

もちろん安定的に生産し供給するという大事な面も農薬は担っています。

また何でも無農薬やたい肥農法を使えばよいというものではありません。

例えばたい肥農法にしても、よく使われるのは牛糞です。

糞には大腸菌など人間に害のあるものも含まれています。

こうした菌をしっかりと殺してから使わなければ、たい肥農法は逆に菌をまき散らすだけの農作物を作るだけになってしまいます。

そうした管理がちゃんとされたうえでのオーガニック製品なのかを私たちはどのように確認できるのでしょうか。

それは販売する者の責任で購入者は目隠しで選んでもすべて安全なのでしょうか。

闇雲に「オーガニック」だからというのは、少なくとも間違いであるということは是非とも覚えておいてほしいです。

マックスオーガニックの特許

話が大きく逸れてしまいましたが、マックスオーガニックが謳うオーガニックジェルネイルについて確認したいと思います。

【 請 求 項 1 】
  植 物 油 、 動 物 油 、 及 び 精 油 か ら 成 る 群 よ り 選 択 さ れ る 栄 養 成 分 を 含 む 光 硬 化 性 ジ ェ ル ネ イ ル 用 ジ ェ ル で あ っ て 、 前 記 栄 養 成 分 の 総 量 が 0 . 5 体 積 % 以 上 5 体 積 % 未 満 で あ り 、 カ ラ ー ジ ェ ル 又 は ト ッ プ ジ ェ ル で あ る 光 硬 化 性 ジ ェ ル ネ イ ル 用 ジ ェ ル 。

【 0 0 0 8 】
  本 発 明 の 光 硬 化 性 ジ ェ ル ネ イ ル 用 ジ ェ ル は 、 植 物 油 、 動 物 油 、 及 び / 又 は 精 油 を 0 . 5 体 積 % 以 上 5 体 積 % 未 満 の 量 で 含 む こ と を 特 徴 と す る 。 以 下 、 本 明 細 書 に お い て 、 植 物 油 、 動 物 油 、 精 油 、 及 び こ れ ら の 2 種 以 上 の 混 合 物 を 「 栄 養 成 分 」 と 記 載 す る こ と も あ る 。
【 発 明 の 効 果 】
【 0 0 0 9 】
  栄 養 成 分 を 0 . 5 体 積 % 以 上 5 体 積 % 未 満 の 量 で 含 む こ と に よ り 、 爪 や 皮 膚 へ の ダ メ ー ジ を 低 減 し 、 且 つ 、 ジ ェ ル ネ イ ル に 用 い る 上 で 必 要 と さ れ る 特 性 を 備 え た ジ ェ ル と す る こ と が で き る 。

特許第6483316号

どうやら植物系のオイルを含ませたジェルネイルのようです。

オイルを含ませたジェルネイルと言えば、数年前にこんな特許もありました。

【 請 求 項 1 】 ア ロ マ オ イ ル が 、 5 ~ 7 % の 量 ( 体 積 ) で 添 加 さ れ た こ と を 特 徴 と す る 、 光 硬 化 性 の ベ ー ス ジ ェ ル 組 成 物 。

【 請 求 項 2 】 前 記 ア ロ マ オ イ ル が 、 フ ラ ン キ ン セ ン ス 、 ロ ー ズ ウ ッ ド 、 イ ラ ン イ ラ ン 、 ゼ ラ ニ ウ ム 、 ラ ベ ン ダ ー 及 び テ ィ ー ト ウ リ ー か ら な る 群 か ら 選 択 さ れ る 請 求 項 1 に 記 載 の ベ ー ス ジ ェ ル 組 成 物 。

公開特許公報2016-27011

この特許は5~7%のアロマオイルを含むジェルネイルについて言及しています。

この先行技術がある為に、5%以上オーガニックジェルネイルではオイルを配合できなかったと考えられます。

これが先願主義や特許戦争と言われる話題です。

公開特許公報2016-27011の方が先に出願されているため、オーガニックジェルネイルでは、その技術を避けてしか権利を確保することができません。

厳密にいえば、先行技術はアロマオイルに限定されている為、アロマオイルと言えないオイルであればこの権利の範囲外ともいえそうですが、アロマオイルの規定は明細書中に記載されていることに基づきます。

しかし見てみると、その明細書中にはあまり列挙されておらず、どこまでがオイルに該当するか不明瞭だった為、危険回避のために5%未満としたのではないでしょうか。

またSACRAのジェルにはサクラ葉エキスが含まれており、それもオイルと言えそうです。

実際、このサクラ葉エキスがどこのくらい含まれているのかは分かりませんが、もし0.5%以上含有しているとなると、公知技術としてオイルをその量含ませることができることになり、もしかするとマックスオーガニックのこの特許は無効になるかもしれません。

オイルを含むベースジェルの効果

では実際にオイルを含むジェルネイルにどのくらいの効果があるのでしょうか。

アクリレートモノマーは重合してポリマーになる為、重合したアクリレートモノマーは溶出してくることがありません。

一方こうしたオイルは重合することがないので、ポリマー中に単に担持されているだけになります。

つまりどことも繋がりがないので溶出してくる可能性があります。

特にお風呂などでジェルネイルが温まり、ガラス転移温度を超えたりすると、その担持性は恐らく低くなり、オイルが溶出してくることは想像に難くありません。

となると、ジェルにオイルが含まれることで、せっかくプレパレーションで油分除去をしたところに、再度オイルを塗るようなことになり、ベースジェルと爪の接着面積が少なくなることから、ベースジェルの持ちは悪くなるように思います。

加えて、重合させる時には存在していたオイルが、後にお湯などで抜けてしまうと、そこは空洞になる為、水分なども入りやすくなります。

その結果、グリーンネイルなどの爪の病気にもなりやすいのではないでしょうか。

ジェルネイルはできるだけ重合度を高くして、しっかり硬化させることが重要であると考えます。

そこに重合しない成分や、むしろ重合を阻害しそうな成分をいれることは、すべてにおいてデメリットのように感じます。

一方、そういった植物オイルを入れることで、95%が元々のジェルネイルと同じであったとしても、ネーミングとして「オーガニック」を謳い、あたかも安全そうに振る舞うのは、セールスとしては上手いと感じます。

ジェルネイルを選び、使い、そしてその良い影響も悪い影響も、お客様に与えるのはネイリストです。

そしてセルフの方も、選び、使い、そして良い影響も悪い影響も受けるのは自分です。

選び・使うということは責任があるということです。

市販されているものはすべて安全で、問題のないものだけでは残念ながらありません。

良いものを選ぶ力をぜひつけて頂いて、良い製品を長く楽しんで頂ければ幸いです。

その一助となれるように私も惜しみなく知識を提供させて頂きたく存じます。

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サロンオリジナルのジェルネイルは作らないほうが良い

サロンオリジナルのジェルネイルの作り方

最近は少し下火ですが、一時、サロンオリジナルのジェルネイルを作りたいという要望がすごく多かったので、もし作ろうと思っている方がいらっしゃれば、ぜひ読んで頂いて、参考になれば幸いです。

サロンオリジナルを作る方法は、大きく分けて二つあります。

一つは、ジェルネイルを製造するメーカーに直接お願いする方法。

もう一つは、ジェルネイルの製造を手掛ける商社などにお願いする方法があります。

ジェルネイルを製造メーカーとなると、何度がこのブログでも紹介している「松風」「スリーボンド」「サクラクレパス」がそれに当たると思います。

資生堂や富士フイルムも確かにジェルネイルの特許は出ていますが、恐らくまだ作ってはないのではないでしょうか。

一方、ジェルネイルの製造を手掛ける商社となると名前を挙げるのが難しく、化粧品コンサルティングの会社などがそれに該当するのではないでしょうか。

所謂OEM製造にあたります。

本来の意味では、OEMは自社で配合決定したものを、製造だけ委託することなので、正しくはODMに近いかもしれません。

ODMは配合決定までをお願いするような意味あいが強いです。

オリジナルジェルネイルのコスト

作り方が何となく見えたところで、気になるのはそのコストかと思います。

ざっくり、一個あたり300円くらいが目安だと思います。

中国製の変なジェルネイルであれば一個あたり150円とかもあるかもしれませんが、クオリティはご存知の通りです。

また色も、日本人はベージュやピンク系かつソフトやグレーイッシュなものが好みですが、中国のラッキーカラーは真っ赤と黄金です、大きな完成の違いがあります。

話を戻して一個あたりのコストが300円程度なのはサロンの経営からすると非常に魅力的に思えるはずです。

今どちらのジェルネイルを使用されているかにもよりもますが、プリジェルでも1000円弱することを考えると、単純に材料費が1/3になります。

材料費のコスト削減とみても良いですし、カラーバリエーションのストックを3倍に増やせると考えても良いかもしれません。

それをうたい文句に集客できればそれはそれで経営的にメリットがあることだと思います。

オリジナルジェルネイルのメリット

オリジナルジェルネイルのメリットはまだあります。

何よりものメリットは、よく出る色を好みの色で作ることができることです。

もう少し赤ければ、もう少し黄色ければ、といったことがあると思います。

また塗り心地ももう少しなめらかでレベリングが良ければ、など希望があるのではないでしょうか。

そうした場合に、そのような希望がかなうかもしれないのがオリジナルジェルネイルです。

対応するメーカーにもよるかもしれませんが、そのブランドオリジナルの配合で作ってくれる場合もあると思います。

そうすればどのようなテクスチャのジェルネイルが好ましいかを伝えることで、それに近いものが出来上がってきます。

LEDで5秒で硬化させてほしいといった要望にも応えてくれるかもしれません。

オリジナルジェルネイルのデメリット

それでもオリジナルジェルネイルをお勧めしないのにはいくつか理由があります。

まず初期投資が必要です。

一色250個買ったとして、300円×250個=75,000円

20色つくったとしても、1,500,000円です。150万円。

決して安くない初期投資です。

更にその250個は少なくとも2年くらいでは使い切らなければなりません。

化粧品は実は知られていないかもしれませんが、使用期限が製造後3年程度とされています。

3年未満の場合は、使用期限を記載する必要があります。

高温多湿な環境に置いておくとジェルネイルも劣化してしまう可能性もあります。

硬化してしまったり、顔料が退色したりといった問題もみられます。

そういったリスクもあって、オリジナルジェルネイルは、初期投資に見合ったメリットを回収できない可能性が高いです。

個人経営のサロンでは非常に難しいでしょうし、何店舗が経営されているサロンであれば、まだ可能性はありますが、日々あたらしい色が出てきたり、トレンドのあるジェルネイルにおいて、数年単位で同じ色を使い続けることは難しいと思います。

メリットデメリットを比較して、メリットが大きいと感じられれば、ぜひオリジナルジェルネイルを試してみてはいかがでしょうか。

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硬化熱のないジェルネイルがとうとう開発された?!

ジェルネイルの硬化熱とは

ジェルネイルをされたことがある方ならば、恐らく誰しもがジェルネイルの硬化熱で熱い思いをされたことがあると思います。

私も開発段階で、特にハードジェルを作って欲しいという依頼があった時に、多官能アクリレートを多く入れた組成を検討し、自爪に塗ってLEDライトで硬化させた時に、ライトから勢いよく手を引っこ抜き、悶えるほどの痛みを経験したことがあります。

カラージェルではあまり感じることのない硬化熱ですが、爪に近いベースジェルや、厚みを持たせることの多いトップジェルでは硬化熱を感じることが多いと思います。

ジェルネイルの硬化は、化学反応です。

化学反応は、多くの場合熱力学にコントロールされています。

つまり熱が発生するということです。

例えば、カイロなどは鉄粉と酸素との化合(酸化)によって酸化鉄になることにより、熱が発生しし、温かく感じます。

これと同じようにジェルネイルも硬化する際に、アクリレート基の二重結合同志がラジカル種によって結合する時に熱が発生します。

つまりアクリレート基が結合する分だけ熱が発生します。

アクリレート基の結合は多ければ多いほど硬化後に硬いジェルネイルが得られます。

硬さを必要とするトップジェルには多くのアクリレート基が含まれており、更に厚く盛る為、使用するトップジェルも多くなり、含まれるアクリレート基も多くなって、結果として異常な熱さを派生させることに繋がっています。

しかしトップジェルからアクリレート基を減らすと、硬化後に柔らかいトップジェルとなってしまい、傷がつきやすい、艶が出にくいなどの問題が起きます。

なので各メーカーはそのバランスを考えながら、トップジェルの設計をしています。

硬化熱を減らすためにできること

今あるジェルネイルを使って硬化熱を減らすことはできるでしょうか。

答えはイエスです。

先ほど述べた様に、トップジェルで特に熱いと感じるのは、盛る為です。

美しい見た目のジェルネイルにするためにはハイポイントを作る必要もありますし、爪がガタガタの人の場合、ベースジェルですべてを埋められれば良いですが、埋めることができなかった場合、カラージェルにもそれが反映され、結果的にトップジェルでその段差を埋める必要があるかもしれません。

