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サクラ

国産ジェル「sacra」誤充填により回収

国産ジェルネイル「sacra」とは

sacraは私たちの大切な人のためにと誕生いたしました。
やさしさを限界まで追求し、全てにおいてこだわり続けています。

sacraだからできるもの。
sacraにしかできないもの。
そんな商品造りに日々真面目に取り組んでいます。

sacraはあなたへの安心と満足のメッセージ。
やさしく、そして美しく・・・

日本の国花でもある「桜」をモチーフにしたジェルネイルです。

容器やロゴも可愛く、安全にも配慮されていそうな素敵な印象を与えてくれるジェルです。

化粧品かどうか

肌と爪にやさしく、
アレルギーゼロを目指して

ジェルアレルギーや肌トラブルの原因とされるアクリル酸とHEMAを使用せず、化粧品原料にこだわりました。

日本人の肌に合った
カラーバリエーション

sacraは日本女性の肌に似合うカラーを取り揃えております。
sacraジェルで皆様の爪に彩りを

化粧品登録済の
完全日本製ジェル

原材料から生産、充填、容器に至るまですべてが目の行き届く日本製で、化粧品登録しています

国内で生産された化粧品登録のされたジェルネイルと謳っております。
ただ少し注意したいのが、HEMAを使用せず、化粧品原料に拘りました。のところです。
HEMAは化粧品原料として登録されています。
成分番号 560926
表示名称 HEMA
INCI名 HEMA
定義 本品は、次の化学式で表されるメタクリル酸2-ヒドロキシエチルである。

これから言えることは、化粧品原料=安全ではないということです。
つまり、化粧品原料を使用しているからといって安全とは限りませんし、化粧品原料を使用していないからといって安全ではないとも言えないです。

誤充填により回収

そんな国内で製造・充填の管理までされていたsacraですが、残念ながら誤充填した製品を流通させてしまったようです。

「SACRA トップジェル」で、他製品に充填すべき内容物を誤って充填したことが判明したため、該当ロットを回収する。誤って充填した内容物も同じくジェルネイルのトップコートであり、粘性が異なるものの化粧品基準に適合しているため安全性に問題はなく、重篤な健康被害発生の恐れはない。これまでに当該品の使用による健康被害の報告はない。

sacraには二種類のトップジェルがあり「トップジェル」と「2wayトップジェル」です。

2wayトップジェルは長さだしもできるように粘度が恐らく高いものと思われます。

この誤充填はきっとトップジェルと2wayトップジェルが逆になってしまった為に起こったのではないでしょうか。

または充填工場は、多くの場合その製品だけを充填していることはなく、別ブランドの製品の充填なども請け負うことが多いです。

つまり、別メーカーのトップジェルを誤って別のブランドの容器に充填してしまったということも考えられます。

その場合、同社製品ではアレルギー等の反応が出てなかったとしても、別メーカーのジェルには例えばHEMAやアクリル酸が入っていて、皮膚に合わずアレルギーが出てしまうといったことも考えられます。

いずれにせよ、もし同ロットの製品を持ちの方は、迷わず交換して頂くのが良いと思います。

回収対象商品

販売名:SACRA トップジェル
ロット:B19101
数量:251個
包装単位:4g
出荷時期:2019/10/09
製造販売業者:(株)ユーアイエー 愛知県名古屋市西区上名古屋一丁目1番6号
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セルフネイル フルーリア ライト 安全性

UVで上手にジェルネイルを硬化させる方法

ジェルネイルの硬化方法

ジェルネイルの硬化方法にはいくつか種類があります。

昔ながらのUV硬化、最近中心になってきているLED硬化、その間にCCFL硬化といったものもあります。

どのように違うかというと、UV硬化はまずライトが5000円以下でも手に入る程安いです。

一方、ライトの出力は徐々に下がってくるので、気づかないうちに硬化不良を起こす可能性があります。

波長としては365nmの光を使っており、紫外線領域なので目などにはあまり良くないです。

また照度も低いため、硬化させるのに時間を必要とします。

LED硬化はライトが高く、5本指の入るものだと10000円以上します。

時々8Wくらいの簡易LEDのようなものもありますが、それですべてを賄うのは難しいと思います。

LEDの良いところは、一般的な使用の範囲では出力の大幅低下がないことです。

また波長も405nmの可視光を使っており、光自体は悪いものではありません。

一方照度は高いので、短時間で硬化させられますが、一方で強い光を見るということが目にはよくないです。

またベースジェルやトップジェルでは重合に伴う発熱で熱い思いをすることがあります。

フルーリアUV硬化時間延長

多くのネイルサロンではすでにほとんどがLEDに置き換わっていると思います。

一方でセルフの方、または学生などではまだまだUVライトも使われているのではないでしょうか。

そんな中、フルーリアがUV硬化の時間を1分から2~3分に延長するといった発表がありました。


規格変更(2019.07.11)

フルーリアジェル カラージェル一部商品の硬化時間が以下のとおり変更になります。

【対象商品】
27718カラージェル M14 エンジェルホワイト ★受注発注
49245カラージェル 008 ダブルホワイト

<UV>1分 → 2~3分 <LED>20秒(変更なし)
※使用するライトにより硬化時間が異なります。

なお、長期欠品となっておりました「フルーリアジェル カラージェル 008 ダブルホワイト」は7月16日(火)より再販いたします。

今回の発表は特にマットなホワイトに限定されています。

ホワイトは光を反射しやすい色なので、UVライトで硬化させるのが最も難しい色です。

恐らく、UV1分では、いわゆる半熟になるといったクレームが多く、照射時間を延長してもらうようなお願いをすることが多かったため、このような規格変更をしたのだと思います。

一方でLEDの405nmでは、酸化チタンの白色はその領域に反射を持たない為、比較的白を固めやすいという性質があります。

ただし、白色のジェル特にマットなホワイトのものは非常に多くの時には10%程度酸化チタンが含まれているので、それだけ光の透過は悪くなり、いくらLEDで光が通り易いといっても、十分に硬化しない可能性もあります。

ラジカル重合のメカニズム

ジェルネイルはラジカル重合という仕組みで硬化します。

ラジカル重合とは、エキソオレフィン末端にラジカル種が付加することで、連鎖的に起こる重合の一つです。

ジェルネイルには光重合開始剤というものが含まれていて、365nmや405nmの光を吸収し、ラジカル種を発生させます。

つまりジェルネイルに光を当てることで、光重合開始剤からラジカル種が発生し、そのラジカル種がアクリレート末端に付加し、アクリレート末端が連鎖的に重合することで、液体だったものが固体へと変化します。

ここで光を沢山充てることで、光重合開始剤にたくさんの光を当てることができ、ラジカル種を生む光重合開始剤も増えるため、重合性が良くなります。

この光重合開始剤が、硬化時に使われないと、硬化後もジェルネイルの中に光重合開始剤が残ってしまいます。

すると、日常の光で反応し、白のジェルが少し黄色みがかってきた、やジェルネイルがボロボロになってきたといったよくないことも起きます。

なのでジェルネイルを硬化させるときは、できるだけたくさんの光を当てて、光重合開始剤を全部使うようにすることが望ましいです。

そうすることで、後の悪い変化を起こさせないようにすることができます。

UV硬化の危険性

ただし長時間光をただ当てればよいということはありません。

特にUVライトの場合、先の通り、照度が低いため、光が十分にジェルの奥深くまで当たらず、奥底で重合が不十分になることが多いです。

それはいくら光を当てても、透過しないものは透過しないので、変わりません。

また365nmという光が波長としてはエネルギーの強い分類に入ります。

UV光をずっと当て続けることで、今度は逆に固体になったジェルに悪影響を与えます。

外においてあったプラスチック製品が脆く割れやすいのは、太陽光に含まれる紫外線による影響です。

それと同じことがジェルネイルにも起きるので、当てすぎると逆にボロボロになるきっかけを作り出してしまいます。

外に置くことを前提とした樹脂製品には、光吸収剤はHALSとよばれる物質を入れて、対候性に強い樹脂にしていますが、それらの樹脂製品は熱硬化樹脂が多く、基本的に光で固めて作るようなものはありません。

光で固めたいのに、光で影響を受けない樹脂ってあり得ないですよね。

UVライトで上手にジェルネイルを硬化させる方法

UVライトは弱い光しか出ません。

長い時間あてても、逆効果を生むかもしれませんし、光が届かないところにはいくら当てても届きません。

そこでUVライトでも上手く色の濃い、白や黒、黄色を硬化させるためには、薄く何度か重ねるのがオススメです。

実際に薄く塗ると、膜厚も均一になるので、見た目も綺麗に仕上がります。

カラージェルがボコボコとしてしまうと、それをトップジェルを厚く塗り覆い隠そうとしますが、そうすると硬化熱で痛いといった問題や、トップジェルの厚みに差があるので、結局光が綺麗に入らず、なんだかボコボコしているといったことになります。

薄く、何度か2度3度または4度と塗り重ねることで、綺麗なカラージェル層が作れますし、そうすることでジェルネイル自体のモチも良くなります。

UVライトでもジェルネイルはちゃんと楽しめるので、ご安心ください。

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ブランド

ジェルネイルの中身は似たり寄ったり?

エースジェルの代わりのジェル

先日ネイリストの方からこんなお話を頂きました。

エースジェルが無くなってから、新しい良いベースに出会えてないと。

確かにエースジェルのレオやノアは良いベースジェルでした。

成分については私も良く知りませんが、使っている方は多く、それだけクレームもなかったからだと思います。

そんなベースジェルの代わりになるものがないので、店舗で在庫している分がなくなれば難民になってしまうと。

そこでどこのメーカーのが良いかと尋ねられました。

エースジェルが無くなってから、確かにどこのジェルネイルが良いのかと探されている方はまだいるのかなと思います。

そういった方に、今のジェルネイル業界の製造側の話をさせて頂こうかと思います。

ジェルネイルはメーカーが作っている訳ではない

ジェルネイルのメーカーは沢山あります。

無くなってしまったエースジェルも含め、パラジェルやプリジェル、シャイニージェル、リーフジェル、サンシャイベイブ等等。

しかし、これらのメーカーは自社で工場を持ち、ジェルネイルを作っているわけではありません。

すべてのメーカーはどこかジェルネイルを作ることが出来る工場に依頼して製造してもらっています。

ジェルネイルは化学製品です。

つまり白衣を着ているような化学者でなければ作ることができません。

そんな化学者はジェルネイルメーカーには居ません。

ジェルネイルメーカーから求人がでていることもあると思います。

その求人欄に理系大学または大学院卒業の人を募集しているのを見たことがありません。

つまり、そういうことです。

UVレジンを作る工場

それではどのようなところが作っているかというと、UVレジンを扱うことができるような工場が代わりに作っています。

そこで雇われている研究者が配合を考え、製品を作り、納品し、メーカーが代わりに販売しているといった構図です。

どうしてこのような構図になっているのかというと、工場を持つということは非常にお金がかかることだからです。

敷地も必要ですし、働く人も必要です。

機械も必要ですし、ノウハウも必要です。

それだけあってもまだ足りません。

今度はその工場を週5日稼働させ続けなければなりません。

しかしジェルネイルの大きさや販売されている数を考えてください。

シャンプーと比べると、毎日使うシャンプーに対してジェルネイルは使う量が少なく、使う人も少ないです。

そうなると、毎日ジェルネイルを作ってしまうと生産過剰になり、在庫を沢山抱えてしまうことになります。

またジェルネイルには季節的な波があります。

冬には足は塗らなくても良いかと、使用量が減ります。

そうした結果、メーカーは自社でジェルネイル工場を持つことができなくなります。

ではどのようになっているかというと、一つの工場がいくつのメーカーと契約し、複数社のジェルネイルを一挙に製造しています。

そうすることで、年間の生産量を調整し、毎日仕事があるような状態を作ることができます。

そしてそのジェルネイルの設計をする人も限られてくるので、その契約しているメーカーのジェルネイルは似たり寄ったりの成分になります。

製造上も同じ配合の方が転用できるのでコストメリットもでてきます。

つまり、ラベルや容器が違うだけで、中身は同じようなジェルネイルが市場には多く出回っているということです。

ではエースジェルの代わりはどうか

エースジェルを作っていたのは十条ケミカルであるという話を以前にしました。

その十条ケミカルは化粧品に配合してはならない顔料をずっと配合してしまっていたことにより、市場からエースジェルを回収しなければならなくなり、その負債を負ったと考えられます。

