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回収事案

タカラベルモント、配合未許可の顔料を使用したネイルを販売し回収

タカラベルモント回収

タカラベルモントが日本の輸入代理店を務めるCNDシェラックに、配合未許可の顔料が使用されていたようです。

ここ数年、こうした回収は多くみられております。

ジェルネイルで言えば、エースジェルの配合未許可の顔料使用により、回収および廃盤になった事件が記憶に新しく、

その前にもネイルラボのプレストに、配合未許可の顔料が使われ回収となっていました。

ネイル業界はこうした問題が起きる度に、他山の石として受けるべきにも関わらず、自社のことを見直さない体質の為、同様の事故が繰り返されてしまいます。

ただ、なぜこうした問題が起きるのか、日本の制度から考えてみたいと思います。

日本化粧品工業連合会の定める表示名称

日本で化粧品として製品を販売する上では、全成分表示というものが必要となります。

全成分表示とは、その内容物に含まれるすべての成分を原則として配合量の多い順に記載しなければならないということです。

またその表示は、日本化粧品工業連合会が定める表示名称に基づいてされなければなりません。

例えば、エタノールは、言い換えるとエチルアルコールとも言えますし、単純にアルコールといっても大抵の場合はエタノールのことを指します。

しかしこれでは、A製品にはエタノール、B製品にはエチルアルコール、C製品にはアルコールと記載されてしまい、消費者が一見して、同じ成分であることが理解できない可能性があることから、その成分は「XXX」と記載すること、といった決まりとして表示名称は存在しています。

つまり、原則としては、エタノールだけが正解で、他の名称で記載してある全成分表示は違反ということになります。

そしてこの成分表示はブックが存在しており、そこに収載されている成分しか原則として使用することができません。

天然物のヤマイモを化粧品に使いたいと思っても、それが日本化粧品工業連合会の成分表示に収載されていなければ、いくら天然物であっても使うことはできません。

そしてたとえ、海外で使える、今回の場合はアメリカでは使える成分であっても、日本化粧品工業連合会の表示名称に記載されていなければ、日本では使用することができません。

ここに落とし穴があります。

輸入化粧品の怖いところ

輸入化粧品は、基本的に、その輸入元国では化粧品として販売できるものとなっていると思います。

というのは、その化粧品はおそらく通常は国内向けの化粧品として作られているからです。

なので、韓国であれば韓国語で記載されたラベル。

中国であれば中国語で記載されたラベルが貼られていると思います。

それらラベルにもおそらく全成分表示がされており、その成分はそれぞれの国においては許可された成分であると思います。(もちろん違反している場合もあるかもしれませんが)

しかしそれを日本に輸入した際には気をつけなければなりません。

例え韓国や中国では許可されていた成分だとしても、それが日本でも許可されているかどうかは全くの別問題だからです。

ただしこの許可は、安全性に関する試験は全くありません。

なので許可されていないから安全ではないということでもないですし、許可されているからといって安全という意味でもありません。

アメリカからの輸入

もう少し言うと、顔料等のタール色素関係の成分以外は、基本的にアメリカにあるPCPCという機関が管理するINCIという日本で言うところの表示名称にあたるものに日本化粧品工業連合会の表示名称は関連しています。

つまり、アメリカからの輸入製品の場合、ほとんど先に述べたような未許可成分の問題は起きえません。

ただし顔料等のタール色素関係の成分以外は、です。

ここは日本独自のルールがあり、ずっと昔に制定されてから一つも増えていません。

新しい顔料が作られたとしても、それは許可されません。

むしろどんどん減っていく可能性もあります。

今回もまさにこの顔料等のタール色素で、アメリカでは許可されているが、日本では許可されていない成分を使用し、回収となってしまいました。

しかしこれは先にも述べました通り、ネイルラボのプレストがもう一度起こした回収とほぼ同じです。

その時は医療用には使える顔料が化粧品には使えずに回収となりました。

今一度、化粧品会社は自社製品の成分について見直しを!