更にラメ系のカラーを使った時にはカラーがボコボコになりやすく、またストーンなどを埋めた時には顕著にその付近にトップジェルを沢山使う必要があります。

ではどのように減らすことができるのかと言うと、一度に使うトップジェルの量を減らすことが一番の手です。

ストーンを埋めるのであれば、まずストーン周りだけ止めてしまい、次に薄く全体にトップジェルを乗せ、最後に段差を埋めるようにトップジェルを更に掛けるといった方法が考えられます。

または通常のカラーであっても、まずはカラージェルの保護として薄くトップジェルを乗せ、硬化後そのあとでハイポイントを作るようのトップジェルを乗せるような方法が好ましいです。

しかし、こうした方法はセルフネイラーであればできるかもしれませんが、時間との勝負があるサロンワークにおいては難しいと思います。

そこでサロンワークでは、低照度のライトと高照度のライトを使い分けることをオススメします。

具体的には、6W程度のLEDライトでまず硬化させ、続いて32WLEDなどを用いてしっかり固めるのが良いと思います。

32WLEDライトに1秒だけ入れるといった手法もなくはないですが、それでもその瞬間に硬化は始まるので、熱さを感じることは大いにあり得ます。

ネイル用のライトが、6Wモードと32Wモードのどちらも携えていて、仮硬化に5秒だけ6W照射とかできたら良いと思います。

ぜひ各メーカー様、そのアイデアでライトの製造お願いします。

ネイルラボを運営する松風から硬化熱の少ないトップジェルの特許が申請されていた

トップジェルの硬化熱は研究者として、何とか下げたい気持ちでいっぱいですが、艶や硬さとのトレードオフであることを考えるとできることが少ないというのが現状でした。

アクリレート基の結合だから発熱が大きいのであって、アクリレート基でなければ硬化熱が少ないのではないか?と考えられて近年ジェルネイルでも取り入れられているのがチオールです。

チオール(SH)とはアルコール(OH)のO(酸素)がS(硫黄)に変えられたものです。

硫黄はご存知の通り、温泉などにも含まれているところがあり、独特の匂いがあります。

チオールもまた独特の匂いがあり、決して良い匂いとは言えません。

ただアクリレートも匂いがあるので、配合率によってはそこまで気づくほど臭いの匂いがするということもありません。

このチオールを配合することで、トップジェルの硬化熱はぐんと下げることができます。

松風から申請された特許は、

【請求項1】 (A)1分子内に、少なくとも1個以上の(メタ)アクリレート基、及び少なくとも1個以 上のウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー (B)1分子内に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物 (C)(A)成分及び(B)成分に該当しない、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合 を有するラジカル重合性化合物 (D)光重合開始剤 (E)連鎖移動剤、 を含有することを特徴とする光硬化性人工爪組成物。

といった第一クレームになっており、チオールが含まれていることがわかります。

加えて、連鎖移動剤がミソです。

松風の申請された特許によると、

 光重合促進剤を使用する場合の含有量は、用いる光重合促進剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、(A)~(C)成分の合計を100重量部として、通常は0.1~5. 0重量部とすることが好ましく、特に0.1~2.0重量部とすることがより好ましい。 これらかかる範囲内に設定することによって、さらに優れた表面硬化性や内部硬化性を発 現すると共に、低い黄変性を有するという効果を得ることができる。

これら連鎖移動剤の添加量は(A)~(C)成分の合計を100重量部として、0.001~1 .0重量部であることが好ましく、また、特に0.01重量部以上0.5重量部以下であ ることが好ましい。これらかかる範囲に設定することによって、さらに光重合に伴う硬化熱による熱痛を低減する事ができ、機械的強度が担保される。

とされています。

表面硬化性が良くなることで、ふき取る未硬化成分が少なくなり、皮膚への付着の可能性も減りますし、艶が出ないといったリスクも減らすことができます。

もしかするとチオールの反応は酸素による重合阻害を受けない為、ノンワイプトップとして使うことができるかもしれません。

サクラクレパスからチオールを含むジェルネイルの保管安定性について特許が申請された

このようにチオールを使ったジェルネイルはいいところばかりのようにも見えますが、大きなデメリットもあります。

チオールはチイラジカルを経由して反応しますが、ラジカル重合というより、付加重合であり、光重合開始剤を必要としない反応です。

つまり保管中に暗所であっても、重合が進む可能性があります。

店頭で、または倉庫で保管しているだけでも重合してしまう可能性がありますし、購入した時に問題なくても、購入後に硬化してしまう可能性もあります。

また反応は基本的に高温化で促進されるため、夏の暑い日に家に置きっぱなしにしておいたり、直射日光のあたる位置にあるだけで温度があがり、硬化してしまう可能性もあります。

そういった危険性をサクラクレパスは懸念してか、チオールを含むジェルネイルの保管安定性に関する特許を申請していました。

 多官能チオール化合物、及びtert-ブチルヒドロキノンを含有し、該tert-ブチルヒドロ
キノンの含有量が300~4,500ppmである光硬化性人工爪組成物。

上記のように、公知の光硬化性人工爪組成物は、硬化性に優れ、かつ塗布し硬化した後
の特性に優れるものである。しかしながら、光硬化性人工爪組成物入り容器を一旦開封す
ると、通常は使い切るまでに長期間を要するので、その保存期間を経過するにつれて、内
容物である光硬化性人工爪組成物が少しずつ硬化
する。その結果として、光硬化性人工爪
組成物の粘度が高くなり、塗布性に劣り、ひいては、十分に綺麗に塗布することが困難に
なる。
 本発明は、このような支障の発生を防止するために、一旦開封した光硬化性人工爪組成
物入り容器を長期間にわたって保存しても、硬化することがなく、粘度が上昇して、塗布
性に劣ることがない光硬化性人工爪組成物を得ることを課題とする

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成物からなる光
硬化性人工爪組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。

これがまた面白いことに、先の松風の特許は2017年6月22日に申請されており、このサクラクレパスの特許は2017年8月10日に申請されています。

つまり同時期に同じような研究を二社はしていたということです。

それほどその技術がトレンドであったのか、実は同じようなコンセプトの製品開発をしていたのか、または実は共同研究状態で、松風にサクラクレパスが技術提供をしていたのか定かではありませんが、非常に興味深いです。

昔はシャイニージェルからサクラクレパスのジェルネイルが販売されていましたが、今現在ジェルネイルがサクラクレパスからは販売されていないので、松風と共同研究をしており、松風からネイルラボ・プレストブランドで製品が発売されている可能性があると思います。

二社の協業により、硬化熱がなく、保管安定性の高いトップジェルが発売されることを楽しみにしましょう。

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ジェルネイルの硬化時間はどのように決められているか

ジェルネイルの硬化時間

最近のジェルネイルはLED対応のものがほとんどで、その硬化時間は10秒や20秒と記載されているものが多いです。

またUVライトを使う場合は1分~2分と記載されているものが多いと思います。

これらの時間は、どのように決められているのでしょうか。

ジェルネイルにはJIS規格やISOといった決まった試験がありません。

JIS規格は名前を聞いたことがある人も多いと思いますが、下記のように記載されています。

日本工業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のことです。自動車や電化製品などの工業製品生産に関するものから、文字コードやプログラムコードといった情報処理に関する規格などもあります。

標準には、強制的なものと任意のものがあり、一般的には任意のものを「標準(=規格)」と呼んでいます。標準化の意義は、自由に放置すれば、多様化・複雑化・無秩序化してしまうモノやコトについて

経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)
生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)
公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)
技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)
安全や健康の保持
環境の保全等


上記の観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」または「単純化」することです。

一例ですが、トイレットペーパーのサイズは日本のJIS規格によって標準化されています。114mmと決められています。真ん中の空洞部分の直径は38mmのものが主流です。直径はロールの状態で120mm以下と定められています。この標準化により、日常生活でどこのメーカーの商品を買ってもホルダーに取りつけることができ、困ることなく使用することができます。

というように、共通の規格といったものがジェルネイルにありません。

つまり硬化時間も各社独自の判断で決められています。

もっと言えば、商品開発をしている研究やマーケティング部の人が「20秒くらいで固まるんじゃない?」と言って、決めてます。

ベティジェルクリスタルトップの硬化時間が変更

ネイルパートナーのサイトを見ていると、ベティジェルクリスタルトップの硬化時間が変更になっていました。


「ベティジェル クリスタルトップ」の硬化時間の表記が以下のとおり変更になりました。

【LED】10~30秒 → 30~60秒
【CCFL】1分 → 1~2分
【UV】1分 → 1~2分

※塗布量や色味によって長めに時間を調節してください。

こういうことが起きる背景にはいくつか考えられることがあります。

1つ目は、ベティジェルの担当者がベティジェルに最適なライトを用いて検証し、その時の結果が短い20秒や1分だった場合です。

その結果を以って、パンフレット等に記載してしまったが、サロン等から1分や20秒で固まらないといったクレームが上がってきたのではないでしょうか。

そして別のライト等で試したところ、固まらないことが分かり、記載する時間を伸ばしたのではないでしょうか。

2つ目は、組成変更による規格変更です。

硬化を早めるために光重合開始剤を多く入れることがあります。

ただそれは諸刃の剣で、光重合開始剤を多くすることにより、硬化後に黄色に変色したりすることがあります。

また硬化速度も上がる為、重合熱も多くなり、熱いと感じるリスクもあります。

そういったクレームがサロン等から上がり、見直したりしたのではないでしょうか。

ただ、こうした組成変更を行った場合、本来化粧品販売届け出をし直さなければなりません。

たとえ記載されている全成分表示が変わらなくても、本来成分量が変われば届け出をし直さなければなりません。

配合量の変更により、全成分表示の順位が入れ替わっている場合はもっての他です。

製品を確認していないのでたしかなことはわかりませんが、おそらくベティジェルは販売届け出をし直していないのではないでしょうか。

そうなった場合、配合が前のモノと後のモノを見分けるのはロットだけになり、どちらの成分か同定するのは非常に難しくなります。

硬化時間はあくまでも目安

これまでにご説明してきた通り、硬化時間はメーカーの担当者の一存で決まります。

特に決まった試験方法もなく、各社で共通化された試験もないため、どの状態を硬化したと判断するかもそれぞれです。

また試験に使われるライトもそれぞれのメーカーに推奨のものがまず対象となります。

例えば32W LEDライトと一口にいっても、4Wが8個なのか、0.5Wが64個なのかで全く異なります。

そうした違いも考慮しなければなりません。

硬化時間はあくまでも目安としてお考え下さい。

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安全性 材料

白い容器のジェルネイルは、中身が硬化しているかもしれない

ストーリージェル365ボンダー容器の変更

ストーリージェル365から販売されているボンダーの容器が白から黒に変更になるそうです。

一体なぜでしょうか。

ストーリージェル365のオフィシャルwebサイトを見ると、


ボンダー
爪とジェルの密着性を高めるためのジェル用下地剤。
酸を含んでいないため、爪に優しいボンダーです。

硬化して使用するジェルタイプのプライマー。

5ml/¥1,790 [17-90]
LED硬化時間30秒 / UV硬化時間120秒

https://www.storyjel365.com/product

つまりストーリージェル365のボンダーは、ベースジェルと同じように光で硬化する樹脂と言えそうです。

そうすると、光が容器を透過してしまうと、中身が硬化してしまう可能性があります。

おそらくストーリージェル365のボンダーも、蛍光灯の下で保管されていたりすると、容器を光が透過して、粘度があがったり、糸引きが見られたりするようになるのだと思います。

ボンダーに含まれる光重合開始剤に光があたり、ラジカル種が生成され、密着性モノマーが重合して、そういった状態になると考えられます。

そうなると、密着性モノマーの分子量が上がってしまうので、爪へ浸透しなくなり、密着性が失われてしまいます。

つまりボンダーとしての効果を発揮できなくなります。

白い容器には要注意

白い容器は見た目にとても良く、清潔感などを与えます。

なので、各メーカー様も最初に白い容器で商品化したいと仰られることが多いです。

白い容器とはつまり、ガラスであれば、スプレー等で白い顔料(多くの場合酸化チタン)を吹き付け、白くしています。

プラスチックであれば、同様に白い顔料を樹脂に混ぜ成型したものになります。

酸化チタンは、日焼け止めなどにも使われることもあるくらいには、光を反射する性質があります。

ホワイトのカラージェルがUVライト等で硬化しにくいことを体験された方も多いのではないでしょうか。

ただ酸化チタンの被覆力(下地を覆い隠す力)は白の顔料の中では高い方ですが、黒の顔料と比べると高くありません。

例えば、カラージェルで真っ白のジェルを作ろうと思うと、酸化チタンを10%ほど入れる必要があります。

一方で真っ黒のジェルを作ろうと思うと、酸化鉄を使う場合は4%ほど、カーボンブラックを使う場合は1%も必要ないかもしれません。

それほど酸化チタンの被覆力は低く、酸化鉄やカーボンブラックの被覆力は高いです。

つまりガラス容器にスプレーで白のインクを吹き付けるにしても、高濃度の酸化チタン等が入ったものであれば十分な遮光性が得られる可能性はありますが、一般的には白くなれば良いという考えが当たり前ですので、光を通す通さないという観点はなく、白く見える容器でも光が通るという事態が起きます。