十条ケミカルはそのジェルネイル事業を恐らく今は続けていないので、エースジェルと同じような中身のジェルは今は市場にないのではないかと考えられます。

ベースジェルは爪と相性のあるものです。

しかしその相性は作り出すことが出来るものです。

同じベースジェルを使い続けることで、爪にそのベースジェルに馴染みやすい土壌ができます。

その結果、ベースジェルの持ちが良くなり、欠けにくく、浮きにくくなります。

そうした努力をしなければベースジェルの切り替えはできません。

万人に合うベースジェルがないように、エースジェルから切り替えることは大変ですが、使い続けても何の解決にもなりません。

評判の良い、使い勝手の良いベースジェルを決めて、そのベースジェルを塗り続けて、そのベースジェルにあった爪にしていくことが大事です。

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ブランド ベースジェル マックスオーガニック 特許

オーガニックジェルネイルの謎

マックスオーガニックとは

マックスオーガニックから「オーガニックジェルネイル」なるものが販売されています。

以前オーガニックジェルネイルとは何かと思って調べていましたが、具体的にどうオーガニックなのかについては触れられておらず、断念していましたが、特許を検索したところ、出願されていたので、中身を確認していきたいと思います。

まず、マックスオーガニックの謳い文句を見てみましょう。


オーガニックコスメのニーズが高まり安心な化粧品が充実してきています。しかし、ネイルに関しては例外で、安全やオーガニックに配慮した製品や施術工程がほとんど存在しませんでした。そもそも、ジェルネイルは化学物質がベースになっています。ですから100%オーガニックにすることは不可能ですので開き直っている業界とも言えます。
 
その結果、爪がボロボロになった、ペラペラになったと悩みジェルネイルを休んでいるという方も増えてきました。安全にこだわりたいならネイルは止めるしかない、と考えられていたからです。
  
全ての施術工程で有害揮発性成分をなくし、アシッド=酸性度の高いジェルを不使用としノンアシッドジェルのみを使用し、有害な部分を最大限に減らしました
そしてオーガニック成分を可能な限り増やしました
 
オーガニックコスメにこだわってきた自分自身が、ネイルも安心して楽しみたいという一心から、開拓してきたノウハウです。オーガニックコスメにこだわる方たちに、100%オーガニックではなくても、少しでも多くの安心と安全をお届けしたいと願っています。製品の研究開発は時間がかかるものであり、これからもより良いものへと進化していきます。
 
オーガニックエキスを取り入れ、化粧品許可を受けたオリジナルの国産オーガニックジェルネイルを開発し、ネイル施術の全行程内でジェル以外はすべての製品が100%オーガニック植物性です。これは驚くべき方法です。
ジェルは弱酸性のノンアシッドオーガニックジェル、施術工程においてはアセトン、アクリル、キューティクルニッパーを一切使用しないで非常に美しく仕上げるオーガニックメソッド®の施術。工程は少し手間をかけますが、出来上がりは一般のジェルネイル以上に美しく仕上げることが可能です。抜群にツヤのある仕上がりで、爪の形を美しく整えながら施術を行う方法です。安全にこだわっているカラーも美しくてとても人気があります。
 
・3週間はとれません。
・自分の爪を強く補強でき、いくらでも伸ばせるようになります。
・またアレルギーも起きにくくなります。
※(体質や生活条件等により例外もあります) 


https://www.jelnail.jp/about-organic-nails/

確かに昨今、オーガニックを謳う製品や食品は多くなっている印象を受けます。

オーガニックとは

そもそもオーガニックとはどういう意味でしょうか。


農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法をさします。

オーガニックが広まることにより、人や動植物、微生物などすべての生命にとって、平穏かつ健全な自然環境・社会環境が実現します。

国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。


http://www.jona-japan.org/about/

なんとなく「オーガニック」と聞くと、良いもののようなイメージですが、もともとの意味としては、化学農薬を使わないということのようです。

つまり決して「オーガニック」=「体に良い」という意味ではありません。

でも化学農薬を使わないのだから、体に良いのでは?という意見もあると思います。

化学者からすると、この世のすべての物質は「化学物質」であって、天然だから良い、人工だから悪いといった認識は間違っていると思います。

少し話がそれて申し訳ないですが、少し前にはちみつを赤ちゃんに食べさせてしまったというお話がありました。

もちろんはちみつは天然物です。

しかし実は毒性もあります。

あまりにも小さい子はその毒に対する免疫がない為、はちみつを食べるとむしろ健康を害してしまいます。

一方漆はどうでしょうか。

漆は皮膚に付着するだけでかぶれてしまうものです。

もちろん漆も天然物ですが、それは安全と言えるでしょうか。

そうした特定の危ないものだけを挙げて、天然物は安全ではないというのは確かにフェアではないかもしれません。

しかし一方ですべての人工的に作られた化学物質が悪とも言えないのではないでしょうか。

医薬品のほとんどは人工的に作られたものですが、それらは人々の生活を健やかに保つのに大きく貢献しているのではないでしょうか。

農薬も同じです。

単に生産者の怠慢で農薬を使うわけではありません。

もちろん安定的に生産し供給するという大事な面も農薬は担っています。

また何でも無農薬やたい肥農法を使えばよいというものではありません。

例えばたい肥農法にしても、よく使われるのは牛糞です。

糞には大腸菌など人間に害のあるものも含まれています。

こうした菌をしっかりと殺してから使わなければ、たい肥農法は逆に菌をまき散らすだけの農作物を作るだけになってしまいます。

そうした管理がちゃんとされたうえでのオーガニック製品なのかを私たちはどのように確認できるのでしょうか。

それは販売する者の責任で購入者は目隠しで選んでもすべて安全なのでしょうか。

闇雲に「オーガニック」だからというのは、少なくとも間違いであるということは是非とも覚えておいてほしいです。

マックスオーガニックの特許

話が大きく逸れてしまいましたが、マックスオーガニックが謳うオーガニックジェルネイルについて確認したいと思います。

【 請 求 項 1 】
  植 物 油 、 動 物 油 、 及 び 精 油 か ら 成 る 群 よ り 選 択 さ れ る 栄 養 成 分 を 含 む 光 硬 化 性 ジ ェ ル ネ イ ル 用 ジ ェ ル で あ っ て 、 前 記 栄 養 成 分 の 総 量 が 0 . 5 体 積 % 以 上 5 体 積 % 未 満 で あ り 、 カ ラ ー ジ ェ ル 又 は ト ッ プ ジ ェ ル で あ る 光 硬 化 性 ジ ェ ル ネ イ ル 用 ジ ェ ル 。

【 0 0 0 8 】
  本 発 明 の 光 硬 化 性 ジ ェ ル ネ イ ル 用 ジ ェ ル は 、 植 物 油 、 動 物 油 、 及 び / 又 は 精 油 を 0 . 5 体 積 % 以 上 5 体 積 % 未 満 の 量 で 含 む こ と を 特 徴 と す る 。 以 下 、 本 明 細 書 に お い て 、 植 物 油 、 動 物 油 、 精 油 、 及 び こ れ ら の 2 種 以 上 の 混 合 物 を 「 栄 養 成 分 」 と 記 載 す る こ と も あ る 。
【 発 明 の 効 果 】
【 0 0 0 9 】
  栄 養 成 分 を 0 . 5 体 積 % 以 上 5 体 積 % 未 満 の 量 で 含 む こ と に よ り 、 爪 や 皮 膚 へ の ダ メ ー ジ を 低 減 し 、 且 つ 、 ジ ェ ル ネ イ ル に 用 い る 上 で 必 要 と さ れ る 特 性 を 備 え た ジ ェ ル と す る こ と が で き る 。

特許第6483316号

どうやら植物系のオイルを含ませたジェルネイルのようです。

オイルを含ませたジェルネイルと言えば、数年前にこんな特許もありました。

【 請 求 項 1 】 ア ロ マ オ イ ル が 、 5 ~ 7 % の 量 ( 体 積 ) で 添 加 さ れ た こ と を 特 徴 と す る 、 光 硬 化 性 の ベ ー ス ジ ェ ル 組 成 物 。

【 請 求 項 2 】 前 記 ア ロ マ オ イ ル が 、 フ ラ ン キ ン セ ン ス 、 ロ ー ズ ウ ッ ド 、 イ ラ ン イ ラ ン 、 ゼ ラ ニ ウ ム 、 ラ ベ ン ダ ー 及 び テ ィ ー ト ウ リ ー か ら な る 群 か ら 選 択 さ れ る 請 求 項 1 に 記 載 の ベ ー ス ジ ェ ル 組 成 物 。

公開特許公報2016-27011

この特許は5~7%のアロマオイルを含むジェルネイルについて言及しています。

この先行技術がある為に、5%以上オーガニックジェルネイルではオイルを配合できなかったと考えられます。

これが先願主義や特許戦争と言われる話題です。

公開特許公報2016-27011の方が先に出願されているため、オーガニックジェルネイルでは、その技術を避けてしか権利を確保することができません。

厳密にいえば、先行技術はアロマオイルに限定されている為、アロマオイルと言えないオイルであればこの権利の範囲外ともいえそうですが、アロマオイルの規定は明細書中に記載されていることに基づきます。

しかし見てみると、その明細書中にはあまり列挙されておらず、どこまでがオイルに該当するか不明瞭だった為、危険回避のために5%未満としたのではないでしょうか。

またSACRAのジェルにはサクラ葉エキスが含まれており、それもオイルと言えそうです。

実際、このサクラ葉エキスがどこのくらい含まれているのかは分かりませんが、もし0.5%以上含有しているとなると、公知技術としてオイルをその量含ませることができることになり、もしかするとマックスオーガニックのこの特許は無効になるかもしれません。

オイルを含むベースジェルの効果

では実際にオイルを含むジェルネイルにどのくらいの効果があるのでしょうか。

アクリレートモノマーは重合してポリマーになる為、重合したアクリレートモノマーは溶出してくることがありません。

一方こうしたオイルは重合することがないので、ポリマー中に単に担持されているだけになります。

つまりどことも繋がりがないので溶出してくる可能性があります。

特にお風呂などでジェルネイルが温まり、ガラス転移温度を超えたりすると、その担持性は恐らく低くなり、オイルが溶出してくることは想像に難くありません。

となると、ジェルにオイルが含まれることで、せっかくプレパレーションで油分除去をしたところに、再度オイルを塗るようなことになり、ベースジェルと爪の接着面積が少なくなることから、ベースジェルの持ちは悪くなるように思います。

加えて、重合させる時には存在していたオイルが、後にお湯などで抜けてしまうと、そこは空洞になる為、水分なども入りやすくなります。

その結果、グリーンネイルなどの爪の病気にもなりやすいのではないでしょうか。

ジェルネイルはできるだけ重合度を高くして、しっかり硬化させることが重要であると考えます。

そこに重合しない成分や、むしろ重合を阻害しそうな成分をいれることは、すべてにおいてデメリットのように感じます。

一方、そういった植物オイルを入れることで、95%が元々のジェルネイルと同じであったとしても、ネーミングとして「オーガニック」を謳い、あたかも安全そうに振る舞うのは、セールスとしては上手いと感じます。

ジェルネイルを選び、使い、そしてその良い影響も悪い影響も、お客様に与えるのはネイリストです。

そしてセルフの方も、選び、使い、そして良い影響も悪い影響も受けるのは自分です。

選び・使うということは責任があるということです。

市販されているものはすべて安全で、問題のないものだけでは残念ながらありません。

良いものを選ぶ力をぜひつけて頂いて、良い製品を長く楽しんで頂ければ幸いです。

その一助となれるように私も惜しみなく知識を提供させて頂きたく存じます。

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プレスト 安全性

硬化熱のないジェルネイルがとうとう開発された?!

