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化粧品

化粧品の通販について

化粧品の通販

最近の小売はAmazon等のECが非常に強い力を持っています。

その流れは当然化粧品にもあり、多くの化粧品がECサイトで買えるようになりました。

一昔前までは化粧品売り場で購入されていた方が多かったと思います。

その時にはサンプルなどを試して、自分に合ったもの使っていたのではないでしょうか。

そうした確かめができなくなってしまったことがECのデメリットですね。

ただし販売店を持たないことでコストダウンでき、製品単価が下がったことから、「まあ、合わなくても、この値段なら」と思い、買ってしまうパターンも増えているのではないかと思います。

化粧品の販売の原則

ECサイトは忙しい現代のワーカーにとって非常に便利だと、私も思います。

私もついつい通勤途中にAmazonや楽天等を見てしまい、要らないかもしれないものまでポチっと買ってしまい、買えると宅配ボックスにモノが届いているといった生活をしてしまっています。

安く、重たいものを持って買える必要もなく、お店が閉まっている時間にしか帰れなくても、家に帰れば届いている。

本当に便利です。

しかし化粧品の販売には原則としてルールがあります。

それが成分表示です。

化粧品として販売する限り、外装箱に全成分表示をすることが原則とされています。

小さな容器の場合、外装箱に印刷することができないので、別紙として全成分表示の書かれた冊子を同封しなければなりません。

または手に取れるところに全成分表示が記載された冊子を置かなければなりません。

ところが多くのECサイトでは、全成分表示が記載されておりません。

TATですら、表示されていない

TATですら、この製品が化粧品なのかどうかすら分かりませんでした。

ルクジェルは化粧品だったと思うので、このカラーも恐らく化粧品だと思うのですが…。

もし化粧品であるならば、「化粧品」であることの表示と、全成分表示をしなければなりません。

そうでなければ、手に取る人が安全なものなのか、安全ではないのか、自分にあうのか合わないのか、どうして判断できるでしょうか。

パラジェル、シャイニージェルはECサイトには表示を見つけることができませんでした。

一方レイジェル、プリジェルはしっかりと化粧品であることと、全成分表示がされていました。素晴らしい!

全成分表示をまず確認しましょう

毎度のことながら、全成分表示のルールすら遵守できない企業が、どうして安全性について真摯に取り組めるのでしょうか。

より簡単なルールですら知らないのに、より難しい安全性に関してわかるはずがないのです。

そしてその商品を手に取る人も知識なしに選んではいけません。

「化粧品≠安全」です。

化粧品の安全性はすべて、その化粧品に関わる企業に責任があります。

行政機関や何かしらの第三者機関が判断することではないのです。

何が入っているのか分からない製品を購入するのは怖いことなのです。

何が入っているのか理解できないことも怖いことなのです。

正しい知識を身に着け、安全なジェルネイルを選ぶことは、選ぶ人の責任でもあります。

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化粧品 材料

ジェルネイルの作り方

ジェルネイルの作り方を考える意味

「ジェルネイルを作ってみよう」といったクックパッド的なお話ではなく、ジェルネイルがどんな材料で、どんな風に作られ、どんな管理が必要かといったことを知っておくことが重要だと私は考えています。

ジェルネイルの材料については別の記事でご紹介しているので、そちらも合わせて読んで頂けると、より理解して使うことができるかなと思います。

ジェルネイルの材料

ジェルネイルの最終的な良し悪しは好みを含めて、使い心地であったり、硬化性だったり、色目だったり、そういった「性質」であることは間違いありません。

ただいくら性質が良いとしても、正しく安全に作られているかどうかといったことは中々消費者には分からないことですが、そこまで考えていくことがプロフェッショナルには必要なんじゃないかなと思います。

少し違った話にはなりますが、最近日本企業のずさんな品質管理などが問題になっています。(タカタ、神戸製鋼、日産自動車等々…)

ジェルネイル業界、化粧品業界においても同じことがないとは言い切れません。

タカタはさておき、神戸製鋼や日産自動車の問題は最終的な「性質」には大きな影響、いや全くといっていいほど影響はなかったのではないでしょうか。

車が走らない、途中で壊れるといったこともなく、作ったアルミ製品が破損したりすることもなく、ただその検査体制等が決められたルールを守っていなかったということです。

それでも、それは間違いなく批判されることです。

ジェルネイルも最終的な「性質」が良いからといって、それで良いのでしょうか。

どんなメーカーがどんな風に作り、どんな品質管理を行い、市場に出しているのか、それを知ることもやはり重要ではないでしょうか。

ジェルネイルの作り方

ジェルネイルの作り方自体は非常に簡単です。

材料であるウレタンアクリレート、アクリルモノマー、光重合開始剤それと顔料やフィラーといった添加剤を入れて混ぜるだけです。

原料を入手することができる製造メーカーであれば、誰でも作ることができます。

ただ作るだけなら。

もちろん、ジェルネイルの良し悪しを決める「性質」はその材料の選択や量といった処方の違いによって生まれてきます。

でも、その「処方」が一緒であっても、「性質」が変わってくるのが、「作り方」です。

これは料理とかと同じですね。

良いジェルネイルの作り方

第一にジェルネイルは化粧品であったり、化粧品に準ずるような雑貨品であることから、埃等の異物が混入すること、菌類が混入すること等を絶対に避けるべきものです。

なのでクリーンルームと呼ばれる設備で作られることが好ましいです。

防護服みたいなものを着て、髪の毛等が入らないように、入室前にはエアーシャワーを浴びて、ダストを飛ばし、靴などもちゃんと履き替え、粘着テープ等で埃を落として、手は消毒をしっかり行い、さらに手袋をすることが望ましいです。