一方黒い容器であれば、被覆力=遮光性と言い換えれるくらいに遮光性が高いので、下地が隠れるくらい吹き付ければ、自ずと光も通らなくなります。

なので、ほとんどのジェルネイルの容器は黒です。

もし白い容器のジェルネイルをお持ちで、もし要らないのであれば、特にクリアジェル系が入ってる場合、蛍光灯などに近づけておくだけで中身が硬化することを確認できると思います。

そこまでしなくても、容器を通して光の明るさが感じられるのであれば、つまりそれは光を通しているということです。

白い容器でもジェルネイルを長持ちさせる方法

それでもお気に入りのジェルが白い容器で売られていて、でも長く使いたい場合にはどうすれば良いでしょうか。

光が当たることで、容器を透過して、ジェルネイルが固まるというメカニズムなので、アルミホイルなどで包んで光が当たらないような状態にする。

または遮光性のある黒いトレーなどで保管するといったことが挙げられます。

いずれにせよ使用されるときには、できるだけ蛍光灯などからも離して使う、LEDライトやUVライトの光が当たらない場所に移動させることが必要です。

そして使い終わったら、すぐに光が当たらないところへ仕舞う。

そうすることでぐっと製品寿命は伸びると思います。

ただし注意点として、この容器を透過してジェルネイルが硬化するのは、お客様の手に渡ったときから始まることではないということです。

つまりTATなどでお買い物された場合には、陳列されていたものをご購入されると思うので、店頭ですでにほぼ毎日蛍光灯の光を浴びた製品となっています。

インターネットで購入する場合も、どのような状況で保管されているのかわからないため、同じだと考えて良いです。

倉庫等で毎日光があたっているかもしれません。

買った直後なのに、なんとなくどろっとしている、糸引きがある場合にはもう重合が始まっている可能性があります。

つまり製品の性能が発揮されない状態にあるので、使っても効果はないかもしれません。

そういった場合にはすぐにクレームに出して、交換してもらうのが一番だと思います。

私としては白い容器に入ってる製品はおすすめできません。

なぜならば、その製品を売り出したメーカーは、それだけ製品の安定性などを考えずに、見栄えだけの為に白い容器を選んでいるからです。

つまり売れれば良い、と考えていると言い換えれると思います。

または気づいてなかったと申すなら、それだけ見通しが甘く、知識も乏しいメーカーということです。

そんなメーカーに良い製品が作れるでしょうか。

白い容器を採用しているジェルネイルにはご注意を。

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ミスミラージュ 安全性 材料

ミスミラージュ ETトップジェル 一部商品に欠陥

ETトップジェルの欠陥とは

度々化粧品に見られる回収ですが、今回はミスミラージュにて起きたようです。

対外的な発表としては、

「ミスミラージュ ETトップジェル」が原材料メーカー変更に伴う検品不備のため、一部商品がソークオフではなくセミハードであった。溶剤等でオフをするのが困難なため、該当商品を回収・交換。

とされています。

つまり、オフしようと思っても、いくらアセトンにつけていても、セミハードなのでほとんどオフできない状態になってしまうようです。

そうするとトップジェルを削るしかなく、サロンワークや慣れたセルフネイラーの方であればできると思いますが、あまり慣れていない方であれば、爪ではなく皮膚を削ってしまったりする可能性があるので、扱いづらいと思います。

そうして指に傷などを作ってしまうことにより、アセトンでさらにオフしようとすると、アセトンが染みて痛いといったことが考えられます。

それ以上に悪いことは、皮膚は外敵から身を護る為にあるので、削ったりしてしまうと、そこからアセトンに溶出したモノマーが皮膚に侵入し、炎症を起こす、またはアレルギーを引き起こす可能性も高くなります。

皮膚は厚みがあるとはいえ、その構造は同層の積層ではありません。

最表層に少し硬い身を守る層があり、その少し下には柔らかい層があります。

一見、同じ皮膚のように見えますが、削ってしまって、肉が見えていなくても、もちろん血がでていなくても、身を護るはずの最表層はいなくなってしまっているので、いろんなものが浸透しやすくなります。

それは決して良いことばかりではなく、むしろ悪いことのほうが多いのでご注意下さい。

原材料メーカーの変更

ジェルネイルはウレタンアクリレートオリゴマー、アクリレートモノマー、光重合開始剤の大きく分けて3つで構成されています。

今回のETトップジェルはソークオフタイプからセミハードになってしまったということで、物理的な物性が変わっているようです。

つまり物理的物性に大きな影響のある成分が変更されたと考えられます。

そうするとアクリレートモノマーかウレタンアクリレートオリゴマーのどちらかであると考えられます。

ウレタンアクリレートオリゴマーの日本国内のサプライヤーはそれほど多くなく、数社ほどです。

アクリレートモノマーも同様で数社ほどですが、ウレタンアクリレートオリゴマーは、各社それぞれ特徴をもたせた構造となっている場合が多いです。

ウレタンアクリレートオリゴマーはその名前の通り、「ウレタン」と「アクリレート」が「オリゴマー」になった構造です。

「ウレタン結合」と「アクリレート末端」を持ち、分子量が少し大きいものをウレタンアクリレートオリゴマーと読んでいます。

どのようなウレタン結合をいくつもたせるか、その間を何で繋ぐか、アクリレート末端をいくつ持たせるかなどによってその性質が変わります。

つまりバリエーションが非常に多いです。

そうすると、あるメーカーのウレタンアクリレートオリゴマーを購入していたとして、原材料を変更したいとなっても、同製品を作っているメーカーはない可能性が高いです。

例えると、ウレタンアクリレートオリゴマーは「テレビ」であり、アクリレートモノマーは「液晶パネルや外側のプラスチック」とも言えます。

東芝のテレビ、シャープのテレビ、ソニーのテレビと同じテレビは別のメーカーからは出ていないはずです。

一方、それに使われている液晶はもともとはシャープですべて製造されていたり、またはLG製だったりと意外と遡ると同じサプライヤーであることもあるかもしれません。

そうなってくると、ETトップジェルの原材料変更はアクリレートモノマーかもしれません。

アクリレートモノマーであれば、同じ構造のものをいくつものメーカーが作っているので、切り替えが容易です。

一方、それだけ構造が明らかで同じようなモノにはなるので、切り替えたところで物性が大きく変化するとも思えません。

同じような構造と思い、ウレタンアクリレートオリゴマーを分子量違いとかで変えたとなれば、ソークオフできたものがセミハードになるなどは理解できます。

どちらかは掴みきれませんでした。

そもそもソークオフやセミハードとは

私もジェルネイルを作る仕事をしている中で、ソークオフなのか、セミハードなのかということを考える機会があります。

厳密に言えば、ソークオフかセミハードか、といったことに定義はありません。

強いていうなれば、ソークオフとは15分ほどアセトンに浸けていおいてウッドスティック等で容易に剥がせるものとなるでしょうか。

ではいったいセミハードとはなんなのか。

ハードではない、でもソフトでもない、それがセミハードなのでしょうか。

ではいったいどれくらいハードより柔らかければ、またはソークオフより硬ければセミハードなのでしょうか。

これはそれぞれの人の感性によるところです。

ある人はアセトン15分漬けて、見た目に変化がなくても、メタルプッシャーで押せばもろもろとトップジェルが削れる状態であればソークオフできていると言うでしょうし、

ある人はアセトン15分漬けて、トップジェルからベースジェルまでつるんと剥がせる状態がソークオフできていると言うでしょう。

ではこのセミハードとはいったいなんのことを指しているのか、私にはわかりません。

メーカーの担当者が「これはセミハード」といえば、セミハードになりますし、「ソークオフ」といえば、ソークオフとして売り出されます。ただそれだけです。

A社のセミハードとB社のセミハードでは硬さが全く違い可能性があるということです。

ある意味、とてもいい加減な指標とも言えます。

とはいえ、ミスミラージュは一体なにをしているのか

というのが、私の本音です。

研究者として、もし原材料を変更するとなれば、ほぼすべてのテストをし直します。

たとえばトップジェルであれば、粘度、レオロジー、トポロジー、硬化性、色、硬度、オフのしやすさ、拭き取りのしやすさ、艶の出方、保管安定性など様々なテストが必要です。

同じようであっても、製造工程で入ってくる触媒が異なる、または原料由来でなにか微量成分が入ってくるということがあっても、最終製品に性能差が出てくる可能性があります。

例えば具体的には、重合禁止剤などが挙げられます。

重合禁止剤はその名の通り、重合を抑制するものです。

サロンワークでライトの下でジェルネイルを扱うとなると、そのライトで硬化してしまってはいけません。

また作業性の面から、容器を開けたまま作業される方もいらっしゃると思います。

そうなるとずっと光に当たることになり、本来であれば硬化してしまいますが、この重合禁止剤を入れることで弱い光にあててもすぐには硬化しないようにできています。

一方でこれは諸刃の剣で、LEDライトやUVライトで硬化させたいときにも硬化させにくくもします。

たくさん重合禁止剤を入れてしまうと、硬化しなくなることがあります。

もともとの原材料よりも変更後の原材料の重合禁止剤が少なければ、環境光で硬化してしまう、または出来上がりの物性に差がでるといったこともあります。

そういったところまで吟味しなければ原材料の変更はできません。

ミスミラージュもそういったところまでちゃんと確認していれば、こうした回収にはならなかったのではないでしょうか。

いつもながらですが、たったこんな簡単な確認ですら行えない(時間的に?人的に?)のであれば、より難しい安全性に関する確認など行えるのでしょうか。

他の会社も同じような原材料使って売ってるし、うちも大丈夫だろうで販売しているような気がしてなりません。

またはそれを考えるのは研究の仕事でしょう?と思っていらっしゃるかもしれません。

その研究は社外の可能性があります。(OEMやODM)

製品供給してきているんだから、そっちで安全を担保できたものだけと勝手に思い込んでいるかもしれません。

製品の最終的な安全を担保するのは、「製造販売元」です。

もちろん契約上、何かあった場合に負債を分け合うや過失割合に応じて支払うといった条項を定めている可能性はありますが、いずれにせよメディア的に矢面に立つのは、「エースジェルの件」同様に製造販売元です。(あのときはネイルパートナーでした)

誰かの健康を損なう可能性があるような製品を、「売れるから」「ビジネスだから」という理由で確認もろくにせずに販売していませんか。

ジェルネイルを購入する際には、価格や色、性能だけでなく、こうしたことも考える必要があるかもしれません。

賢者の選択を。

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セルフネイル 安全性

セルフネイルを長く楽しむための3つの秘訣

セルフネイルを楽しみましょう

セルフネイルは、ご自宅でネイルを楽しまれることです。

ネイルは従来のマニキュアを含み、ジェルネイルのことも含みます。

ここではジェルネイルのセルフネイルについて書かせていただきます。

マニキュアやペディキュア、つまり乾燥させることが必要なタイプのネイルは数日すると欠けたり、削れたりしてしまいますが、一方で手軽といったメリットがありました。

ジェルネイルはそのメリットとデメリットが真逆で、3週間から一ヶ月ほど見た目に大きな変化なく持ちますが、一方で少し知識が必要です。

そこで少し二の足を踏まれてジェルネイルに挑戦されていない方も多いのではないでしょうか。

道具を揃える必要などがありますが、ジェルネイルも基本的には普通のネイルと一緒なので、是非、少しでも興味があれば挑戦してみて下さい。

セルフジェルネイルを楽しむために必要なもの:まずは筆

セルフジェルネイルを楽しむためには、マニュキュアのように、その材料だけを買ってくれば良いというものではありません。

まず、その材料が刷毛付きキャップのマニキュアと似たような形状のものであれば、筆は必要ありませんが、もしコンテナタイプのものであれば、筆が必要になります。

ジェリッシュ 刷毛付きキャップ
ベティジェル コンテナタイプ 筆が必要

筆にもいくつか毛先の違いで種類がありますが、初めてで慣れていない方であれば、ラウンドカットの筆がおすすめです。

ラウンド筆

少し慣れてきた方であれば、スクエアやアンギュラー、アート筆なども揃えると良いと思いますが、まずはラウンドがあれば良いのではないかと思います。

スクエアではなくラウンドを進める理由は、ラウンドであればキューティクル周りが塗りやすい為です。

ラウンドしていることでキューティクルのカーブに沿ってそのまま塗ることができます。

スクエアであればエッヂを使い、キューティクルの際までジェルネイルを塗ることができるようにはなりますが、はみ出してしまう、指にジェルネイルが付着してしまうといった危険性も上がる為、十分に練習してから使うようにして下さい。