ジェルネイルの硬化熱とは

ジェルネイルをされたことがある方ならば、恐らく誰しもがジェルネイルの硬化熱で熱い思いをされたことがあると思います。

私も開発段階で、特にハードジェルを作って欲しいという依頼があった時に、多官能アクリレートを多く入れた組成を検討し、自爪に塗ってLEDライトで硬化させた時に、ライトから勢いよく手を引っこ抜き、悶えるほどの痛みを経験したことがあります。

カラージェルではあまり感じることのない硬化熱ですが、爪に近いベースジェルや、厚みを持たせることの多いトップジェルでは硬化熱を感じることが多いと思います。

ジェルネイルの硬化は、化学反応です。

化学反応は、多くの場合熱力学にコントロールされています。

つまり熱が発生するということです。

例えば、カイロなどは鉄粉と酸素との化合(酸化)によって酸化鉄になることにより、熱が発生しし、温かく感じます。

これと同じようにジェルネイルも硬化する際に、アクリレート基の二重結合同志がラジカル種によって結合する時に熱が発生します。

つまりアクリレート基が結合する分だけ熱が発生します。

アクリレート基の結合は多ければ多いほど硬化後に硬いジェルネイルが得られます。

硬さを必要とするトップジェルには多くのアクリレート基が含まれており、更に厚く盛る為、使用するトップジェルも多くなり、含まれるアクリレート基も多くなって、結果として異常な熱さを派生させることに繋がっています。

しかしトップジェルからアクリレート基を減らすと、硬化後に柔らかいトップジェルとなってしまい、傷がつきやすい、艶が出にくいなどの問題が起きます。

なので各メーカーはそのバランスを考えながら、トップジェルの設計をしています。

硬化熱を減らすためにできること

今あるジェルネイルを使って硬化熱を減らすことはできるでしょうか。

答えはイエスです。

先ほど述べた様に、トップジェルで特に熱いと感じるのは、盛る為です。

美しい見た目のジェルネイルにするためにはハイポイントを作る必要もありますし、爪がガタガタの人の場合、ベースジェルですべてを埋められれば良いですが、埋めることができなかった場合、カラージェルにもそれが反映され、結果的にトップジェルでその段差を埋める必要があるかもしれません。

更にラメ系のカラーを使った時にはカラーがボコボコになりやすく、またストーンなどを埋めた時には顕著にその付近にトップジェルを沢山使う必要があります。

ではどのように減らすことができるのかと言うと、一度に使うトップジェルの量を減らすことが一番の手です。

ストーンを埋めるのであれば、まずストーン周りだけ止めてしまい、次に薄く全体にトップジェルを乗せ、最後に段差を埋めるようにトップジェルを更に掛けるといった方法が考えられます。

または通常のカラーであっても、まずはカラージェルの保護として薄くトップジェルを乗せ、硬化後そのあとでハイポイントを作るようのトップジェルを乗せるような方法が好ましいです。

しかし、こうした方法はセルフネイラーであればできるかもしれませんが、時間との勝負があるサロンワークにおいては難しいと思います。

そこでサロンワークでは、低照度のライトと高照度のライトを使い分けることをオススメします。

具体的には、6W程度のLEDライトでまず硬化させ、続いて32WLEDなどを用いてしっかり固めるのが良いと思います。

32WLEDライトに1秒だけ入れるといった手法もなくはないですが、それでもその瞬間に硬化は始まるので、熱さを感じることは大いにあり得ます。

ネイル用のライトが、6Wモードと32Wモードのどちらも携えていて、仮硬化に5秒だけ6W照射とかできたら良いと思います。

ぜひ各メーカー様、そのアイデアでライトの製造お願いします。

ネイルラボを運営する松風から硬化熱の少ないトップジェルの特許が申請されていた

トップジェルの硬化熱は研究者として、何とか下げたい気持ちでいっぱいですが、艶や硬さとのトレードオフであることを考えるとできることが少ないというのが現状でした。

アクリレート基の結合だから発熱が大きいのであって、アクリレート基でなければ硬化熱が少ないのではないか?と考えられて近年ジェルネイルでも取り入れられているのがチオールです。

チオール(SH)とはアルコール(OH)のO(酸素)がS(硫黄)に変えられたものです。

硫黄はご存知の通り、温泉などにも含まれているところがあり、独特の匂いがあります。

チオールもまた独特の匂いがあり、決して良い匂いとは言えません。

ただアクリレートも匂いがあるので、配合率によってはそこまで気づくほど臭いの匂いがするということもありません。

このチオールを配合することで、トップジェルの硬化熱はぐんと下げることができます。

松風から申請された特許は、

【請求項1】 (A)1分子内に、少なくとも1個以上の(メタ)アクリレート基、及び少なくとも1個以 上のウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー (B)1分子内に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物 (C)(A)成分及び(B)成分に該当しない、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合 を有するラジカル重合性化合物 (D)光重合開始剤 (E)連鎖移動剤、 を含有することを特徴とする光硬化性人工爪組成物。

といった第一クレームになっており、チオールが含まれていることがわかります。

加えて、連鎖移動剤がミソです。

松風の申請された特許によると、

 光重合促進剤を使用する場合の含有量は、用いる光重合促進剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、(A)~(C)成分の合計を100重量部として、通常は0.1~5. 0重量部とすることが好ましく、特に0.1~2.0重量部とすることがより好ましい。 これらかかる範囲内に設定することによって、さらに優れた表面硬化性や内部硬化性を発 現すると共に、低い黄変性を有するという効果を得ることができる。

これら連鎖移動剤の添加量は(A)~(C)成分の合計を100重量部として、0.001~1 .0重量部であることが好ましく、また、特に0.01重量部以上0.5重量部以下であ ることが好ましい。これらかかる範囲に設定することによって、さらに光重合に伴う硬化熱による熱痛を低減する事ができ、機械的強度が担保される。

とされています。

表面硬化性が良くなることで、ふき取る未硬化成分が少なくなり、皮膚への付着の可能性も減りますし、艶が出ないといったリスクも減らすことができます。

もしかするとチオールの反応は酸素による重合阻害を受けない為、ノンワイプトップとして使うことができるかもしれません。

サクラクレパスからチオールを含むジェルネイルの保管安定性について特許が申請された

このようにチオールを使ったジェルネイルはいいところばかりのようにも見えますが、大きなデメリットもあります。

チオールはチイラジカルを経由して反応しますが、ラジカル重合というより、付加重合であり、光重合開始剤を必要としない反応です。

つまり保管中に暗所であっても、重合が進む可能性があります。

店頭で、または倉庫で保管しているだけでも重合してしまう可能性がありますし、購入した時に問題なくても、購入後に硬化してしまう可能性もあります。

また反応は基本的に高温化で促進されるため、夏の暑い日に家に置きっぱなしにしておいたり、直射日光のあたる位置にあるだけで温度があがり、硬化してしまう可能性もあります。

そういった危険性をサクラクレパスは懸念してか、チオールを含むジェルネイルの保管安定性に関する特許を申請していました。

 多官能チオール化合物、及びtert-ブチルヒドロキノンを含有し、該tert-ブチルヒドロ
キノンの含有量が300~4,500ppmである光硬化性人工爪組成物。

上記のように、公知の光硬化性人工爪組成物は、硬化性に優れ、かつ塗布し硬化した後
の特性に優れるものである。しかしながら、光硬化性人工爪組成物入り容器を一旦開封す
ると、通常は使い切るまでに長期間を要するので、その保存期間を経過するにつれて、内
容物である光硬化性人工爪組成物が少しずつ硬化
する。その結果として、光硬化性人工爪
組成物の粘度が高くなり、塗布性に劣り、ひいては、十分に綺麗に塗布することが困難に
なる。
 本発明は、このような支障の発生を防止するために、一旦開封した光硬化性人工爪組成
物入り容器を長期間にわたって保存しても、硬化することがなく、粘度が上昇して、塗布
性に劣ることがない光硬化性人工爪組成物を得ることを課題とする

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成物からなる光
硬化性人工爪組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。

これがまた面白いことに、先の松風の特許は2017年6月22日に申請されており、このサクラクレパスの特許は2017年8月10日に申請されています。

つまり同時期に同じような研究を二社はしていたということです。

それほどその技術がトレンドであったのか、実は同じようなコンセプトの製品開発をしていたのか、または実は共同研究状態で、松風にサクラクレパスが技術提供をしていたのか定かではありませんが、非常に興味深いです。

昔はシャイニージェルからサクラクレパスのジェルネイルが販売されていましたが、今現在ジェルネイルがサクラクレパスからは販売されていないので、松風と共同研究をしており、松風からネイルラボ・プレストブランドで製品が発売されている可能性があると思います。

二社の協業により、硬化熱がなく、保管安定性の高いトップジェルが発売されることを楽しみにしましょう。

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ミスミラージュ 安全性 材料

ミスミラージュ ETトップジェル 一部商品に欠陥

ETトップジェルの欠陥とは

度々化粧品に見られる回収ですが、今回はミスミラージュにて起きたようです。

対外的な発表としては、

「ミスミラージュ ETトップジェル」が原材料メーカー変更に伴う検品不備のため、一部商品がソークオフではなくセミハードであった。溶剤等でオフをするのが困難なため、該当商品を回収・交換。

とされています。

つまり、オフしようと思っても、いくらアセトンにつけていても、セミハードなのでほとんどオフできない状態になってしまうようです。

そうするとトップジェルを削るしかなく、サロンワークや慣れたセルフネイラーの方であればできると思いますが、あまり慣れていない方であれば、爪ではなく皮膚を削ってしまったりする可能性があるので、扱いづらいと思います。

そうして指に傷などを作ってしまうことにより、アセトンでさらにオフしようとすると、アセトンが染みて痛いといったことが考えられます。

それ以上に悪いことは、皮膚は外敵から身を護る為にあるので、削ったりしてしまうと、そこからアセトンに溶出したモノマーが皮膚に侵入し、炎症を起こす、またはアレルギーを引き起こす可能性も高くなります。

皮膚は厚みがあるとはいえ、その構造は同層の積層ではありません。

最表層に少し硬い身を守る層があり、その少し下には柔らかい層があります。

一見、同じ皮膚のように見えますが、削ってしまって、肉が見えていなくても、もちろん血がでていなくても、身を護るはずの最表層はいなくなってしまっているので、いろんなものが浸透しやすくなります。

それは決して良いことばかりではなく、むしろ悪いことのほうが多いのでご注意下さい。

原材料メーカーの変更

ジェルネイルはウレタンアクリレートオリゴマー、アクリレートモノマー、光重合開始剤の大きく分けて3つで構成されています。

今回のETトップジェルはソークオフタイプからセミハードになってしまったということで、物理的な物性が変わっているようです。

つまり物理的物性に大きな影響のある成分が変更されたと考えられます。

そうするとアクリレートモノマーかウレタンアクリレートオリゴマーのどちらかであると考えられます。

ウレタンアクリレートオリゴマーの日本国内のサプライヤーはそれほど多くなく、数社ほどです。

アクリレートモノマーも同様で数社ほどですが、ウレタンアクリレートオリゴマーは、各社それぞれ特徴をもたせた構造となっている場合が多いです。

ウレタンアクリレートオリゴマーはその名前の通り、「ウレタン」と「アクリレート」が「オリゴマー」になった構造です。

「ウレタン結合」と「アクリレート末端」を持ち、分子量が少し大きいものをウレタンアクリレートオリゴマーと読んでいます。

どのようなウレタン結合をいくつもたせるか、その間を何で繋ぐか、アクリレート末端をいくつ持たせるかなどによってその性質が変わります。

つまりバリエーションが非常に多いです。

そうすると、あるメーカーのウレタンアクリレートオリゴマーを購入していたとして、原材料を変更したいとなっても、同製品を作っているメーカーはない可能性が高いです。

例えると、ウレタンアクリレートオリゴマーは「テレビ」であり、アクリレートモノマーは「液晶パネルや外側のプラスチック」とも言えます。

東芝のテレビ、シャープのテレビ、ソニーのテレビと同じテレビは別のメーカーからは出ていないはずです。

一方、それに使われている液晶はもともとはシャープですべて製造されていたり、またはLG製だったりと意外と遡ると同じサプライヤーであることもあるかもしれません。

そうなってくると、ETトップジェルの原材料変更はアクリレートモノマーかもしれません。

アクリレートモノマーであれば、同じ構造のものをいくつものメーカーが作っているので、切り替えが容易です。

一方、それだけ構造が明らかで同じようなモノにはなるので、切り替えたところで物性が大きく変化するとも思えません。

同じような構造と思い、ウレタンアクリレートオリゴマーを分子量違いとかで変えたとなれば、ソークオフできたものがセミハードになるなどは理解できます。

どちらかは掴みきれませんでした。

そもそもソークオフやセミハードとは

私もジェルネイルを作る仕事をしている中で、ソークオフなのか、セミハードなのかということを考える機会があります。

厳密に言えば、ソークオフかセミハードか、といったことに定義はありません。

強いていうなれば、ソークオフとは15分ほどアセトンに浸けていおいてウッドスティック等で容易に剥がせるものとなるでしょうか。

ではいったいセミハードとはなんなのか。

ハードではない、でもソフトでもない、それがセミハードなのでしょうか。

ではいったいどれくらいハードより柔らかければ、またはソークオフより硬ければセミハードなのでしょうか。

これはそれぞれの人の感性によるところです。

ある人はアセトン15分漬けて、見た目に変化がなくても、メタルプッシャーで押せばもろもろとトップジェルが削れる状態であればソークオフできていると言うでしょうし、

ある人はアセトン15分漬けて、トップジェルからベースジェルまでつるんと剥がせる状態がソークオフできていると言うでしょう。

ではこのセミハードとはいったいなんのことを指しているのか、私にはわかりません。

メーカーの担当者が「これはセミハード」といえば、セミハードになりますし、「ソークオフ」といえば、ソークオフとして売り出されます。ただそれだけです。

A社のセミハードとB社のセミハードでは硬さが全く違い可能性があるということです。

ある意味、とてもいい加減な指標とも言えます。

とはいえ、ミスミラージュは一体なにをしているのか

というのが、私の本音です。

研究者として、もし原材料を変更するとなれば、ほぼすべてのテストをし直します。

たとえばトップジェルであれば、粘度、レオロジー、トポロジー、硬化性、色、硬度、オフのしやすさ、拭き取りのしやすさ、艶の出方、保管安定性など様々なテストが必要です。

