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ジェルネイルの硬化時間はどのように決められているか

ジェルネイルの硬化時間

最近のジェルネイルはLED対応のものがほとんどで、その硬化時間は10秒や20秒と記載されているものが多いです。

またUVライトを使う場合は1分~2分と記載されているものが多いと思います。

これらの時間は、どのように決められているのでしょうか。

ジェルネイルにはJIS規格やISOといった決まった試験がありません。

JIS規格は名前を聞いたことがある人も多いと思いますが、下記のように記載されています。

日本工業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のことです。自動車や電化製品などの工業製品生産に関するものから、文字コードやプログラムコードといった情報処理に関する規格などもあります。

標準には、強制的なものと任意のものがあり、一般的には任意のものを「標準(=規格)」と呼んでいます。標準化の意義は、自由に放置すれば、多様化・複雑化・無秩序化してしまうモノやコトについて

経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)
生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)
公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)
技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)
安全や健康の保持
環境の保全等


上記の観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」または「単純化」することです。

一例ですが、トイレットペーパーのサイズは日本のJIS規格によって標準化されています。114mmと決められています。真ん中の空洞部分の直径は38mmのものが主流です。直径はロールの状態で120mm以下と定められています。この標準化により、日常生活でどこのメーカーの商品を買ってもホルダーに取りつけることができ、困ることなく使用することができます。

というように、共通の規格といったものがジェルネイルにありません。

つまり硬化時間も各社独自の判断で決められています。

もっと言えば、商品開発をしている研究やマーケティング部の人が「20秒くらいで固まるんじゃない?」と言って、決めてます。

ベティジェルクリスタルトップの硬化時間が変更

ネイルパートナーのサイトを見ていると、ベティジェルクリスタルトップの硬化時間が変更になっていました。


「ベティジェル クリスタルトップ」の硬化時間の表記が以下のとおり変更になりました。

【LED】10~30秒 → 30~60秒
【CCFL】1分 → 1~2分
【UV】1分 → 1~2分

※塗布量や色味によって長めに時間を調節してください。

こういうことが起きる背景にはいくつか考えられることがあります。

1つ目は、ベティジェルの担当者がベティジェルに最適なライトを用いて検証し、その時の結果が短い20秒や1分だった場合です。

その結果を以って、パンフレット等に記載してしまったが、サロン等から1分や20秒で固まらないといったクレームが上がってきたのではないでしょうか。

そして別のライト等で試したところ、固まらないことが分かり、記載する時間を伸ばしたのではないでしょうか。

2つ目は、組成変更による規格変更です。

硬化を早めるために光重合開始剤を多く入れることがあります。

ただそれは諸刃の剣で、光重合開始剤を多くすることにより、硬化後に黄色に変色したりすることがあります。

また硬化速度も上がる為、重合熱も多くなり、熱いと感じるリスクもあります。

そういったクレームがサロン等から上がり、見直したりしたのではないでしょうか。

ただ、こうした組成変更を行った場合、本来化粧品販売届け出をし直さなければなりません。

たとえ記載されている全成分表示が変わらなくても、本来成分量が変われば届け出をし直さなければなりません。

配合量の変更により、全成分表示の順位が入れ替わっている場合はもっての他です。

製品を確認していないのでたしかなことはわかりませんが、おそらくベティジェルは販売届け出をし直していないのではないでしょうか。

そうなった場合、配合が前のモノと後のモノを見分けるのはロットだけになり、どちらの成分か同定するのは非常に難しくなります。

硬化時間はあくまでも目安

これまでにご説明してきた通り、硬化時間はメーカーの担当者の一存で決まります。

特に決まった試験方法もなく、各社で共通化された試験もないため、どの状態を硬化したと判断するかもそれぞれです。

また試験に使われるライトもそれぞれのメーカーに推奨のものがまず対象となります。

例えば32W LEDライトと一口にいっても、4Wが8個なのか、0.5Wが64個なのかで全く異なります。

そうした違いも考慮しなければなりません。

硬化時間はあくまでも目安としてお考え下さい。

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安全性 材料

白い容器のジェルネイルは、中身が硬化しているかもしれない

ストーリージェル365ボンダー容器の変更

ストーリージェル365から販売されているボンダーの容器が白から黒に変更になるそうです。

一体なぜでしょうか。

ストーリージェル365のオフィシャルwebサイトを見ると、


ボンダー
爪とジェルの密着性を高めるためのジェル用下地剤。
酸を含んでいないため、爪に優しいボンダーです。

硬化して使用するジェルタイプのプライマー。

5ml/¥1,790 [17-90]
LED硬化時間30秒 / UV硬化時間120秒

https://www.storyjel365.com/product

つまりストーリージェル365のボンダーは、ベースジェルと同じように光で硬化する樹脂と言えそうです。

そうすると、光が容器を透過してしまうと、中身が硬化してしまう可能性があります。

おそらくストーリージェル365のボンダーも、蛍光灯の下で保管されていたりすると、容器を光が透過して、粘度があがったり、糸引きが見られたりするようになるのだと思います。

ボンダーに含まれる光重合開始剤に光があたり、ラジカル種が生成され、密着性モノマーが重合して、そういった状態になると考えられます。

そうなると、密着性モノマーの分子量が上がってしまうので、爪へ浸透しなくなり、密着性が失われてしまいます。

つまりボンダーとしての効果を発揮できなくなります。

白い容器には要注意

白い容器は見た目にとても良く、清潔感などを与えます。

なので、各メーカー様も最初に白い容器で商品化したいと仰られることが多いです。

白い容器とはつまり、ガラスであれば、スプレー等で白い顔料(多くの場合酸化チタン)を吹き付け、白くしています。

プラスチックであれば、同様に白い顔料を樹脂に混ぜ成型したものになります。

酸化チタンは、日焼け止めなどにも使われることもあるくらいには、光を反射する性質があります。

ホワイトのカラージェルがUVライト等で硬化しにくいことを体験された方も多いのではないでしょうか。

ただ酸化チタンの被覆力(下地を覆い隠す力)は白の顔料の中では高い方ですが、黒の顔料と比べると高くありません。

例えば、カラージェルで真っ白のジェルを作ろうと思うと、酸化チタンを10%ほど入れる必要があります。

一方で真っ黒のジェルを作ろうと思うと、酸化鉄を使う場合は4%ほど、カーボンブラックを使う場合は1%も必要ないかもしれません。

それほど酸化チタンの被覆力は低く、酸化鉄やカーボンブラックの被覆力は高いです。

つまりガラス容器にスプレーで白のインクを吹き付けるにしても、高濃度の酸化チタン等が入ったものであれば十分な遮光性が得られる可能性はありますが、一般的には白くなれば良いという考えが当たり前ですので、光を通す通さないという観点はなく、白く見える容器でも光が通るという事態が起きます。

一方黒い容器であれば、被覆力=遮光性と言い換えれるくらいに遮光性が高いので、下地が隠れるくらい吹き付ければ、自ずと光も通らなくなります。

なので、ほとんどのジェルネイルの容器は黒です。

もし白い容器のジェルネイルをお持ちで、もし要らないのであれば、特にクリアジェル系が入ってる場合、蛍光灯などに近づけておくだけで中身が硬化することを確認できると思います。

そこまでしなくても、容器を通して光の明るさが感じられるのであれば、つまりそれは光を通しているということです。

白い容器でもジェルネイルを長持ちさせる方法

それでもお気に入りのジェルが白い容器で売られていて、でも長く使いたい場合にはどうすれば良いでしょうか。

光が当たることで、容器を透過して、ジェルネイルが固まるというメカニズムなので、アルミホイルなどで包んで光が当たらないような状態にする。

または遮光性のある黒いトレーなどで保管するといったことが挙げられます。

いずれにせよ使用されるときには、できるだけ蛍光灯などからも離して使う、LEDライトやUVライトの光が当たらない場所に移動させることが必要です。

そして使い終わったら、すぐに光が当たらないところへ仕舞う。

そうすることでぐっと製品寿命は伸びると思います。

ただし注意点として、この容器を透過してジェルネイルが硬化するのは、お客様の手に渡ったときから始まることではないということです。

つまりTATなどでお買い物された場合には、陳列されていたものをご購入されると思うので、店頭ですでにほぼ毎日蛍光灯の光を浴びた製品となっています。

インターネットで購入する場合も、どのような状況で保管されているのかわからないため、同じだと考えて良いです。

倉庫等で毎日光があたっているかもしれません。

買った直後なのに、なんとなくどろっとしている、糸引きがある場合にはもう重合が始まっている可能性があります。

つまり製品の性能が発揮されない状態にあるので、使っても効果はないかもしれません。

そういった場合にはすぐにクレームに出して、交換してもらうのが一番だと思います。

私としては白い容器に入ってる製品はおすすめできません。

なぜならば、その製品を売り出したメーカーは、それだけ製品の安定性などを考えずに、見栄えだけの為に白い容器を選んでいるからです。

つまり売れれば良い、と考えていると言い換えれると思います。

または気づいてなかったと申すなら、それだけ見通しが甘く、知識も乏しいメーカーということです。

そんなメーカーに良い製品が作れるでしょうか。

白い容器を採用しているジェルネイルにはご注意を。

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ミスミラージュ 安全性 材料

ミスミラージュ ETトップジェル 一部商品に欠陥

ETトップジェルの欠陥とは

度々化粧品に見られる回収ですが、今回はミスミラージュにて起きたようです。

対外的な発表としては、

「ミスミラージュ ETトップジェル」が原材料メーカー変更に伴う検品不備のため、一部商品がソークオフではなくセミハードであった。溶剤等でオフをするのが困難なため、該当商品を回収・交換。