このブログで何度も警告していますが、ジェルネイルが皮膚に付着すると、皮膚炎を発症することがあります。

最悪のケースではアレルギーになり、二度とジェルネイルができない体になってしまう可能性があるので、一度でもジェルネイルを付着させないことが重要となります。

セルフジェルネイルを楽しむために必要なもの:つぎにライト

ジェルネイルはマニキュアのように黙って待っていれば乾燥しさわれるようになるものではありません。

必ず光に当てる必要があります。

光といっても蛍光灯などの弱い光ではなく、近視外光付近の光(365~405nm)を当てる必要があります。

つまりネイル専用のライトが必要です。

ネイルライトには大きく分けて2つあり、UV蛍光灯を利用した365nmの光が出るものと、LEDを利用した405nmの光が出るものと2つあります。

ご存知の通り、LEDは長寿命であることが特徴です。

またUV蛍光灯と比べて出力も強い為、短時間で硬化させることができます。

具体的にはUV蛍光灯では2分硬化にかかるところ、20秒で硬化させることができます。

こう聞くとLEDが全てに優れているようにも見えますが、実はそうではありません。

LEDは強力な光を照射し、一気に硬化させるために、硬化熱と呼ばれる重合による発熱が伴います。

特に爪に直接塗るベースジェルや硬さを出すトップジェルを硬化させる際には、非常に高い重合熱を感じることがあります。

うまく塗れずに厚くなってしまった際には耐えられないほどの熱さを感じることもあるので、注意が必要です。

またLEDライトは1万円くらいか良いものは2、3万円しますが、UV蛍光灯のものは安いもので3000円程度からあるので、最初はUV蛍光灯のものでも良いかもしれません。

ただやはりこちらにもデメリットがあり、光が強くない為に、光が通りにくいカラージェルを硬化させにくいということがあります。

黄色や黒といった濃い色は光を透過しにくい為、一見硬化しているように見えて下の方は硬化していない状態になることがあります。

いずれにせよ、カラージェルも薄く塗り、十分に硬化させることが必要です。

セルフジェルネイルを楽しむために必要なもの:溶剤等

マニキュアを落とすときに使う除光液やコットンがジェルネイルをするときにも必要になります。

まずジェルネイルを塗る前に爪をキレイにするための消毒液等、そしてジェルネイルを落とす為のアセトンです。

加えてあれば良いのは爪表面を整えるバッファと呼ばれるスポンジやすりや、エメリーボードと呼ばれる紙やすり、メタルプッシャーなどです。

ただこれらは適当に使っても逆効果ですし、むしろ皮膚や爪を痛めることに繋がる為、気をつける必要があります。

十分に慣れた、または習ってから使うほうが良いと思います。

セルフジェルネイルを長く楽しむためには?

セルフジェルネイルを始めると、きっと初めは色々なことが大変です。

左手が塗りにくい、はみ出してしまう、すぐに剥がれてしまう、オフがしにくい。

ただこれらは腕が上がらないとどうしようもないことです。

まず長く付いている為には、適切な状態の爪を作る必要があります。

ジェルネイルがある程度浸透し、ジェルネイルの床ができた爪でなければジェルネイルはハジいてしまいます。

はみ出してしまう等はすべて浮きの原因となるので、絶対に避けなければなりません。

キューティクル際まで塗ることよりも、絶対につけないことを目標にしたほうが完成度は高いと思います。

またアセトンでのオフは爪に大きな負担がかかります。

15分以上置いて下さいと書かれているのにもかかわらず、10分で無理やりメタルプッシャーで落としたり、寒い日でも15分のままでしたり、そういうことをすればジェルネイルが十分に取れる状態になる前に落とすことになり、爪を痛めてしまいます。

爪が痛めばそれだけもろくなるので、ジェルネイルも欠けやすくなり、剥がれやすくなります。

寒い日や手が冷たければ20分、30分置くほうが良いでしょうし、できれば10分でもつるんと落ちるようなオフのできるジェルを選んで使うのが良いと思います。

セルフジェルネイルはお金があまりかからないので、おすすめではありますが、その分プロが請け負うはずの様々な責任(病気、怪我、持ち、アレルギー等)も自分にかかってきます。

是非安全に楽しくジェルネイルを楽しんで下さい。

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安全性

フィルインって本当に爪に良いの?

フィルインとは

フィルインは少し前から流行りだしたベースジェルをオフせず、付いたベースジェルをそのまま活かし、カラーを変える方法です。

トップとカラーをマシン等で削ってしまいます。

すると無色透明のベースジェル層が出てきます。

そのベースジェル層も少し削り、薄くしておきます。

その上から新たに伸びたキューティクル側を埋めるようにベースジェルを塗っていきます。

いつものように硬化させ、カラー→トップと仕上げていきます。

つまりアセトン等でのソークオフを行わない、いわゆる「リタッチ」のような使い方になります。

ソークオフしないことのメリット

常々、このブログではソークオフがジェルネイルにとって大敵であることを申し上げてきました。

アセトンは未重合のモノマーをジェルネイルから出してきますし、そうすると、モノマーが指に付着することになります。

それは皮膚炎やアレルギーの原因になります。

つまり、アセトンでオフしないということは、そういったリスクを回避することができるようになります。

これは非常に大きなメリットです。

ソークオフしないことのデメリット

ただし、やはりメリットがある反面デメリットもあります。

それはグリーンネイル等の爪に関する病気です。

ネイリストの資格を取られた方ならお分かりかと思いますが、爪にはたくさんの病気があります。

代表例としてグリーンネイルがあります。

グリーンネイルは緑膿菌とよばれる菌が爪表面で繁殖してしまうことにより、爪がグリーンに見えることから名付けられました。

爪が常に清潔な状態が保たれていればもちろんこういった病気になる心配はありません。

しかしジェルネイルをすると、手を洗う時にもちろん爪は洗えていません。

少しでもベースジェルに浮き等があれば、そこから汚染された水などが入り込み、緑膿菌類が繁殖してしまう可能性があります。

フィルインできるかどうかは、本当にベースジェルが全く少しでも浮いていないことが重要となります。

強力密着ベースジェルの安全性

ベースジェルが爪に密着するためには、いくつかの条件があります。

具体的にはモノマーが爪に入り込むことも重要です。

モノマーが入り込むことで、アンカー効果が生まれ、密着します。

しかしこの入り込むためには分子量(分子サイズ)が重要となります。

できるだけ小さな分子にすることで、爪への入り込みは良くなります。

一方、モノマーが小さくなれば小さくなるほど基本的には皮膚炎やアレルギーのリスクは高まります。

なぜならば、それだけ同じように皮膚へも浸透する可能性があるからです。

代表例として、HEMAやアクリル酸、メタクリル酸などは分子量が小さく、密着性を付与しますが、それだけリスクもあります。

まとめ

ソークオフをしないという観点から見ると、フィルインは素晴らしいアイデアです。

一方、ベースジェルに少しでも浮き等が見られる(目では見えないレベルでも)場合には病気になる可能性があります。

更にフィルインに使用されるような強力密着なベースジェルは、皮膚炎やアレルギーを引き起こすリスクの高いモノマーを使っている可能性があるので、取扱に注意が必要です。

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材料

油分除去はプレップやエタノールではできない

プレパレーション

プレパレーションはセルフネイルを楽しまれている方やネイルサロンで働いている方には馴染み深いものだと思いますが、その油分・ダスト除去をネイルプレップや消毒用エタノールでしていないでしょうか。

プレパレーションとは、甘皮処理をしたり、爪表面の状態をネイルを塗るのに適した状態にすることです。

どれだけジェルネイルの品質・性能が良くても、このプレパレーションがしっかりとできていなければ、その性能を発揮することはできません。

このプレパレーションの作業の中に、油分・ダスト除去があり、そこに多くの場合、プレップや消毒用エタノールが使われています。

これではその本来の目的を全く達成することはできておりません。

ネイルプレップ

ネイルプレップは成分として、エタノール、水、イソプロパノール、着色剤から構成されていることが多いです。

エタノールやイソプロパノールはご存知の通り、アルコールで消毒に用いられます。

エタノールのほうがその効果は強いですが、アルコール過敏の方にはキツすぎる傾向もあります。

そこで少しマイルドなイソプロパノールに一部置換してあります。

着色剤によってサロンワークなどで取り間違えがないようにリムーバーと色分けされていることが多いです。

しかし重要なのは、水です。

消毒用エタノール

消毒用エタノールはおよそ70%エタノール、30%水といった構成比で作られています。

料理の前や手洗いの後によく使われます。

こちらもエタノールが入っているのでアルコール過敏の方は気をつける必要があります。

サロンワークにおいて、アルコール過敏ではないかを事前に確認しておくことは必要だと思います。

注射の前にアルコールでかぶれたことはありませんか?と聞くのと同じように。

私が見てきたサロンでは、一箇所もそういったことを尋ねられたことはありません。

それだけ使われている道具がどういったものなのか、どういった影響がお客様にあるのかについて無頓着すぎると思います。

水の存在

いずれにせよ、ネイルプレップや消毒用エタノールを使う限り水が含まれていることが問題です。

それで爪を拭くことで多少の油は取れますが、水が含まれていることで油は絶対に拭えません。

それどころか爪に水分が残る為、ジェルネイルを塗ると、その水分によって縮んだり、はじいたりすることになります。

ネイルが縮むと悩まれている方は一度このプレパレーションをネイルプレップや消毒用エタノールからリムーバーなどの協力に脱脂できる水の含まれていないものに変更することをおすすめします。

そうすることで油分除去をしっかりすることができ、裸の爪をむき出しにできます。

ただし、前にも申し上げた通り、ジェルネイルをしてきた爪にはすでにジェルネイルが爪に染み込んでいるので、裸にしたところで、残ったジェルネイルとの相性が悪い場合には弾きや縮みがでる可能性があるのでご注意下さい。

まとめ

ネイルプレップや消毒用エタノールには水分が含まれている為、油分除去をしっかりとできない。

それどころか水分が爪に残る為、ジェルネイルのはじきや縮みの原因となる。

ネイルプレップや消毒用エタノールにはアルコールが含まれている為、アルコール過敏の方には使用できない、してはならない。

サロンワークにおいては必ず事前にアルコール過敏ではないかを確認するべき。

縮みが出るお客様にはリムーバーなどの強力なもので油分と水分の除去をするべき。

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安全性

ジェルネイルをすると爪がぺらぺらになるのはなぜか

無理にジェルネイルを剥がすと?

ジェルネイルをされている方ならご存知かと思いますが、ジェルネイルを剥がす為には「ソークオフ」と呼ばれるアセトンを染み込ませたコットンを爪の上に置き、10~15分ほどアルミホイルで包んでおくことをしなければなりません。

そうせずに無理に剥がしたりすると、爪の表層が剥がれてしまいます。

爪は積層した構造をしており、特に表層は脆く、無理に剥がすと簡単に剥がれてしまい、爪が薄くなってしまいます。

それこそサンディングで削れる厚みと比べても、全く異なります。

ソークオフをせずに無理に剥がした時のジェルネイルの裏側、ベースジェル側には爪の表層がついていることがあります。

それほど目に見える層が剥がれてしまうので、それを繰り返すことでどんどん爪は薄くなっていってしまいます。

それが爪がペラペラになる理由の一つです。

爪が乾燥状態になると?