ここまでは一般的な化粧品において製造する環境と同じですが、ジェルネイルは蛍光灯でも硬化する性質があります。

そこでイエロールームと呼ばれる紫外線等を遮断するフィルムを蛍光灯などに巻き付け、ジェルネイルが硬化する波長(405nmくらいまで)をしっかりとカットすることが必要です。

そうした環境で作られたジェルは一切光が当たっていないような条件で作れる為、先日のトリネのジェルのように「日焼けした」や「硬化の恐れが」といった話には絶対になりません。

ジェルネイルを作っているメーカーの中には、あまり資金力がないところも多く、そういった設備を準備できていないところも多いのかもしれません。

どんなところで作られているかを知る術はありませんが、ジェルネイルがどのように作られている可能性があるかを知っておくだけでも違うかなと思います。

最終的な「性質」だけに惑わされず、正しいご判断で「良いジェルネイル」を見つけて下さい。

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ベトロ 化粧品 回収事案

VETROも自主回収間近か?!

表示と内容が異なる可能性

前回の記事「VETROの真実」に引き続き、VETRO製品を見ていきたいと思います。

VETROの側面ラベルに記載されている全成分表示は、

ウレタンアクリレート、アクリルモノマー、1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、二酸化ケイ素(+/-)酸化鉄、黄色5号、赤色202号、青色2号、ジオキソチタン、マイカ、グンジョウ、カーボンブラック、ベンガラ

となっております。

前回の記事中で、表示されている名称が正しくないものばかりというお話をしましたが、表示だけではなく内容(本当に入っているもの)と異なる可能性があります。

1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン

VETRO製品に記載されている「1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」は、表示名称としては「ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」が正しいです。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとは、下図のような材料です。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは光重合開始剤の一つで、これに光が当たることにより、重合(硬化)が始まります。

このヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの吸収波長域がパナソニック様のパテントに掲載されていたので拝借しました。

縦軸が吸収の強さです。

横軸は波長です。

注意深く見ると、気づくことがあるかもしれません。

LEDライトの波長は405nm付近です。

つまり、下図のところに吸収がなければ、反応できないはずです。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの最大吸収波長は380nmくらいまでなので、405nmは吸収することができません。

ところがVETROの成分表示からは他の光重合開始剤は入っておりません。

つまりこの成分表示が正しければ、LEDライトで硬化するはずがないのです。

おかしいですね。

LEDライトで硬化する為に必要な光重合開始剤

ほぼ間違いなくこの光重合開始剤を入れなければならず、それ以外はありえないと私は思っているものがあります。

それは「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」という成分です。

この光重合開始剤の吸収波長もパナソニック様のパテントから拝借しました。

この光重合開始剤であれば、405nmの波長を吸収があるので、重合させることができます。

この光重合開始剤「トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド」が記載されていないLED対応のジェルネイルは、表示と内容が異なっている可能性が高いと思います。

これは回収に該当する重大事項ですので、そのようなジェルは決してサロン等ではお使い頂かない方が宜しいかと存じます。

消費者庁にこのVETROの製品を持ち込めば、恐らく自主回収になることでしょう。

そうなる前にVETRO自身が表示名称を正しく表示することを強く願います。

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ベトロ 化粧品

VETROの真実

VETROとは

元々は「ベラフォーマ」という名前で販売されていましたね。

いつからか名前を「VETRO」に変えたことは数年ジェルネイルのお仕事に携わっているネイリストの方や、コアなセルフネイラーの方ならご存知かと思います。

名前が変わった理由については、世界進出を考えた時にアメリカで「ベラフォーマ」の商標権が取れなかったとかで、「VETRO」に統一されたと聞いたことがあります。

各国での商標も考えて製品の名称は決めなければなりませんね。

VETROの特徴

ジェルネイル研究者から見てVETROのカラージェルは中々に優秀なジェルです。

静置している時には流動性がなく、顔料やラメ等の沈降が見られず、塗るともっさりしているのかと思いきや伸びが良い。

また顔料濃度が高く薄塗りでも発色が強く、ムラになりにくいです。

特に筆圧をかけやすいキューティクル周りでもムラになることが少なく、初心者の方にもおすすめできるジェルです。

ソークオフ性も悪くなく、アセトンに数分漬けておくだけで十分にふやけてくれます。

硬化後のジェルも伸びが良く、爪への追従性も悪くなさそうです。

VETROの表示名称

いったいどんな成分から、そんな良いジェルができているのでしょうか。

ウレタンアクリレート、アクリルモノマー、1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、二酸化ケイ素(+/-)酸化鉄、黄色5号、赤色202号、青色2号、ジオキソチタン、マイカ、グンジョウ、カーボンブラック、ベンガラ