とされています。

つまり、オフしようと思っても、いくらアセトンにつけていても、セミハードなのでほとんどオフできない状態になってしまうようです。

そうするとトップジェルを削るしかなく、サロンワークや慣れたセルフネイラーの方であればできると思いますが、あまり慣れていない方であれば、爪ではなく皮膚を削ってしまったりする可能性があるので、扱いづらいと思います。

そうして指に傷などを作ってしまうことにより、アセトンでさらにオフしようとすると、アセトンが染みて痛いといったことが考えられます。

それ以上に悪いことは、皮膚は外敵から身を護る為にあるので、削ったりしてしまうと、そこからアセトンに溶出したモノマーが皮膚に侵入し、炎症を起こす、またはアレルギーを引き起こす可能性も高くなります。

皮膚は厚みがあるとはいえ、その構造は同層の積層ではありません。

最表層に少し硬い身を守る層があり、その少し下には柔らかい層があります。

一見、同じ皮膚のように見えますが、削ってしまって、肉が見えていなくても、もちろん血がでていなくても、身を護るはずの最表層はいなくなってしまっているので、いろんなものが浸透しやすくなります。

それは決して良いことばかりではなく、むしろ悪いことのほうが多いのでご注意下さい。

原材料メーカーの変更

ジェルネイルはウレタンアクリレートオリゴマー、アクリレートモノマー、光重合開始剤の大きく分けて3つで構成されています。

今回のETトップジェルはソークオフタイプからセミハードになってしまったということで、物理的な物性が変わっているようです。

つまり物理的物性に大きな影響のある成分が変更されたと考えられます。

そうするとアクリレートモノマーかウレタンアクリレートオリゴマーのどちらかであると考えられます。

ウレタンアクリレートオリゴマーの日本国内のサプライヤーはそれほど多くなく、数社ほどです。

アクリレートモノマーも同様で数社ほどですが、ウレタンアクリレートオリゴマーは、各社それぞれ特徴をもたせた構造となっている場合が多いです。

ウレタンアクリレートオリゴマーはその名前の通り、「ウレタン」と「アクリレート」が「オリゴマー」になった構造です。

「ウレタン結合」と「アクリレート末端」を持ち、分子量が少し大きいものをウレタンアクリレートオリゴマーと読んでいます。

どのようなウレタン結合をいくつもたせるか、その間を何で繋ぐか、アクリレート末端をいくつ持たせるかなどによってその性質が変わります。

つまりバリエーションが非常に多いです。

そうすると、あるメーカーのウレタンアクリレートオリゴマーを購入していたとして、原材料を変更したいとなっても、同製品を作っているメーカーはない可能性が高いです。

例えると、ウレタンアクリレートオリゴマーは「テレビ」であり、アクリレートモノマーは「液晶パネルや外側のプラスチック」とも言えます。

東芝のテレビ、シャープのテレビ、ソニーのテレビと同じテレビは別のメーカーからは出ていないはずです。

一方、それに使われている液晶はもともとはシャープですべて製造されていたり、またはLG製だったりと意外と遡ると同じサプライヤーであることもあるかもしれません。

そうなってくると、ETトップジェルの原材料変更はアクリレートモノマーかもしれません。

アクリレートモノマーであれば、同じ構造のものをいくつものメーカーが作っているので、切り替えが容易です。

一方、それだけ構造が明らかで同じようなモノにはなるので、切り替えたところで物性が大きく変化するとも思えません。

同じような構造と思い、ウレタンアクリレートオリゴマーを分子量違いとかで変えたとなれば、ソークオフできたものがセミハードになるなどは理解できます。

どちらかは掴みきれませんでした。

そもそもソークオフやセミハードとは

私もジェルネイルを作る仕事をしている中で、ソークオフなのか、セミハードなのかということを考える機会があります。

厳密に言えば、ソークオフかセミハードか、といったことに定義はありません。

強いていうなれば、ソークオフとは15分ほどアセトンに浸けていおいてウッドスティック等で容易に剥がせるものとなるでしょうか。

ではいったいセミハードとはなんなのか。

ハードではない、でもソフトでもない、それがセミハードなのでしょうか。

ではいったいどれくらいハードより柔らかければ、またはソークオフより硬ければセミハードなのでしょうか。

これはそれぞれの人の感性によるところです。

ある人はアセトン15分漬けて、見た目に変化がなくても、メタルプッシャーで押せばもろもろとトップジェルが削れる状態であればソークオフできていると言うでしょうし、

ある人はアセトン15分漬けて、トップジェルからベースジェルまでつるんと剥がせる状態がソークオフできていると言うでしょう。

ではこのセミハードとはいったいなんのことを指しているのか、私にはわかりません。

メーカーの担当者が「これはセミハード」といえば、セミハードになりますし、「ソークオフ」といえば、ソークオフとして売り出されます。ただそれだけです。

A社のセミハードとB社のセミハードでは硬さが全く違い可能性があるということです。

ある意味、とてもいい加減な指標とも言えます。

とはいえ、ミスミラージュは一体なにをしているのか

というのが、私の本音です。

研究者として、もし原材料を変更するとなれば、ほぼすべてのテストをし直します。

たとえばトップジェルであれば、粘度、レオロジー、トポロジー、硬化性、色、硬度、オフのしやすさ、拭き取りのしやすさ、艶の出方、保管安定性など様々なテストが必要です。

同じようであっても、製造工程で入ってくる触媒が異なる、または原料由来でなにか微量成分が入ってくるということがあっても、最終製品に性能差が出てくる可能性があります。

例えば具体的には、重合禁止剤などが挙げられます。

重合禁止剤はその名の通り、重合を抑制するものです。

サロンワークでライトの下でジェルネイルを扱うとなると、そのライトで硬化してしまってはいけません。

また作業性の面から、容器を開けたまま作業される方もいらっしゃると思います。

そうなるとずっと光に当たることになり、本来であれば硬化してしまいますが、この重合禁止剤を入れることで弱い光にあててもすぐには硬化しないようにできています。

一方でこれは諸刃の剣で、LEDライトやUVライトで硬化させたいときにも硬化させにくくもします。

たくさん重合禁止剤を入れてしまうと、硬化しなくなることがあります。

もともとの原材料よりも変更後の原材料の重合禁止剤が少なければ、環境光で硬化してしまう、または出来上がりの物性に差がでるといったこともあります。

そういったところまで吟味しなければ原材料の変更はできません。

ミスミラージュもそういったところまでちゃんと確認していれば、こうした回収にはならなかったのではないでしょうか。

いつもながらですが、たったこんな簡単な確認ですら行えない(時間的に?人的に?)のであれば、より難しい安全性に関する確認など行えるのでしょうか。

他の会社も同じような原材料使って売ってるし、うちも大丈夫だろうで販売しているような気がしてなりません。

またはそれを考えるのは研究の仕事でしょう?と思っていらっしゃるかもしれません。

その研究は社外の可能性があります。(OEMやODM)

製品供給してきているんだから、そっちで安全を担保できたものだけと勝手に思い込んでいるかもしれません。

製品の最終的な安全を担保するのは、「製造販売元」です。

もちろん契約上、何かあった場合に負債を分け合うや過失割合に応じて支払うといった条項を定めている可能性はありますが、いずれにせよメディア的に矢面に立つのは、「エースジェルの件」同様に製造販売元です。(あのときはネイルパートナーでした)

誰かの健康を損なう可能性があるような製品を、「売れるから」「ビジネスだから」という理由で確認もろくにせずに販売していませんか。

ジェルネイルを購入する際には、価格や色、性能だけでなく、こうしたことも考える必要があるかもしれません。

賢者の選択を。

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油分除去はプレップやエタノールではできない

プレパレーション

プレパレーションはセルフネイルを楽しまれている方やネイルサロンで働いている方には馴染み深いものだと思いますが、その油分・ダスト除去をネイルプレップや消毒用エタノールでしていないでしょうか。

