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回収事案 安全性

TATの回収事例から今後のジェルネイルのあり方を考える

TATの回収事例概要

『Salon use 4in1 クリアジェル』 『Salon use selectable クリアジェル #1』
自主回収に関するお詫びとお知らせ
謹啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は弊社商品に格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。
この度、弊社販売の『Salon use 4in1 クリアジェル』、『Salon use selectable クリアジェル  #1』につきまして、爪に直接塗布するベースジェルとしても使用可能であるため、化粧品として製造販売の届出が必要であったところ 同届出ができておりませんでした。
つきましては、当該商品を自主回収させていただく運びとなりました。
お客様には多大なご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げます。
お手元の商品につきましてはただちにご使用を中止していただき、お手数ですが下部に設置しております返品依頼書のダウンロードボタンより返品依頼書をダウンロードし、必要事項をご記入の 上、返送用送り状にてお手元の商品をご返送頂けますようお願い致します。
なお、化粧品配合禁止成分は一切使用しておらず、現在までに当該商品の使用による健康被害の報告はございません。
【当該商品】
① 65433  Salon use 4in1 クリアジェル 15g
② 89883  Salon use selectable クリアジェル #1 15g
※残容量は問いません。容器をお送りください。

該当ページのURLはこちら→https://www.nailtat.com/oshirase/salonuse.html

TATのジェルネイルに対する判断

化粧品としての販売届出ができてなかったことは置いといて、TATが今回の判断に至ったことについて触れたいと思います。

「爪の直接塗布するベースジェルとしても使える」というところが最も肝心なところですね。

つまりTATは「爪に直接塗布するもの」は全て化粧品であるべきと考えるということです。

「爪に直接塗布するもの」としてはアクリルスカルプなども挙げられますし、プライマーも挙げられます。

果たしてこのあたりの製品が本当に化粧品のものだけTATは取り扱っているでしょうか。

それとも、化粧品以外のものも取り扱っているとするならば、それはどんな理屈で取り扱っているのでしょう。

各メーカーの判断?

販売したTATには全く責任がない?

いやいや…そんな訳無かろう…。

少なくとも販売する限りにおいては、その製品が販売して良いものか判断しますよね。

麻薬売ってくれって言われたからって売ったりしませんよね、それと一緒です。

では、TATは「爪に直接塗布するもの」は化粧品であると考えながらも、なぜ化粧品ではない製品を売るのか。

売上の為しかないですね。

商道徳に反しながらも、売上を挙げようという気持ちが丸見えです。

都合が悪いところは、いやメーカーの判断で…とでも言うんでしょうね。

そりゃあね、メーカーが一番悪いですよ。

いや、実はこれはメーカーが悪いとも言えないんです。

化粧品とはなにか

というのも、「爪に直接塗布するもの」言い換えれば「肌に直接塗布するもの」はすべて化粧品でなければならないなんてことはないんです。

その代表例がマツエク接着剤です。

これらは直接皮膚と接触するものながら、化粧品扱いを受けていません。

しかしそれは問題ではないのです。

医薬品医療機器等法第2条第3項で、化粧品は次のように定義付けられている。 人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

つまり、太字にした部分が達成されない皮膚に接触するものは化粧品でなくても良いのです。

そういう意味ではボディペイントは化粧品ですね。タトゥーシールも。

この定義から考えると、ベースジェルもマツエク接着剤も確かにそのものの性質はこの特性に寄与はしていないので、化粧品ではなくても良いと私も考えます。

そのように考えるメーカーも少なくともいるとは思います。

化粧品と安全性

と言いながらも、じゃあなんでもアリなのかと言えば、それはそれで違うと思います。

少なくとも、化粧品であるかどうか、なんてことよりも、安全性が担保されているのかどうかが重要ではないでしょうか。

化粧品=安全は全くの嘘というか誤解であることは常々当ブログでは語ってきました。

なにせ化粧品として販売する上で安全性のテストなんて存在しないのですから。

全て自主判断にて販売されているのが現状です。

有名な話に「アレルギーパッチテスト済み」がありますね。

「アレルギーパッチテスト」は「済み」でも、その結果がどうだったのか何も記載されていません。

消費者が勝手に「販売されているのだから、アレルギーはなかったのだろう」と誤解しているだけです。

それが問題になったのか最近ではこうも書かれています。

「全ての人にアレルギーが出ないわけではありません」

もう何のことか分からなくなってきます。

ハッキリ言います。

そりゃそうですよ!

人は千差万別、みんな違います。

アレルギーも出る出ない当たり前です。

日光アレルギーがあれば、水アレルギーもあるんです。

そんな体にとって必要そうなものにまでアレルギーがあるんですから、化学品にアレルギーがないなんてことはないんです。

安全性に配慮したジェルネイルを

TATは化粧品かどうかなんてことよりも、そのメーカーがどんな安全性テストを実施し、どんな証拠を以て、その製品を販売するつもりなのかそこを見極めるべきです。

(まあ、売上至上主義みたいな会社には無理でしょうけど)

資生堂の姿勢を見習うべきです。

どんなテストをしているのかはっきり掲示してあります。

その結果まで公開されているかは別ですが…少なくとも、そのくらいの姿勢は必要です。

いや、ぶっちゃけそんな知識がある人はジェルネイルの業界のトップにいないと言っても過言ではありません。

表示名称ですら違反・間違いだらけの業界ですよ?

他の化粧品分野ではありえないですよ…信じられない。

だからこのままではジェルネイル業界は、安全性に全く配慮されていないジェルネイルを販売し続けることしかできません。

最近になりようやく大手のメーカーも参入してきたので、少しづつそうしたメーカーが安全性に関する活動を声高らかにして頂ければ、業界も変わるかもしれませんが…。

消費者にとっては油断ならない製品ばかりが溢れているのがジェルネイル業界です。

くれぐれも安心なさらぬよう。