化粧品登録されていると、全成分表示をする必要があるので、どんなものが使われているかはすぐにわかります。

以前に「ジェルネイルの材料ー表示名称の見方」という記事を書きました。

そちらで細かな表示名称の見方について説明しているので、お時間あればご覧ください。

一つ一つ確認していきます。

使うのは化粧品工業連合会の表示名称リストです。

ここに一つ一つ名前を入力していくと、それがどんなものなのかわかります。

出てこない場合は、それは化粧品としては原則として使えない成分です。

「ウレタンアクリレート」ありませんでした。

「アクリルモノマー」ありませんでした。

「1ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」ありませんでした。

「二酸化ケイ素」ありませんでした。

「酸化鉄」ありました。

「黄色5号」ありませんでした。

「赤色202号」ありませんでした。

「青色2号」ありませんでした。

「ジオキソチタン」ありませんでした。

「マイカ」ありました。

「グンジョウ」ありました。

「カーボンブラック」ありました。

「ベンガラ」ありませんでした。

念のためフォローさせて頂くと、例えば、赤色202号は「赤202」と記載することが正しいだけで、使用してはいけない色素ではありません。

ですが、この表示名称のルールに従うことが化粧品として販売する上での原則ですので、ルール違反であることは間違いありません。

VETROは良い製品なのに…

VETROのカラーは本当によくできていると思います。

一方でその表示名称はあまりにも杜撰過ぎて、絶句してしまいました。

決してこれは製品が悪いということではありませんが、会社のコンプライアンス(法令遵守)といった観点においては欠如していると言えます。

そうした会社が、安全性にまで配慮した製品を製造しているかは分かりません。

ただ表示名称すらちゃんと書けない会社により難しい安全性の確保ができるとは私は思いません。

いつか会社の体質が変わり、より良い製品になることを願っています。

 

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化粧品 安全性 材料

ジェルネイルは本当に安全か

ジェルネイルの危険性

ジェルネイルの安全性について、関心が高い話題かと思います。

セルフの方にとっては、自分が使うジェルネイルが安全かどうか気になるでしょう。

プロの方にとっては、お客様への正しいご説明、もちろん安全なジェルネイルの使用等で必要な知識です。

ジェルネイルは本当に安全なのか。

安全性の評価

安全性を評価する上で、具体的に何がどうだから安全なのか、といった基準を決める必要があります。

ますその項目として資生堂の安全項目をご紹介します。

安全性保障項目

①皮膚一次刺激性
化学物質が皮膚に接触した場合に生じる刺激性のことです。

②眼刺激性
化学物質が眼に入った場合に生じる刺激性のことです。

③光毒性
化学物質が日光(特に紫外線)存在下で皮膚に接触した場合に生じる刺激性のことです。

④皮膚感作性
化学物質が皮膚に接触した場合に生じる遅延型アレルギー性のことです。

⑤光感作性
化学物質が日光(特に紫外線)存在下で皮膚に接触した場合に生じる遅延型アレルギー性のことです。

⑥単回投与毒性
化学物質を1回または短時間に反復摂取した場合に生じる毒性のことです。細胞致死量を求めることで、その毒性の強さを分類することができます。

⑦遺伝毒性
化学物質が細胞の染色体や遺伝子・DNAなど遺伝形質を担う物質に及ぼす毒性のことで、発癌性の予測にも用いられる試験項目です。

⑧反復投与毒性
化学物質を一定期間毎日繰り返し投与した場合に生じる全身毒性のことです。毒性の種類や程度を把握するとともに、毒性変化が発現しない量(無毒性量)を推測します。またその物質の全身曝露量を算出して無毒性量と曝露量を比較することにより、全身に対するリスクを評価します。

⑨生殖発生毒性
化学物質が、雌雄の生殖機能または生殖能力の障害や、子孫の死亡、発育遅延、形態的および機能的影響を与える毒性のことです。その程度から毒性変化が発現しない量(無毒性量)を推測します。またその物質の全身曝露量を算出して無毒性量と曝露量を比較することにより、生殖発生毒性に対するリスクを評価します。

この9項目において評価し、安全かどうかを判断します。

ただしこれは国に指定されている、化粧品ならば必ずしなければならない、ということではありません。

少なくとも光毒性や光感作性をジェルネイルで言うのは少し違うようにも思います。

ジェルネイルの安全性評価

これらのテストを行う為には動物試験も可能ですし、代替試験も考案されていますが、いずれにせよ莫大な費用を必要とします。

これらをすべて行うことが確かに好ましいは好ましいですが、難しいのが現状かと思います。

そこで最低限みたい項目が、「一次皮膚刺激性」と「皮膚感作性」です。

基本的にこの安全性の評価は「皮膚」という吸収しやすい組織の上に乗せた時に、吸収されていたものがどう影響するか、ということを調べてみます。

ジェルネイルはもちろん皮膚ではなく「爪」という生きてはいない細胞でもないタンパク質の組織に乗せるイメージの為、これらの試験方法によって得られる安全性の評価がそのままジェルネイルの安全性と言えるかどうかは難しいところです。