同じようであっても、製造工程で入ってくる触媒が異なる、または原料由来でなにか微量成分が入ってくるということがあっても、最終製品に性能差が出てくる可能性があります。

例えば具体的には、重合禁止剤などが挙げられます。

重合禁止剤はその名の通り、重合を抑制するものです。

サロンワークでライトの下でジェルネイルを扱うとなると、そのライトで硬化してしまってはいけません。

また作業性の面から、容器を開けたまま作業される方もいらっしゃると思います。

そうなるとずっと光に当たることになり、本来であれば硬化してしまいますが、この重合禁止剤を入れることで弱い光にあててもすぐには硬化しないようにできています。

一方でこれは諸刃の剣で、LEDライトやUVライトで硬化させたいときにも硬化させにくくもします。

たくさん重合禁止剤を入れてしまうと、硬化しなくなることがあります。

もともとの原材料よりも変更後の原材料の重合禁止剤が少なければ、環境光で硬化してしまう、または出来上がりの物性に差がでるといったこともあります。

そういったところまで吟味しなければ原材料の変更はできません。

ミスミラージュもそういったところまでちゃんと確認していれば、こうした回収にはならなかったのではないでしょうか。

いつもながらですが、たったこんな簡単な確認ですら行えない(時間的に?人的に?)のであれば、より難しい安全性に関する確認など行えるのでしょうか。

他の会社も同じような原材料使って売ってるし、うちも大丈夫だろうで販売しているような気がしてなりません。

またはそれを考えるのは研究の仕事でしょう?と思っていらっしゃるかもしれません。

その研究は社外の可能性があります。(OEMやODM)

製品供給してきているんだから、そっちで安全を担保できたものだけと勝手に思い込んでいるかもしれません。

製品の最終的な安全を担保するのは、「製造販売元」です。

もちろん契約上、何かあった場合に負債を分け合うや過失割合に応じて支払うといった条項を定めている可能性はありますが、いずれにせよメディア的に矢面に立つのは、「エースジェルの件」同様に製造販売元です。(あのときはネイルパートナーでした)

誰かの健康を損なう可能性があるような製品を、「売れるから」「ビジネスだから」という理由で確認もろくにせずに販売していませんか。

ジェルネイルを購入する際には、価格や色、性能だけでなく、こうしたことも考える必要があるかもしれません。

賢者の選択を。

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セリア

100円均一のジェルネイル

セリアのジェルネイル

セリアのジェルネイル

セリアからジェルネイルが売られているといった情報は半年以上前に入手はしていたのですが、なかなか現物を手に入れる機会がなく、記事にするのが遅れてしまいました。

しかし、ついに、この間セリアに行ったときに見かけたので購入してきました。

セリアのジェルネイルのラインナップ

私が店頭で確認できたのは、クリア(ベース+トップ)とカラーの大きく分けて二種類で、カラーは数色展開されていました。

オーソドックスなベージュ系からピンク系が多い印象です。

グリッター入りや、ラインを引く為の細いものなどは確認できませんでしたが、もしかするとアップデートされて今はラインナップとしてあるのかもしれません。

ベース&トップコート

ベース&トップコート

ベース&トップは、一石二鳥のアイテムですが、個人的にはあまり好きではありません。

というのも、ベースジェルの役割とトップジェルの役割は大きく異なるからです。

確かに見た目はどちらも無色透明ですが、ご存知の通り、ベースジェルは爪に密着する為、トップジェルはカラージェルやベースジェルを保護するためにあります。

それらを同時にできるのであれば、最終的にはそこに顔料も入れてしまって、オールインワンを作る方が早いと思います。

もちろん、別々に塗るのに比べて品質が劣るのは当然です。

しかし、ピールオフできる等の手軽さを兼ね備えた商品も多く、ウィークエンドユーザー等には、手軽にできるといった点で良いかもしれません。

話が大きく逸れてしまいました、早速成分表示を見てみましょう。

ポリアクリレート-15、HEMA、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド

表示名称 ポリアクリレート-15
成分番号 560508
INCI
  • Polyacrylate-15
中文名称
聚丙烯酸酯-15 (国際化粧品原料標準中文名称目録(2010))
定義 本品は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、エチレン、メタクリル酸とスチレンからなる共重合体である。
配合目的 皮膜形成剤、ヘアスタイリング剤
規制分類
CAS
67892-91-5

どうも皮膜形成剤やヘアスタイリング剤に用いられていたポリマーの様です。

皮膜形成剤というと、グロスや日焼け止めなどにも配合されていますが、この製品が配合されているかはわかりません。

見た限り単官能モノマーの共重合物なので、少し硬く脆さのある樹脂かなと思います。

あまりジェルネイルでこういった共重合物が使われているケースは珍しいです。

しかしこういった共重合は安いのが特徴です。

コストダウンの為に通常のジェルネイルで使われている「ウレタンアクリレートオリゴマー」ではなく、こうしたものを使っているのでしょうか。

他には目立った成分はなく、「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」が含まれているので、LED対応しています。

HEMAやジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシルもよく使われている成分です。

良くも悪くも、あまり考えずに、よく使われている成分で作ったという印象も受けなくはないです。

爪に密着する特殊な成分などは入っていないので、密着性はあまり期待できないかもしれません。

カラージェル

ピンク

ポリアクリレート-15、HEMA、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、(+/-)酸化チタン、赤202、黄5、赤227、酸化鉄

こちらもベースジェルと同じ配合に顔料を加えただけの組成です。

もちろん比率は分からないので、多少開始剤を多くしている等は考えられます。

使われている顔料もごく一般的なものです。

まとめ

セリアのジェルネイルは、ちゃんとジェルネイルではありましたが、工夫を凝らされた特徴のあるものと言うよりは、本当にベーシックなジェルネイルでした。

良くも悪くも100円で作るってこういうことなんだなと勉強させて貰いました。

ジェルネイルを既に沢山触られているユーザーの方は品質面での物足りさなは絶対に感じると思いますが、これから初めてみようかなと思われる方にはとっかかりとしてお試しで使われるのも良いかもしれません。

ただ保ち(爪とジェルの剥離やトップへの傷の入り等)は全く保証できないので、週末楽しむ程度に思われると良いかもしれません。

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プレスト

歯科メーカーの松風が作るジェルネイル「プレスト」に迫る

プレストとは?

プレストは、歯科メーカーの松風が手がけるジェルネイルブランドです。

ジェルネイルに革命を起こしたと言っても過言ではないハイクオリティージェルシステム。可視光LEDライトのパイオニアであり、常に進化し続けるジェルシステム

母体は松風ですが、子会社?としてネイルラボを設立し、そこから販売しているようです。

ウリ文句の一つとしても「歯科治療に使う材料」と謳っており、安全性のアピールがされております。

プレスト回収騒ぎ

とは言え、昨今多くのメーカーが自主回収の経験があり、プレストも例に漏れずその一つです。

数年前に化粧品として使用することができない顔料で調色したカラージェルを販売し、回収となっております。

確かではないですが、歯科にはつかえる顔料を使ったとか…歯科に使えるのであれば、化粧品にも使えるだろうといった判断だったのでしょうか。

同じ薬機法とは言え、それぞれに別のルールがありそうなことは想像に難くないのですが、そのあたりの調査を怠ったために起きてしまった回収のようです。

歯科メーカーとしての松風

歯科治療にも確かに光硬化性の樹脂が使われており、いわばジェルネイルを歯の代わりに虫歯治療に使うといったイメージです。

最近歯医者さんに行かれた方の中には、青色のライトを口の中で当てられた経験がある方もいらっしゃるかと思います。

まさにあれがそうです。

少し調べてみると、歯科治療にはほぼジェルネイルと同じような構成のものが使われていますが、波長が少し長く430~450nmくらいの光を使っているようです。

ジェルネイルが365nmと405nmなので、少し長いことが分かります。

口腔内で使える厳選された材料をジェルネイルにも使っているということであれば、安心感がありますね。

プレストの成分表示

ウレタンアクリレートオリゴマー、メタクリル酸イソボルニル、シリカ、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジフェニルホスフィンオキシド

ウレタンアクリレートオリゴマーは特定の成分を指し示す言葉ではないのでNGですね。

メタクリル酸イソボルニルはOKです。

シリカもOKです。

メタクリル酸テトラヒドロフルフリルはOKですが、一次皮膚刺激性の値(P.I.I)が高いです。

ジフェニルホスフィンオキシドは、化合物としては存在するのでしょうが、化粧品工業連合会のリストには収載されていないので、グレーです。

この中で特に気になるのは、やはりメタクリル酸テトラヒドロフルフリルです。

いわゆるTHF(テトラヒドロフルフリル)基をもつメタクリル酸で、THF自体は非常に溶解性が高く、濡れ性も高く、UVインクジェットインキ業界などではよく使われるモノマーのようです。

一方で皮膚刺激性が高いので、直接触れてしまうと、赤くなったり発疹がでたりと、取扱には十分注意が必要です。

その点からジェルネイルに入れるとすごく爪に塗りやすく、縮みなどがないことから有利だとは思いますが、私ならそのリスクは負えないので入れません。

少しプレストをお使いになられる方はご注意されたほうが良いかもしれません。

まとめ

プレストは歯科治療で使われる光硬化性樹脂を作るメーカーのため、安全性等に関しては高い知識を持っており、製造等でのコンタミ(異物の混入)などは他のメーカーに比べると圧倒的に少ないかと思います。

一方で歯科と化粧品はやはり異なるもののため、そのあたりの法的問題等には少し疎いところもあります。

更に成分を見ると、一次皮膚刺激が高い成分が含まれており、あまりジェルネイルを塗るのが得意ではない、または得意であってもプロであっても、100%皮膚に付着させないことはできない、かつソークオフ時には未重合のモノマーがアセトンに溶出し、それが皮膚に触れる等のモノマーによる炎症のことを考えると、使うことが難しいものも入れていることから、そういったところまで考えては作られていないのではないかと感じました。

 

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ノンワイプトップ ミスミラージュ

ミス・ミラージュを調査!(続き)

Miss Mirageとは?(続き)

前回はカラージェルの組成について確認しました。

今回は引き続いてミス・ミラージュからトップジェルとマットトップジェルを見ていきたいと思います。

私の個人的な意見にはなりますが、ジェルネイルのラインナップの中で、最も性能差があるのはベースジェルですが、最も組成に差があるのはトップジェルと思っています。

カラージェルは最も差がないものの一つです。

(一番差がないのは、プレップやオフ剤等ですね)