もう一つの理由は、ジェルネイルをすることにより、爪に蓋がされている状態となり、水分や油分の供給がすくなくなってしまいます。

そうなると、爪の中からどんどん水分や油分が抜けていき、カスカスになってしまいます。

結果として、爪がペラペラになるような感じを受けます。

またそうした乾燥状態になると割れやすくもなります。

生爪の時にお風呂にはいると、柔らかくなるのは、熱のせいだけではなく、水分がたっぷり供給されているからです。

ジェルネイルをするとその真逆のことがおきます。

爪を柔らかく、ぺらぺらにしないようにするためには

まずは絶対にジェルネイルが剥がれかけているからといって、無理に剥がしたりしないことです。

ちゃんとソークオフをすることです。

そしてソークオフにつかうアセトンは凄く水や油を吸い取る性質があるので、しっかりと水分と油分を爪に補給することが大事となります。

しかし、すぐにジェルネイルをまたつける場合にはそうすることができないので、施術後に爪根本にオイルを塗って少しでもオイルが爪にはいるようにして下さい。

確かに水分を爪に与えすぎると、今度はベースジェルが剥がれてしまうかもしれないというリスクはありますが、それでも爪がペラペラになってしまうよりは良いと思います。

ベースジェルも日々進化しており、水分にも強くなってきたので、ちゃんとしたジェルネイルを選べば今はもう大丈夫だと思います。

 

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化粧品

化粧品の通販について

化粧品の通販

最近の小売はAmazon等のECが非常に強い力を持っています。

その流れは当然化粧品にもあり、多くの化粧品がECサイトで買えるようになりました。

一昔前までは化粧品売り場で購入されていた方が多かったと思います。

その時にはサンプルなどを試して、自分に合ったもの使っていたのではないでしょうか。

そうした確かめができなくなってしまったことがECのデメリットですね。

ただし販売店を持たないことでコストダウンでき、製品単価が下がったことから、「まあ、合わなくても、この値段なら」と思い、買ってしまうパターンも増えているのではないかと思います。

化粧品の販売の原則

ECサイトは忙しい現代のワーカーにとって非常に便利だと、私も思います。

私もついつい通勤途中にAmazonや楽天等を見てしまい、要らないかもしれないものまでポチっと買ってしまい、買えると宅配ボックスにモノが届いているといった生活をしてしまっています。

安く、重たいものを持って買える必要もなく、お店が閉まっている時間にしか帰れなくても、家に帰れば届いている。

本当に便利です。

しかし化粧品の販売には原則としてルールがあります。

それが成分表示です。

化粧品として販売する限り、外装箱に全成分表示をすることが原則とされています。

小さな容器の場合、外装箱に印刷することができないので、別紙として全成分表示の書かれた冊子を同封しなければなりません。

または手に取れるところに全成分表示が記載された冊子を置かなければなりません。

ところが多くのECサイトでは、全成分表示が記載されておりません。

TATですら、表示されていない

TATですら、この製品が化粧品なのかどうかすら分かりませんでした。

ルクジェルは化粧品だったと思うので、このカラーも恐らく化粧品だと思うのですが…。

もし化粧品であるならば、「化粧品」であることの表示と、全成分表示をしなければなりません。

そうでなければ、手に取る人が安全なものなのか、安全ではないのか、自分にあうのか合わないのか、どうして判断できるでしょうか。

パラジェル、シャイニージェルはECサイトには表示を見つけることができませんでした。

一方レイジェル、プリジェルはしっかりと化粧品であることと、全成分表示がされていました。素晴らしい!

全成分表示をまず確認しましょう

毎度のことながら、全成分表示のルールすら遵守できない企業が、どうして安全性について真摯に取り組めるのでしょうか。

より簡単なルールですら知らないのに、より難しい安全性に関してわかるはずがないのです。

そしてその商品を手に取る人も知識なしに選んではいけません。

「化粧品≠安全」です。

化粧品の安全性はすべて、その化粧品に関わる企業に責任があります。

行政機関や何かしらの第三者機関が判断することではないのです。

何が入っているのか分からない製品を購入するのは怖いことなのです。

何が入っているのか理解できないことも怖いことなのです。

正しい知識を身に着け、安全なジェルネイルを選ぶことは、選ぶ人の責任でもあります。

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安全性

HEMAは非常に危険なモノマーなのか?

ジェルネイル成分の一つ、HEMA

ジェルネイルはいわゆるモノマーと開始剤から作られています。

そのモノマーのうち、ジェルネイルによく使われているのがHEMAです。

HEMAとは、ヒドロキシエチルメタクリレートという化合物の略称で、表示名称としては、HEMAとなります。

他のモノマーと同じような書き方をすると、メタクリル酸ヒドロキシエチルとも言えます。

比較的小さな分子構造で、ヒドロキシ基(=水酸基)を持つことから、肌なじみが良く、爪への塗り心地の良さから使われることが多いです。

アレルギーとは

HEMAはアレルギー物質である、という噂を聞いたことはないでしょうか。

これは正しくもあり、間違ってもいます。

大前提として、すべての人は、この世に存在する物質のほとんどのものにアレルギー反応を示す可能性があります。

例えば、小麦、花粉、卵、ハウスダストなどが有名ですね、他にも、水、太陽光などもあります。

つまりHEMAに限らず、ジェルネイルに含まれているものはすべてアレルギー反応を起こす可能性があります。

ただしその起こりやすさはそれぞれの物質と、その人によって異なります。

10人中10人がアレルギー反応を示す物質もあれば、10人中1人しか示さない物質もあります。

どちらが安全かはおわかり頂けると思います。

HEMAアレルギー

では実際にHEMAはどうなのか、というのを調べてみるとさっそく文献がヒットしました。

HEMA感作性

これはゴム手袋をした上で、HEMAがゴム手袋に付着した場合、皮膚に炎症が起きたという事例を報告しています。

つまり素手なんてもっての他、ゴム手袋をしていてもHEMAに接触すればアレルギー反応が起きる可能性があるということです。

SDSという、その物質の説明書があります。

そこの皮膚感作性(アレルギー性)の項目には、

GHS分類: 区分1
本物質を取扱うことにより接触性皮膚炎を発症した歯科技工士、及び本物質の80%溶液を扱う実験技術者がパッチテストで本物質に対して陽性であったとの報告や、電子顕微鏡包埋剤やソフトコンタクトレンズ製造者が本物質に感作された事例の他に複数の事例の記載 (SIDS (2005)、DFGOT vol. 13 (1999)) がある。モルモットを用いた皮膚感作性試験では、陽性と陰性の試験結果が複数報告されている (SIDS (2005))。これらの結果から本物質は感作性を有すると考え、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1, H317に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。

とされており、感作性があるとの結果です。

HEMAだけが危ないわけじゃない

単純にHEMAだけが危ない訳ではありません。

他のモノマーも同じように刺激性やアレルギー性を示すかもしれません。

それだけジェルネイルは危険なものだということです。

爪は死んだ細胞です。

つまり爪に付くだけであれば、おそらく人体に影響は少ないと思います。

しかし塗っている最中に指に付いた、アセトンでソークオフした、ということをすれば、絶対にHEMAや他のモノマーは指と接触し、いつかアレルギー性を示すかもしれません。

そうすればもうその物質が入ったジェルネイルは使うことができなくなるでしょう。

そういう事態を避けるためにも、成分表示を確認し、安全なジェルネイルを使うようにしましょう。

このジェルネイルは安心か?という質問があれば、Twitterの方にメッセージを送ってください。

私が分かる範囲で回答させて頂きたく存じます。

ネイリストの方はこれまで以上に絶対に皮膚につけないということを守ってください。

付いたら拭えば良いなんて考えはやめてください。

キューティクルキワキワまで塗れているジェルネイルは確かに美しく、まさしくプロの技です。

素人セルフネイラーには真似できない芸当です。

ですが、それがプロに求められていることでしょうか。

それ以上に、セルフネイラーが持ちえない、安全に対する知識や、正しいジェルネイルの使い方で、安全に長くジェルネイルを楽しんで頂くようにすることがプロではないでしょうか。

トップの未硬化ジェルの拭き取りもそうです。

一度拭いた面で何度も擦ったりすれば、いつか皮膚と接触します。

恥ずかしい話

お恥ずかしい話ですが、最近、私がやってしまいました。

おそらくゴム手袋にモノマーが付着していたのだと思います。

目の下が痒くなり、その手でかいてしまいました。

すると、何分後かに目が見えづらくなってきました。

なにかゴミでも入ったのかなと思い、トイレの鏡で自分の顔を確認したところ、

目の下が赤く腫れ上がり、水ぶくれのようになっていました。

すぐにその箇所を水で流しましたが、その後2時間ほどその腫れは続きました。

目ということもあって凄く怖かったです。

幸いにも今はなんともありませんが、同じようなことがどなたにも起きる可能性があります。

決して、決して皮膚にはつけないように心がけて下さい。

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安全性

ジェルネイルの粉末吸っていい事あるはずがない

ジェルネイルの粉末

なんのことかと思われたかもしれませんが、主にオフの時に舞うあの粉のことです。

最近はマシンで一気に削っていくサロンワークも多くなったように思います。

すると自ずと発生するジェルネイルの粉。

手は当たり前ながら、机の上もエプロンも髪の毛にまでジェルネイルの粉がついてしまうほどです。

一部サロンでは集塵機を導入し、粉を吸っていますがもちろん完璧ではないです。

では、一体そのジェルネイルの粉を吸うとどうなってしまうでしょうか。

ジェルネイルの硬化率

その前に、ジェルネイルの硬化率についてお話します。

ジェルネイルはアクリレートと呼ばれる化合物が重合して、液体から固体になります。

その時にすべてが反応してくれれば良いのですが、いくつかは十分に反応しないまま残ってしまいます。

特にカラージェルで見た目硬化していても、ウッドスティックなどでつつくと中は十分に硬化していないということをご経験された方も多いと思います。

それほど見た目でわかるほどではなくても、ジェルネイルはクリアであっても、100%反応しません。

つまり、未反応のアクリレートモノマーがあの固体の中には残っています。

それが手を洗う、食器を洗う、お風呂に入る、メイクを落とす、化粧水を塗るなどで溶出してきて、皮膚炎を起こす場合があります。

ジェルネイルの粉には未反応のアクリレートモノマーが大量に含まれる

ジェルネイルの粉の中には、このいつもは表にでてきていない未反応のアクリレートモノマーが大量に含まれています。

なのでこの粉が手につくだけでも、皮膚炎やアレルギーを引き起こす可能性が非常に高いです。

ネイリストの方にヒアリングしたところ、粉が接触して手が荒れてしまった方が何人もいらっしゃいました。

もちろん、この化学の知識がないため、粉が良くないとしか思っていらっしゃいませんでした。

勘の良い読者の方はもうお気づきかと思いますが、この粉が手についただけでアレルギーや皮膚炎を引き起こすのであれば、吸い込んでしまった時にどうなるか、おわかりいただけると思います。

全身がアレルギー体質になることも考えられますし、肺などへの影響も心配されます。

対策

できるだけ目の細かい、安いマスクではなく、PM2.5などを排除できるマスクをすること。

メガネをすること。裸眼やコンタクトは最悪、この粉が目に入り、目から炎症を起こす可能性があります。

手袋をして作業すること。

できればお客様にも爪だけでているような手袋をしてもらい、お客様の手も保護すること。

集塵機をできるだけ近くに置くこと。

好ましくはマシンを使わないこと。

使うとしても、透明なカバーの下で行うや、工夫をすること。

削らないことが一番です。

 

一度発症したら、アレルギーは基本的には治りません。

なるまえに、ならないようにすることが何よりも重要です。

自分の身は自分でしっかり守ってください。

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回収事案

タカラベルモント、配合未許可の顔料を使用したネイルを販売し回収

タカラベルモント回収

タカラベルモントが日本の輸入代理店を務めるCNDシェラックに、配合未許可の顔料が使用されていたようです。

ここ数年、こうした回収は多くみられております。

ジェルネイルで言えば、エースジェルの配合未許可の顔料使用により、回収および廃盤になった事件が記憶に新しく、

その前にもネイルラボのプレストに、配合未許可の顔料が使われ回収となっていました。

ネイル業界はこうした問題が起きる度に、他山の石として受けるべきにも関わらず、自社のことを見直さない体質の為、同様の事故が繰り返されてしまいます。

ただ、なぜこうした問題が起きるのか、日本の制度から考えてみたいと思います。

日本化粧品工業連合会の定める表示名称

日本で化粧品として製品を販売する上では、全成分表示というものが必要となります。

全成分表示とは、その内容物に含まれるすべての成分を原則として配合量の多い順に記載しなければならないということです。

またその表示は、日本化粧品工業連合会が定める表示名称に基づいてされなければなりません。

例えば、エタノールは、言い換えるとエチルアルコールとも言えますし、単純にアルコールといっても大抵の場合はエタノールのことを指します。

しかしこれでは、A製品にはエタノール、B製品にはエチルアルコール、C製品にはアルコールと記載されてしまい、消費者が一見して、同じ成分であることが理解できない可能性があることから、その成分は「XXX」と記載すること、といった決まりとして表示名称は存在しています。

つまり、原則としては、エタノールだけが正解で、他の名称で記載してある全成分表示は違反ということになります。

そしてこの成分表示はブックが存在しており、そこに収載されている成分しか原則として使用することができません。

天然物のヤマイモを化粧品に使いたいと思っても、それが日本化粧品工業連合会の成分表示に収載されていなければ、いくら天然物であっても使うことはできません。

そしてたとえ、海外で使える、今回の場合はアメリカでは使える成分であっても、日本化粧品工業連合会の表示名称に記載されていなければ、日本では使用することができません。

ここに落とし穴があります。

輸入化粧品の怖いところ

輸入化粧品は、基本的に、その輸入元国では化粧品として販売できるものとなっていると思います。

というのは、その化粧品はおそらく通常は国内向けの化粧品として作られているからです。

なので、韓国であれば韓国語で記載されたラベル。

中国であれば中国語で記載されたラベルが貼られていると思います。

それらラベルにもおそらく全成分表示がされており、その成分はそれぞれの国においては許可された成分であると思います。(もちろん違反している場合もあるかもしれませんが)

しかしそれを日本に輸入した際には気をつけなければなりません。

例え韓国や中国では許可されていた成分だとしても、それが日本でも許可されているかどうかは全くの別問題だからです。

ただしこの許可は、安全性に関する試験は全くありません。

なので許可されていないから安全ではないということでもないですし、許可されているからといって安全という意味でもありません。

アメリカからの輸入

もう少し言うと、顔料等のタール色素関係の成分以外は、基本的にアメリカにあるPCPCという機関が管理するINCIという日本で言うところの表示名称にあたるものに日本化粧品工業連合会の表示名称は関連しています。

つまり、アメリカからの輸入製品の場合、ほとんど先に述べたような未許可成分の問題は起きえません。

ただし顔料等のタール色素関係の成分以外は、です。

ここは日本独自のルールがあり、ずっと昔に制定されてから一つも増えていません。

新しい顔料が作られたとしても、それは許可されません。

むしろどんどん減っていく可能性もあります。

今回もまさにこの顔料等のタール色素で、アメリカでは許可されているが、日本では許可されていない成分を使用し、回収となってしまいました。

しかしこれは先にも述べました通り、ネイルラボのプレストがもう一度起こした回収とほぼ同じです。

その時は医療用には使える顔料が化粧品には使えずに回収となりました。

今一度、化粧品会社は自社製品の成分について見直しを!