もちろん、施術中に皮膚に付着する、オフ時に削ったジェルが皮膚に付着する、アセトン中に溶出したジェルの成分が皮膚に付着するということは十分に考えられる為、皮膚への影響が少ないことに越したことはありません。

どのように安全性を確認するか

本来であればジェルネイルのメーカーがその試験を実施していれば、結果を持っていると思うので、開示をお願いすれば頂ける可能性がありますが、そういったデータは公開する義務はないので難しいかもしれません。

となると、自力でどこまで調べられるかです。

製品としてのデータは当然メーカーしか持ちえないので、含まれている成分からその安全性を確認します。

その為には成分のSDSを入手し、安全性の項目を確認します。

全成分表示に書かれている成分一つ一つのSDSを確認することで、その製品の安全性を評価することができます。

また別記事にてある製品の安全性評価をしてみたいと思います。

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化粧品 材料

ジェルネイルの材料 – 全成分表示の見方

全成分表示とは

全成分表示とは、化粧品として販売されているジェルネイルの側面または底面に貼られているラベルに印字されていたり、容器に直接印字されているそのジェルを作るために使われる材料のほぼすべて(※)が記載されたものです。

※一部成分については記載の義務がないものがあります。

その全成分表示を見れば、どんな材料を使っているかが分かります。

例えば酸が入っているのか、皮膚刺激性の高い材料は使われていないかなどです。

ジェルネイルに限らず、化粧品にはこの全成分表示をすることが義務付けられているので、見慣れない材料の名前が羅列しているかもしれませんが、一つ一つ何かを把握した上でご購入されることをお勧めします。

ウレタンアクリレート

多くのジェルネイルで一番最初に書かれている成分は、「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」等です。

これはジェルネイルの主成分であり、最も粘度の高い材料です。

これは特定の何かを指す言葉ではなく、例えるならば「飲み物」といったカテゴリーを示す言葉です。

以前「化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル」でもご紹介しましたが、基本的には化粧品工業連合会の成分表示名称リストに載っていることがルールとなっております。

ところが「ウレタンアクリレート」や「ウレタンアクリレートオリゴマー」で検索しても件数:0と表示されました。

それは当然で、「飲み物」といったカテゴリーが成分表示になるのであれば、いっそのこと「ジェルネイル」という成分でも構わないことになります。

さすがにそれはダメだとしても、「樹脂」「溶剤」「添加剤」これも同じくカテゴリーを示す言葉ですが、これで消費者に伝わる全成分表示と言えるでしょうか。

いったいどんな樹脂なのか、どんな溶剤なのか、どんな添加剤なのか。

いったいどんな「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」なのか。

これを説明しない表示名称を記載するメーカーのジェルネイルは、真摯に消費者に安全性を示せているでしょうか。

ジェルネイルの材料は何十種類も入っていて、それをすべて覚えることはとても大変ですが、まずはこの「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」と記載されていないものを選ぶところから始めていただければ幸いです。

簡単な全成分表示のルールにさえ従っていないジェルメーカーが多すぎます。

そんなメーカーのジェルネイルがもっと難しい安全性に配慮しているでしょうか。

お手持ちのジェルを今一度見直して下さい。

きっと「ウレタンアクリレート」「ウレタンアクリレートオリゴマー」と記載されているものがあるはずです。

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エースジェル 化粧品 回収事案 特許

自主回収となったエースジェルの真実

エースジェルの自主回収

私はメーカーサイドの研究者なので、この話題に触れて良いのか本当に悩みました。

でも、エースジェルを使って下さった方は多いですし、その影響もとても大きなものだったのでやはりちゃんと真実を知って頂くのが良いかと思いました。

順を追ってお話しようと思います。

配合が認められていない顔料

以前の記事「化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル(続き)」で触れましたが、化粧品としてジェルネイルを販売する上で避けられないルールの一つが、化粧品に使用が認められている顔料は数十種類に限定されているということです。

紅不二化学様にまとまっていますので良かったら見てください。

化粧品色素

ここに掲載されていない顔料は基本的に配合してはいけません。

ところが、今回エースジェルはこの配合してはいけない顔料を意図的ではないにしろ配合してしまった、そしてそれを把握しないまま販売を続けていた、ということが問題となりました。

実は過去にはネイルラボも同じ失敗を犯していた!

