カテゴリー
安全性 材料

白い容器のジェルネイルは、中身が硬化しているかもしれない

ストーリージェル365ボンダー容器の変更

ストーリージェル365から販売されているボンダーの容器が白から黒に変更になるそうです。

一体なぜでしょうか。

ストーリージェル365のオフィシャルwebサイトを見ると、


ボンダー
爪とジェルの密着性を高めるためのジェル用下地剤。
酸を含んでいないため、爪に優しいボンダーです。

硬化して使用するジェルタイプのプライマー。

5ml/¥1,790 [17-90]
LED硬化時間30秒 / UV硬化時間120秒

https://www.storyjel365.com/product

つまりストーリージェル365のボンダーは、ベースジェルと同じように光で硬化する樹脂と言えそうです。

そうすると、光が容器を透過してしまうと、中身が硬化してしまう可能性があります。

おそらくストーリージェル365のボンダーも、蛍光灯の下で保管されていたりすると、容器を光が透過して、粘度があがったり、糸引きが見られたりするようになるのだと思います。

ボンダーに含まれる光重合開始剤に光があたり、ラジカル種が生成され、密着性モノマーが重合して、そういった状態になると考えられます。

そうなると、密着性モノマーの分子量が上がってしまうので、爪へ浸透しなくなり、密着性が失われてしまいます。

つまりボンダーとしての効果を発揮できなくなります。

白い容器には要注意

白い容器は見た目にとても良く、清潔感などを与えます。

なので、各メーカー様も最初に白い容器で商品化したいと仰られることが多いです。

白い容器とはつまり、ガラスであれば、スプレー等で白い顔料(多くの場合酸化チタン)を吹き付け、白くしています。

プラスチックであれば、同様に白い顔料を樹脂に混ぜ成型したものになります。

酸化チタンは、日焼け止めなどにも使われることもあるくらいには、光を反射する性質があります。

ホワイトのカラージェルがUVライト等で硬化しにくいことを体験された方も多いのではないでしょうか。

ただ酸化チタンの被覆力(下地を覆い隠す力)は白の顔料の中では高い方ですが、黒の顔料と比べると高くありません。

例えば、カラージェルで真っ白のジェルを作ろうと思うと、酸化チタンを10%ほど入れる必要があります。

一方で真っ黒のジェルを作ろうと思うと、酸化鉄を使う場合は4%ほど、カーボンブラックを使う場合は1%も必要ないかもしれません。

それほど酸化チタンの被覆力は低く、酸化鉄やカーボンブラックの被覆力は高いです。

つまりガラス容器にスプレーで白のインクを吹き付けるにしても、高濃度の酸化チタン等が入ったものであれば十分な遮光性が得られる可能性はありますが、一般的には白くなれば良いという考えが当たり前ですので、光を通す通さないという観点はなく、白く見える容器でも光が通るという事態が起きます。

一方黒い容器であれば、被覆力=遮光性と言い換えれるくらいに遮光性が高いので、下地が隠れるくらい吹き付ければ、自ずと光も通らなくなります。

なので、ほとんどのジェルネイルの容器は黒です。

もし白い容器のジェルネイルをお持ちで、もし要らないのであれば、特にクリアジェル系が入ってる場合、蛍光灯などに近づけておくだけで中身が硬化することを確認できると思います。

そこまでしなくても、容器を通して光の明るさが感じられるのであれば、つまりそれは光を通しているということです。

白い容器でもジェルネイルを長持ちさせる方法

それでもお気に入りのジェルが白い容器で売られていて、でも長く使いたい場合にはどうすれば良いでしょうか。

光が当たることで、容器を透過して、ジェルネイルが固まるというメカニズムなので、アルミホイルなどで包んで光が当たらないような状態にする。

または遮光性のある黒いトレーなどで保管するといったことが挙げられます。

いずれにせよ使用されるときには、できるだけ蛍光灯などからも離して使う、LEDライトやUVライトの光が当たらない場所に移動させることが必要です。

そして使い終わったら、すぐに光が当たらないところへ仕舞う。

そうすることでぐっと製品寿命は伸びると思います。

ただし注意点として、この容器を透過してジェルネイルが硬化するのは、お客様の手に渡ったときから始まることではないということです。

つまりTATなどでお買い物された場合には、陳列されていたものをご購入されると思うので、店頭ですでにほぼ毎日蛍光灯の光を浴びた製品となっています。

インターネットで購入する場合も、どのような状況で保管されているのかわからないため、同じだと考えて良いです。

倉庫等で毎日光があたっているかもしれません。

買った直後なのに、なんとなくどろっとしている、糸引きがある場合にはもう重合が始まっている可能性があります。

つまり製品の性能が発揮されない状態にあるので、使っても効果はないかもしれません。

そういった場合にはすぐにクレームに出して、交換してもらうのが一番だと思います。

私としては白い容器に入ってる製品はおすすめできません。

なぜならば、その製品を売り出したメーカーは、それだけ製品の安定性などを考えずに、見栄えだけの為に白い容器を選んでいるからです。

つまり売れれば良い、と考えていると言い換えれると思います。

または気づいてなかったと申すなら、それだけ見通しが甘く、知識も乏しいメーカーということです。

そんなメーカーに良い製品が作れるでしょうか。

白い容器を採用しているジェルネイルにはご注意を。