輸入製品が国内で販売できるかどうかは、輸入会社の責任です。

現地の言語の、現地の成分表示を、日本のものに変換するのを、その輸入元の国に任せると、「これは日本にない成分だな、消しておくか」みたいなことが起きます。

そうすると、輸入する方は消されたことに気づかず、そのまま販売してしまいます。

しかし何かの拍子にそれは分かります。そして回収となってしまいます。

または「日本語にさえなっていればいい」と、日本化粧品工業連合会の表示名称と対応させることなく、それらしい全成分表示が出された場合、それを鵜呑みにラベルを作成し、流通させてしまう可能性もあります。

いずれにおいても、すべて輸入した会社の責任です。

健康被害がなければ良いという問題ではなく、こうした些細な、簡単に解決できるような問題にも対処できない体質の会社が、より難しい安全性や安定性といった問題に真摯に取り組めるのかというのが私の疑問です。

私にはできないと思います。

イージーモードがクリアできないのに、ハードモードはクリアできません。

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回収事案 安全性

TATの回収事例から今後のジェルネイルのあり方を考える

TATの回収事例概要

『Salon use 4in1 クリアジェル』 『Salon use selectable クリアジェル #1』
自主回収に関するお詫びとお知らせ
謹啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は弊社商品に格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。
この度、弊社販売の『Salon use 4in1 クリアジェル』、『Salon use selectable クリアジェル  #1』につきまして、爪に直接塗布するベースジェルとしても使用可能であるため、化粧品として製造販売の届出が必要であったところ 同届出ができておりませんでした。
つきましては、当該商品を自主回収させていただく運びとなりました。
お客様には多大なご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げます。
お手元の商品につきましてはただちにご使用を中止していただき、お手数ですが下部に設置しております返品依頼書のダウンロードボタンより返品依頼書をダウンロードし、必要事項をご記入の 上、返送用送り状にてお手元の商品をご返送頂けますようお願い致します。
なお、化粧品配合禁止成分は一切使用しておらず、現在までに当該商品の使用による健康被害の報告はございません。
【当該商品】
① 65433  Salon use 4in1 クリアジェル 15g
② 89883  Salon use selectable クリアジェル #1 15g
※残容量は問いません。容器をお送りください。

該当ページのURLはこちら→https://www.nailtat.com/oshirase/salonuse.html

TATのジェルネイルに対する判断

化粧品としての販売届出ができてなかったことは置いといて、TATが今回の判断に至ったことについて触れたいと思います。

「爪の直接塗布するベースジェルとしても使える」というところが最も肝心なところですね。

つまりTATは「爪に直接塗布するもの」は全て化粧品であるべきと考えるということです。

「爪に直接塗布するもの」としてはアクリルスカルプなども挙げられますし、プライマーも挙げられます。

果たしてこのあたりの製品が本当に化粧品のものだけTATは取り扱っているでしょうか。

それとも、化粧品以外のものも取り扱っているとするならば、それはどんな理屈で取り扱っているのでしょう。

各メーカーの判断?

販売したTATには全く責任がない?

いやいや…そんな訳無かろう…。

少なくとも販売する限りにおいては、その製品が販売して良いものか判断しますよね。

麻薬売ってくれって言われたからって売ったりしませんよね、それと一緒です。

では、TATは「爪に直接塗布するもの」は化粧品であると考えながらも、なぜ化粧品ではない製品を売るのか。

売上の為しかないですね。

商道徳に反しながらも、売上を挙げようという気持ちが丸見えです。

都合が悪いところは、いやメーカーの判断で…とでも言うんでしょうね。

そりゃあね、メーカーが一番悪いですよ。

いや、実はこれはメーカーが悪いとも言えないんです。

化粧品とはなにか

というのも、「爪に直接塗布するもの」言い換えれば「肌に直接塗布するもの」はすべて化粧品でなければならないなんてことはないんです。

その代表例がマツエク接着剤です。

これらは直接皮膚と接触するものながら、化粧品扱いを受けていません。

しかしそれは問題ではないのです。

医薬品医療機器等法第2条第3項で、化粧品は次のように定義付けられている。 人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

つまり、太字にした部分が達成されない皮膚に接触するものは化粧品でなくても良いのです。

そういう意味ではボディペイントは化粧品ですね。タトゥーシールも。

この定義から考えると、ベースジェルもマツエク接着剤も確かにそのものの性質はこの特性に寄与はしていないので、化粧品ではなくても良いと私も考えます。

そのように考えるメーカーも少なくともいるとは思います。

化粧品と安全性

と言いながらも、じゃあなんでもアリなのかと言えば、それはそれで違うと思います。

少なくとも、化粧品であるかどうか、なんてことよりも、安全性が担保されているのかどうかが重要ではないでしょうか。

化粧品=安全は全くの嘘というか誤解であることは常々当ブログでは語ってきました。

なにせ化粧品として販売する上で安全性のテストなんて存在しないのですから。

全て自主判断にて販売されているのが現状です。

有名な話に「アレルギーパッチテスト済み」がありますね。

「アレルギーパッチテスト」は「済み」でも、その結果がどうだったのか何も記載されていません。

消費者が勝手に「販売されているのだから、アレルギーはなかったのだろう」と誤解しているだけです。

それが問題になったのか最近ではこうも書かれています。

「全ての人にアレルギーが出ないわけではありません」

もう何のことか分からなくなってきます。

ハッキリ言います。

そりゃそうですよ!