ネイルラボ プレスト製品の回収について

奇しくもネイルパートナーのページに残っていました。

ネイルラボのサイトからはどうやらその記事はもう消してしまっているようです。

汚点を隠しているかのようですね。

ネイルラボもプレスト製品に化粧品には配合が認められていない顔料を配合していたということで自主回収をしています。

この時は確か医薬品には配合可能な顔料だったので、化粧品にも使えると思っていた、といった言い訳をされていたと記憶しています。(なにせページが削除されているので、うろ覚えですみません)

杜撰ですね。

それからネイルラボでは「化粧品の規格に準拠した製品」を販売しているのかと思いきや、先日の展示会で製品をチェックした時にはまだ「ええ…」と思ってしまうような製品を販売されていたので、そういう体質なのでしょうか。

エースジェルはネイルパートナーが製造者ではない

エースジェルの裏面を見ると、製造販売元は株式会社ジュリアとなっています。

一体どんな会社なのか調べてみましたが、どうもHPなども出てきません。

化粧品を販売する為に必要な許可」という記事で説明しましたが、製造販売業は製造設備がなくても、何の知識もなくても、許可を取ることができますし、誰でもなれます。

つまりは、そういうことだと思います。

株式会社ジュリアの住所をGoogleMapで検索してみたところ、「十条ケミカル株式会社」と同じ場所にあることがわかりました。

十条ケミカルはUV硬化型のインクジェットインキなどを作っているメーカーのようです。

J-Plat Patという特許庁のHPで十条ケミカルを調べてみたところ、ありました。

特許第4981184号 光硬化型ジェルネイル用下地剤およびジェルネイル方法

詳しくはまた特許を解説する記事で見ようと思うのですが、とにかくジェルネイルを作っていることは間違いなさそうです。

つまり十条ケミカルが化粧品には使用できない顔料を配合したエースジェルを作ってしまったと考えられます。

恐らく、ネイルパートナーからは莫大な請求が十条ケミカルにはされたのではないでしょうか。かなりエースジェルは売れていたと思うので、回収費用、回収した分の製品代、今後売れるはずだった分の利益等々請求されたのではないかと…もしかしたら訴訟などになるかもしれませんね。

配合が認められていない顔料は危険?

ではその配合が認められていない顔料を含むエースジェルは危険なのか、と聞かれると、答えはイエスでもありノーでもあります。

その配合が認められていない顔料は単純に毒性や刺激性があるから配合が認められていない訳ではないからです。

ただし化粧品の原料は基本的にホルマリンなど配合禁止成分を含まないとされています。

その顔料の製造上ホルマリン等が入らないとしても、同一工場内でホルマリンが発生するものを製造すれば飛散して混入する可能性はゼロではありません。

この配合が認められていない顔料がどうしった設備でどんなところで製造された顔料なのか、その顔料には配合禁止成分や毒性・刺激性のあるものが含まれていないかが重要になると思います。

それは試験機関に依頼しない限り分かりません…ただ、そもそもジェルネイル自体が刺激性の高いものなので、数パーセント~数十パーセントしか含まれていない顔料のなかのさらに数パーセントも含まれないそういった微量成分のことを考えるよりは、ジェルネイルそのものの刺激性を考えるほうがはるかに有意義だと思います。

ジェルネイル自体は安全なものではありません。

爪という死んだ細胞に乗せるから影響がないのであって、生きた細胞である皮膚の上に乗せたりすれば含んでいる顔料が化粧品か化粧品でなかろうが人によっては炎症を起こす、またはアレルギーになる可能性は高いと言えます。

ジェルネイルをする上でそれは避けられない刺激性・皮膚感作性です。

それを理解した上では、そもそもジェルネイル自体が安全ではないので、エースジェルが安全かどうかは、あまり大きな意味を持たないようにも思います。

新しい化粧品の分野:ジェルネイル

ジェルネイルはまだまだ比較的新しい分野です。

化粧品に精通している資生堂さんやロレアルさんが作っている訳ではありません。

むしろ今まで化粧品などを作ってこなかったメーカーの方が多いのではないかと思います。(光硬化性樹脂という製品の性質上)

そうなると化粧品の知識が不足し、こうした事態が起きてしまうのではないかと思います。

より安全・安心なジェルネイルを作る為にも、この業界自体の成長が必要ですが、そのためには価格だけに囚われて、安かろう悪かろうの製品を購入しないという商品者の意思も必要です。

安全性の試験をしっかりとし、品質管理を十分にした製品は、やはりコストがかかってしまいます。

1個300円では赤字になってしまいます。

高いものにはそれだけの価値もちゃんとあります。

ぜひ製品の良し悪しを見極める力を身に着けていただいて、安全・安心なジェルを楽しんでください。

 

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化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル(続き)

化粧品としてのジェルネイル

すべての材料の申請も済み、表示名称を入手しても、すべてのジェルネイルが化粧品として販売できるわけではありません。

実はジェルネイルの業界だけではないのですが、色物を扱う化粧品の分野には代えられないルールがあります。

顔料・染料(色をつける材料)は既存に登録されているものしか使うことができない。

ということです。

これは実は結構やっかりな問題なのです。

化粧品顔料

ジェルネイルは水に溶けるようなものではないので、つまり油性です。

油性のものには基本的に染料は使えないので、一般的には顔料を使用します。

顔料とは、もともとは鉱石などを砕いてできた色の粉のことです。

日本画と呼ばれるものは膠(にかわ)という糊成分と顔料だけを混ぜた「岩絵の具」と呼ばれる絵具で書かれていました。

その顔料は何十種類か化粧品として登録されてはいるのですが、化粧品に配合できるのは、そのすでに登録されたものしか使えないため、それらの顔料の組み合わせでしか色を作ることができません。