プレパレーションとは、甘皮処理をしたり、爪表面の状態をネイルを塗るのに適した状態にすることです。

どれだけジェルネイルの品質・性能が良くても、このプレパレーションがしっかりとできていなければ、その性能を発揮することはできません。

このプレパレーションの作業の中に、油分・ダスト除去があり、そこに多くの場合、プレップや消毒用エタノールが使われています。

これではその本来の目的を全く達成することはできておりません。

ネイルプレップ

ネイルプレップは成分として、エタノール、水、イソプロパノール、着色剤から構成されていることが多いです。

エタノールやイソプロパノールはご存知の通り、アルコールで消毒に用いられます。

エタノールのほうがその効果は強いですが、アルコール過敏の方にはキツすぎる傾向もあります。

そこで少しマイルドなイソプロパノールに一部置換してあります。

着色剤によってサロンワークなどで取り間違えがないようにリムーバーと色分けされていることが多いです。

しかし重要なのは、水です。

消毒用エタノール

消毒用エタノールはおよそ70%エタノール、30%水といった構成比で作られています。

料理の前や手洗いの後によく使われます。

こちらもエタノールが入っているのでアルコール過敏の方は気をつける必要があります。

サロンワークにおいて、アルコール過敏ではないかを事前に確認しておくことは必要だと思います。

注射の前にアルコールでかぶれたことはありませんか?と聞くのと同じように。

私が見てきたサロンでは、一箇所もそういったことを尋ねられたことはありません。

それだけ使われている道具がどういったものなのか、どういった影響がお客様にあるのかについて無頓着すぎると思います。

水の存在

いずれにせよ、ネイルプレップや消毒用エタノールを使う限り水が含まれていることが問題です。

それで爪を拭くことで多少の油は取れますが、水が含まれていることで油は絶対に拭えません。

それどころか爪に水分が残る為、ジェルネイルを塗ると、その水分によって縮んだり、はじいたりすることになります。

ネイルが縮むと悩まれている方は一度このプレパレーションをネイルプレップや消毒用エタノールからリムーバーなどの協力に脱脂できる水の含まれていないものに変更することをおすすめします。

そうすることで油分除去をしっかりすることができ、裸の爪をむき出しにできます。

ただし、前にも申し上げた通り、ジェルネイルをしてきた爪にはすでにジェルネイルが爪に染み込んでいるので、裸にしたところで、残ったジェルネイルとの相性が悪い場合には弾きや縮みがでる可能性があるのでご注意下さい。

まとめ

ネイルプレップや消毒用エタノールには水分が含まれている為、油分除去をしっかりとできない。

それどころか水分が爪に残る為、ジェルネイルのはじきや縮みの原因となる。

ネイルプレップや消毒用エタノールにはアルコールが含まれている為、アルコール過敏の方には使用できない、してはならない。

サロンワークにおいては必ず事前にアルコール過敏ではないかを確認するべき。

縮みが出るお客様にはリムーバーなどの強力なもので油分と水分の除去をするべき。

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ライト 安全性 材料

LEDライトで硬化させてUVライトで除去できるジェルネイル

European Symposium of Photopolymer Science

先日、フランスで開催されたEuropean Symposium of Photopolymer Scienceに参加してきました。

Photopolymer、つまり光硬化樹脂に関するシンポジウムでした。

講演者の方もアカデミックの方が多く、最新の光硬化技術について聞くことができました。

その中に非常に興味深いものがあったので、少しだけご紹介させて頂きます。

光硬化のトレンドは長波長化?

ジェルネイルも歴史的に365nmを使っていた頃から、今はLEDの405nmを使うようになってきました。

しかしある分野においてはそれ以上の500nmに近い光を使って硬化をさせようとしているようです。

ご存知の通り、波長が短くなればなるほど、人体への影響も大きくなります。

そこでジェルネイル業界でもLEDが今は推奨されています。

ところが405nmは可視光と紫外線のギリギリに属しており、まだ十分に安全とは言えません。

そこでより安全である長波長化が検討されています。

これによりお客様には安心してライトをご使用頂けます。

(今でもジェルネイルで手が日焼けするのではないか?といった疑問を持たれている方はいらっしゃると思います。)

また長波長化させることで、内部への光の侵入が良くなる為、内部硬化が良くなります。

つまり、所謂半熟とよばれるカラーの硬化不良などが防げるようになります。

特に黄色や黒で半熟を経験された方は多いと思います。

これらの色は特に今のLEDでは硬めにくい為です。

LEDで硬化させ、UVで除去するジェルネイル

先の話と少し矛盾してしまうのですが、ライトによる人体の影響よりも、もっと直接的に人体に影響を与えている行為が、アセトンによるソークオフです。

アセトンはご存知の通り、有機溶剤で、シンナーやガソリンといったものと同じような分類です。

そのようなものを爪につけて、しかも15分といった長い時間皮膚にも付着することは、非常に危険な行為です。

またこういった有機溶剤が直接人体に触れることも問題ですが、ジェルネイルがアセトンにより膨潤して来た時に、未反応のモノマーが溶出してくることも問題です。

つまりソークオフ時にアセトンが触れている皮膚にはモノマーが直接触れる可能性が高いということです。

モノマーは皮膚炎症を起こしたり、アレルギーを引き起こす可能性が高い物質です。

ソークオフの間、15分間もの間、こうした物質に触れることで、炎症やアレルギーになる可能性は非常に高くなります。

そこでピールオフやアセトン意外での除去なども検討されていますが、持ちがイマイチであったり、ソークオフ性が悪かったり、と品質面で従来のジェルネイルに劣っています。

そこで、新たな技術である405nmを用いて硬化させ、365nmで除去するといった反応をジェルネイルに応用することで、光だけを用いたオフが可能になると考えています。

これは新技術なので、ここでは公開できませんが、いち早く商品化できるように努めますので、期待してお待ち下さい。

 

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ジェルネイルの将来と、ネイリストのこれからの仕事、今すべきこと

ジェルネイル業界の歴史から学ぶ現在のネイルサロンの状況

ジェルネイルは南アフリカが起源と言われています。

光硬化性樹脂はずいぶん古くから他分野特に工業用分野で使われていましたが、それをネイルに適応したのが始まりです。

それまでのネイルはご存知の通りラッカータイプと呼ばれる、溶剤が含まれているものでした。

溶剤中にすでに重合済みの樹脂を溶かし、そこへ顔料等を加え、塗り、溶剤が揮発することで成膜されるといった仕組みです。

一方でジェルネイルは重合前のモノマーを主成分として構成されており、爪の上で重合させることでポリマーを形成します。

ジェルネイルはおそらく南アフリカからアメリカに渡り、そこで人気を得ました。

美に非常に敏感な日本はそのアメリカ分野をいち早く取り入れ、ワンカラーのみならず、独自の「ガラパゴス文化」でアーティフィシャルなものに昇華させました。

その結果、現在では約30%の女性がジェルネイルを体験したことがあり、町中にはネイルサロンをいたるところで見つけられるようになりました。

その結果、価格下落が起きているのはご存知の通りです。

日本のジェルネイル黎明期は一人あたり2万円、3万円といった価格も可能でしたが、今はホットペッパービューティー等のクーポンを利用することで一人あたり3,000円程度でできるようになっています。

現代のネイルサロンとサロンワーカーに求められること

そうした歴史を経て、増え続けたネイルサロンおよびサロン経営者が悩むことはおそらく新規の獲得・既存顧客の維持・客単価アップです。

新規の獲得はまさにホットペッパービューティー等のクーポンで初回を大きく安くすることで、特にお金のない学生を集めることができます。

これは非常に重要なことで学生の間に長く利用されたサロンは、そのまま大人になっても使ってもらえる可能性が高いです。

つまりヘアサロンのように学生価格を導入することも一つのアイデアです。

そしてそこまで通ってくれた常連客はその場所が好きに違いありません。

つまり好きになってもらえるような場所を提供することが価格と並んで重要なことは言うまでもありません。

そのためにするべきことは、「素晴らしいジェルネイルの技術」だけではなく、「素敵な接客」です。

なぜならばそのサロンに通い続けたいと思うのは、仕上がりもさることながら、その人と話すことが楽しい、その人と一緒にいることが楽しいと思うからに違いありません。

次世代型サロン

そうした人との繋がり、素敵な接客をするサロンは価格が多少高くても通い続ける可能性が高いです。

おそらくここを見てくださる方の中にも決まったヘアサロンに行く方がいらっしゃるかと思います。

それは決して価格だけではありません。

担当がいて、聞いてほしい話があったり、聞きたい話があったり、なんだかその人と一緒にいて楽しい、まるで友人のように、それでも踏み込んで来すぎず、その適度な距離感とオープンハートが重要です。

仕事として接する限り、それはお客さんに必ず気づかれます。

疲れてくれば一つ一つの動作が雑になり、それもお客さんに気づかれます。

あなたの大事な人に「してあげたいんだ」という気持ちだけですることが非常に重要です。

そうして惹きつけた人はそうそう離れることがなく、サロンというより人に付いたお客さんです。

こうして既存客を維持しつつ、新規のお客さんを既存客にしつつ、それでもこれからのサロンワークに必要なことの一つは客単価のアップです。

ハンドケア等の追加メニューをさせることで単価はアップさせることができ、多くのサロンで取り入れ始めています。

欧米ではネイルサロンは手のすべてを任せるところでもあります。

爪のケアもサロンの仕事です。

これからのネイルサロン

ここからは非常に聞き苦しい話をします。

ご存知の通り、AIの台頭により、多くの仕事がAIに奪われる未来が想像されます。

その一つにサロンワークも挙げられます。

具体的には今非常に盛んに研究が進められている3Dプリンターを利用したものだと考えられます。

3Dスキャナーで爪の形状を読み込み、3Dプリンターでジェルネイルをプリントする。

絵柄はお客さんの手で選ぶ、すると、サロンワーカーの仕事はほとんどなくなりますね。

機械のメンテナンスや操作方法を教えることがメインとなるでしょうか。

つまりネイルの技術は必要ないということです。

実際にプリンターを利用したネイルはすでに、千趣会のTSUMECOやリンクカンパニーのAUTONAILで実装されています。

そこまでその時代は来ています。

さてネイルサロンはこのままで良いのでしょうか。

このVUCAワールドを生き抜いて行くためには、人が考える前に考えて行動しなければなりません。

ぜひ正しい選択を。

ネイルサロンの未来に今の姿はないかもしれません。

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次世代型海外ジェルネイル

RadTech2018

RadTech2018という国際学会に参加してきました。

今年はシカゴで開催され、多くの光硬化に関する最新の技術について紹介がありました。

主にはコーティング分野、3Dプリント分野が目立ちましたが、いくつかジェルネイルに関する発表もあったので紹介したいと思います。

そもそも光硬化樹脂の用途とは

ジェルネイルも同じく光硬化性樹脂です。

光硬化性樹脂はそもそも何に使われていたかと言うと、コーティングの分野が最初かと思います。

例えばフローリングなどが普段目にする光硬化性樹脂です。

木材を着色等の加工したあと、傷をつけにくくするために光硬化性樹脂でコーティングすることがあります。

そこから派生して、展示会などで見られる光沢感のあるパネルなどはUVインクジェットインキと呼ばれる、光硬化性樹脂を利用した2Dプリンターがあります。

プリンターなのでカラーインキが使われており、カラーインキということで顔料を含んでおり、非常にジェルネイルに近いイメージです。

ただ粘度が全く違うので技術レベルはUVインクジェットインキの方が高そうですが、光源の強さなどもまたジェルネイルよりは強いので、固めるということにおいては有利かもしれません。