なので、トップジェルを見ると、そのメーカーの設計思想などが見えてくるかもしれません。

ノンワイプトップジェル

引き続き個人的な意見が続いてしまうのですが、ノンワイプトップほどジェルネイルにおいて難しいものはないとも思っています。

ジェルネイルの基本的なお話にはなりますが、ジェルネイルはラジカル重合を利用して硬化させます。

ラジカル重合は酸素により阻害を受ける反応である為、通常表面に未重合層が残ってしまいます。

ベースジェルとか残ってしまいますよね。

それをなんとかしようと試みたのが、ノンワイプトップジェルです。

酸素による重合阻害よりも強力に固めることで、表面に未重合層が残らないというのが基本的な仕組みです。

そうすることのデメリットとしては、硬化した後の硬さが出てしまったり、硬化熱が高い、他にも黄ばむといったことが懸念されます。

アクリレート同士の反応ではカルボカチオンが使われますが、その時に基底状態で励起三重項状態の酸素と結びつき、アクリレート上に発生したカルボカチオンに酸素がついてしまい、オキシラジカルに変換されます。

このオキシラジカルは非常に反応性が低いので、実質上の反応停止となります。

ここでノンワイプトップジェルを考える為に、使われたのがチオールです。

このチオールは水素の引き抜きを受け、チイラジカルが発生します。

このチイラジカルは酸素との結合を生み出しにくい性質があるので、チイラジカルは酸素による阻害をほとんど受けず、アクリレートやビニルに付加重合していくことができます。

ほとんどのノンワイプトップジェルの匂いを嗅ぐと少し硫黄のような匂いがすると思います。

それがこのチオールです。

ミスミラージュのノンワイプトップジェルの全成分表示

ポリウレタンアクリレートオリゴマー、アリファティックウレタンアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビフェニルスチルベン、紫401

ポリウレタンアクリレートオリゴマーは前回通りに、総称なので何も示してはいません、もちろんリストにも収載されていないのでアウトです。

アリファティックウレタンアクリレートも上記同様です。

イソボルニルメタクリレートは「メタクリル酸イソボルニル」と記載するのが正しいのでグレーです。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは365nmくらいの光重合開始剤です。

ビフェニルスチルベンは蛍光増白剤や増感剤と呼ばれるものですね、380nmくらいの光で電子を渡せるようになります。

紫401は開始剤等による黄みの消しです。

ミスミラージュのノンワイプトップジェルのまとめ

まず光重合開始剤が405nmに対応していないので、これだけの組成では固まるのだろうかと疑問です。固まらないのではないかと思います。

あとはこの配合ではノンワイプトップジェルはできないのではないかと思います。

というのも上記の通り、これだけの組成では酸素阻害に負けてしまい、未重合層が残るような気がします。

あまりにも表示名称がいい加減すぎて再現できないので確認はできないのですが…。

加えて、私は製品を持っていないので確認できないのですが、匂いに少しでも硫黄のような香りがあれば、やはりチオールが含まれていると思うので、それはもちろん記載されていないので、記載違反ですね。

もしお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ匂いを確認して下さい。

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ミスミラージュ

ミスミラージュを調査!

Miss Mirageとは?

全色UV/LED両対応 高品質な国産ソークオフジェル
400色を越える豊富なカラージェル
JNAジェルネイル技能検定試験/指定商品
色素やパール、ラメ等が沈みにくく、撹拌不要
NMシリーズは1度塗りでも発色がより鮮やかで繊細なアートが出来る
適度な粘度で伸びが良く操作性が良いので初心者でも安心
化粧品薬事法の製造販売許可取得済み

実は製品自体はほとんど使ったことはないのですが、ソークオフ性の実験をしているときにピンクを試したことがあります。

ソークオフは良かった印象ですね!

ミスミラージュの全成分表示

また見にくくてすみません…。

ポリウレタンアクリレートオリゴマー、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルシリル化シリカ、ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、(+/-)顔料等

ミスミラージュの全成分表示を確認

もうこのブログのプロフェッショナルな方はどれがアウトかお分かりかと思います!

ポリウレタンアクリレートオリゴマー、日本化粧品工業連合会のリストに収載されていないのでNGです。

2-ヒドロキシエチルメタクリレート、成分としてはあるのですが、正しい表示名称はHEMAなのでグレーですね、HEMAと書けば良いだけなのになんでそれが出来ないんだろう?分かりません。

ジメチルシリル化シリカ、これはOKですね、リストに収載されています。

ヒドロキシプロピルメタクリレート、これも成分としてはあるのですが、正しい名称はメタクリル酸ヒドロキシプロピルです。

イソボロニルメタクリレート、これは何でしょう。イソボルニルメタクリレートならまだ分かりますが…メタクリル酸イソボルニルが正しいですね。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、これは光重合開始剤です。OKですね。

ミスミラージュはLED対応だと思うのですが、LEDで硬化させる為に必要なトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが見当たりません。

これは絶対入っているはずなので、正しい成分が記載されていない可能性があります。

もちろん内容成分をちゃんと記載していないことは薬機法違反なので、回収レベルの不祥事です。

ミスミラージュも残念ながら行政処分の対象ですね…、回収してラベル正しく見直して欲しいです。

まとめ

ミスミラージュはジェルの性能としては良いのではないかと思います。

しかし表示名称はとてもいい加減で、記載漏れまでありそうなので、回収されておかしくないレベルです。

またこうした成分の漏れが一つでもあると、他にもあるのでは?と疑ってしまいます。

例えばよりアレルギー成分のアクリル酸やメタクリル酸、他酸性モノマーや、もっと書けないような成分も含まれてるんじゃないか…

それがなにか問題になれば?(今なくても数ヶ月後、数年後にでてきたら?)

それはよく知らないお客様だったら良い?常連だったら怖いけど…?

いやいや、そんなことないですよね。

そんなジェルを使って、もし健康被害が出たら?訴えられる可能性はないですか?

またはセルフの方は自分の爪、手、人生に直結する問題です。

安全なジェルを使いましょう。

安全だと確信できるジェルを使いましょう。

少なくとも私は記載漏れのあるようなジェルネイルはおすすめ出来ません。

 

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モアクチュール

モアクチュールはどんなジェルか

モアクチュールとは

“モアクチュール”はネイルの”オートクチュール”を
叶えるために誕生したネイルプロダクトです。

ネイルの完璧な美しさを求めるネイリストは、
まさにネイルのクチュリエ。

サロンワークで、コンテストで、
あなたの最高の
オートクチュール・ネイルを創造してください。

More Couture,Moure Prifessional

モアクチュールは比較的古くからあるジェルの一つですね。

昔はUVライトでしか硬化できませんでしたが、数年前からLEDにも対応するようになりました。

監修は高名な「黒崎えり子」先生ですね。

「erikonail」というネイルサロンも経営されています。

モアクチュールの成分

モアクチュールも化粧品です。

なので全成分表示がしっかりとされていました。

六角の面にシールが貼ってあり、少し見えにくいですが…。

ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル酸イソボルニル、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2-メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2-メチルプロペン酸、2-プロペン酸、ポリエーテル変性シロキサン

モアクチュールは化粧品としてどうか

相変わらず、ウレタンアクリレートオリゴマーは化粧品の表示としてはNGです。

アクリル酸イソボルニルは良いですね。

2ーヒドロキシエチルメタクリレートは、残念ながら表示としてはNGです。

HEMAのことなので、HEMAと表示されていればOKなのですが…。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドは光重合開始剤で記載としてはOKです。

2-メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェートは表示にないのでNGですが、それが何を示すのかはわかるので、グレーですね。

使用されるのであれば、申請してほしいです。

2-メチルプロペン酸はメタクリル酸、2-プロペン酸はアクリル酸のことです。表示としてはNGですね。

ポリエーテル変性シロキサンも表示としはNGです。

これでは原則として化粧品としては販売できません…。

全成分表示から見るモアクチュール

あまりこれといった特徴はありませんが、HEMAが入っているので、アレルギーのある方は注意が必要です。

2-メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェートはリン酸で酸ですね。

基本的に私は酸性成分が悪いとは思っていないので、これは決して悪いものではないと思います。

一方で、同じ酸性成分でも、2-メチルプロペン酸と2-プロペン酸は、ちょっとヤバイ成分ですね。

かなり刺激性が高く、皮膚接触すると炎症になる可能性があるので取扱に注意です。

まとめ

相変わらずモアクチュールも化粧品としての表示としてはいい加減で、残念な感じではありました。

薬機法違反なので早々に対処されることを願っています。

もしモアクチュールをお使いのネイルサロン等がございましたら、そういうジェルだということをご認識された上で使われるのが良いかと思います。

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プリジェル

プリジェルを探る

プリジェルとは

理想のネイルデザイン、スピーディーなサロンワーク、自爪にできるだけ負担をかけない安全性を追求しました。 全てを実現するために徹底的に品質と原料にこだわった国産ジェルネイル。
プリジェルが選ばれる理由はここにあります。
トップジェル、ベースジェル、カラージェル、又独自のネイル用品の筆、バッファー、ファイル、ライト、溶剤なども取り揃えております。

私も製品を使ったことがありますが、優等生といった印象があります。

TAT等でも取扱がありますし、価格も安い方で、パッケージデザインも分かりやすいです。

展示会に行くと、いつも大行列なのはプリジェルくらいですね。

(過去にはエースジェルやVETROもすごい時期がありましたが…)

今日本で最も売れているジェルネイルと言えるのではないでしょうか。

すごいですね。

気になる成分表示は…

ごめんなさい、前に市場調査行った時にもちろんプリジェルも見たのですが、プリジェルの製品にはシュリンクフィルムがされており、その上からコードのシールが貼られているのですが、そのシールが成分表示にかかっていて、完全に見ることができなかったんです。

流石に一つ一つ購入する訳にも行かず、プリジェルの確かな成分表示は分かりません。

ただ、消費者がその製品の安全性を確かめる手段の一つとして、この全成分表示を確認することが挙げられ、それは必ず目にとまるところに記載しなければならないルールとなっているので、シール等によって購入するまで見れない状態で売られていることは実は違反です。

もちろんプリジェルにその気はないとは思いますが、とても消費者に不利益な情報を隠すためにシールを貼ったりする悪徳メーカーがいないとも限らないので、こうしたルールが存在しています。

もしプリジェルの方がこのブログを見ていらっしゃったら、是非包装仕様の見直しをお願いします。

どこで作っている?

全成分表示を全て確認することができませんでしたが、確認できた成分もありました。

他社のジェルネイルにも同じように含まれている成分がほとんどでしたが、一つだけ特徴的なものがありました。

それが「エトキシ化~」とかかれた成分です。

これは、モノマーの中に、「エトキシ」と呼ばれる部分を持つものです。

「エトキシ」とは「エタノール」がエステル化したもので、つまりエタノールのような成分で繋がっている、連結部分がエタノールであるということです。

エタノールだからなんか良さそう!という話ではなくて、実はこの「エトキシ」をもつものは、重合収縮率が下がるといった研究結果があります。

重合収縮率とは、塗った時から硬化させたときにいわゆる「縮む」といった話とはちょっと別です。

どちらかと言えば、爪が感じる閉塞感に関わるところです。

ノンワイプトップと爪に塗ったりすると、結構閉塞感を感じませんか?それが重合収縮です。

またベースジェル等では、この重合収縮により発生する内部応力が密着性を低下させる原因になるので、重合収縮はできるだけないに越したことはありません。

そしてこの「エトキシ」を特徴とした特許を見つけました。

JPA_2016023144

スリーボンドファインケミカル株式会社

武本さん

スリーボンド

スリーボンドファインケミカルといえば、スリーボンドのグループ会社です。

スリーボンドは車関係のシール材や接着剤などがメイン商材の会社で、ずっとアクリレート系化合物を取り扱ってきた専門家です。

ジェルネイルを作ることなんてお茶の子さいさいなのでしょう。

更にスリーボンドからすごく勉強になる資料を発見しました。

tech40

アクリレート系のかゆみ等についての資料です。

まとめてしまうと、刺激の少ない材料開発も重要ですが、取扱にも注意が必要ということですね。

是非ネイルをされる方はご覧になって安全にジェルネイルされることを望みます!