化学技術の発展と共に顔料も進化し、新しい顔料がどんどんと作り出されています。

つい先日も新たな無機顔料「YInMnブルー」がオレゴン州立大学で作られました。

ものすごくよさそうな青なのですが、残念ながら化粧品には使うことができません。

蛍光色などもその一つです。

雑貨のジェルネイル

一方で雑貨のジェルネイルにはそうした制約がないため、基本的にどんな材料でも使うことができます。

蛍光色の顔料や、蓄光する顔料、熱で変色する顔料などです。

これまでに特色のあるものを作ろうと思うと化粧品の制限は邪魔となり、雑貨として販売を決断するメーカーもあるのではないかなと思います。

ここまで読んでいただければお分かり頂けたかと思いますが、化粧品と雑貨の差に安全性の差はないと言えます。

ただこうしたルールがある為に、化粧品として販売することができない結果が雑貨での販売なのだと思います。

製品の安全性はすべてに勝る

とはいえ、ではどんなものを入れてもそれで良いのか、ということはメーカーの倫理に委ねられます。

基準の一つに数年前に話題になった「ホルマリン」というものがあります。

これもまた「配合禁止成分」の一つなので、安全性というよりは配合してはいけないという話なのですが、どうしても製造の過程などで意図せずホルマリンが含まれてしまう材料などもあります。

意図はしていないが、材料に「ホルマリン」が付着してしまったために、製品中からも「ホルマリン」が検出され、回収に至ったケースがダイソーさんのマニキュアです。

どういった経緯でホルマリンが混入してしまったのか、私にはわかりませんが、これは他人ごとではない問題でした。

ネイル業界はすぐにこの流れに敏感になり、かなり多くの会社が自社製品のホルマリン検査をしたと聞いております。

一部製品からは実際に検出されていまい、回収をしたという噂もあります。

(確かにあの頃、パッケージの変更だとか、いろいろな理由で数十種類を廃番にしたメーカーがありましたね…違うことを祈りたいです)

雑貨か化粧品か

たとえ雑貨品であったとしても、こうしたホルマリンの検査や、使用する材料の安全性、他製品の安定性などが十分に確認されているものがほとんどだと思います。

逆に化粧品だからといってこうした検査が十分にされているかどうかは分かりません。

ただこうした検査はすべてお金がかかります。

つまりお金のない会社はどうしてもこうした検査がおざなりになりがちになることは想像できることです。

盲目的な信頼にはなってしまいますが、できるだけ名前の知れた大きなメーカーのジェルネイルをご購入されるほうが、安心できると私は思います。

プチプラ300円のジェルネイルなどを見ると、私はぎょっとしてしまいます。

どう考えても日本の原料などを使えばその価格は達成できないからです。

この話はまた別の記事にてご紹介しようと思います。

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化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイル

化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイルの違い

現在販売されているジェルネイルには化粧品のジェルネイルと雑貨のジェルネイルの二種類があります。

どのように違うのでしょう。

前に化粧品とは何かを記事にしたので、そちらもご確認ください。

化粧品って本当に安全・安心なの?

ジェルネイルにおける化粧品と雑貨品の大きな差は化粧品として売られているかいないか、です。

化粧品として売るということ

化粧品として販売する為には、まず製造業許可を持つメーカーが製造する必要があります。

次にその製品を販売するメーカーは製造販売業許可を持つ必要があります。

行政的な問題ですね。

続いて製品として化粧品には配合してはならない成分を含んでいないこと、外装パッケージ等に必要事項が記載されていること、広告のガイドラインに沿ったネーミング等であることが挙げられます。

配合してはならない成分とは、本当に人体に影響のある危険な成分が百数種類あげられております。

化粧品基準

つまり、化粧品として販売する為にはこれらのルールさえ守っていれば、安全性の確認をする義務はありません。(もちろんするに越したことはないですし、努力義務です)

全成分表示

化粧品として販売する為に、中身は配合禁止成分さえ入っていなければ問題ないということがわかりました。

しかし化粧品として販売する為には、その中身についてそのほぼ全部を外装パッケージや冊子に記載しなければなりません。

全成分表示をするためには、原則として化粧品工業連合会のリストに材料が収載されている必要があります。

化粧品の成分表示名称リスト

ここで検索してでてきたものは、基本的に配合することができる材料です。

水やエタノール、パラベン(よくないかもしれませんが)、PGなども検索すればちゃんと出てきます。

成分表示名称の申請

少し前では、外原規としった規制がありました。

化粧品等に使用できる成分はすべて限定的に定められており、その中でしか使うことができませんでした。

しかしその規則はなくなり、今は「メーカーの自主基準においてすべての材料を化粧品に使うことができる(※配合禁止成分を除く)」となっております。

つまりどこかの川の水をスペシャルな水として化粧品に配合する為には、先ほどの化粧品の成分表示名称リストに「スペシャルな水」として登録さえすれば、全成分表示に「スペシャルな水」と記載して販売できるようになります。