そして最新技術の一つが3Dプリンターです。

光硬化性樹脂の良いところを生かし、すぐに硬化させ、大きな硬化物を作ることができ、また原料の選定により柔らかいものから、硬いものまで様々なものを作ることができます。

顔料などを含めることもでき、色物もできますが、多色成形はようやく最近できるようになってきたようです。

海外のジェルネイル

海外のジェルネイルといえば、OPIやシェラックなどが有名です。

ジェルポリッシュと呼ばれる、刷毛付きキャップタイプのものが主流です。

細かなアートをするというよりは、短時間でワンカラーをすることが主流なためかと思います。

それでも柄をつけたいといった希望もあるようで、マグネットジェルなどができたのでしょうか。

RadTech2018でのジェルネイルの発表

今回は大学からの発表としてジェルネイルがありました。

テーマとしては天然物由来の成分をジェルネイルに使おうということでした。

欧米では天然物由来の成分を含めた製品はグリーンプラスチックなど、グリーンといった言葉を含められるそうです。

これがあるとないでは、売上が大きく異なるようです。

エコロジー先進国は凄いですね。

ジェルネイルの原料はアクリレートと呼ばれる石油原料由来の為、確かにエコロジーとは言えないかもしれません。

その一部をバイオ原料に変えることは環境負荷を減らす為の一つのアイデアといえるかもしれません。

一時日本でも、トウモロコシ原料等のバイオプラスチックなども話題になったかと思います。

そうした流れが既に欧米ではジェルネイルにも向き始めているということは驚くべきことであり、日本が本当にそうした分野では後進国であることを思い知らされました。

次世代型ジェルネイルとしてバイオ原料を利用したジェルネイル、私も研究してみたいと思います。

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ベースジェル ライト 材料

なぜジェルネイルは欠けてしまうのか

最終工程はお客様によって

ジェルネイルは、従来のマニキュアとは異なり、爪の上で光当てて硬化させるタイプのネイルです。

工業的には光硬化性樹脂と呼ばれています。

そのメカニズムとしては、数百~数万くらいの分子量のモノマーやオリゴマーが、光重合開始剤により発生するラジカルを使ってお互いに結合(重合)し、数十万数百万あるいはそれ以上の分子量にまで増えていくことで、液状から固体へとその性状を変えていきます。

何をイメージするとわかりやすいのか難しいのですが、例えば、お米は炭水化物と呼ばれることはご存知かと思います。

炭水化物の中には、糖質と呼ばれるものがあり、お米はその一つです。

糖質の漢字の中には、糖という言葉があるように、お米は糖から出来ています。

小さな糖が重合し、分子量が大きくなった為に、お米は水分を含ませる前はすごく硬い、まるで硬化後のジェルネイルのような状態です。

一方でガムシロップは糖の中でも小さいものを中心に構成されており、まるで硬化前のジェルネイルのようです。

つまり、ガムシロップが重合し硬化したものがお米になる(本当になる訳ではないですが、イメージとして)ように、ジェルネイルも、硬化前の液状が、重合し、分子量が大きくなることで硬化した状態になります。

ジェルネイルは液体の状態で完成されたものではなく、未完成の状態で売られており、その未完成の液体をお客様の手で最終工程である硬化をさせることで、最終製品になるイメージです。

原料を作る工程、原料を混ぜる工程、液状のジェルネイルを充填する工程、どれも工程はいい加減なものではいけませんよね。

最終工程も同じです。

光硬化性樹脂の最終工程である硬化をいい加減にしてしまうと、せっかくここまでの工程が完璧でも、思ったような最終製品が出来上がらないのはご理解頂けると思います。

つまりジェルネイルはお客様によって完成される製品ということです。

ジェルネイルの持ちにも最終工程は影響する

ここまでお話をご理解頂けていれば、「ジェルネイルの持ちにも最終工程は影響する」ということがご理解頂けると思います。

どれだけ良いジェルであっても、硬化が十分ではない、または硬化しすぎているなど、設計された、想定されたこと以外の工程をしてしまうと、そのジェルが持っている力を十分に発揮することはできなくなってしまいます。

艶などは顕著でしょうし、カラーの半熟(よれ)なども見てわかりやすいですが、ベースジェルの持ちも同じように影響します。

各社のジェルネイルは、できるだけ各社から出されているライトで規定の時間で硬化させることが重要です。

それ以外の条件で行うと、少なくとも100%の力は発揮できないことが多いと思います。

ベースジェルだけが保ちを決めることはない

ジェルネイルの持ちは、ベースジェルに依存すると思われがちですが、そうではありません。

だいたいの場合において、ジェルネイルが剥がれてしまう時、トップジェルだけがめくれたりするでしょうか。

またはベースジェルとカラージェルが層間剥離をしてしまったりするでしょうか。

あまりそういったケースはないかと思います(ゼロではないです)。

大抵の場合、ジェルネイルが浮いてしまった、剥がれた場合は、トップもカラーもベースも一体となって浮いていませんか。

つまり、ジェルネイルはそれぞれの層として形成しますが、最終的には一体の層として捉える必要があります。

ベースジェルだけ変えて、密着性は変わるかもしれませんが、最終的な保ちはそれだけでは決めることができません。

そのベースジェルに相性の良いカラージェル、そしてそのベースジェルとカラージェルと相性のよいトップジェルを選択することが重要となります。

それぞれの層の硬さやジェルの混ざり具合(未硬化層と次の層は必ず混ざる、そこで相性が良くなければ剥離も起きやすい)なども重要となってきます。

ベースジェルをできるだけ良い状態で硬化させるには

とは言え、直接爪に付着する層がベースジェルであることは事実です。

つまりベースジェルが保ちに大きな影響が与えることが間違いありません。

そこでベースジェルはどのように硬化させることが良いのかですが、先程から申し上げているように、各メーカーそれぞれの思惑があって設計されているので、コレという正解はありません。

ただ、傾向がないわけではないので、それをご紹介しようと思います。

まずベースジェルが十分な密着性を発揮する為に硬化からアプローチできることは、十分に硬化すること硬化が早すぎて硬化収縮が起きないこと、この二点です。

一つめの十分に硬化するは、お分かり頂けると思います。

半熟であれば、スカスカな状態なので少しの力でベースジェルが変形したり、水が入り込んだり、様々なことが起きます。

なので十分に中まで硬化させることは最低条件です。

次に硬化が早すぎて硬化収縮が起きないことですが、LED化にともなって硬化時間は30秒や速いもので20秒または10秒といったものもあります。

こうした硬化速度の上昇は、自ずと硬化収縮にも効いてしまいます。

硬化収縮が大きくなると、爪への閉塞感も強まりますし、なによりベースジェルに応力がかかります。

応力がかかると、少しの力で爪から剥離したり、浮いてしまったりということが起きやすくなります。

つまり、各メーカーの条件で硬化させることが一番とは言え、いくつもライトを買うことができないセルフの方やネイルサロンにおいては、あまりにもハイパワーなLEDライトを使うと、硬化収縮が大きくなってしまい、ベースジェルの保ちの悪さに繋がる可能性があります。

適切な硬化で、安心なジェルネイルライフを

適切な硬化をすることで、ベースジェルの保ちは格段に良くなります。

その結果、浮いた隙間から菌が入ってしまうようなグリーンネイルや、浮いてきたジェルを無理やり剥がして爪が薄くなってしまうといった問題をも解決することができます。

なかなかそのジェルにあったライトを毎度買うのはお金がかかるので大変かと思いますが、ベースジェルを買い換えるだけでは、保ちが劇的に良くなるといったことは逆にないとお考え頂いても良いかもしれません。

ベースジェルも決して安くはないですが、それを何種類も試して数万円を使うくらいならば、いまあるジェルに合わせて、ライトをメーカー推奨のものにする方が結果的には良いかもしれません。