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ココイスト

KOKOISTに迫る(続編)

KOKOIST スーパーシャイントップジェル

トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、ウレタンアクリレートオリゴマー、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アクリルコポリマー、メトキシメチルブタノール、アクリロイルモルホリン、HEMA、アクリル酸イソボルニル、紫201

製造販売元:九州コーケン

今まで製造販売元はルーランでしたが、トップは九州コーケン…何故でしょうね。

充填先を複数持っていて(リスクヘッジや単純に工場の充填能力の問題で分けることはあります)たまたまトップだけを九州コーケンにお願いしているのでしょうか。

いずれにせよ、九州コーケンも充填請負先なので、ジェルネイル自体を作っているところではないと思います。

全成分表示ですが、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンは3官能のモノマーです。

入れることで硬さが出るのが特徴です。

トップなのである程度の硬さが必要とのことで入れているのでしょう。

ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシルは有名なウレタンアクリレートモノマーです。

重合性が高く、柔らかいことが特徴です。

海外メーカーの多くの製品で使われています。

ウレタンアクリレートオリゴマーは日本化粧品工業連合会の表示名称リストに収載されていない、またカテゴリーを示す言葉なので成分表示としては認められない名称です。

薬機法違反なので、しかるところにたれ込めば回収騒ぎになりかねない問題です。

早々に解決して欲しいですね。

トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドとヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは光重合開始剤です。

アクリルコポリマーもカテゴリーを示すので、ウレタンアクリレートオリゴマー同様に違反です。

アクリルコポリマーも使うの好きですね、KOKOISTの特徴の一つです。

メトキシメチルブタノールは何のために入っているのでしょうか、溶剤だとは思うのですが、アクリルコポリマーがこの溶剤希釈品とかなのかな…。

アクリロイルモルホリンも表示名称がないですが、この名称から一つの成分を特定はできるので、厳密に言えば違反なのですが、グレーなところです。

いずれにせよ早々に化粧品工業連合会に名称の申請をして、登録された名称にして頂くことが必要です。

HEMA、最近アレルギーで話題の成分の一つです。

アレルギーは皮膚感作性という言葉でSDS中で説明されており、その感作性があることは明らかなので、HEMAアレルギーの方はご使用を控えるべきかもしれません。

アクリル酸イソボルニル、ノルボルネン骨格をもつ単官能モノマーです。

特徴的な匂いがありますが、それ以外に目立った効果もなく、Tg(ガラス転移点)があげられるとかありますが…。

紫201、顔料ですね。

すごく高い顔料です。

確か1kgあたり100万円を越していたような…、とは言えジェルネイルに含まれる紫201の量は0.0001%程度なのでそれほど価格には反映されないと思います。

KOKOIST スーパーシャイントップジェル

トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、ウレタンアクリレートオリゴマー、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アクリルコポリマー、メトキシメチルブタノール、アクリロイルモルホリン、HEMA、アクリル酸イソボルニル、紫201

製品名と表示名称が全く同じで、ボトルタイプとコンテナタイプがありました。

購入していないので分からないのですが、これらの二製品は全く同じなのでしょうか。

普通に考えると、ボトルタイプの方が粘度が低く、コンテナタイプの方が粘度が高いような気がするのですが…。

もしご存じの方いらっしゃれば、twitter等でメッセージ頂けると助かります。

もし粘度が違うのであれば、それは成分が違うということで…、たとえ同じ成分が入っているとしても、その比率が変われば、それは別製品です(容器も違いますが、容量違いは同じ製品と見なせるので、そこでは区別できません)。

もし粘度が違うのあれば、別製品の登録が必要で、これは化粧品販売届を怠っているということで、またも回収事案レベルです。

KOKOIST ノンワイプトップコートジェル

ポリウレタンアクリレートオリゴマー、アリファティックウレタンアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビフェニルスチルベン、紫201

もう皆さんもお分かりになってきたかもしれませんが、ポリウレタンアクリレートオリゴマーは表示名称になく、カテゴリーを表す言葉なので違反です。

アリファティックウレタンアクリレートは、何やらカッコイイ言葉が付いていますが、アリファティックとか脂肪族という意味で、グループを表す言葉です。

ウレタンアクリレートの中の脂肪族をアリファティックウレタンアクリレートとは言いますが、またもこれもカテゴリーを表す言葉なので違反です。

イソボルニルメタクリレート、なぜ、ここにきて、こんな間違いを犯すのか、私には分かりません。

上で似たような名前のものは、アクリル酸イソボルニルが該当します。

アクリル酸○○やメタクリル酸☓☓は成分表示として正しいのですが、○○アクリレートや☓☓メタクリレートは表示名称としては正しくありません。

ただどんな成分かはわかるので、グレーではあるのですが、正しい名称があるのであれば、正しいものを使うことが好ましいので、ちゃんとメタクリル酸イソボルニルと記載して欲しいです。

ビフェニルスチルベンは蛍光増白剤や光増感剤と呼ばれるもので、簡単に言うと、405nmの光を365nmに変換してしまうような成分です。

これによりトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを使わなくても、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンで405nmを利用して硬化させることができるようになります。

ライトに入れると蛍光発色するのが特徴です。

KOKOIST製品まとめ

性能は恐らく皆様の方がよくご存知かと思うので、私からは特に申し上げませんでしたが、一方化粧品として販売することの上では、非常にエラーの多い製品であると言わざるを得ません。

いつも繰り返しで大変恐縮ですが、化粧品の表示ルールも守れないのに、より難しい安全性のルールが守れるのか、私には疑問です。

化粧品の表示ルールは難しそうに見えて、一度覚えてしまえばそう難しいものではありません。

簡単に誰でも習得でき、できるだけ準拠した表示ができるものです。

しかしそれすらもちゃんと出来ていないメーカーがほとんどであり、KOKOISTもその一つでした。

残念です。

私としては、どれだけ製品が良くても、そんなことも守れないメーカーの製品が良い製品とは思えません。

たとえば配合禁止成分が入っていたとしても、バレなければいい、そう考えていてもおかしくないと思います。

(実際回収レベルの間違いを犯しながら、気づいているのか気づいていないのか知りませんが、そのまま販売し続けているのが事実です。)

ネイル業界、特にジェルネイル業界はまだまだ新しい業界であり、各メーカーの経験も浅いと言わざるを得ません。

そして社員100名以下のいわゆる中小企業がほとんどで、薬事に強い専門家を雇うこともなく、化粧品を簡単に販売してしまっているところが多い印象です。

この表示名称を見る限りKOKOISTもその一つです。

化粧品は簡単に販売できますが、対しての消費者への責任は他の雑貨とくらべては大きいものです。

そのリスクを理解せずに、儲かるから、やりたいから、といった理由でされているメーカーは、今一度自分たちに行いに間違いがないのかを確認して貰いたいと思います。

まずはルールを遵守しましょう。

安全性や売れる製品を作るのはその次です。

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ココイスト

KOKOISTに迫る

KOKOISTとは

プロが選ぶ確かな品質と使いやすさのネイルプロダクトにこだわり続けています。

世界中のお客様を相手に、ありとあらゆる新商品・新技術を駆使して、プロフェッショナルの柏木KOKOがプロフェッショナルのみなさまが待ち望んでいる商品を自信を持ってお届けしております。

長年のサロンワークから導き出されたジェルシステムの答え、それがKOKOISTです。
サロンワークでより使いやすく、お客様の喜びがより長く。プロネイリストである柏木KOKOのこだわりを凝縮した製品は、ネイルに関わる全ての方にきっとご満足いただけるはずです。

確かにデビュー当時は真っ黒な容器にクールなロゴで、まるでシャネルの化粧品を思わせるようなデザインでカッコイイなぁと思っていました。

その後も京セラと開発した人工オパールを配合したカラージェルなど真新しいものも展開され、精力的に活動されてるなあといった印象です。

化粧品かどうか

ぼやけてしまって、本当に申し訳ないです…。

ばっちり「爪化粧料」と書かれているので、化粧品として登録されています。

検定にも使えるので間違いありません。

製造販売元は「株式会社ルーラン」となっております。

私が知る限り、この会社は充填請負かまたは名義貸しと思われます。

つまり、中身を本当に作っているメーカーではないと思います。

どこかで作った中身を株式会社ルーランで充填しているか、または充填も別のとこでするが、製造販売元として株式会社ルーランの名前を借りているか、どちらです。

発売元は株式会社KOKO Internationalですね。

KOKOIST ソークオフカラージェルエクセルライン

ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル酸イソボルニル、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリロイルモルホリン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジメチルシリル化シリカ、カルボン酸変性コポリマー(以下顔料等、目立つもので言えば、硫酸Ba、HALS、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、含水シリカ)

以前から申し上げている通り、ウレタンアクリレートオリゴマーといった表示名称はないので、全成分表示のルール違反ですね。

続いてエポキシアクリレートオリゴマーも同様に表示名称外です。

アクリロイルモルホリンはその名称から具体的な成分が想像できるので、完全アウトではないのですが、表示名称はありませんので、グレーです。

※表示名称申請中でも化粧品として販売することはできます。その際、該当する成分名は容易に想像が付く適切な名称を与えなければなりません。アクリロイルモルホリンはそれに該当しますが、はたして日本化粧品工業連合会に申請しているのかは分かりません。

トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドは405nm用の光重合開始剤です。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは365nm用の光重合開始剤です。

ジメチルシリル化シリカは増粘剤です。

細かな微粒子で粘度を上げたり、タレ性を改善したりできます。

カルボン酸変性コポリマーも表示名称にはないので違反です。

KOKOIST ソークオフクリアジェルエクセルラインII

ウレタンアクリレートオリゴマー、HEMA、アクリロイルモルホリン、メタクリル酸、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アクリルコポリマー、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール

ウレタンアクリレートオリゴマーは違反ですね。

HEMAはアレルギー性があるモノマーなので、もしほかのジェル等でアレルギーが出てしまっている方は使用を控えたほうが良いかもしれません。

アクリロイルモルホリンは先程と同様です。

このメーカーはアクリロイルモルホリンを使うことが特徴のようですね。

メタクリル酸は酸で終わっているので、酸性成分です。

pHを測ると1-2くらいの強酸性を示すかもしれませんね。

トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドとヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは光重合開始剤。

アクリルコポリマーはまた表示名称のないものなので違反です。

何かもよく分かりません。

3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールは溶剤でしょうか。

KOKOIST ソークオフクリアジェルエクセルマットコートジェル

メタクリル酸エステル系コポリマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル酸イソボルニル、鳥メタクリル酸トリメチロールプロパン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、アクリルコポリマー、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール

メタクリル酸エステル系コポリマーは恐らくいわゆる樹脂球と呼ばれるものです。

こうした樹脂球をジェルの中に入れることで、拭き取った際に表面がマットに仕上がります(光の乱反射)。

ただし、どんなコポリマーなのかは全くここからは分からないので、表示名称としては違反です。

KOKOISTまとめ

他の名称等がしっかりとルールに則っているにも関わらず、おそらく化粧品としての表示名称のないものを表示する際には、かなりいい加減に適当なネーミングで成分を表示してしまっているのが、この会社のスタンスですね。

全ての原料に化粧品としての表示名称は確かにありません。

ジェルネイルはまだ新しい分野なので、全然表示名称がないのが事実です。

しかし、申請はすることができます。

そして申請の為には、その名称から何であるかを理解できるような名称でなければならないのに、メタクリル酸エステル系ポリマーや、ウレタンアクリレートオリゴマーといった、いえば、食事の中で言えば「主菜」や「副菜」としか表示してないような状態です。

それでは主菜が何か分からないですよね。

ちゃんと「牛肉とピーマンの炒め物」や「麻婆茄子」といったように具体的に書かれていなければ、それが何かを消費者が知ることはできません。

知らない製品を買わされて、損をするのは消費者です。

もう少し配慮した表示名称を付けてくだされば良いのですが…。

長くなってきたので、次回に続きます。

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ツメコ

千趣会「TSUME.CO」ネイルをプリンターで!