成分表示名称を化粧品工業連合会から得るだけで化粧品に配合できるようになります。

そこには安全性に関する試験等はありません。

ただし現在はこの成分表示名称の申請が少し難しくなっています。

アメリカにあるPCPC(Personal Care Product Council)にまずは申請をしなければなりません。

その機関で特定の材料に分かりやすい名前(INCI NAME)を与えて貰って、その名前を基準に日本の表示名称が決定されます。

つまりアメリカに「スペシャルな水:Special Water」を登録してくれ!とお願いし、「Special Water」でINCI NAMEが与えられたら、それに基づいた日本語名「スペシャルな水」で表示名称を申請することができるようになります。

こうして各メーカー新しい材料を作り出したら、安全性試験を行い(と信じてます)、PCPCに申請し、INCI NAMEをもらい、それを以て化粧品工業連合会に表示名称の申請を行っています。

化粧品としてのジェルネイル

こうして表示名称を無事に入手できたので、さあ製造…としても実はもう一つ守らなければならないルールが「ジェルネイルの化粧品」にはあります。

記事が長くなってしまったので、続きは別の記事に書きます。

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化粧を販売する為に必要な許可

製造販売元、製造元、発売元、販売元について

化粧品のパッケージにはこの四つが書かれていることがあります。

どれも同じような意味に見えますが、実は異なります。

それぞれどんな意味なのかを覚えておくと良いかもしれません。

製造販売元とは

<製造販売業許認可の取得業者とは>(医薬品、医薬部外品も同じ)

化粧品などを国内市場に出荷流通させることが許可された事業者で、外装に「製造販売元」として表示される。

製造販売業者は製品について市販後の不具合など全責任を負う。

製造販売業者は、他社に製造を委託している場合や、海外から製品を輸入して販売する場合でも、全責任を負う。

製造販売業の許可取得だけでは、自社で化粧品などを製造ることは認められない。ゆえに「製造販売業」の許認可の取得には工場などの製造施設は要らない

つまり、マンションの一室を法人登録してそこで会社を経営していたとしても、化粧品を販売することができます。

作ることはできなくても、売ることはできる人です。

製造元とは

<製造業許認可の取得業者とは>(医薬品、医薬部外品も同じ)

化粧品などを製造すること、輸入されたもののラベルなどを日本語表示にすることなどを許可された事業者で「製造元」として表示される場合もある。

製造業者は製造販売業者の管理監督下のもと製造する。

「製造業」の許認可だけでは、製品を市場に出荷することは認められない。

つまり、作ることはできるけど、売ることはできない人です。

販売元とは

製造事業者が企画製造した製品の委託販売を受け、名称などに何も手を加えることも無く、自社流通に載せて販売だけを担当する場合に、製造事業者を「製造販売元」とし、代理店的な事業者を「販売元」とする。
広い流通網や販売シェアを持つ大手メーカーが担うことが多い。

つまり、所謂代理店といったところでしょうか。

発売元とは

製造販売業の許可を取得している事業者が自社ブランド製品の一部を製造委託し、その製造業者のほうを「製造販売元」とした場合に、自社を「発売元」とする。
許認可を受けていないだけで、製品の企画販売をするので、広義な意味では“製造販売元”に準ずるとも言える。
化粧品販売会社が「製造販売業」の許可を受けていない場合、その販売会社が自社ブランドとして製造を委託しているOEM会社が「製造販売元」の名称となり、自らは「発売元(企画元)」として外装に表示される業者。(OEM会社=発注元の企業のブランド名で販売される製品を製造する会社。委託メーカー)

つまり作って売るけど、売る許可だけ持っていない人です。

いろいろな種類があって混乱しがちですが、販売しているところよりは、どこが作っているのだろうということが重要だと思うので、製造元または発売元を確認するのが良いと思います。

OEMとODM

これもまた話を難しく一つです。

OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、A社が〇〇といった製品を販売しよう!と考えましたが、A社の工場では作ることができず(または製造許可がない場合等々)、それを作れそうなB社に設計図や処方を渡して、代わりに作ってもらうことを言います。

ODM(Original Equipment Manufacturer)とは、A社は××といったコンセプトの製品を販売したいが、どうやって作っていいかわからないので、それを作れそうなB社に設計図や処方を作るところからお願いし、代わりに作ってもらうことを言います。

OEMをお願いする側としては、製造にかかるコストを削減できたり、良い品質のものを得られたりといった利点があり、OEMを受ける側としては、売る為のコストを削減できたり、自社ブランドで展開するよりも大きな製造量になり、結果的に売り上げがあったりといった利点があります。