輸入製品が国内で販売できるかどうかは、輸入会社の責任です。

現地の言語の、現地の成分表示を、日本のものに変換するのを、その輸入元の国に任せると、「これは日本にない成分だな、消しておくか」みたいなことが起きます。

そうすると、輸入する方は消されたことに気づかず、そのまま販売してしまいます。

しかし何かの拍子にそれは分かります。そして回収となってしまいます。

または「日本語にさえなっていればいい」と、日本化粧品工業連合会の表示名称と対応させることなく、それらしい全成分表示が出された場合、それを鵜呑みにラベルを作成し、流通させてしまう可能性もあります。

いずれにおいても、すべて輸入した会社の責任です。

健康被害がなければ良いという問題ではなく、こうした些細な、簡単に解決できるような問題にも対処できない体質の会社が、より難しい安全性や安定性といった問題に真摯に取り組めるのかというのが私の疑問です。

私にはできないと思います。

イージーモードがクリアできないのに、ハードモードはクリアできません。

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ソークオフ

アセトンを使わないソークオフ

ピアス株式会社

ピアス株式会社をご存知でしょうか。

ピアスは、1947年の創業以来、人間が永遠に追い求める“美容と健康”の分野で優れた製品とサービスを創造、提供してきました。この分野に対する人々の欲求がより高いレベルへと移行している現在、確かな技術力・製品開発力、優れたマーケティング力、そして豊かな想像力を最大限に発揮し、時代のニーズにお応えできるよう日々努力を重ね、積極的な企業活動を通じ社会に貢献していきたいと願っています。

カバーマーク・オリリー・アクセーヌ・イミュ・ケサランパサランなど有名ブランドのグループ企業です。ピアスグループは“美容と健康”の分野で化粧品などの優れた製品とサービスを創造、提供していきます。

化粧品の企画販売をする会社のようです。

研究所や製造工場も持っています。

そんなピアス株式会社から興味深い特許が出願されていました。

アセトンを使わないソークオフ?

JPA_2018140945

【要約】
【課題】有機溶媒を用いなくても、硬化後の人工爪を十分に除去することができ、しかも通常の水では硬化後の人工爪を除去できない人工爪用組成物を提供することを課題とる。
【解決手段】ラジカル反応によって重合するアニオン性モノマーを含む、人工爪用組成物などを提供する。

【請求項1】
ラジカル反応によって重合するアニオン性モノマーを含む、人工爪用組成物。
【請求項2】
アニオン性モノマーは、リン酸基を含むモノマー、硫酸酸基を含むモノマー、及び、カボキシ基を含むモノマーからなる群より選択された少なくとも1種である、請求項1に載の人工爪用組成物。
【請求項3】
ラジカル重合性不飽和二重結合を複数有する前記アニオン性モノマー以外のモノマーをさらに含む、請求項1又は2に記載の人工爪用組成物。
【請求項4】
前記重合によって形成された人工爪を除去するときに、アルカリ性の水溶液たる除去液によって除去されるための、請求項1~3のいずれか1項に記載の人工爪用組成物。

つまり、アルカリ水溶液でソークオフさせようという訳ですね。

アルカリ水溶液といえば、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液など強塩基水溶液を思い浮かべてしまいます。

これらは肌に触れると、肌が溶けてヌルヌルします。

【0059】
除去液は、一般的な方法によって製造される。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩を水と混合することによって除去液を製造することができる。

予想はあたっていましたね。

実施例を見ても、pH11や12の水溶液を使っており、さらに従来と同じ10分~20分浸漬させています。

更にベース層だけを硬化させてそこに浸してソークオフ性を見ています。

うーん、あまり実態にそぐわない実験ですね。

アセトンを使わずにソークオフは…

できそうもない、というのが私の結論です。

できるんでしょうけど、どうもこの場合、アセトンを使ったほうが短時間で負荷なくできるような…と思っていまいます。

いずれにせよ、こういった技術を発達させていくことは、アセトンを使わないソークオフには重要なので、必要な研究ではあります。

どうなっていくのか経過が楽しみです。

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安全性

ジェルネイルの危険性

ジェルネイルの危険性

ジェルネイルはアクリレートと呼ばれる刺激性があったり、アレルギー性があるモノマーからできております。

それに光を当てて硬化させることで、ポリマーにします。

ポリマーになると、皮膚に接触しても刺激性を示したり、アレルギー性を示すことは少なくなります。

しかしネイル用のライトは出力が低く、またアクリレートの重合反応は100%反応するわけではないので、どうしても中に未反応のモノマーが残ります。

そのモノマーが溶出してくる可能性があります。

米研ぎ

PIXTA

お米を研ぐ時に多くの方は素手で作業されると思います。

この時にジェルネイルからモノマーが溶出する可能性があります。

するとお米にモノマーが付着することになり、それを食すことになります。

とても気分が良いものとは言えません。

他にもジェルネイル自体を包丁等で切ってしまうことや、化粧落とし等のアルコール等に触れることでもモノマーは溶出してきます。

溶出が起きなくとも、唇等の敏感な粘膜はポリマーに触れるだけでも、炎症を起こす可能性があります。

近年、皮膚学会ではジェルネイルによる口唇の炎症について議論されています。

口唇の炎症が起きた患者がジェルネイルをしていた場合、ジェルネイルをやめることで口唇の炎症が収まったという事例があります。

これは直接ジェルネイルが触れることでアレルギーを引き起こしたというより、施術等で触れる、またはこうした料理等の過程で少しずつ生体に接触することでアレルギーを発症するようになり、ポリマー化したジェルネイルが付着するだけでも炎症を起こすようになったのではないかと考えています。

ジェルネイルを長く楽しむ為に

アレルギーや皮膚炎を一度起こしてしまうと、ジェルネイルのメーカーを変えても大きくは改善できない可能性が高いです。

つまり、一度でも発症させないことが重要です。

そのためにはモノマーとの接触をゼロにする必要があります。

つまり、施術では絶対に皮膚に付けない。

ワイプで拭き取れば良いやと考えているネイリストの方は改めてください。

皮膚に付けてしまうかもしれないと思う技術レベルの方はセルフでやらない。

そして食材等に触れる場合は、できるだけ手袋等をして直接接触しないようにする。

安全なジェルネイルを目指して

我々研究者はもちろん、より安全なジェルネイルを目指して研究を進めます。

しかし残念ながら今以上の性能を発揮できる安全なジェルネイルはまだ世の中に存在しておりません。

なにやら巷ではオーガニックジェルネイルなるものも出ているようですが、オーガニック=安全では決してありません。

牛の糞はそれ自体オーガニックですが、安全でしょうか?

化学肥料を使わず、牛の糞を撒いた畑で作った作物はすべて安全なのでしょうか?

アクリレートに変わる、より刺激性の低い反応性のものを探して研究を続けます。

それまではできるだけ接触を避けるようにお願い致します。

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ライト 安全性 材料

LEDライトで硬化させてUVライトで除去できるジェルネイル

European Symposium of Photopolymer Science

先日、フランスで開催されたEuropean Symposium of Photopolymer Scienceに参加してきました。

Photopolymer、つまり光硬化樹脂に関するシンポジウムでした。

講演者の方もアカデミックの方が多く、最新の光硬化技術について聞くことができました。

その中に非常に興味深いものがあったので、少しだけご紹介させて頂きます。

光硬化のトレンドは長波長化?

ジェルネイルも歴史的に365nmを使っていた頃から、今はLEDの405nmを使うようになってきました。

しかしある分野においてはそれ以上の500nmに近い光を使って硬化をさせようとしているようです。

ご存知の通り、波長が短くなればなるほど、人体への影響も大きくなります。

そこでジェルネイル業界でもLEDが今は推奨されています。

ところが405nmは可視光と紫外線のギリギリに属しており、まだ十分に安全とは言えません。

そこでより安全である長波長化が検討されています。

これによりお客様には安心してライトをご使用頂けます。

(今でもジェルネイルで手が日焼けするのではないか?といった疑問を持たれている方はいらっしゃると思います。)

また長波長化させることで、内部への光の侵入が良くなる為、内部硬化が良くなります。

つまり、所謂半熟とよばれるカラーの硬化不良などが防げるようになります。

特に黄色や黒で半熟を経験された方は多いと思います。

これらの色は特に今のLEDでは硬めにくい為です。

LEDで硬化させ、UVで除去するジェルネイル

先の話と少し矛盾してしまうのですが、ライトによる人体の影響よりも、もっと直接的に人体に影響を与えている行為が、アセトンによるソークオフです。

アセトンはご存知の通り、有機溶剤で、シンナーやガソリンといったものと同じような分類です。

そのようなものを爪につけて、しかも15分といった長い時間皮膚にも付着することは、非常に危険な行為です。

またこういった有機溶剤が直接人体に触れることも問題ですが、ジェルネイルがアセトンにより膨潤して来た時に、未反応のモノマーが溶出してくることも問題です。

つまりソークオフ時にアセトンが触れている皮膚にはモノマーが直接触れる可能性が高いということです。

モノマーは皮膚炎症を起こしたり、アレルギーを引き起こす可能性が高い物質です。

ソークオフの間、15分間もの間、こうした物質に触れることで、炎症やアレルギーになる可能性は非常に高くなります。

そこでピールオフやアセトン意外での除去なども検討されていますが、持ちがイマイチであったり、ソークオフ性が悪かったり、と品質面で従来のジェルネイルに劣っています。

そこで、新たな技術である405nmを用いて硬化させ、365nmで除去するといった反応をジェルネイルに応用することで、光だけを用いたオフが可能になると考えています。

これは新技術なので、ここでは公開できませんが、いち早く商品化できるように努めますので、期待してお待ち下さい。

 

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セリア

100円均一のジェルネイル

セリアのジェルネイル

セリアのジェルネイル

セリアからジェルネイルが売られているといった情報は半年以上前に入手はしていたのですが、なかなか現物を手に入れる機会がなく、記事にするのが遅れてしまいました。

しかし、ついに、この間セリアに行ったときに見かけたので購入してきました。

セリアのジェルネイルのラインナップ

私が店頭で確認できたのは、クリア(ベース+トップ)とカラーの大きく分けて二種類で、カラーは数色展開されていました。

オーソドックスなベージュ系からピンク系が多い印象です。

グリッター入りや、ラインを引く為の細いものなどは確認できませんでしたが、もしかするとアップデートされて今はラインナップとしてあるのかもしれません。

ベース&トップコート

ベース&トップコート

ベース&トップは、一石二鳥のアイテムですが、個人的にはあまり好きではありません。

というのも、ベースジェルの役割とトップジェルの役割は大きく異なるからです。

確かに見た目はどちらも無色透明ですが、ご存知の通り、ベースジェルは爪に密着する為、トップジェルはカラージェルやベースジェルを保護するためにあります。

それらを同時にできるのであれば、最終的にはそこに顔料も入れてしまって、オールインワンを作る方が早いと思います。

もちろん、別々に塗るのに比べて品質が劣るのは当然です。

しかし、ピールオフできる等の手軽さを兼ね備えた商品も多く、ウィークエンドユーザー等には、手軽にできるといった点で良いかもしれません。

話が大きく逸れてしまいました、早速成分表示を見てみましょう。

ポリアクリレート-15、HEMA、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド

表示名称 ポリアクリレート-15
成分番号 560508
INCI
  • Polyacrylate-15
中文名称
聚丙烯酸酯-15 (国際化粧品原料標準中文名称目録(2010))
定義 本品は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、エチレン、メタクリル酸とスチレンからなる共重合体である。
配合目的 皮膜形成剤、ヘアスタイリング剤
規制分類
CAS
67892-91-5