36WのLEDと12WのLEDで硬化させたジェルネイルは決して同じものにはなりません。

もちろんUVでも大きく異なります。

ただただWだけが影響することもなく、そのライトの配置や一つ一つのライトの照度、爪までの距離、いろんなことがライトによって影響します。

硬化はお客様の手でしていただくジェルネイルを最終製品とする最後の工程です。

ぜひそこにもご注力頂ければ幸いです。

 

 

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材料

ジェルネイル材料学:第一回 概要

はじめに

ジェルネイル材料学と題して、ジェルネイルに用いられる材料について解説します。

セルフの方、ネイリストの方含めてどちらにもジェルネイルがどんな材料でできているのかを知ることは、とても重要なことだと思います。

その結果、起きうる危険性についてちゃんと把握できますし、つまり安全性について説明できるようになります。

そうした知識は第一に自分を守る為に、そして施術する人を守る為に使うことができます。

馴染みがあまりないかもしれません化学系の話にはなりますが、ジェルネイルを更に理解する為には化学が避けては通れないことです。

ただ私も所謂トップネイリストの方(エキスポ等で壇上でセミナーされるような方やコンテストで表彰台の常連の方たち)とお仕事をする機会も多く、そうしたトップネイリストの方はほぼ全員よりジェルネイルのことを知るという貪欲さがあり、もちろん彼女らは化学を専攻してきた訳ではないので、とっつきにくい分野だとは思いますが、それでもすごく熱心に勉強されている印象があります。

このブログを読んでくださっている方が、今どのくらいのポジションの方なのかは分かりませんし、今後のビジョンをどのように考えていらっしゃるのかも分かりませんが、一つネイリストとしての格を上げる為の知識として、材料学は必須ではないでしょうか。

ジェルネイルの構成

ジェルネイルは大きく分けて、1.ウレタンアクリレート 2.モノマー 3.光重合開始剤 4.顔料 5.フィラー 6.添加剤の6つに分けられます。

それぞれの役割を一つ一つ確認します。

ウレタンアクリレート

ウレタンアクリレート化学式

(出典:共栄社化学様)

ウレタンアクリレートは塗膜を形成する主成分です。

この種類の選定により塗膜の性質が大きく異なります。

パスタで言えば、オイル系なのかトマト系なのかクリーム系なのかを左右するものです。

モノマー

(出典:三友化学様)

モノマーは基本的には希釈の用途が多いです。

ウレタンアクリレートは水飴のようでどろっとしています。

スプーンをさすと、ささって動かなくなるほど硬いものもあります。

それでは爪に塗ることができないので、緩めるために希釈する必要があります。

従来のマニキュアでは酢酸エチルや酢酸ブチルといった有機溶剤がその役割を果たしていましたが、ジェルネイルは基本的には有機溶剤を含みません。

その代わりにモノマーで希釈しています。

このモノマーはたくさんの種類があり、親水性のものや疎水性のもの、硬化後に硬くなるものや逆に柔らかくなるものなど、様々あります。

しゃばしゃばのものもあれば、とろとろのものもあり、匂いがあるものもあれば、刺激性があるものもあります。

この選択も大きくジェルの性質に影響します。

光重合開始剤

光重合開始剤は読んで字の如く、重合(硬化)を始める材料です。

UVライトの365nmやLEDライトの405nmに対応した光重合開始剤を選ぶことが重要です。

とは言え、使えるものは限られていて、たいていの場合「ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」か「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」の二種類です。

前者がUV365nmに対応する光重合開始剤であり、後者がLED405nmに対応します。

どちらも粉末で、「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」の方は少し黄身がかっています。

透明なウレタンアクリレートやモノマーに混ぜると、少し黄身のかかったジェルネイルができるため、トップなどには紫色の顔料を打ったりすることがあります。

顔料

(出典:Kusunoki Sekkai様)

顔料には有機顔料と無機顔料の二種類があり、有機顔料は自然界にはあまりなさそうな色を発色させるために使います。

一方無機顔料とは、金属酸化物で、天然にあるような色のものです。

酸化鉄(黒、茶、黄土)といったものや、酸化チタン(白)がそれらにあたります。

どちらかと言えば有機顔料の方が退色などはしやすいです。

顔料には他にもパール顔料と言われるラメやグリッターがあります。

詳しくは日本光研様のサイトに掲載されているので、そちらも合わせて見ていただくとわかりやすいです。

https://nihonkoken.co.jp/pearl.html

マイカと呼ばれる鉱石に薄く酸化チタンや酸化鉄の膜を張ることで、きらっと輝く粒子が作られます。

パール顔料の構造

(出典:日本光研)

これがラメです。

酸化チタンだけで作ると白く光りますし、酸化鉄を混ぜると、金色などを作ることができます。

グリッターはフィルムの上にアルミニウムなどをコーティングすることでできています。それを細かくカットしたものです。

フィラー

(出典:EVONIK様)

白色の細かな粉体です。

シリカとよばれる粉体がほとんどで、大きさはnmサイズのものから100μmくらいあるものまで様々です。

これを混ぜることでジェルネイルの粘度を上げることができます。

またたくさん入れると、マットトップなどを作ることができます。

ジェルネイルが指に流れてしまうのを防いだりします。

添加剤

その他にも、レベリング性を良くしたり、顔料の沈降を防止させたり、抗菌性だったりと高機能化させるものとして添加剤があります。

かなり幅広いので紹介しきれませんが、ただ化粧品でかつジェルネイルに使えるものはあまり多くはありません。

まとめ

ジェルネイルの材料について、ほんの触りの概要を今回ご紹介させて頂きました。

今後、各項目についてじっくり解説していきたいと思います。

まずはそれぞれがどんな役割で入れられているのか、どんなものなのかを知って頂ければ幸いです。

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ネイルパフェ 材料

ジェルネイル「ネイルパフェ」の秘密を暴く

ネイルパフェとは

製品へのこだわり、使い心地、質感、
ネイリストの理想をネイルパフェジェルは追求しました。

爪と肌にやさしい
アレルギーレス
ジェルアレルギーの方でも使えるように、やさしい配合にこだわっています。
「ネイルは楽しみたいけれど、アレルギーでジェルが使えない…」
ネイルパフェ ジェルは、アレルギーを引き起こすと言われている成分は使用していません。
日本化粧品工業連合会の「化粧品の成分表示名称リスト」に収載されている成分のみ100%配合した、化粧品ジェルです。
さらに、製造も充填もすべて信頼できる日本国内の工場で製造している「こだわりの国産ジェル」です。
(※全ての方にアレルギーが出ないということを保証するものではありません。)
国内製造にこだわり、
日本化粧品工業連合会の「化粧品の成分表示名称リスト」に収載されている成分成分のみで作っています。
成分設計へのこだわり
イソボルニルアクリレート、アクリル酸、HEMAの3つの成分を使用していません。

書いてあることはすごく立派なことだと思いました。

そしてとても大事なことであり、よくある謳い文句としての「良さそうに聞こえること」ではなく、本当に考えるべき内容です。

ただ、書いてあることだけを鵜呑みにするのではなく、本当にそうなのかをちゃんと確認していきたいと思います。

ネイルパフェカラージェルの全成分表示

ウレタンアクリレート、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ホスフィンオキシド誘導体、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、シリカ、(+/-)顔料等

さっそくこれらの成分を調べたところ、ウレタンアクリレートとホスフィンオキシド誘導体は、「化粧品の成分表示名称リスト」には収載されていませんでした。

収載されている原料でのみ作ってはいるけど、表示は収載されている名称を使用していないということでしょうか。

もちろんそれは薬機法違反です。

別記事でも申し上げましたが、基本的に化粧品として販売する上では、この「化粧品の成分表示名称リスト」に収載されている材料と、その名称をラベルに記載することが義務付けられています。

これを守れていないということは、つまり化粧品としては販売してはならず、自主回収の対象です。

ネイルパフェベースジェルの全成分表示

ウレタンアクリレート、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ホスフィンオキシド誘導体、メタクリル酸、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン

こちらも先程同様、ウレタンアクリレートとホスフィンオキシド誘導体がリスト外の成分です。

ちなみに、ホスフィンオキシド誘導体とは、恐らくトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのことで、光重合開始剤です。

一般的なLEDライトの波長405nmの光を吸収し、硬化させるための光重合開始剤です。

また一つ気になる成分として「メタクリル酸」が含まれていました。

メタクリル酸はそのまま読んで字の如く「酸」です。

しかも、非常に腐食性が高いと言われている「アクリル酸」にメチル基(炭素1個と水素3個)が増えただけの、それほど大きく異ならない成分です。

私なら絶対にジェルネイルには配合しない成分の一つです。

強烈な不快な匂いがします。

もしかするとネイルパフェのベースジェルからはそんな匂いがするかもしれません。

全成分表示はどこから入手しているのか

ネイルパフェを援護するわけではないのですが、恐らくこのメーカーもいわゆるOEM製造を委託しているのだと思います。

つまり自社で工場は持たず、ジェルネイルを作れるメーカーにお願いしているということです。

そうなると、そのジェルネイルを設計した人(会社)から全成分をもらうことになります。

一般的にこうしたネイルメーカーには薬機法等に強い人がいない可能性が高いので、結果としてOEM先から出てきた全成分をそのまま信じて、それが正しいのか確認することなく、ラベルを作製してしまうといったことが起きているのではないかと思います。

