フィルインとは
フィルインは少し前から流行りだしたベースジェルをオフせず、付いたベースジェルをそのまま活かし、カラーを変える方法です。
トップとカラーをマシン等で削ってしまいます。
すると無色透明のベースジェル層が出てきます。
そのベースジェル層も少し削り、薄くしておきます。
その上から新たに伸びたキューティクル側を埋めるようにベースジェルを塗っていきます。
いつものように硬化させ、カラー→トップと仕上げていきます。
つまりアセトン等でのソークオフを行わない、いわゆる「リタッチ」のような使い方になります。
ソークオフしないことのメリット
常々、このブログではソークオフがジェルネイルにとって大敵であることを申し上げてきました。
アセトンは未重合のモノマーをジェルネイルから出してきますし、そうすると、モノマーが指に付着することになります。
それは皮膚炎やアレルギーの原因になります。
つまり、アセトンでオフしないということは、そういったリスクを回避することができるようになります。
これは非常に大きなメリットです。
ソークオフしないことのデメリット
ただし、やはりメリットがある反面デメリットもあります。
それはグリーンネイル等の爪に関する病気です。
ネイリストの資格を取られた方ならお分かりかと思いますが、爪にはたくさんの病気があります。
代表例としてグリーンネイルがあります。
グリーンネイルは緑膿菌とよばれる菌が爪表面で繁殖してしまうことにより、爪がグリーンに見えることから名付けられました。
爪が常に清潔な状態が保たれていればもちろんこういった病気になる心配はありません。
しかしジェルネイルをすると、手を洗う時にもちろん爪は洗えていません。
少しでもベースジェルに浮き等があれば、そこから汚染された水などが入り込み、緑膿菌類が繁殖してしまう可能性があります。
フィルインできるかどうかは、本当にベースジェルが全く少しでも浮いていないことが重要となります。
強力密着ベースジェルの安全性
ベースジェルが爪に密着するためには、いくつかの条件があります。
具体的にはモノマーが爪に入り込むことも重要です。
モノマーが入り込むことで、アンカー効果が生まれ、密着します。
しかしこの入り込むためには分子量(分子サイズ)が重要となります。
できるだけ小さな分子にすることで、爪への入り込みは良くなります。
一方、モノマーが小さくなれば小さくなるほど基本的には皮膚炎やアレルギーのリスクは高まります。
なぜならば、それだけ同じように皮膚へも浸透する可能性があるからです。
代表例として、HEMAやアクリル酸、メタクリル酸などは分子量が小さく、密着性を付与しますが、それだけリスクもあります。
まとめ
ソークオフをしないという観点から見ると、フィルインは素晴らしいアイデアです。
一方、ベースジェルに少しでも浮き等が見られる(目では見えないレベルでも)場合には病気になる可能性があります。
更にフィルインに使用されるような強力密着なベースジェルは、皮膚炎やアレルギーを引き起こすリスクの高いモノマーを使っている可能性があるので、取扱に注意が必要です。