どうも皮膜形成剤やヘアスタイリング剤に用いられていたポリマーの様です。

皮膜形成剤というと、グロスや日焼け止めなどにも配合されていますが、この製品が配合されているかはわかりません。

見た限り単官能モノマーの共重合物なので、少し硬く脆さのある樹脂かなと思います。

あまりジェルネイルでこういった共重合物が使われているケースは珍しいです。

しかしこういった共重合は安いのが特徴です。

コストダウンの為に通常のジェルネイルで使われている「ウレタンアクリレートオリゴマー」ではなく、こうしたものを使っているのでしょうか。

他には目立った成分はなく、「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」が含まれているので、LED対応しています。

HEMAやジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシルもよく使われている成分です。

良くも悪くも、あまり考えずに、よく使われている成分で作ったという印象も受けなくはないです。

爪に密着する特殊な成分などは入っていないので、密着性はあまり期待できないかもしれません。

カラージェル

ピンク

ポリアクリレート-15、HEMA、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、(+/-)酸化チタン、赤202、黄5、赤227、酸化鉄

こちらもベースジェルと同じ配合に顔料を加えただけの組成です。

もちろん比率は分からないので、多少開始剤を多くしている等は考えられます。

使われている顔料もごく一般的なものです。

まとめ

セリアのジェルネイルは、ちゃんとジェルネイルではありましたが、工夫を凝らされた特徴のあるものと言うよりは、本当にベーシックなジェルネイルでした。

良くも悪くも100円で作るってこういうことなんだなと勉強させて貰いました。

ジェルネイルを既に沢山触られているユーザーの方は品質面での物足りさなは絶対に感じると思いますが、これから初めてみようかなと思われる方にはとっかかりとしてお試しで使われるのも良いかもしれません。

ただ保ち(爪とジェルの剥離やトップへの傷の入り等)は全く保証できないので、週末楽しむ程度に思われると良いかもしれません。

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特許

富士フイルムがジェルネイルに着手か?!

富士フイルムがジェルネイル業界に参入か?

J Plat Patで相変わらずジェルネイル関係の特許検索を行ったところ、富士フイルムの特許を見つけました。

JPA_2018123057

【要約】
【課題】硬化物の密着性に優れ、かつ、剥離性にも優れる爪化粧料、及び、上記爪化粧料を含むネイルアートキットを提供すること。
【解決手段】成分1として、メタクリルアミドと、成分2として、イソボルニルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、及び、ブトキシジエチレングリコールメタクリレートよりなる群から選ばれた、少なくとも1つの化合物と、を含むことを特徴とする爪化粧料。

【請求項1】
成分1として、メタクリルアミドと、成分2として、イソボルニルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、及び、ブトキシジエチレングリコールメタクリレートよりなる群から選ばれた、少なくとも1種の化合物と、を含むことを特徴とする爪化粧料。

ざっと見る限り、ちゃんとジェルネイルですね。

富士フイルムとは?

ご存知の通り、昔はフイルム式のカメラの最大手企業でした。

しかし、デジタルカメラの台頭により、フイルム式のカメラはどんどんと衰退していってしまいました。

そこで社運を賭けて取り組んだのが、化粧品です。

フイルムを製造する工程において、乳化や分散といった化粧品にも応用可能な技術を培っていた同社は、その技術を生かして化粧品業界に参入、かの有名なアスタリフトを作ります。

カニなどの甲羅に含まれる赤の色素成分、アスタキサンチンは抗酸化力が高いことで知られ、それによりアンチエイジング効果があるとされています。

アスタキサンチンはそのままでは油にしか溶けない為、微細化して乳化させることで、水と一緒に吸収することができるようになり、肌に浸透するようになります。

素晴らしい技術ですね。

多くの有用な成分は水溶性であったり、脂溶性であったりします。

例えば、ビタミンCは水溶性なので、水には溶けますが、細胞の中には入って行きにくいです。

一方ビタミンDは脂溶性なので、油には溶けますが、細胞の中には入って行きにくいです。

というのも、細胞ってのは厄介な構造をしておりまして、脂質二重層と呼ばれる細胞膜からできており、その構造はミセル構造のような、脂溶性部分と水溶性部分を組み合わせたような形から出来ています。

つまり、脂溶性でもあり、水溶性でもあるような性質を持たない限り、細胞の中には入って行きにくいのです。

厄介ですね。

富士フイルムのジェルはどこから販売される?

これについては、まだ私の方では確認が取れていません。

しかし、請求項に書いてある特徴のある成分が入っているジェルを見つけることができれば、それは富士フイルムが作っている可能性が高いと言えます。

※高いだけに留まるのは、他社による実施許可や、ただただ特許侵害している場合もある為です。

もし、可能であればtwitterの方に各メーカーの成分を写真にとって貰って送って頂ければ、どこか特定することができるかもしれません。

ご協力頂ければ幸いです。

富士フイルムのジェルネイルを視る

アクリルアミドを使用するというのが、特徴的ですね。

アクリルアミドとは、アクリル酸~やメタクリル酸~と同じグループですが、反応性が高く重合率がよくなる傾向にあります。

更に安全性を高める為に、メタクリルアミドにしてあるところも特徴的です。

メタクリルアミドは水素結合能が高くなるため、凝固しやすく、粘度が高くなったり、低温時に固化する懸念があるため、使いにくいですが、使えると強力なモノマーとなりえます。

そういったものを開発されたのでしょうか、素晴らしいですね。

一方で、ジメチルアクリルアミドやジエチルアクリルアミドも使用可能とされていますが、これら二種は非常に一次皮膚刺激性が高いことで知られています。

つまり接触すると炎症を起こす可能性があります。

特許上の権利範囲としてだけ取得されているのであれば、良いのですが、製品に実装されるとなると、むむと思ってしまいます。

ただ富士フイルムは非常に大きな会社ですし、化粧品も長くやられてきているので、そのあたりの知識は十分にあるのではないかと思うのですが、今後製品が出たときにまた見ていきたいと思います。

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ベースジェル 未分類

ベースジェルを変えることの大きなデメリット

ベースジェルの悩み

お店に行くとたくさんのメーカーからベースジェルが販売されています。

それ以上に楽天などの通販サイトではお店で変えないベースジェルを簡単に買うことができます。

ジェルネイルの一番の悩みは恐らく爪から剥がれてしまうことかと思います。

そこで皆様の多くの方が「良いベースジェルはないか」と悩まれているのではないでしょうか。

ここで「このベースジェルが最強ですよ!」とお伝えできれば良いのですが、残念ながら、万人に合うベースジェルといったものはなく、「これ」とおすすめできず申し訳ないです。

ですが、代わりに「こうすれば良いですよ」ということをお伝えできればと思います。

ベースジェルを保たせる4つの方法

以前の記事でベースジェルを保たせる4つの方法について書かせて頂きました。

その記事を読んでくださったネイリストの方からTwitterの方にメッセージを頂きましたので、ご紹介したいと思います。

こんにちは。初めまして。
ネイリストをしている者です。
「ベースジェルを保たせる方法」を拝見しました。
ずっと謎だった事が分かりとてもスッキリしました。
とても参考になりました、ありがとうございます!
ちなみに、以下謎だった事です。
もしよろしければご覧ください。

当方エースジェルのノアを使っており、
廃盤に伴ってニコジェルに変えました。
すると、ほとんどの方がベースジェルめちゃくちゃはじきました。
見た事も無いくらいに縮みます。
ニコジェルのセミナーでジェルの開発者の方に
相談しましたが、「うちのジェルで縮みはあまり聞いた事が無い、持つはず、塗り方とか量とかを変えてみては」といったアドバイスを頂きました。
確かにエースとニコでは推奨の塗り方が違います。
何度か使っているとマシになってきたので
爪が慣れたのかな?と思いましたが、
ノアはノンアシッドで酸が無いタイプ、
ニコはオフがしづらい分持つ時はすごくもつので
酸性タイプ?
まさに真逆のジェルを使っていた事によるものだと思い
合点がいきました。

メッセージを頂きましたネイリスト様、ありがとうございます。

私もジェルネイルの研究者として、ネイリスト様が受けられた応答は言ってしまったことがあります。

といいますのも、ジェルネイルを市場に出す前には実際の爪でテストを100人単位で行います。

基本的には女性ですが、年齢はバラバラ、職業等もバラバラな方にお願いします。

ベースジェルの開発をしている段階では、比較的似た組成の自社のベースジェルをテストし続けることになるので、その方々の爪はどんどんと自社のベースジェルに都合の良い状態になってきます。

すると、回数を重ねるごとにどんどんと持ちが良くなり、性能が上がったと「勘違い」してしまうことがあります。

またそのように爪が作られてくると、当然縮みなどもなくなってきます。

つまり「持ち」だけでなく、「縮み」などにも爪に染み込んだ前に付けていたジェルネイルの影響はあるということです。

それがネイルサロンで実際に確認されて実証されたことは、研究者としては理論が正しかった証明になるので、非常に喜ばしい反面、今後も気をつけなければならないなと気を引き締める結果でもありました。

ベースジェルを変えることの大きなデメリット

前記事と合わせてお読み頂ければ、このデメリットについてはもうご理解されているかもしれませんが、まとめておきます。

1.縮みがでる可能性がある

2.持ちが悪くなる可能性がある

3.オフがしづらくなる可能性がある

これらはすべて、前のベースジェルが爪に残り、爪と融合してしまう為です。

全く組成の異なる、設計方針の異なるベースジェルは相容れないものです。

時々別メーカーのカラージェル同士を混ぜると、分離してしまったり、顔料のダマが出来たりすることがあります。

まさにこれはこのような設計方針が全く異なるカラージェルを混ぜたために起こる現象です。

一方で同メーカーの同ラインのカラージェルであれば、基本的な組成は同じはずなのでミキシングすることができます。

少し話はズレますが、ベースジェルやトップジェルでカラージェルを希釈してシアーやクリア、グラデーションを作る技術がありますが、その際も、どちらのジェルの方がカラージェルに近いのか、成分を見比べて近い方を選ばれるのが良いかと思います。

ただ酸性系のベースジェルの場合は、絶対にカラージェルとは混ぜないほうが良いです。

これはまた別の記事にしたいと思います。

成分表示からその特性についてご説明致します

またこのネイリストの方から続きのメッセージも頂きました。

実際に使われているベースジェルの組成を見ていただきたいとのことでしたので、成分表示の写真を頂きましてご説明させて頂きました。

もちろん無償でサービスで行っております。

その代わりにブログでそのジェルの写真は使わせて頂きたく存じます。

もしお使いになられてるジェルがどんなものか知りたい方、またはこのジェルからこのジェルへ変えようと思うけれども、大丈夫か、といったことで疑問があれば、Twitterの方にご連絡頂ければ幸いです。

@truegelnail

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ベースジェル

ベースジェルを保たせる4つの方法

ベースジェルはなぜ剥がれてしまうのか

ベースジェルの剥がれにはいくつかの要因があります。

・ベースジェルの性能が低い

・ベースジェルとの相性が悪い

・プレパレーションができていない

・物理的な強い衝撃を受ける

・水分が多く与えられる

残念ながら、どこのベースジェルが良いということは2つ目の問題の、爪との相性ということがあるため、簡単には答えられません。

ベースジェルを選ぶ

ベースジェルにはいくつかの種類があります。

酸性のベースジェル、非酸性のベースジェル、親水性のベースジェル、疎水性のベースジェル、ざっくり分けると4種類です。

一般的には酸性のベースジェルの方が接着力は強いですが、オフがしにくいといった点が挙げられます。

ただ酸性のベースジェルが悪いということは無いと私は考えています。

巷では酸性ベースジェルは爪を溶かすといった噂がありますが、それによって爪が溶けるのであれば、オフは全くできるようなものではなくなります。

それ以上に爪を削ってる時点で溶けるとか以上のことをしてると思うのですが…皆様はどのようにお考えでしょうか。

兎にも角にも、どんなベースジェルが自身に合うのかというのはいくつかのベースジェルを試さなければわかりません。

ぜひご自身にあうベースジェルを見つけてください。

プレパレーションをする

兎にも角にもプレパレーションがしっかりできていなければ、絶対にベースジェルは保ちません。

プレパレーションとは、ジェルネイルを塗る前の爪の前処理のことです。

爪表面に油や皮脂、甘皮、汚れ、前の硬化したジェルネイルが残っているような状態では、どんな良いジェルも乗りません。

特にこの前の硬化したジェルネイルというところがポイントです。

例えば親水性の酸性ベースジェルを塗って硬化させると、爪の細かな隙間にもそのベースジェルが入り込んで行きます。

そしてオフをしてもその入り込んだベースジェルは残るため、爪にジェルネイルが含まれた状態になります。

その上に疎水性の非酸性ベースジェルを塗ると、前とは真逆のベースジェルになるので、弾いてしまいます。

見た目はきれいに乗っていても、細かくは弾いてるかもしれず、そうなると爪にはしっかり乗りません。

また多くの方が消毒用エタノールで爪の拭き取りを行っていますが、それは30%水を含んでいます。

つまり拭いても油は完全に除去できず、かつ水分が爪に残るので、まったく意味がありません。

ダストを拭うことだけが出来ています。

できればアセトンや水を含んでいないもので拭くのが良いです。

同じベースジェルを使い続ける

つまり、いろいろころころとベースジェルを変えてしまっても、弾きによってその性能を十分に評価できないので、ひとつのベースジェルを使い続けることが大切です。

また有名どころのブランドのベースジェルや、レビューが良いベースジェルは基本的にちゃんと作られているので、もちろん相性はありますが、大抵使い続けると付いてくれるようになってきます。