人は千差万別、みんな違います。

アレルギーも出る出ない当たり前です。

日光アレルギーがあれば、水アレルギーもあるんです。

そんな体にとって必要そうなものにまでアレルギーがあるんですから、化学品にアレルギーがないなんてことはないんです。

安全性に配慮したジェルネイルを

TATは化粧品かどうかなんてことよりも、そのメーカーがどんな安全性テストを実施し、どんな証拠を以て、その製品を販売するつもりなのかそこを見極めるべきです。

(まあ、売上至上主義みたいな会社には無理でしょうけど)

資生堂の姿勢を見習うべきです。

どんなテストをしているのかはっきり掲示してあります。

その結果まで公開されているかは別ですが…少なくとも、そのくらいの姿勢は必要です。

いや、ぶっちゃけそんな知識がある人はジェルネイルの業界のトップにいないと言っても過言ではありません。

表示名称ですら違反・間違いだらけの業界ですよ?

他の化粧品分野ではありえないですよ…信じられない。

だからこのままではジェルネイル業界は、安全性に全く配慮されていないジェルネイルを販売し続けることしかできません。

最近になりようやく大手のメーカーも参入してきたので、少しづつそうしたメーカーが安全性に関する活動を声高らかにして頂ければ、業界も変わるかもしれませんが…。

消費者にとっては油断ならない製品ばかりが溢れているのがジェルネイル業界です。

くれぐれも安心なさらぬよう。

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トリネ 回収事案

トリネ クレンジングジェル回収!!

トリネとは?

TAT専売の2017年に出た新しいジェルネイルです。

TRÏNA=TRIP+NAIL

旅する女性、その非日常的な出来事を毎日感じられように。
非日常な出来事との生活をリンクさせる架け橋になれたらと、TRIP(旅)+NAIL=TRÏNAは誕生しました。

100 色以上有るカラーラインナップの名称にも特徴があります。
施術するネイリストだけではなく、 お客様に伝わりやすく覚えて頂けるよう、世界各地の地名を使用しています。

TRÏNAカラージェルが塗られた爪から連想する、新しい旅立ちをお手伝いします。

エキスポかBWでデビューした時はすごく売れててびっくりしました。

容器も可愛くて、良いなあと思っていましたが、化粧品ではなかったと思います。

(もしお持ちの方がいれば、側面ラベルか裏面ラベルを見て下さい、化粧料とかいてなければ化粧品では基本的にありません。)

トリネの回収内容

回収の内容をTATに確認したところ、もう掲載されていませんでした。

回収事は印象良くないですからね、消したのかもしれません。

別サイトに回収の内容があったので、下記に記します。

「トリネ クレンジングジェル 100mL」で、ごく稀に容器内のクレンジングジェルが硬化してしまう事例が確認されていることから、手元の商品が硬化している場合は返金対応する。黄ばみがかってくるという報告も稀にあるが、 直射日光の照射による「日焼け」のような状態で、商品の品質には影響はないため、そのまま使用できる。

ジェルネイル研究者としては、いやいや…と言いたいです。

硬化するために必要なことは光があたる、または熱がかかることです。

一度光があたったジェルは反応が停止しているようで、暗反応が進行します。

暗反応とは暗いところでも起きる反応です。

つまり、このジェルネイルは遮光された環境等では作られておらず、光あたるような場所または熱がかかるような製造をしている、そのもの自体品質として好ましくない製造方法で作られていると考えられます。

そのようなジェルを使うのが良いのか…ご判断下さい。

今硬化していないとしても、もう光や熱が既に新品の状態なのにかかっている製品であることは間違いありません。

 

 

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ベトロ 化粧品 回収事案

VETROも自主回収間近か?!

表示と内容が異なる可能性

前回の記事「VETROの真実」に引き続き、VETRO製品を見ていきたいと思います。

VETROの側面ラベルに記載されている全成分表示は、

ウレタンアクリレート、アクリルモノマー、1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、二酸化ケイ素(+/-)酸化鉄、黄色5号、赤色202号、青色2号、ジオキソチタン、マイカ、グンジョウ、カーボンブラック、ベンガラ

となっております。

前回の記事中で、表示されている名称が正しくないものばかりというお話をしましたが、表示だけではなく内容(本当に入っているもの)と異なる可能性があります。

1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン

VETRO製品に記載されている「1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」は、表示名称としては「ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」が正しいです。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとは、下図のような材料です。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは光重合開始剤の一つで、これに光が当たることにより、重合(硬化)が始まります。

このヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの吸収波長域がパナソニック様のパテントに掲載されていたので拝借しました。

縦軸が吸収の強さです。

横軸は波長です。

注意深く見ると、気づくことがあるかもしれません。

LEDライトの波長は405nm付近です。

つまり、下図のところに吸収がなければ、反応できないはずです。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの最大吸収波長は380nmくらいまでなので、405nmは吸収することができません。

ところがVETROの成分表示からは他の光重合開始剤は入っておりません。

つまりこの成分表示が正しければ、LEDライトで硬化するはずがないのです。

おかしいですね。

LEDライトで硬化する為に必要な光重合開始剤

ほぼ間違いなくこの光重合開始剤を入れなければならず、それ以外はありえないと私は思っているものがあります。

それは「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」という成分です。

この光重合開始剤の吸収波長もパナソニック様のパテントから拝借しました。

この光重合開始剤であれば、405nmの波長を吸収があるので、重合させることができます。

この光重合開始剤「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」が記載されていないLED対応のジェルネイルは、表示と内容が異なっている可能性が高いと思います。

これは回収に該当する重大事項ですので、そのようなジェルは決してサロン等ではお使い頂かない方が宜しいかと存じます。

消費者庁にこのVETROの製品を持ち込めば、恐らく自主回収になることでしょう。

そうなる前にVETRO自身が表示名称を正しく表示することを強く願います。

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回収事案

ジェルネイルの自主回収(ランタナ)

自主回収とは

回収には行政指導による回収と自主回収の二つがあります。

行政指導による回収は本当にダメな奴です。

製品に危険性があるとか、そういった理由でされるものです。

最近ではカネボウの白斑事件などがそれに該当するかなと思います。

一方で比べると自主回収はなんだか聞こえは良いですね。

でも何かしら製品に悪いことがあるから回収となっているのであって、そもそもそんな回収なんかしないで済むような製品作りを心掛けてほしいです。

東洋アルミエコープロダクツのネイル「ランタナ」

東洋アルミの子会社「東洋アルミエコープロダクツ」から「ランタナ」というシリーズのネイルが販売されています。

アルミニウムに酸化チタンなどを積層させてコーティングすることで偏光を持たせ見る角度によって見える色が違うといった特徴があります。

なかなか綺麗で素敵です。

ところがこのジェルネイルは2016年6月に自主回収しています。

【回収】Lantanaネイル商品四品目 化粧品製造販売届出漏れ

これは実は製品の品質に問題があったといった話ではありません。

ただ単純に化粧品製造販売届出を忘れていたということです。

化粧品製造販売届出とは

化粧品を販売する上で自社が所属する都道府県に事前に「化粧品製造販売届出」を提出しなければなりません。

〇〇という名前の商品を私が売りますよ、と申請する訳です。

この書類の中には、誰が製造して、誰が販売するか、といった情報を記載しなければなりません。

なのでこの書類さえ見れれば、どこのメーカーのジェルネイルが、どこで作られているかが丸裸になるのですが、この書類はDB等に掲載される情報ではないので残念ながら見ることはできません。

今回の東洋アルミエコープロダクツさんはこの申請をしていなかった為に回収となってしまいました。

担当者がたまたま忘れてしまっていたのか、はたまた化粧品関係に疎く、必要事項と知らなかったのか、それは分かりませんが少し間抜けな回収事案でした。

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エースジェル 化粧品 回収事案 特許

自主回収となったエースジェルの真実

エースジェルの自主回収

私はメーカーサイドの研究者なので、この話題に触れて良いのか本当に悩みました。

でも、エースジェルを使って下さった方は多いですし、その影響もとても大きなものだったのでやはりちゃんと真実を知って頂くのが良いかと思いました。

順を追ってお話しようと思います。

配合が認められていない顔料

以前の記事「化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル(続き)」で触れましたが、化粧品としてジェルネイルを販売する上で避けられないルールの一つが、化粧品に使用が認められている顔料は数十種類に限定されているということです。

紅不二化学様にまとまっていますので良かったら見てください。

化粧品色素

ここに掲載されていない顔料は基本的に配合してはいけません。

ところが、今回エースジェルはこの配合してはいけない顔料を意図的ではないにしろ配合してしまった、そしてそれを把握しないまま販売を続けていた、ということが問題となりました。

実は過去にはネイルラボも同じ失敗を犯していた!

