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ジェルネイルの将来と、ネイリストのこれからの仕事、今すべきこと

ジェルネイル業界の歴史から学ぶ現在のネイルサロンの状況

ジェルネイルは南アフリカが起源と言われています。

光硬化性樹脂はずいぶん古くから他分野特に工業用分野で使われていましたが、それをネイルに適応したのが始まりです。

それまでのネイルはご存知の通りラッカータイプと呼ばれる、溶剤が含まれているものでした。

溶剤中にすでに重合済みの樹脂を溶かし、そこへ顔料等を加え、塗り、溶剤が揮発することで成膜されるといった仕組みです。

一方でジェルネイルは重合前のモノマーを主成分として構成されており、爪の上で重合させることでポリマーを形成します。

ジェルネイルはおそらく南アフリカからアメリカに渡り、そこで人気を得ました。

美に非常に敏感な日本はそのアメリカ分野をいち早く取り入れ、ワンカラーのみならず、独自の「ガラパゴス文化」でアーティフィシャルなものに昇華させました。

その結果、現在では約30%の女性がジェルネイルを体験したことがあり、町中にはネイルサロンをいたるところで見つけられるようになりました。

その結果、価格下落が起きているのはご存知の通りです。

日本のジェルネイル黎明期は一人あたり2万円、3万円といった価格も可能でしたが、今はホットペッパービューティー等のクーポンを利用することで一人あたり3,000円程度でできるようになっています。

現代のネイルサロンとサロンワーカーに求められること

そうした歴史を経て、増え続けたネイルサロンおよびサロン経営者が悩むことはおそらく新規の獲得・既存顧客の維持・客単価アップです。

新規の獲得はまさにホットペッパービューティー等のクーポンで初回を大きく安くすることで、特にお金のない学生を集めることができます。

これは非常に重要なことで学生の間に長く利用されたサロンは、そのまま大人になっても使ってもらえる可能性が高いです。

つまりヘアサロンのように学生価格を導入することも一つのアイデアです。

そしてそこまで通ってくれた常連客はその場所が好きに違いありません。

つまり好きになってもらえるような場所を提供することが価格と並んで重要なことは言うまでもありません。

そのためにするべきことは、「素晴らしいジェルネイルの技術」だけではなく、「素敵な接客」です。

なぜならばそのサロンに通い続けたいと思うのは、仕上がりもさることながら、その人と話すことが楽しい、その人と一緒にいることが楽しいと思うからに違いありません。

次世代型サロン

そうした人との繋がり、素敵な接客をするサロンは価格が多少高くても通い続ける可能性が高いです。

おそらくここを見てくださる方の中にも決まったヘアサロンに行く方がいらっしゃるかと思います。

それは決して価格だけではありません。

担当がいて、聞いてほしい話があったり、聞きたい話があったり、なんだかその人と一緒にいて楽しい、まるで友人のように、それでも踏み込んで来すぎず、その適度な距離感とオープンハートが重要です。

仕事として接する限り、それはお客さんに必ず気づかれます。

疲れてくれば一つ一つの動作が雑になり、それもお客さんに気づかれます。

あなたの大事な人に「してあげたいんだ」という気持ちだけですることが非常に重要です。

そうして惹きつけた人はそうそう離れることがなく、サロンというより人に付いたお客さんです。

こうして既存客を維持しつつ、新規のお客さんを既存客にしつつ、それでもこれからのサロンワークに必要なことの一つは客単価のアップです。

ハンドケア等の追加メニューをさせることで単価はアップさせることができ、多くのサロンで取り入れ始めています。

欧米ではネイルサロンは手のすべてを任せるところでもあります。

爪のケアもサロンの仕事です。

これからのネイルサロン

ここからは非常に聞き苦しい話をします。

ご存知の通り、AIの台頭により、多くの仕事がAIに奪われる未来が想像されます。

その一つにサロンワークも挙げられます。

具体的には今非常に盛んに研究が進められている3Dプリンターを利用したものだと考えられます。

3Dスキャナーで爪の形状を読み込み、3Dプリンターでジェルネイルをプリントする。

絵柄はお客さんの手で選ぶ、すると、サロンワーカーの仕事はほとんどなくなりますね。

機械のメンテナンスや操作方法を教えることがメインとなるでしょうか。

つまりネイルの技術は必要ないということです。

実際にプリンターを利用したネイルはすでに、千趣会のTSUMECOやリンクカンパニーのAUTONAILで実装されています。

そこまでその時代は来ています。

さてネイルサロンはこのままで良いのでしょうか。

このVUCAワールドを生き抜いて行くためには、人が考える前に考えて行動しなければなりません。

ぜひ正しい選択を。

ネイルサロンの未来に今の姿はないかもしれません。