その中でも少しの差として、保ちが良いものがあったり、オフが良いものがあったりします。

そのバランスは皆様の求めるもの次第かなと思います。

絶対に保ってほしい、オフはあまり考えないという方であればパラジェルなどが向いているかもしれません。

オフはそこそこ良い方が良いということであれば、今はもう無いですがエースジェルなどが良かったかもしれません。

水に触れない、硬いものにぶつけない

最後のトピックは冗談ですが、水や硬いものとの衝撃は間違いなくベースジェルが欠けてしまう原因の一つです。

特に温水は爪を柔らかくします。

ジェルも温水によって柔らかくなります。

そうするとベースジェルが爪から剥がれやすくなってしまうので、注意が必要です。

またそうしていつの間にか浮いてしまったジェルと爪の間にはグリーンネイルになってしまう危険性が潜んでいます。

浮きやすい方は水分の取扱いにも少し気を払っていただけるとずいぶん保ちが変わってくると思います。

例えば、お皿を洗うときにはグローブをする等。

手も荒れなくて一石二鳥ですね。

 

 

 

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特許

特許からジェルネイルを視る

特許とは

特許とは、実施するための権利というよりは、実施させないための権利です。

特許を持っている=実施できる ではないということです。しかし、

特許を持っている=実施させない ということではあります。

ある会社がA+Bといった技術を、別の会社がB+Cといった技術を特許化したとして、製品はA+B+Cといった構成がベストだとすると、ある会社と別の会社はその構成で製品を販売することはできません。

お互いに「実施させない権利=特許権」を持っているからです。

つまり特許を出すのは、他社に同じような製品を販売させないということが一番大きな理由です。

ビューティガレージ

美容業界の備品類を卸している商社的な企業です。

ジェルネイルはオリジナルブランドを持っており、レイジェルとして販売されています。

そのレイジェルに関連すると思われる特許を見つけました。

JPB_0006205454

【請求項1】
クリアジェル組成物と、
ナイロンからなる繊維素材と、
顔料と、
を含有し、
前記繊維素材の含有重量%は、3~8重量%であり、
前記顔料は、前記繊維素材とは異なる色且つ乳白色及び乳白色以外の色であり、
前記顔料の含有重量%は、0.01~3.00重量%であり、
前記繊維素材は、長さ0.3~0.8mm、太さ(繊度)4d~8dであり、
前記繊維素材の含有重量%は、前記顔料の含有重量%より多い
ネイル用カラージェル。

どうやら繊維質なものを含んだジェルネイルに関する特許のようです。

おそらくこのニットベールと呼ばれるカラーに関します。

ファイバー系のカラーといえば、プリジェルからも同じような製品が発売されています。

ファーシリーズも同じようなファイバーを使用していると思われます。

どちらが先に製品化されたのかはわかりません。

ビューティガレージが先の場合、特許登録されているので、特許が公開になったときから販売されたこのプリジェルのファーシリーズの売上分の請求をされる可能性があります。

一方プリジェルが先の場合、もし先に販売していたことを証明できれば、特許を無効化させることができるかもしれません。

または実は特許の実施権をビューティガレージからプリジェルが買っており、大人の話し合い(お金のやり取り)が済んでいるのかもしれません。

ジェルネイルにおける特許

ジェルネイルにおいても特許が非常に重要であることがこれでお分かりいただけたかと思います。

特に売上の大部分を占めるカラージェルに関する特許は非常に強力です。

各メーカーの排他的特許出願がこれから加速されていくのではないかと思います。

各メーカー様は自社の製品の権利化をお忘れなく。

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材料

ジェルネイルの将来と、ネイリストのこれからの仕事、今すべきこと

ジェルネイル業界の歴史から学ぶ現在のネイルサロンの状況

ジェルネイルは南アフリカが起源と言われています。

光硬化性樹脂はずいぶん古くから他分野特に工業用分野で使われていましたが、それをネイルに適応したのが始まりです。

それまでのネイルはご存知の通りラッカータイプと呼ばれる、溶剤が含まれているものでした。

溶剤中にすでに重合済みの樹脂を溶かし、そこへ顔料等を加え、塗り、溶剤が揮発することで成膜されるといった仕組みです。

一方でジェルネイルは重合前のモノマーを主成分として構成されており、爪の上で重合させることでポリマーを形成します。

ジェルネイルはおそらく南アフリカからアメリカに渡り、そこで人気を得ました。

美に非常に敏感な日本はそのアメリカ分野をいち早く取り入れ、ワンカラーのみならず、独自の「ガラパゴス文化」でアーティフィシャルなものに昇華させました。

その結果、現在では約30%の女性がジェルネイルを体験したことがあり、町中にはネイルサロンをいたるところで見つけられるようになりました。

その結果、価格下落が起きているのはご存知の通りです。

日本のジェルネイル黎明期は一人あたり2万円、3万円といった価格も可能でしたが、今はホットペッパービューティー等のクーポンを利用することで一人あたり3,000円程度でできるようになっています。

現代のネイルサロンとサロンワーカーに求められること

そうした歴史を経て、増え続けたネイルサロンおよびサロン経営者が悩むことはおそらく新規の獲得・既存顧客の維持・客単価アップです。

新規の獲得はまさにホットペッパービューティー等のクーポンで初回を大きく安くすることで、特にお金のない学生を集めることができます。

これは非常に重要なことで学生の間に長く利用されたサロンは、そのまま大人になっても使ってもらえる可能性が高いです。

つまりヘアサロンのように学生価格を導入することも一つのアイデアです。

そしてそこまで通ってくれた常連客はその場所が好きに違いありません。

つまり好きになってもらえるような場所を提供することが価格と並んで重要なことは言うまでもありません。

そのためにするべきことは、「素晴らしいジェルネイルの技術」だけではなく、「素敵な接客」です。

なぜならばそのサロンに通い続けたいと思うのは、仕上がりもさることながら、その人と話すことが楽しい、その人と一緒にいることが楽しいと思うからに違いありません。

次世代型サロン

そうした人との繋がり、素敵な接客をするサロンは価格が多少高くても通い続ける可能性が高いです。

おそらくここを見てくださる方の中にも決まったヘアサロンに行く方がいらっしゃるかと思います。

それは決して価格だけではありません。

担当がいて、聞いてほしい話があったり、聞きたい話があったり、なんだかその人と一緒にいて楽しい、まるで友人のように、それでも踏み込んで来すぎず、その適度な距離感とオープンハートが重要です。

仕事として接する限り、それはお客さんに必ず気づかれます。

疲れてくれば一つ一つの動作が雑になり、それもお客さんに気づかれます。

あなたの大事な人に「してあげたいんだ」という気持ちだけですることが非常に重要です。

そうして惹きつけた人はそうそう離れることがなく、サロンというより人に付いたお客さんです。

こうして既存客を維持しつつ、新規のお客さんを既存客にしつつ、それでもこれからのサロンワークに必要なことの一つは客単価のアップです。

ハンドケア等の追加メニューをさせることで単価はアップさせることができ、多くのサロンで取り入れ始めています。

欧米ではネイルサロンは手のすべてを任せるところでもあります。

爪のケアもサロンの仕事です。

これからのネイルサロン

ここからは非常に聞き苦しい話をします。

ご存知の通り、AIの台頭により、多くの仕事がAIに奪われる未来が想像されます。

その一つにサロンワークも挙げられます。

具体的には今非常に盛んに研究が進められている3Dプリンターを利用したものだと考えられます。

3Dスキャナーで爪の形状を読み込み、3Dプリンターでジェルネイルをプリントする。

絵柄はお客さんの手で選ぶ、すると、サロンワーカーの仕事はほとんどなくなりますね。

機械のメンテナンスや操作方法を教えることがメインとなるでしょうか。

つまりネイルの技術は必要ないということです。

実際にプリンターを利用したネイルはすでに、千趣会のTSUMECOやリンクカンパニーのAUTONAILで実装されています。

そこまでその時代は来ています。

さてネイルサロンはこのままで良いのでしょうか。

このVUCAワールドを生き抜いて行くためには、人が考える前に考えて行動しなければなりません。

ぜひ正しい選択を。

ネイルサロンの未来に今の姿はないかもしれません。

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プレスト

歯科メーカーの松風が作るジェルネイル「プレスト」に迫る

プレストとは?

プレストは、歯科メーカーの松風が手がけるジェルネイルブランドです。

ジェルネイルに革命を起こしたと言っても過言ではないハイクオリティージェルシステム。可視光LEDライトのパイオニアであり、常に進化し続けるジェルシステム

母体は松風ですが、子会社?としてネイルラボを設立し、そこから販売しているようです。

ウリ文句の一つとしても「歯科治療に使う材料」と謳っており、安全性のアピールがされております。

プレスト回収騒ぎ

とは言え、昨今多くのメーカーが自主回収の経験があり、プレストも例に漏れずその一つです。

数年前に化粧品として使用することができない顔料で調色したカラージェルを販売し、回収となっております。

確かではないですが、歯科にはつかえる顔料を使ったとか…歯科に使えるのであれば、化粧品にも使えるだろうといった判断だったのでしょうか。

同じ薬機法とは言え、それぞれに別のルールがありそうなことは想像に難くないのですが、そのあたりの調査を怠ったために起きてしまった回収のようです。

歯科メーカーとしての松風

歯科治療にも確かに光硬化性の樹脂が使われており、いわばジェルネイルを歯の代わりに虫歯治療に使うといったイメージです。

最近歯医者さんに行かれた方の中には、青色のライトを口の中で当てられた経験がある方もいらっしゃるかと思います。

まさにあれがそうです。

少し調べてみると、歯科治療にはほぼジェルネイルと同じような構成のものが使われていますが、波長が少し長く430~450nmくらいの光を使っているようです。

ジェルネイルが365nmと405nmなので、少し長いことが分かります。

口腔内で使える厳選された材料をジェルネイルにも使っているということであれば、安心感がありますね。

プレストの成分表示

ウレタンアクリレートオリゴマー、メタクリル酸イソボルニル、シリカ、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジフェニルホスフィンオキシド

ウレタンアクリレートオリゴマーは特定の成分を指し示す言葉ではないのでNGですね。

メタクリル酸イソボルニルはOKです。

シリカもOKです。

メタクリル酸テトラヒドロフルフリルはOKですが、一次皮膚刺激性の値(P.I.I)が高いです。

ジフェニルホスフィンオキシドは、化合物としては存在するのでしょうが、化粧品工業連合会のリストには収載されていないので、グレーです。

この中で特に気になるのは、やはりメタクリル酸テトラヒドロフルフリルです。

いわゆるTHF(テトラヒドロフルフリル)基をもつメタクリル酸で、THF自体は非常に溶解性が高く、濡れ性も高く、UVインクジェットインキ業界などではよく使われるモノマーのようです。

一方で皮膚刺激性が高いので、直接触れてしまうと、赤くなったり発疹がでたりと、取扱には十分注意が必要です。

その点からジェルネイルに入れるとすごく爪に塗りやすく、縮みなどがないことから有利だとは思いますが、私ならそのリスクは負えないので入れません。

少しプレストをお使いになられる方はご注意されたほうが良いかもしれません。

まとめ

プレストは歯科治療で使われる光硬化性樹脂を作るメーカーのため、安全性等に関しては高い知識を持っており、製造等でのコンタミ(異物の混入)などは他のメーカーに比べると圧倒的に少ないかと思います。

一方で歯科と化粧品はやはり異なるもののため、そのあたりの法的問題等には少し疎いところもあります。

更に成分を見ると、一次皮膚刺激が高い成分が含まれており、あまりジェルネイルを塗るのが得意ではない、または得意であってもプロであっても、100%皮膚に付着させないことはできない、かつソークオフ時には未重合のモノマーがアセトンに溶出し、それが皮膚に触れる等のモノマーによる炎症のことを考えると、使うことが難しいものも入れていることから、そういったところまで考えては作られていないのではないかと感じました。