TSUME.COとは?

https://tsume.co/

カワイイ!早い!安い!
5本指同時に施術できるネイルプリンターを使った新しいジェルネイルサービスです。

レンド・シーズン・イベント・・・ツメコでしかできない繊細なアート、クリエイターが描いたイラストなど、今すぐしたいデザインがいっぱい!新作も毎月UP♥

ツメコネイルチップ

人気のフラワー、レース、アニマル柄をはじめ、各クリエイターの個性あふれるデザインが満載。オフィスやイベント、パーティなど、シチュエーションに合わせてお楽しみいただけます。

またツメコはネイルプリンターで爪の大小に関わらず均一に施術するので、爪が小さくてジェルネイルで思うようなアートができなかった方や仕事や家事で爪が伸ばせない方にもおすすめです。

とうとうプリンターでネイルができる時代がやってきました。

しかも千趣会と言えば、通販事業の大手企業です。

そんな企業がネイルに参入、期待できますね。

特許も出願中

日常業務の一貫として、ネイル関係の特許を閲覧している時に、見つけました。

JPA_2017213267

どうやらプリンターで絵柄を書くために必要な塗り方(層の重ね方)に特徴があるようです。

一般的なジェルネイルは、全て同じような「ウレタンアクリレート」系の光硬化性樹脂でできていますが、「TSUME.CO」はプリンターで絵柄を印刷しているようです。

もしこの絵柄が一般のご家庭にもある水性インクジェット式のものであれば、ジェルネイルは撥水性が強いのでインクジェットは乗らないと思います。

そこでインクジェットを載せることができるような層を作ることが重要になっていそうです。

私ならいわゆるUVインキと呼ばれる、光硬化性樹脂でできたインクをプリンターから出す方が良いのではないかと考えます。

UVインキは読んで字の如く、シャバシャバのジェルネイルを紙などに印刷するといった技術です。

「エースジェル」を作っていたと思われる「十条ケミカル」も同じくUVインクを得意とする会社でした。

最近の光沢のある広告パネル等はこうしたUVインキで刷られていることが多いみたいです。

ネイルの上に直接こうしたUVインキで印刷したら、層を重ねる必要なく、筆では書くことができない絵柄(たとえば写真とか)を書くことができるようになるんじゃないかなと思います。

競合にAutoNail

恐らくネイルプリンターとしては、AutoNailの方が先にスタートしたのではないかと記憶しています。

https://autonail.net/

こちらは残念ながら一本ずつしか印刷できないようですが、コトとしては「TSUME.CO」と同じですね。

プリンターも小さく、四角く、なんとなくAppleの製品のようでかっこいいですが、約10万円程するとのことで、少し高い印象があります。

サロン専売とのことで、こちらもサロンが導入して、お客様に施術するスタイルですね。

セルフネイル向けの簡易プリンターなどもあれば、セルフネイルがもっと捗るようになるのではないかなと思います。

ネイルプリンターの今後

いわゆるAI台頭時代に今は入ってきてます。

AIによって奪われる職の一つに「ネイリスト」も挙げられています。

これはまさにこの「ネイルプリンター」に取って代わるということだと思います。

今はまだ「印刷する」といったことしかできないネイルプリンターですが、たしかにAIがこのプリンターに入り、またはスキャナーも含み、そしてUV硬化型になれば、爪の形や厚み、カーブを読み取り、最適なフォームのベースジェルを塗布し、硬化、続いて絵柄の印刷…といったように全てAIスキャナープリンターで賄える時代が来てもおかしくないように思います。

まだ先のことかもしれませんが、ネイルプリンターがネイリストにとっては脅威になる日がきっとくるのではないでしょうか。

それでも、私としてはハンドメイドのネイルサロンは生き残れると思います。

というのは、ネイルサロンはただ施術をすることではないからです。

2時間、3時間といった時間をかけて施術する中でお客様との対話は非常に重要です。

心地よい空間をご提供することでお客様のリピートに繋がります。

それは決してネイルプリンターではできないことです。

いや、AIもお客様に合わせて話すようになるのだろうか…。

それだとハンドメイドの良さが…?

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エディット カラージェル

タカラベルモント「edit.」回収か

edit.とは

2017年11月に開催されたエキスポにてデビューしたジェルネイルです。

タカラベルモントが製造販売元となっています。

タカラベルモントと言えば、バイオスカルプチュアが有名ですね。

バイオスカルプチュア自体は南アフリカ共和国が原産国となっているので、恐らくタカラベルモントは輸入しているだけと思われます。

バイオスカルプチュアやシェラック等の海外ジェルを販売することで得たジェルネイルの知識を持って、満を持しての「edit.」の販売だったのではないかなと思います。

更に豪華な事に、「edit.」はVETROでアートディレクターをされていた「竹原」先生が監修されています。

華々しくデビューし、3~4ヶ月目でようやくTATで買えるようになっており、気になってはいましたが、不具合が起きているとのことです。

edit.の不具合の内容

詳しくは「edit.」の公式サイトに掲載されています。

edit.冷温時における固化について

このプレスリリースによると、どうやら低温になるとツヤがなくなり、粒が見られる様になるようです。

なぜそうなるのかについては「撹拌不要で、縮まない為」と書かれていますが、実際に何がどうなってそうなっているのかについては書かれていません。

40度程度まで加温すると品質上問題ないとのことですが、なかなか40度まで温めるのは難しいような気がします。

お湯に漬けるのは、ジェルに水が入る可能性があるので、チャック袋などに入れて漬けるのが良いかもしれません。

それこそお風呂に入る時に一緒に連れて行くと手間ではないかもしれません。

必殺技としては電子レンジでの加熱ですが、本当にすぐに熱くなってしまうので、頻繁に様子を見ながらされるのは良いかもしれませんが、どうなっても責任は取れませんので、自己責任でお願いします。

私は時々ベースジェルが冬の朝で硬い時とかにやります。

または時間がかかっても良いならば、一緒に寝るのもありかもしれません。

寝間着のポケット等に袋にいれたジェルを入れて寝ると、朝にはすっかり戻っているかもしれません。

ただこのようにして戻したとしても、または戻りきらなかった場合、粒が残っていれば塗った際にボコボコの原因になる気がします。

edit.不具合の理由

ジェルネイルを作る研究者から見て、これはほぼ間違いなく「ウレタンアクリレート」の結晶化だと思います。

「ウレタンアクリレート」の中には、結晶性が高いものがあります。

結晶性とは、見た目固体のようになってしまうことです。

通常の温度では非常に高粘度の液体であることが多いですが(水飴のよう)、時々低温になると結晶化してしまうものがあります。

すると、モロモロとしたゼリー状になります。

まさにedit.のカラージェルがゼリー状になっているように見えます。

「ウレタンアクリレート」同士の引き合う力が強いものを使用した時にこうした結晶化現象は起きやすい印象です。

恐らくedit.に使用された「ウレタンアクリレート」もお互いに引き合う力が強いものだと思います。

その結果、たしかに強靭な塗膜が出来上がったり、硬化性が良かったりと良いこともたくさんありますが、ゼリー状になるのは困ったものです。

こうしたことが起きないように、通常テストとして低温での保存安定性を確認します。

例えば北海道の冬の朝でも使えるのか、または輸出するのであれば空輸に耐えられるのか、などそうした耐久性は見るべきだと思うのですが、もしかしたら見落としていたのかもしれません。

または逆に高温50度程度での劣化促進テストも行います。

夏場の倉庫内は非常に高温になりやすく、局所的には60度になることもあります。

そうした中でジェルネイルが変性したりしないか、または常温で2年保管した時の状態を数ヶ月で再現したりと、そうしたテストも必ず行います。

edit.は回収か?

恐らく回収になるのではないかと思います。

冬だけとは言え、これが春になっても恐らく一度結晶化したものは元に戻りにくいので(40度以上になる真夏まで待てば自然に戻る?)、今倉庫にあるもの等は回収されるだろうと思います。

既に購入された商品については、イメージの問題もあるので回収しないかもしれませんが、そんなジェル買わないと思ってしまうユーザーも多いと思うので、イメージダウンはいずれにせよ免れないところですね。

ただ回収されれば、次はより良い製品になって帰ってくることは間違いないので、次世代のedit.に期待したいと思います。

もしご購入を検討されている方がいらっしゃれば、お気をつけ下さい。

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ネイルパフェ 材料

ジェルネイル「ネイルパフェ」の秘密を暴く

ネイルパフェとは

製品へのこだわり、使い心地、質感、
ネイリストの理想をネイルパフェジェルは追求しました。

爪と肌にやさしい
アレルギーレス
ジェルアレルギーの方でも使えるように、やさしい配合にこだわっています。
「ネイルは楽しみたいけれど、アレルギーでジェルが使えない…」
ネイルパフェ ジェルは、アレルギーを引き起こすと言われている成分は使用していません。
日本化粧品工業連合会の「化粧品の成分表示名称リスト」に収載されている成分のみ100%配合した、化粧品ジェルです。
さらに、製造も充填もすべて信頼できる日本国内の工場で製造している「こだわりの国産ジェル」です。
(※全ての方にアレルギーが出ないということを保証するものではありません。)
国内製造にこだわり、
日本化粧品工業連合会の「化粧品の成分表示名称リスト」に収載されている成分成分のみで作っています。
成分設計へのこだわり
イソボルニルアクリレート、アクリル酸、HEMAの3つの成分を使用していません。

書いてあることはすごく立派なことだと思いました。

そしてとても大事なことであり、よくある謳い文句としての「良さそうに聞こえること」ではなく、本当に考えるべき内容です。

ただ、書いてあることだけを鵜呑みにするのではなく、本当にそうなのかをちゃんと確認していきたいと思います。

ネイルパフェカラージェルの全成分表示

ウレタンアクリレート、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ホスフィンオキシド誘導体、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、シリカ、(+/-)顔料等

さっそくこれらの成分を調べたところ、ウレタンアクリレートとホスフィンオキシド誘導体は、「化粧品の成分表示名称リスト」には収載されていませんでした。

収載されている原料でのみ作ってはいるけど、表示は収載されている名称を使用していないということでしょうか。

もちろんそれは薬機法違反です。

別記事でも申し上げましたが、基本的に化粧品として販売する上では、この「化粧品の成分表示名称リスト」に収載されている材料と、その名称をラベルに記載することが義務付けられています。

これを守れていないということは、つまり化粧品としては販売してはならず、自主回収の対象です。

ネイルパフェベースジェルの全成分表示

ウレタンアクリレート、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ホスフィンオキシド誘導体、メタクリル酸、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン

こちらも先程同様、ウレタンアクリレートとホスフィンオキシド誘導体がリスト外の成分です。

ちなみに、ホスフィンオキシド誘導体とは、恐らくトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのことで、光重合開始剤です。

一般的なLEDライトの波長405nmの光を吸収し、硬化させるための光重合開始剤です。

また一つ気になる成分として「メタクリル酸」が含まれていました。

メタクリル酸はそのまま読んで字の如く「酸」です。

しかも、非常に腐食性が高いと言われている「アクリル酸」にメチル基(炭素1個と水素3個)が増えただけの、それほど大きく異ならない成分です。

私なら絶対にジェルネイルには配合しない成分の一つです。

強烈な不快な匂いがします。

もしかするとネイルパフェのベースジェルからはそんな匂いがするかもしれません。

全成分表示はどこから入手しているのか

ネイルパフェを援護するわけではないのですが、恐らくこのメーカーもいわゆるOEM製造を委託しているのだと思います。

つまり自社で工場は持たず、ジェルネイルを作れるメーカーにお願いしているということです。

そうなると、そのジェルネイルを設計した人(会社)から全成分をもらうことになります。

一般的にこうしたネイルメーカーには薬機法等に強い人がいない可能性が高いので、結果としてOEM先から出てきた全成分をそのまま信じて、それが正しいのか確認することなく、ラベルを作製してしまうといったことが起きているのではないかと思います。

売り文句としてはすごく良い言葉が並んでいましたが、実態は少々残念であると言わざるを得ません。

もしかしたら今はもうラベルが変わっているかもしれませんが、そういった不確かなまま製品化したこともまた事実です。

良いジェル・悪いジェルを見極める術を惜しみなくこれからも公開していきますので、皆様自身で良いものを選んで永くジェルネイルを楽しんで下さいますようお願い申し上げます。

 

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トリネ 回収事案

トリネ クレンジングジェル回収!!

トリネとは?