売り文句としてはすごく良い言葉が並んでいましたが、実態は少々残念であると言わざるを得ません。

もしかしたら今はもうラベルが変わっているかもしれませんが、そういった不確かなまま製品化したこともまた事実です。

良いジェル・悪いジェルを見極める術を惜しみなくこれからも公開していきますので、皆様自身で良いものを選んで永くジェルネイルを楽しんで下さいますようお願い申し上げます。

 

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化粧品 材料

ジェルネイルの作り方

ジェルネイルの作り方を考える意味

「ジェルネイルを作ってみよう」といったクックパッド的なお話ではなく、ジェルネイルがどんな材料で、どんな風に作られ、どんな管理が必要かといったことを知っておくことが重要だと私は考えています。

ジェルネイルの材料については別の記事でご紹介しているので、そちらも合わせて読んで頂けると、より理解して使うことができるかなと思います。

ジェルネイルの材料

ジェルネイルの最終的な良し悪しは好みを含めて、使い心地であったり、硬化性だったり、色目だったり、そういった「性質」であることは間違いありません。

ただいくら性質が良いとしても、正しく安全に作られているかどうかといったことは中々消費者には分からないことですが、そこまで考えていくことがプロフェッショナルには必要なんじゃないかなと思います。

少し違った話にはなりますが、最近日本企業のずさんな品質管理などが問題になっています。(タカタ、神戸製鋼、日産自動車等々…)

ジェルネイル業界、化粧品業界においても同じことがないとは言い切れません。

タカタはさておき、神戸製鋼や日産自動車の問題は最終的な「性質」には大きな影響、いや全くといっていいほど影響はなかったのではないでしょうか。

車が走らない、途中で壊れるといったこともなく、作ったアルミ製品が破損したりすることもなく、ただその検査体制等が決められたルールを守っていなかったということです。

それでも、それは間違いなく批判されることです。

ジェルネイルも最終的な「性質」が良いからといって、それで良いのでしょうか。

どんなメーカーがどんな風に作り、どんな品質管理を行い、市場に出しているのか、それを知ることもやはり重要ではないでしょうか。

ジェルネイルの作り方

ジェルネイルの作り方自体は非常に簡単です。

材料であるウレタンアクリレート、アクリルモノマー、光重合開始剤それと顔料やフィラーといった添加剤を入れて混ぜるだけです。

原料を入手することができる製造メーカーであれば、誰でも作ることができます。

ただ作るだけなら。

もちろん、ジェルネイルの良し悪しを決める「性質」はその材料の選択や量といった処方の違いによって生まれてきます。

でも、その「処方」が一緒であっても、「性質」が変わってくるのが、「作り方」です。

これは料理とかと同じですね。

良いジェルネイルの作り方

第一にジェルネイルは化粧品であったり、化粧品に準ずるような雑貨品であることから、埃等の異物が混入すること、菌類が混入すること等を絶対に避けるべきものです。

なのでクリーンルームと呼ばれる設備で作られることが好ましいです。

防護服みたいなものを着て、髪の毛等が入らないように、入室前にはエアーシャワーを浴びて、ダストを飛ばし、靴などもちゃんと履き替え、粘着テープ等で埃を落として、手は消毒をしっかり行い、さらに手袋をすることが望ましいです。

ここまでは一般的な化粧品において製造する環境と同じですが、ジェルネイルは蛍光灯でも硬化する性質があります。

そこでイエロールームと呼ばれる紫外線等を遮断するフィルムを蛍光灯などに巻き付け、ジェルネイルが硬化する波長(405nmくらいまで)をしっかりとカットすることが必要です。

そうした環境で作られたジェルは一切光が当たっていないような条件で作れる為、先日のトリネのジェルのように「日焼けした」や「硬化の恐れが」といった話には絶対になりません。

ジェルネイルを作っているメーカーの中には、あまり資金力がないところも多く、そういった設備を準備できていないところも多いのかもしれません。

どんなところで作られているかを知る術はありませんが、ジェルネイルがどのように作られている可能性があるかを知っておくだけでも違うかなと思います。

最終的な「性質」だけに惑わされず、正しいご判断で「良いジェルネイル」を見つけて下さい。

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材料

新たなジェルネイルメーカーの参入

新たなジェルネイルメーカー

特許をJ Plat Patで調べていたところ、これまでにないメーカーからのジェルネイルに関する特許が出願されていました。

JPA_2018016570

【出願人】ケーエスエム株式会社

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)~(C)を含有し、組成物不揮発分中の30重量%以上が水酸基含有(メタ)アクリレート (A)であることを特徴とする美爪料。
水酸基含有(メタ)アクリレート (A)
不飽和基を有するシランカップリング剤 (B)
光重合開始剤(C)
【請求項2】
更に、シリカ粒子(D)を含有する請求項1記載の美爪料。
【請求項3】
更に、ウレタンアクリレートオリゴマー(E)を含有する請求項1又は2記載の美爪料。
【請求項4】
ベースコートとして使用されるものである請求項1,2又は3記載の美爪料。

この特許について見ると、全体のうち30%がOHを持つモノマー(HEMAやメタクリル酸ヒドロキシプロピル)であり、シランカップリング剤(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)も含む、といったベースジェルを特徴としています。

ちなみにこのメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を含むベースジェルとしては、プリジェルやシャイニージェルのベースが該当します。

もしかしてケーエスエム株式会社が作っているのかもしれませんね。

ケーエスエム株式会社とは

ケーエスエム株式会社は”ケミカル・アーティスト”としての自覚と誇りを持つ先端技術頭脳集団が集結し、高付加価値のある新しい高機能性樹脂の研究開発に努めております。

具現化された化合物について、研究プロセス、技術開発プロセス、生産プロセスへと展開し、革新的な高機能性樹脂を世の中に提供します。
また、紫外線硬化型樹脂を中心に、ハードコート、電子材料、水性化樹脂、精密接着剤の分野でも活躍し、人々の生活の質的向上に向けて社会貢献致します。

研究から製造までの幅広い分野で、お客様のニーズにお応えすることをモットーとし、お客様はもちろん、社員にとっても無くてはならない”企業”を目指し続けていきます。

どうやらウレタンアクリレートのメーカーのようです。

電材関係を中心にされているようですが、ジェルネイルも作るようですね。

こうしたウレタンアクリレート等の原材料を作るメーカーがジェルネイルまで作るパターンも多くなって来たように思います。

噂ではVETROを作っているところが、ウレタンアクリレート樹脂を作るメーカーだとか。

今後のジェルメーカーの動向

こうした原材料メーカーがどんどん参入してくると、これまでは電材用途等に設計されてきた原材料が、ジェルネイル用途に設計されるようになるかもしれません。

そうなると今まだ問題になっている、持ちの問題や、オフの問題も解決できる可能性があります。

原料の発展にも大いに期待したいです。

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カラージェル 材料

色素沈着しやすい顔料が含まれているカラーに要注意!!

色素沈着って?

マニキュアでベースコートを塗らずにそのままカラーを塗る方は多いと思います。

すると特に赤系を使った時に除光液で落としても爪や指が赤く染まったことはありませんか?

これが色素沈着です。

細かく砕かれた顔料が爪や皮膚の微細な隙間に入ることで簡単には取れなくなってしまいます。

これを防ぐ為にもマニキュアでもベースコートは塗った方が良いと思います。

ジェルネイルでも色素沈着は起きる!

ジェルネイルはマニキュアよりも多くのカラージェルを塗る為、顔料自体はマニキュアよりも多くなってしまいます。

つまり色素沈着が起きる可能性も高くなってしまいます。

ジェルネイルではほぼ間違いなくベースジェルを塗ると思いますが、残念ながらベースジェルだけでは色素沈着を防ぐことはできません。

色素沈着は付けている間に起こっているのではなく、アセトンでソークオフする時に、アセトン中に顔料が溶出し、その染まったアセトンがベースジェルに入り、または爪とベースジェルの隙間に入り込み、ソークオフもされますが、同時に色素沈着も起こしてしまいます。

これを防ぐ為には、ソークオフする前にカラージェルをほとんど削り取っておく必要があります。

色素沈着を起こしやすい顔料

化粧品に使える顔料は限られています。

化粧品に使える顔料の一覧

この中でも特に「赤104」と呼ばれる顔料は、非常に鮮やかな青みがかった赤色で、蛍光のような色なのですが、とても染着しやすいといった性質を持っています。

実際に「赤104」が含まれるカラージェル数社のものを試したところ、ほぼ全てのカラージェルが染着するといった結果が得られました。

本当にきれいな赤なのですが、残念です。

鮮やかな赤のカラーで成分表示を確認した時に「赤104」と書かれていたら、染着する可能性があることを覚えておかれると良いかもしれません。

またサロンワークにおいては、リピートの方にこの系統のものを使ってしまうと、オフ時にクレームになる可能性があるので削りを多くするとまだ多少マシかもしれません。

 

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材料

ジェルネイルに使える安全なモノマー

ジェルネイルの安全性

ジェルネイルは化粧品中でも、どちらかと言えば安全ではない分類の製品になります。

特に皮膚に接触する、飲み込んでしまう、目に入るなどは重大な被害をもたらす可能性があるので取扱いには十分ご注意下さい。

ジェルネイルが爪に塗る為、どうしても近くに皮膚に接触してしまうことがあったり、光重合は全てが反応するわけではなく、内部には未反応のモノマーなどが必ず残ってしまう為、ソークオフ時にそれが溶出したりと、ほぼ間違いなく続けている限り皮膚に接触してしまうことは必ずあります。

