プレストとは?
プレストは、歯科メーカーの松風が手がけるジェルネイルブランドです。
ジェルネイルに革命を起こしたと言っても過言ではないハイクオリティージェルシステム。可視光LEDライトのパイオニアであり、常に進化し続けるジェルシステム
母体は松風ですが、子会社?としてネイルラボを設立し、そこから販売しているようです。
ウリ文句の一つとしても「歯科治療に使う材料」と謳っており、安全性のアピールがされております。
プレスト回収騒ぎ
とは言え、昨今多くのメーカーが自主回収の経験があり、プレストも例に漏れずその一つです。
数年前に化粧品として使用することができない顔料で調色したカラージェルを販売し、回収となっております。
確かではないですが、歯科にはつかえる顔料を使ったとか…歯科に使えるのであれば、化粧品にも使えるだろうといった判断だったのでしょうか。
同じ薬機法とは言え、それぞれに別のルールがありそうなことは想像に難くないのですが、そのあたりの調査を怠ったために起きてしまった回収のようです。
歯科メーカーとしての松風
歯科治療にも確かに光硬化性の樹脂が使われており、いわばジェルネイルを歯の代わりに虫歯治療に使うといったイメージです。
最近歯医者さんに行かれた方の中には、青色のライトを口の中で当てられた経験がある方もいらっしゃるかと思います。
まさにあれがそうです。
少し調べてみると、歯科治療にはほぼジェルネイルと同じような構成のものが使われていますが、波長が少し長く430~450nmくらいの光を使っているようです。
ジェルネイルが365nmと405nmなので、少し長いことが分かります。
口腔内で使える厳選された材料をジェルネイルにも使っているということであれば、安心感がありますね。
プレストの成分表示
ウレタンアクリレートオリゴマー、メタクリル酸イソボルニル、シリカ、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジフェニルホスフィンオキシド
ウレタンアクリレートオリゴマーは特定の成分を指し示す言葉ではないのでNGですね。
メタクリル酸イソボルニルはOKです。
シリカもOKです。
メタクリル酸テトラヒドロフルフリルはOKですが、一次皮膚刺激性の値(P.I.I)が高いです。
ジフェニルホスフィンオキシドは、化合物としては存在するのでしょうが、化粧品工業連合会のリストには収載されていないので、グレーです。
この中で特に気になるのは、やはりメタクリル酸テトラヒドロフルフリルです。
いわゆるTHF(テトラヒドロフルフリル)基をもつメタクリル酸で、THF自体は非常に溶解性が高く、濡れ性も高く、UVインクジェットインキ業界などではよく使われるモノマーのようです。
一方で皮膚刺激性が高いので、直接触れてしまうと、赤くなったり発疹がでたりと、取扱には十分注意が必要です。
その点からジェルネイルに入れるとすごく爪に塗りやすく、縮みなどがないことから有利だとは思いますが、私ならそのリスクは負えないので入れません。
少しプレストをお使いになられる方はご注意されたほうが良いかもしれません。
まとめ
プレストは歯科治療で使われる光硬化性樹脂を作るメーカーのため、安全性等に関しては高い知識を持っており、製造等でのコンタミ(異物の混入)などは他のメーカーに比べると圧倒的に少ないかと思います。
一方で歯科と化粧品はやはり異なるもののため、そのあたりの法的問題等には少し疎いところもあります。
更に成分を見ると、一次皮膚刺激が高い成分が含まれており、あまりジェルネイルを塗るのが得意ではない、または得意であってもプロであっても、100%皮膚に付着させないことはできない、かつソークオフ時には未重合のモノマーがアセトンに溶出し、それが皮膚に触れる等のモノマーによる炎症のことを考えると、使うことが難しいものも入れていることから、そういったところまで考えては作られていないのではないかと感じました。