TAT専売の2017年に出た新しいジェルネイルです。

TRÏNA=TRIP+NAIL

旅する女性、その非日常的な出来事を毎日感じられように。
非日常な出来事との生活をリンクさせる架け橋になれたらと、TRIP(旅)+NAIL=TRÏNAは誕生しました。

100 色以上有るカラーラインナップの名称にも特徴があります。
施術するネイリストだけではなく、 お客様に伝わりやすく覚えて頂けるよう、世界各地の地名を使用しています。

TRÏNAカラージェルが塗られた爪から連想する、新しい旅立ちをお手伝いします。

エキスポかBWでデビューした時はすごく売れててびっくりしました。

容器も可愛くて、良いなあと思っていましたが、化粧品ではなかったと思います。

(もしお持ちの方がいれば、側面ラベルか裏面ラベルを見て下さい、化粧料とかいてなければ化粧品では基本的にありません。)

トリネの回収内容

回収の内容をTATに確認したところ、もう掲載されていませんでした。

回収事は印象良くないですからね、消したのかもしれません。

別サイトに回収の内容があったので、下記に記します。

「トリネ クレンジングジェル 100mL」で、ごく稀に容器内のクレンジングジェルが硬化してしまう事例が確認されていることから、手元の商品が硬化している場合は返金対応する。黄ばみがかってくるという報告も稀にあるが、 直射日光の照射による「日焼け」のような状態で、商品の品質には影響はないため、そのまま使用できる。

ジェルネイル研究者としては、いやいや…と言いたいです。

硬化するために必要なことは光があたる、または熱がかかることです。

一度光があたったジェルは反応が停止しているようで、暗反応が進行します。

暗反応とは暗いところでも起きる反応です。

つまり、このジェルネイルは遮光された環境等では作られておらず、光あたるような場所または熱がかかるような製造をしている、そのもの自体品質として好ましくない製造方法で作られていると考えられます。

そのようなジェルを使うのが良いのか…ご判断下さい。

今硬化していないとしても、もう光や熱が既に新品の状態なのにかかっている製品であることは間違いありません。

 

 

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ベトロ 化粧品 回収事案

VETROも自主回収間近か?!

表示と内容が異なる可能性

前回の記事「VETROの真実」に引き続き、VETRO製品を見ていきたいと思います。

VETROの側面ラベルに記載されている全成分表示は、

ウレタンアクリレート、アクリルモノマー、1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、二酸化ケイ素(+/-)酸化鉄、黄色5号、赤色202号、青色2号、ジオキソチタン、マイカ、グンジョウ、カーボンブラック、ベンガラ

となっております。

前回の記事中で、表示されている名称が正しくないものばかりというお話をしましたが、表示だけではなく内容(本当に入っているもの)と異なる可能性があります。

1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン

VETRO製品に記載されている「1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」は、表示名称としては「ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」が正しいです。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとは、下図のような材料です。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは光重合開始剤の一つで、これに光が当たることにより、重合(硬化)が始まります。

このヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの吸収波長域がパナソニック様のパテントに掲載されていたので拝借しました。

縦軸が吸収の強さです。

横軸は波長です。

注意深く見ると、気づくことがあるかもしれません。

LEDライトの波長は405nm付近です。

つまり、下図のところに吸収がなければ、反応できないはずです。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの最大吸収波長は380nmくらいまでなので、405nmは吸収することができません。

ところがVETROの成分表示からは他の光重合開始剤は入っておりません。

つまりこの成分表示が正しければ、LEDライトで硬化するはずがないのです。

おかしいですね。

LEDライトで硬化する為に必要な光重合開始剤

ほぼ間違いなくこの光重合開始剤を入れなければならず、それ以外はありえないと私は思っているものがあります。

それは「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」という成分です。

この光重合開始剤の吸収波長もパナソニック様のパテントから拝借しました。

この光重合開始剤であれば、405nmの波長を吸収があるので、重合させることができます。

この光重合開始剤「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」が記載されていないLED対応のジェルネイルは、表示と内容が異なっている可能性が高いと思います。

これは回収に該当する重大事項ですので、そのようなジェルは決してサロン等ではお使い頂かない方が宜しいかと存じます。

消費者庁にこのVETROの製品を持ち込めば、恐らく自主回収になることでしょう。

そうなる前にVETRO自身が表示名称を正しく表示することを強く願います。

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ベトロ 化粧品

VETROの真実

VETROとは

元々は「ベラフォーマ」という名前で販売されていましたね。

いつからか名前を「VETRO」に変えたことは数年ジェルネイルのお仕事に携わっているネイリストの方や、コアなセルフネイラーの方ならご存知かと思います。

名前が変わった理由については、世界進出を考えた時にアメリカで「ベラフォーマ」の商標権が取れなかったとかで、「VETRO」に統一されたと聞いたことがあります。

各国での商標も考えて製品の名称は決めなければなりませんね。

VETROの特徴

ジェルネイル研究者から見てVETROのカラージェルは中々に優秀なジェルです。

静置している時には流動性がなく、顔料やラメ等の沈降が見られず、塗るともっさりしているのかと思いきや伸びが良い。

また顔料濃度が高く薄塗りでも発色が強く、ムラになりにくいです。

特に筆圧をかけやすいキューティクル周りでもムラになることが少なく、初心者の方にもおすすめできるジェルです。

ソークオフ性も悪くなく、アセトンに数分漬けておくだけで十分にふやけてくれます。

硬化後のジェルも伸びが良く、爪への追従性も悪くなさそうです。

VETROの表示名称

いったいどんな成分から、そんな良いジェルができているのでしょうか。

ウレタンアクリレート、アクリルモノマー、1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、二酸化ケイ素(+/-)酸化鉄、黄色5号、赤色202号、青色2号、ジオキソチタン、マイカ、グンジョウ、カーボンブラック、ベンガラ

化粧品登録されていると、全成分表示をする必要があるので、どんなものが使われているかはすぐにわかります。

以前に「ジェルネイルの材料ー表示名称の見方」という記事を書きました。

そちらで細かな表示名称の見方について説明しているので、お時間あればご覧ください。

一つ一つ確認していきます。

使うのは化粧品工業連合会の表示名称リストです。

ここに一つ一つ名前を入力していくと、それがどんなものなのかわかります。

出てこない場合は、それは化粧品としては原則として使えない成分です。

「ウレタンアクリレート」ありませんでした。

「アクリルモノマー」ありませんでした。

「1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」ありませんでした。

「二酸化ケイ素」ありませんでした。

「酸化鉄」ありました。

「黄色5号」ありませんでした。

「赤色202号」ありませんでした。

「青色2号」ありませんでした。

「ジオキソチタン」ありませんでした。

「マイカ」ありました。

「グンジョウ」ありました。

「カーボンブラック」ありました。

「ベンガラ」ありませんでした。

念のためフォローさせて頂くと、例えば、赤色202号は「赤202」と記載することが正しいだけで、使用してはいけない色素ではありません。

ですが、この表示名称のルールに従うことが化粧品として販売する上での原則ですので、ルール違反であることは間違いありません。

VETROは良い製品なのに…

VETROのカラーは本当によくできていると思います。

一方でその表示名称はあまりにも杜撰過ぎて、絶句してしまいました。

決してこれは製品が悪いということではありませんが、会社のコンプライアンス(法令遵守)といった観点においては欠如していると言えます。

そうした会社が、安全性にまで配慮した製品を製造しているかは分かりません。

ただ表示名称すらちゃんと書けない会社により難しい安全性の確保ができるとは私は思いません。

いつか会社の体質が変わり、より良い製品になることを願っています。

 

カテゴリー
エースジェル 化粧品 回収事案 特許

自主回収となったエースジェルの真実

エースジェルの自主回収

私はメーカーサイドの研究者なので、この話題に触れて良いのか本当に悩みました。

でも、エースジェルを使って下さった方は多いですし、その影響もとても大きなものだったのでやはりちゃんと真実を知って頂くのが良いかと思いました。

順を追ってお話しようと思います。

配合が認められていない顔料

以前の記事「化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル(続き)」で触れましたが、化粧品としてジェルネイルを販売する上で避けられないルールの一つが、化粧品に使用が認められている顔料は数十種類に限定されているということです。

紅不二化学様にまとまっていますので良かったら見てください。

化粧品色素

ここに掲載されていない顔料は基本的に配合してはいけません。

ところが、今回エースジェルはこの配合してはいけない顔料を意図的ではないにしろ配合してしまった、そしてそれを把握しないまま販売を続けていた、ということが問題となりました。

実は過去にはネイルラボも同じ失敗を犯していた!

ネイルラボ プレスト製品の回収について

奇しくもネイルパートナーのページに残っていました。

ネイルラボのサイトからはどうやらその記事はもう消してしまっているようです。

汚点を隠しているかのようですね。

ネイルラボもプレスト製品に化粧品には配合が認められていない顔料を配合していたということで自主回収をしています。

この時は確か医薬品には配合可能な顔料だったので、化粧品にも使えると思っていた、といった言い訳をされていたと記憶しています。(なにせページが削除されているので、うろ覚えですみません)

杜撰ですね。

それからネイルラボでは「化粧品の規格に準拠した製品」を販売しているのかと思いきや、先日の展示会で製品をチェックした時にはまだ「ええ…」と思ってしまうような製品を販売されていたので、そういう体質なのでしょうか。

エースジェルはネイルパートナーが製造者ではない

エースジェルの裏面を見ると、製造販売元は株式会社ジュリアとなっています。

一体どんな会社なのか調べてみましたが、どうもHPなども出てきません。

化粧品を販売する為に必要な許可」という記事で説明しましたが、製造販売業は製造設備がなくても、何の知識もなくても、許可を取ることができますし、誰でもなれます。

つまりは、そういうことだと思います。

株式会社ジュリアの住所をGoogleMapで検索してみたところ、「十条ケミカル株式会社」と同じ場所にあることがわかりました。

十条ケミカルはUV硬化型のインクジェットインキなどを作っているメーカーのようです。

J-Plat Patという特許庁のHPで十条ケミカルを調べてみたところ、ありました。

特許第4981184号 光硬化型ジェルネイル用下地剤およびジェルネイル方法

詳しくはまた特許を解説する記事で見ようと思うのですが、とにかくジェルネイルを作っていることは間違いなさそうです。

つまり十条ケミカルが化粧品には使用できない顔料を配合したエースジェルを作ってしまったと考えられます。

恐らく、ネイルパートナーからは莫大な請求が十条ケミカルにはされたのではないでしょうか。かなりエースジェルは売れていたと思うので、回収費用、回収した分の製品代、今後売れるはずだった分の利益等々請求されたのではないかと…もしかしたら訴訟などになるかもしれませんね。

配合が認められていない顔料は危険?

ではその配合が認められていない顔料を含むエースジェルは危険なのか、と聞かれると、答えはイエスでもありノーでもあります。

その配合が認められていない顔料は単純に毒性や刺激性があるから配合が認められていない訳ではないからです。

ただし化粧品の原料は基本的にホルマリンなど配合禁止成分を含まないとされています。

その顔料の製造上ホルマリン等が入らないとしても、同一工場内でホルマリンが発生するものを製造すれば飛散して混入する可能性はゼロではありません。

この配合が認められていない顔料がどうしった設備でどんなところで製造された顔料なのか、その顔料には配合禁止成分や毒性・刺激性のあるものが含まれていないかが重要になると思います。

それは試験機関に依頼しない限り分かりません…ただ、そもそもジェルネイル自体が刺激性の高いものなので、数パーセント~数十パーセントしか含まれていない顔料のなかのさらに数パーセントも含まれないそういった微量成分のことを考えるよりは、ジェルネイルそのものの刺激性を考えるほうがはるかに有意義だと思います。

ジェルネイル自体は安全なものではありません。

爪という死んだ細胞に乗せるから影響がないのであって、生きた細胞である皮膚の上に乗せたりすれば含んでいる顔料が化粧品か化粧品でなかろうが人によっては炎症を起こす、またはアレルギーになる可能性は高いと言えます。

ジェルネイルをする上でそれは避けられない刺激性・皮膚感作性です。

それを理解した上では、そもそもジェルネイル自体が安全ではないので、エースジェルが安全かどうかは、あまり大きな意味を持たないようにも思います。

新しい化粧品の分野:ジェルネイル

ジェルネイルはまだまだ比較的新しい分野です。

化粧品に精通している資生堂さんやロレアルさんが作っている訳ではありません。

むしろ今まで化粧品などを作ってこなかったメーカーの方が多いのではないかと思います。(光硬化性樹脂という製品の性質上)

そうなると化粧品の知識が不足し、こうした事態が起きてしまうのではないかと思います。

より安全・安心なジェルネイルを作る為にも、この業界自体の成長が必要ですが、そのためには価格だけに囚われて、安かろう悪かろうの製品を購入しないという商品者の意思も必要です。

安全性の試験をしっかりとし、品質管理を十分にした製品は、やはりコストがかかってしまいます。

1個300円では赤字になってしまいます。

高いものにはそれだけの価値もちゃんとあります。

ぜひ製品の良し悪しを見極める力を身に着けていただいて、安全・安心なジェルを楽しんでください。