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富士フイルムがジェルネイルに着手か?!

富士フイルムがジェルネイル業界に参入か?

J Plat Patで相変わらずジェルネイル関係の特許検索を行ったところ、富士フイルムの特許を見つけました。

JPA_2018123057

【要約】
【課題】硬化物の密着性に優れ、かつ、剥離性にも優れる爪化粧料、及び、上記爪化粧料を含むネイルアートキットを提供すること。
【解決手段】成分1として、メタクリルアミドと、成分2として、イソボルニルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、及び、ブトキシジエチレングリコールメタクリレートよりなる群から選ばれた、少なくとも1つの化合物と、を含むことを特徴とする爪化粧料。

【請求項1】
成分1として、メタクリルアミドと、成分2として、イソボルニルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、及び、ブトキシジエチレングリコールメタクリレートよりなる群から選ばれた、少なくとも1種の化合物と、を含むことを特徴とする爪化粧料。

ざっと見る限り、ちゃんとジェルネイルですね。

富士フイルムとは?

ご存知の通り、昔はフイルム式のカメラの最大手企業でした。

しかし、デジタルカメラの台頭により、フイルム式のカメラはどんどんと衰退していってしまいました。

そこで社運を賭けて取り組んだのが、化粧品です。

フイルムを製造する工程において、乳化や分散といった化粧品にも応用可能な技術を培っていた同社は、その技術を生かして化粧品業界に参入、かの有名なアスタリフトを作ります。

カニなどの甲羅に含まれる赤の色素成分、アスタキサンチンは抗酸化力が高いことで知られ、それによりアンチエイジング効果があるとされています。

アスタキサンチンはそのままでは油にしか溶けない為、微細化して乳化させることで、水と一緒に吸収することができるようになり、肌に浸透するようになります。

素晴らしい技術ですね。

多くの有用な成分は水溶性であったり、脂溶性であったりします。

例えば、ビタミンCは水溶性なので、水には溶けますが、細胞の中には入って行きにくいです。

一方ビタミンDは脂溶性なので、油には溶けますが、細胞の中には入って行きにくいです。

というのも、細胞ってのは厄介な構造をしておりまして、脂質二重層と呼ばれる細胞膜からできており、その構造はミセル構造のような、脂溶性部分と水溶性部分を組み合わせたような形から出来ています。

つまり、脂溶性でもあり、水溶性でもあるような性質を持たない限り、細胞の中には入って行きにくいのです。

厄介ですね。

富士フイルムのジェルはどこから販売される?

これについては、まだ私の方では確認が取れていません。

しかし、請求項に書いてある特徴のある成分が入っているジェルを見つけることができれば、それは富士フイルムが作っている可能性が高いと言えます。

※高いだけに留まるのは、他社による実施許可や、ただただ特許侵害している場合もある為です。

もし、可能であればtwitterの方に各メーカーの成分を写真にとって貰って送って頂ければ、どこか特定することができるかもしれません。

ご協力頂ければ幸いです。

富士フイルムのジェルネイルを視る

アクリルアミドを使用するというのが、特徴的ですね。

アクリルアミドとは、アクリル酸~やメタクリル酸~と同じグループですが、反応性が高く重合率がよくなる傾向にあります。

更に安全性を高める為に、メタクリルアミドにしてあるところも特徴的です。

メタクリルアミドは水素結合能が高くなるため、凝固しやすく、粘度が高くなったり、低温時に固化する懸念があるため、使いにくいですが、使えると強力なモノマーとなりえます。

そういったものを開発されたのでしょうか、素晴らしいですね。

一方で、ジメチルアクリルアミドやジエチルアクリルアミドも使用可能とされていますが、これら二種は非常に一次皮膚刺激性が高いことで知られています。

つまり接触すると炎症を起こす可能性があります。

特許上の権利範囲としてだけ取得されているのであれば、良いのですが、製品に実装されるとなると、むむと思ってしまいます。

ただ富士フイルムは非常に大きな会社ですし、化粧品も長くやられてきているので、そのあたりの知識は十分にあるのではないかと思うのですが、今後製品が出たときにまた見ていきたいと思います。