ODMをお願いする側としては、その製品に関するノウハウがないとしても、自社の製品ライナップを増やしたりといった利点があり、ODMを受ける側としては、売る為のコストを削減できたり、自社ブランドで展開するよりも大きな製造量になり、結果的に売り上げがあったりといった利点があります。

上手いことできてますね。

ジェルネイルはだれが作ってるか

業界内でもこれはタブーと言いますか、あまり大きな声では言えない㊙情報です。

多くのジェルネイルを販売されている会社は、製造販売業しかもっていない、またはそれすら持っていない場合も多いです。

つまり、製造を自社でしているところは本当に稀です。

とはいえ、先にご説明させていただいた通り、餅は餅屋ではないですが、各々得意な分野で勝負をすれば良いと思うので、製造していないから悪い、といったことではありません。

むしろ、ジェルネイルを製造しているところはそれほど多くないので、A社とB社のジェルネイルは同じところで作っている、なんてこともあります。

そうなるとジェルネイルを製造しているメーカーは多くの実績をつけることができるため、より品質の良いジェルネイルを開発できるようになり、結果的に素晴らしい商品を生むことができるようになります。

そうして最適化がどんどん進んでいるジェルネイル業界なので、今後も新しいものがどんどんと出てくるのではないかと期待しています。

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化粧品

化粧品って本当に安全・安心なの?

化粧品の重大な事件

カネボウの白斑事件や茶のしずくの加水分解小麦などは、まだ記憶に新しいかと思いますが、これらはすべて化粧品として販売されていました。

カネボウの白斑事件では、ロドデノールと呼ばれる物質が美白成分として配合されておりました。

こうした美白成分がメラニン合成経路にあるチロシナーゼと呼ばれる酵素を阻害して、メラニンが生成されなくなり、肌が白くなる、美白に繋がるのです。

ところが、ロドデノールは思った以上にチロシナーゼ阻害活性を生んでしまい、残念ながら白斑となって表れてしまいました。

つまり、化粧品=安心・安全とは言えません。

化粧品とは?

化粧品メーカーに勤務する研究者の立場から、化粧品を説明すると、「厚生労働省に決められた配合禁止成分を配合していないもので、表示に関するルールを守れば、どんなものでも化粧品として売ることができる」となります。

厚生労働省に決められた配合禁止成分については、下記を参照してください。

配合禁止成分

表示に関しても細かいルールが設定されていますが、また別の記事にて詳細はご説明したいと思います。

「どんなものでも」と書きましたが、これが本当にどんなものでも、なのです。

厳密に言うと、化粧品にももちろん定義があり、肌に直接触れて、美的外観を整えるものといった定義がされております。

ただその範囲であれば、どんなものでも「厚生労働省に決められた配合禁止成分を配合しないこと」と「表示に関するルールを守る」ことさえ満たしていれば、化粧品として販売することができます。

化粧品を販売する為に試験はない

どんなものでも化粧品として販売できると説明しましたが、実は化粧品は「試験をなにもしなくても」販売することができます。

国に定められた安全性に関する試験などは一切ありません。

たとえば皮膚に接触した瞬間に真っ赤になるほどの刺激性がある化粧水を化粧品として販売することもできます。

これがカネボウの白斑事件や茶のしずく石鹸の加水分解事件に繋がった原因の一つかもしれません。

化粧品を化粧品として販売することにおいては、化粧品メーカーの独自試験(するもしないも自由)において、化粧品メーカー基準(あるかどうかも分かりません)を満たすことしか、制約がありません。

つまり、明日化粧品を売れる会社を作ったとして、明後日にはもう化粧品を販売することができるのです。安全性を確かめることなく。

化粧品だから、安心・安全は大間違い

「これは化粧品だから、安心・安全」は大間違いです。

逆に「これは化粧品じゃない、雑貨品だから危ないかもしれない」これも間違いです。

ただし化粧品の定義「肌に直接触れて、美的外観を整えるもの」に当てはまるものであれば、それは化粧品として売るべきだと思います。

ではどうして化粧品というカテゴリーがあるのでしょう。

化粧品として売るなら、全成分表示をしなければならない

私は化粧品研究者として、化粧品はこのことに尽きると思います。

化粧品のパッケージを見ると、聞きなれない成分が羅列しているかと思います。

最近ではパラベンなどの防腐剤があまり良くない、シャンプー等にシリコン系のものが良くない、といった情報も得られるようになってきましたが、まだまだ不足しているのではないかと思います。

多くの方にとっては、それはなかなか理解しづらいものかもしれませんが、できるだけどういった成分が何のために配合されていて、どんな毒性や危険性があるのかについても、お知らせできればと思っております。

全成分表示は、化粧品の良し悪しを見極める私たちの強い味方です。

それがあることで化粧品はほぼすべてを丸裸にされているようなものです。

化粧品であるから安心・安全とは言えません。

でも全成分表示を見ることで、自分でその危険性や安全性を少し理解することができれば、よいよいものを選ぶことができるようになると信じています。