そうした時に皮膚炎やアレルギーを発症しない、させない為にも出来る限り安全なジェルネイルを選びたいところです。

どんなジェルネイルが安全なのか

化粧品登録がされているジェルネイルだから安全とは限らないといった話を別の記事で紹介しました。

ジェルネイルは本当に安全か

ここでは少なくとも化粧品として販売する製品に使うことができる「表示名称」をもつモノマーについて、一次皮膚刺激性を評価して、安全かどうかを判断したいと思います。

一時皮膚刺激性(P.I.I)はできる限り小さい数値の方が好ましく、2以下であれば安全と判断します。

モノマーの安全性評価

【例】一般名称(表示名称)、P.I.I

テトラヒドロフルフリルメタクリレート(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル)、3以上

テトラヒドロフルフリルアクリレート(アクリル酸テトラヒドロフルフリル)、3以上

ヒドロキシエチルアクリルアミド(なし)、0

アクリロイルモルフォリン(なし)、0.5

ジメチルアミノアクリルアミド(なし)、3以上

ジエチルアミノアクリルアミド(なし)、3以上

ヒドロキシエチルメタクリレート(メタクリル酸ヒドロキシチル)、0.08

イソボルニルアクリレート(アクリル酸イソボルニル)、0.6

赤字で示したものは一次皮膚刺激性が高く安全ではないもので、青字は表示名称がないもの(化粧品への使用は原則として認められていません)、紫字はその両方に該当するものです。

こう見ると、使えるモノマーは本当に少ないことがわかります。

お手持ちのジェルを確認してみて下さい。

これらの色付きのものが含まれている場合は安全ではない可能性が高いです。

またここには全てのモノマーを列挙できているわけではないので、ここに該当するものがないからと言って、危険ということではないです。

安全に永くジェルネイルをお楽しみ下さい。

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トップジェル ライト 材料

ツヤツヤのトップはどうやって作るか

トップだけが艶がでる

トップを塗ってふき取ったときに艶が出なかったら悲しいですよね。

なぜベースジェルでは艶がでないのか(でるものもありますが)。

なぜカラージェルでは艶がでないのか(でるものもありますが…)。

なぜトップなら艶がでるのか、どうしたら艶が出るのかを考えていきたいと思います。

艶がでる仕組み

ご存知の通り、ジェルネイルの硬化(ラジカル重合)は酸素阻害を受けて、表面(酸素に触れている面)に未重合層が発生します。

未重合層の下の層は硬化している層です。

この層がしっかりと硬化しており、未重合層をしっかり取り除くことができれば艶を出すことができます。

つまりトップの艶の差はジェル自身のもつ硬化性と酸素阻害の受けやすさ、それとライトとの相性によります。

さらにふき取り方によっても艶の出方は変わります。

トップのふき取り方とは?

未重合層をしっかり取り除くことが大事とお伝えしましたが、ジェルネイルは基本的に油性の為、水等では除くことができません。

つまり本来手消毒用のエタノール水等ではしっかりと未重合層を取り除くことは難しいです。

ただモノマーの選択によってできる限り水性に近づけることはできる為、そういったジェルの未重合層は水溶性に寄る為ふき取りやすくなります。

例えばHEMAはそれ自身が水に溶けるほどなので、HEMAを多く使っているジェルは未重合層が取り除きやすいです。

また別の方法としては未重合層の量をできるだけ少なくすることでふき取る量を少なくし、艶を出しやすくするといった方法もあります。

こういったジェルはどちらかと言えば硬化熱も高くなる傾向にある為、注意が必要です。

水系では拭えないとすれば、アセトン等でふき取れば良いとなるかもしれませんが、あまりお勧めできません。

光重合系の樹脂はライトに晒されている間だけ重合が進むのではなく、その後もアフターキュアと呼ばれ、ずっと硬化を続けます。

つまりライトから出したばかりのジェルはまだ硬化が十分ではないので、アセトン等で拭いてしまうと硬化層が溶けてしまうので艶がでないことがあります。

どうすれば艶がでるか

どのジェルもこうすれば艶がでるということはありません。

各メーカーの思惑があるので、それに沿った硬化のさせ方、ふき取りの仕方が重要になります。

仕上がりが固めのジェルは、硬化性が良いのでどちらかと言えばふき取りはしっかりした方が艶が出ます。

仕上がりが柔らかいジェルは、逆に優しく吹いてあげないと傷がついてしまうことがあります。

またワイプが良いのかコットンが良いのかもメーカーに依ります。

傾向としては、固めのジェルはワイプでも大丈夫ですが、私の感覚としては多くのジェルはコットンの方が艶がでる印象があります。

おそらく厚みがあるためにしっかり拭き取ることができるのではないかと思います。

5本の指の中で1本だけ曇る!?

ということはありませんか?

サロンワークをしていると、こういうこともあるかなと思います。

これはおそらくふき取りやジェルの問題ではなく(ポリッシュタイプ等であまりにもうっすら塗るとそういうことも起きたりしますが、それは別として)、ライトの問題であることが多いです。

特にLEDライトを使ったときに起きます。

というのは、LEDライトの中身を見ていただけるとわかるのですが、ライトは間隔を空けて設置されています。

この間隔の間やライトの真下に爪がない時に十分な硬化が得られず、艶がでないことがあります。

お手を入れていただく位置をコントロールすることで防げるとは思いますが、正直、そうしたライトは良い製品ではないので、交換されるのもありかなと思います。

艶をしっかり出していくのは難しいですが、ぜひいろいろ試して頂いて、出せる方法を見つけていただければと思います。

 

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安全性 材料

HEMAにアレルギー性はある!

安全性確認のために見るべき項目

ベースジェルやトップジェルに多く用いられているHEMAですが、その安全性について、まずはSDSを確認します。

HEMA SDS

HEMA GHS

SDSで見るべき項目は「11.有害性情報」です。

その材料がどんな有害性を持っているのかはどのSDSにおいてもこの11に記載されています。

昨日の「ジェルネイルは本当に安全か」でもお伝えしましたが、この中でも見るべき項目は「一次皮膚刺激性」と「皮膚感作性」です。

一次皮膚刺激性とは、皮膚等と接触した時にすぐに起こる薬傷のことです。

うるしなどをイメージすると良いかもしれません。

一方で皮膚感作性とはアレルギーのことです。

全員に同じように起こるのが(強い弱いはもちろんありますが)一次皮膚刺激性で、全員には同じように起きないのが皮膚感作性です。

皮膚感作性

なぜ皮膚感作性は全員には同じように起きないかというと、まさしくそれはアレルギーだからです。

花粉アレルギーの方もいれば、卵アレルギーの方もいらっしゃいますよね。

同じように誰にでもアレルギーとは発症するものではありません。

何度接触してもアレルギー性を示さない体質の方もいれば、一度の接触ですぐに示してしまう方もいらっしゃいます。

なので、一度大丈夫だからといって、いつアレルギーになるかは分からないとことが怖いところです。

ちなみにアレルギーは免疫応答が過敏になる為に起こります。

例えば花粉であれば、それほど体に害がないとしても、体が勝手に花粉が入ってきた!すぐに排出しなければ!!と命令を下し、その結果くしゃみや鼻水が多くなり排出しようとします。

HEMAの安全性

HEMAの一次皮膚刺激性と皮膚感作性を見ると、一次皮膚刺激性の値はP.I.Iといった値で洗わすことができ、0~8まであり、0が刺激がなく、8は強い刺激を意味し、HEMAのP.I.Iは0.08と記されています。

一般的に3以上で中程度の刺激があるとされており、2以下が安全性には好ましいとされているため、0.08は安全であると言えます。

ところが皮膚感作性は残念ながらあります。

つまり、接触してもすぐに炎症を起こすといったことはないが、アレルギーを引き起こす可能性はあり、継続して使用することで突然アレルギーになる可能性があります。

 

HEMAは安全ではない?