ネイルラボ プレスト製品の回収について

奇しくもネイルパートナーのページに残っていました。

ネイルラボのサイトからはどうやらその記事はもう消してしまっているようです。

汚点を隠しているかのようですね。

ネイルラボもプレスト製品に化粧品には配合が認められていない顔料を配合していたということで自主回収をしています。

この時は確か医薬品には配合可能な顔料だったので、化粧品にも使えると思っていた、といった言い訳をされていたと記憶しています。(なにせページが削除されているので、うろ覚えですみません)

杜撰ですね。

それからネイルラボでは「化粧品の規格に準拠した製品」を販売しているのかと思いきや、先日の展示会で製品をチェックした時にはまだ「ええ…」と思ってしまうような製品を販売されていたので、そういう体質なのでしょうか。

エースジェルはネイルパートナーが製造者ではない

エースジェルの裏面を見ると、製造販売元は株式会社ジュリアとなっています。

一体どんな会社なのか調べてみましたが、どうもHPなども出てきません。

化粧品を販売する為に必要な許可」という記事で説明しましたが、製造販売業は製造設備がなくても、何の知識もなくても、許可を取ることができますし、誰でもなれます。

つまりは、そういうことだと思います。

株式会社ジュリアの住所をGoogleMapで検索してみたところ、「十条ケミカル株式会社」と同じ場所にあることがわかりました。

十条ケミカルはUV硬化型のインクジェットインキなどを作っているメーカーのようです。

J-Plat Patという特許庁のHPで十条ケミカルを調べてみたところ、ありました。

特許第4981184号 光硬化型ジェルネイル用下地剤およびジェルネイル方法

詳しくはまた特許を解説する記事で見ようと思うのですが、とにかくジェルネイルを作っていることは間違いなさそうです。

つまり十条ケミカルが化粧品には使用できない顔料を配合したエースジェルを作ってしまったと考えられます。

恐らく、ネイルパートナーからは莫大な請求が十条ケミカルにはされたのではないでしょうか。かなりエースジェルは売れていたと思うので、回収費用、回収した分の製品代、今後売れるはずだった分の利益等々請求されたのではないかと…もしかしたら訴訟などになるかもしれませんね。

配合が認められていない顔料は危険?

ではその配合が認められていない顔料を含むエースジェルは危険なのか、と聞かれると、答えはイエスでもありノーでもあります。

その配合が認められていない顔料は単純に毒性や刺激性があるから配合が認められていない訳ではないからです。

ただし化粧品の原料は基本的にホルマリンなど配合禁止成分を含まないとされています。

その顔料の製造上ホルマリン等が入らないとしても、同一工場内でホルマリンが発生するものを製造すれば飛散して混入する可能性はゼロではありません。

この配合が認められていない顔料がどうしった設備でどんなところで製造された顔料なのか、その顔料には配合禁止成分や毒性・刺激性のあるものが含まれていないかが重要になると思います。

それは試験機関に依頼しない限り分かりません…ただ、そもそもジェルネイル自体が刺激性の高いものなので、数パーセント~数十パーセントしか含まれていない顔料のなかのさらに数パーセントも含まれないそういった微量成分のことを考えるよりは、ジェルネイルそのものの刺激性を考えるほうがはるかに有意義だと思います。

ジェルネイル自体は安全なものではありません。

爪という死んだ細胞に乗せるから影響がないのであって、生きた細胞である皮膚の上に乗せたりすれば含んでいる顔料が化粧品か化粧品でなかろうが人によっては炎症を起こす、またはアレルギーになる可能性は高いと言えます。

ジェルネイルをする上でそれは避けられない刺激性・皮膚感作性です。

それを理解した上では、そもそもジェルネイル自体が安全ではないので、エースジェルが安全かどうかは、あまり大きな意味を持たないようにも思います。

新しい化粧品の分野:ジェルネイル

ジェルネイルはまだまだ比較的新しい分野です。

化粧品に精通している資生堂さんやロレアルさんが作っている訳ではありません。

むしろ今まで化粧品などを作ってこなかったメーカーの方が多いのではないかと思います。(光硬化性樹脂という製品の性質上)

そうなると化粧品の知識が不足し、こうした事態が起きてしまうのではないかと思います。

より安全・安心なジェルネイルを作る為にも、この業界自体の成長が必要ですが、そのためには価格だけに囚われて、安かろう悪かろうの製品を購入しないという商品者の意思も必要です。

安全性の試験をしっかりとし、品質管理を十分にした製品は、やはりコストがかかってしまいます。

1個300円では赤字になってしまいます。

高いものにはそれだけの価値もちゃんとあります。

ぜひ製品の良し悪しを見極める力を身に着けていただいて、安全・安心なジェルを楽しんでください。