ジェルネイル材料学:第一回 概要

材料

はじめに

ジェルネイル材料学と題して、ジェルネイルに用いられる材料について解説します。

セルフの方、ネイリストの方含めてどちらにもジェルネイルがどんな材料でできているのかを知ることは、とても重要なことだと思います。

その結果、起きうる危険性についてちゃんと把握できますし、つまり安全性について説明できるようになります。

そうした知識は第一に自分を守る為に、そして施術する人を守る為に使うことができます。

馴染みがあまりないかもしれません化学系の話にはなりますが、ジェルネイルを更に理解する為には化学が避けては通れないことです。

ただ私も所謂トップネイリストの方(エキスポ等で壇上でセミナーされるような方やコンテストで表彰台の常連の方たち)とお仕事をする機会も多く、そうしたトップネイリストの方はほぼ全員よりジェルネイルのことを知るという貪欲さがあり、もちろん彼女らは化学を専攻してきた訳ではないので、とっつきにくい分野だとは思いますが、それでもすごく熱心に勉強されている印象があります。

このブログを読んでくださっている方が、今どのくらいのポジションの方なのかは分かりませんし、今後のビジョンをどのように考えていらっしゃるのかも分かりませんが、一つネイリストとしての格を上げる為の知識として、材料学は必須ではないでしょうか。

ジェルネイルの構成

ジェルネイルは大きく分けて、1.ウレタンアクリレート 2.モノマー 3.光重合開始剤 4.顔料 5.フィラー 6.添加剤の6つに分けられます。

それぞれの役割を一つ一つ確認します。

ウレタンアクリレート

ウレタンアクリレート化学式

(出典:共栄社化学様)

ウレタンアクリレートは塗膜を形成する主成分です。

この種類の選定により塗膜の性質が大きく異なります。

パスタで言えば、オイル系なのかトマト系なのかクリーム系なのかを左右するものです。

モノマー

(出典:三友化学様)

モノマーは基本的には希釈の用途が多いです。

ウレタンアクリレートは水飴のようでどろっとしています。

スプーンをさすと、ささって動かなくなるほど硬いものもあります。

それでは爪に塗ることができないので、緩めるために希釈する必要があります。

従来のマニキュアでは酢酸エチルや酢酸ブチルといった有機溶剤がその役割を果たしていましたが、ジェルネイルは基本的には有機溶剤を含みません。

その代わりにモノマーで希釈しています。

このモノマーはたくさんの種類があり、親水性のものや疎水性のもの、硬化後に硬くなるものや逆に柔らかくなるものなど、様々あります。

しゃばしゃばのものもあれば、とろとろのものもあり、匂いがあるものもあれば、刺激性があるものもあります。

この選択も大きくジェルの性質に影響します。

光重合開始剤

光重合開始剤は読んで字の如く、重合(硬化)を始める材料です。

UVライトの365nmやLEDライトの405nmに対応した光重合開始剤を選ぶことが重要です。

とは言え、使えるものは限られていて、たいていの場合「ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」か「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」の二種類です。

前者がUV365nmに対応する光重合開始剤であり、後者がLED405nmに対応します。

どちらも粉末で、「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」の方は少し黄身がかっています。

透明なウレタンアクリレートやモノマーに混ぜると、少し黄身のかかったジェルネイルができるため、トップなどには紫色の顔料を打ったりすることがあります。

顔料

(出典:Kusunoki Sekkai様)

顔料には有機顔料と無機顔料の二種類があり、有機顔料は自然界にはあまりなさそうな色を発色させるために使います。

一方無機顔料とは、金属酸化物で、天然にあるような色のものです。

酸化鉄(黒、茶、黄土)といったものや、酸化チタン(白)がそれらにあたります。

どちらかと言えば有機顔料の方が退色などはしやすいです。

顔料には他にもパール顔料と言われるラメやグリッターがあります。

詳しくは日本光研様のサイトに掲載されているので、そちらも合わせて見ていただくとわかりやすいです。

日本光研工業株式会社-パール顔料等光輝性顔料のご提案
日本光研は電化機器や自動車、化粧品等の天然マイカ系パール顔料の「TWINCLEPEARL/ツインクルパール」をはじめとし、より光沢に優れた合成マイカ系パール顔料「ULTIMICA/アルティミカ」など、様々な光輝性顔料をご提案いたします。

マイカと呼ばれる鉱石に薄く酸化チタンや酸化鉄の膜を張ることで、きらっと輝く粒子が作られます。

パール顔料の構造

(出典:日本光研)

これがラメです。

酸化チタンだけで作ると白く光りますし、酸化鉄を混ぜると、金色などを作ることができます。

グリッターはフィルムの上にアルミニウムなどをコーティングすることでできています。それを細かくカットしたものです。

フィラー

(出典:EVONIK様)

白色の細かな粉体です。

シリカとよばれる粉体がほとんどで、大きさはnmサイズのものから100μmくらいあるものまで様々です。

これを混ぜることでジェルネイルの粘度を上げることができます。

またたくさん入れると、マットトップなどを作ることができます。

ジェルネイルが指に流れてしまうのを防いだりします。

添加剤

その他にも、レベリング性を良くしたり、顔料の沈降を防止させたり、抗菌性だったりと高機能化させるものとして添加剤があります。

かなり幅広いので紹介しきれませんが、ただ化粧品でかつジェルネイルに使えるものはあまり多くはありません。

まとめ

ジェルネイルの材料について、ほんの触りの概要を今回ご紹介させて頂きました。

今後、各項目についてじっくり解説していきたいと思います。

まずはそれぞれがどんな役割で入れられているのか、どんなものなのかを知って頂ければ幸いです。