私の個人的な意見にはなりますが、皮膚感作性があることは確かに残念なことです。

ないにこしたことはないと思います。

しかしアレルギーは卵や小麦粉といった栄養となるものでも発症する可能性があり、更に水や日光といった生きていくために必須と思われるものにすらアレルギーは存在します。

つまりアレルギー性がある=危険とは少し性急すぎる結論とも感じます。

そもそもジェルネイルは皮膚に付着させないことが第一です。

その為にもともとの製品はプロユースとして販売されていました。

※プロであれば、しかるべき技術や知識を身に着けており、誤った使い方をない為、皮膚に接触することなどない、といった前提です。

が、セルフネイラーが増えたことで、そこに市場を感じたメーカーがセルフ向けにも販売したことで、その牙城が崩れてしまったように思います。

どんなものでも誤った使い方をすれば危険になることは明白です。

ぜひ安全に使っていただくようここで正しい知識を身に着けていただければ幸いです。

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化粧品 安全性 材料

ジェルネイルは本当に安全か

ジェルネイルの危険性

ジェルネイルの安全性について、関心が高い話題かと思います。

セルフの方にとっては、自分が使うジェルネイルが安全かどうか気になるでしょう。

プロの方にとっては、お客様への正しいご説明、もちろん安全なジェルネイルの使用等で必要な知識です。

ジェルネイルは本当に安全なのか。

安全性の評価

安全性を評価する上で、具体的に何がどうだから安全なのか、といった基準を決める必要があります。

ますその項目として資生堂の安全項目をご紹介します。

安全性保障項目

①皮膚一次刺激性
化学物質が皮膚に接触した場合に生じる刺激性のことです。

②眼刺激性
化学物質が眼に入った場合に生じる刺激性のことです。

③光毒性
化学物質が日光(特に紫外線)存在下で皮膚に接触した場合に生じる刺激性のことです。

④皮膚感作性
化学物質が皮膚に接触した場合に生じる遅延型アレルギー性のことです。

⑤光感作性
化学物質が日光(特に紫外線)存在下で皮膚に接触した場合に生じる遅延型アレルギー性のことです。

⑥単回投与毒性
化学物質を1回または短時間に反復摂取した場合に生じる毒性のことです。細胞致死量を求めることで、その毒性の強さを分類することができます。

⑦遺伝毒性
化学物質が細胞の染色体や遺伝子・DNAなど遺伝形質を担う物質に及ぼす毒性のことで、発癌性の予測にも用いられる試験項目です。

⑧反復投与毒性
化学物質を一定期間毎日繰り返し投与した場合に生じる全身毒性のことです。毒性の種類や程度を把握するとともに、毒性変化が発現しない量(無毒性量)を推測します。またその物質の全身曝露量を算出して無毒性量と曝露量を比較することにより、全身に対するリスクを評価します。

⑨生殖発生毒性
化学物質が、雌雄の生殖機能または生殖能力の障害や、子孫の死亡、発育遅延、形態的および機能的影響を与える毒性のことです。その程度から毒性変化が発現しない量(無毒性量)を推測します。またその物質の全身曝露量を算出して無毒性量と曝露量を比較することにより、生殖発生毒性に対するリスクを評価します。

この9項目において評価し、安全かどうかを判断します。

ただしこれは国に指定されている、化粧品ならば必ずしなければならない、ということではありません。

少なくとも光毒性や光感作性をジェルネイルで言うのは少し違うようにも思います。

ジェルネイルの安全性評価

これらのテストを行う為には動物試験も可能ですし、代替試験も考案されていますが、いずれにせよ莫大な費用を必要とします。

これらをすべて行うことが確かに好ましいは好ましいですが、難しいのが現状かと思います。

そこで最低限みたい項目が、「一次皮膚刺激性」と「皮膚感作性」です。

基本的にこの安全性の評価は「皮膚」という吸収しやすい組織の上に乗せた時に、吸収されていたものがどう影響するか、ということを調べてみます。

ジェルネイルはもちろん皮膚ではなく「爪」という生きてはいない細胞でもないタンパク質の組織に乗せるイメージの為、これらの試験方法によって得られる安全性の評価がそのままジェルネイルの安全性と言えるかどうかは難しいところです。

もちろん、施術中に皮膚に付着する、オフ時に削ったジェルが皮膚に付着する、アセトン中に溶出したジェルの成分が皮膚に付着するということは十分に考えられる為、皮膚への影響が少ないことに越したことはありません。

どのように安全性を確認するか

本来であればジェルネイルのメーカーがその試験を実施していれば、結果を持っていると思うので、開示をお願いすれば頂ける可能性がありますが、そういったデータは公開する義務はないので難しいかもしれません。

となると、自力でどこまで調べられるかです。

製品としてのデータは当然メーカーしか持ちえないので、含まれている成分からその安全性を確認します。

その為には成分のSDSを入手し、安全性の項目を確認します。

全成分表示に書かれている成分一つ一つのSDSを確認することで、その製品の安全性を評価することができます。

また別記事にてある製品の安全性評価をしてみたいと思います。

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ジェルネイルの材料 – 全成分表示の見方

全成分表示とは

全成分表示とは、化粧品として販売されているジェルネイルの側面または底面に貼られているラベルに印字されていたり、容器に直接印字されているそのジェルを作るために使われる材料のほぼすべて(※)が記載されたものです。

※一部成分については記載の義務がないものがあります。

その全成分表示を見れば、どんな材料を使っているかが分かります。

例えば酸が入っているのか、皮膚刺激性の高い材料は使われていないかなどです。

ジェルネイルに限らず、化粧品にはこの全成分表示をすることが義務付けられているので、見慣れない材料の名前が羅列しているかもしれませんが、一つ一つ何かを把握した上でご購入されることをお勧めします。

ウレタンアクリレート

多くのジェルネイルで一番最初に書かれている成分は、「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」等です。

これはジェルネイルの主成分であり、最も粘度の高い材料です。

これは特定の何かを指す言葉ではなく、例えるならば「飲み物」といったカテゴリーを示す言葉です。

以前「化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル」でもご紹介しましたが、基本的には化粧品工業連合会の成分表示名称リストに載っていることがルールとなっております。

ところが「ウレタンアクリレート」や「ウレタンアクリレートオリゴマー」で検索しても件数:0と表示されました。

それは当然で、「飲み物」といったカテゴリーが成分表示になるのであれば、いっそのこと「ジェルネイル」という成分でも構わないことになります。

さすがにそれはダメだとしても、「樹脂」「溶剤」「添加剤」これも同じくカテゴリーを示す言葉ですが、これで消費者に伝わる全成分表示と言えるでしょうか。

いったいどんな樹脂なのか、どんな溶剤なのか、どんな添加剤なのか。

いったいどんな「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」なのか。

これを説明しない表示名称を記載するメーカーのジェルネイルは、真摯に消費者に安全性を示せているでしょうか。

ジェルネイルの材料は何十種類も入っていて、それをすべて覚えることはとても大変ですが、まずはこの「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」と記載されていないものを選ぶところから始めていただければ幸いです。

簡単な全成分表示のルールにさえ従っていないジェルメーカーが多すぎます。

そんなメーカーのジェルネイルがもっと難しい安全性に配慮しているでしょうか。

お手持ちのジェルを今一度見直して下さい。

きっと「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」と記載されているものがあるはずです。

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化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル

化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイルの違い

現在販売されているジェルネイルには化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイルの二種類があります。

どのように違うのでしょう。

前に化粧品とは何かを記事にしたので、そちらもご確認ください。

化粧品って本当に安全・安心なの?

ジェルネイルにおける化粧品と雑貨品の大きな差は化粧品として売られているかいないか、です。

化粧品として売るということ

化粧品として販売する為には、まず製造業許可を持つメーカーが製造する必要があります。

次にその製品を販売するメーカーは製造販売業許可を持つ必要があります。

行政的な問題ですね。

続いて製品として化粧品には配合してはならない成分を含んでいないこと、外装パッケージ等に必要事項が記載されていること、広告のガイドラインに沿ったネーミング等であることが挙げられます。

配合してはならない成分とは、本当に人体に影響のある危険な成分が百数種類あげられております。

化粧品基準

つまり、化粧品として販売する為にはこれらのルールさえ守っていれば、安全性の確認をする義務はありません。(もちろんするに越したことはないですし、努力義務です)

全成分表示

化粧品として販売する為に、中身は配合禁止成分さえ入っていなければ問題ないということがわかりました。

しかし化粧品として販売する為には、その中身についてそのほぼ全部を外装パッケージや冊子に記載しなければなりません。

全成分表示をするためには、原則として化粧品工業連合会のリストに材料が収載されている必要があります。

化粧品の成分表示名称リスト

ここで検索してでてきたものは、基本的に配合することができる材料です。

水やエタノール、パラベン(よくないかもしれませんが)、PGなども検索すればちゃんと出てきます。

成分表示名称の申請

少し前では、外原規としった規制がありました。

化粧品等に使用できる成分はすべて限定的に定められており、その中でしか使うことができませんでした。

しかしその規則はなくなり、今は「メーカーの自主基準においてすべての材料を化粧品に使うことができる(※配合禁止成分を除く)」となっております。

つまりどこかの川の水をスペシャルな水として化粧品に配合する為には、先ほどの化粧品の成分表示名称リストに「スペシャルな水」として登録さえすれば、全成分表示に「スペシャルな水」と記載して販売できるようになります。

成分表示名称を化粧品工業連合会から得るだけで化粧品に配合できるようになります。

そこには安全性に関する試験等はありません。

ただし現在はこの成分表示名称の申請が少し難しくなっています。

アメリカにあるPCPC(Personal Care Product Council)にまずは申請をしなければなりません。

その機関で特定の材料に分かりやすい名前(INCI NAME)を与えて貰って、その名前を基準に日本の表示名称が決定されます。

つまりアメリカに「スペシャルな水:Special Water」を登録してくれ!とお願いし、「Special Water」でINCI NAMEが与えられたら、それに基づいた日本語名「スペシャルな水」で表示名称を申請することができるようになります。

こうして各メーカー新しい材料を作り出したら、安全性試験を行い(と信じてます)、PCPCに申請し、INCI NAMEをもらい、それを以て化粧品工業連合会に表示名称の申請を行っています。

化粧品としてのジェルネイル

こうして表示名称を無事に入手できたので、さあ製造…としても実はもう一つ守らなければならないルールが「ジェルネイルの化粧品」にはあります。

記事が長くなってしまったので、続きは別の記事に書きます。