トップだけが艶がでる
トップを塗ってふき取ったときに艶が出なかったら悲しいですよね。
なぜベースジェルでは艶がでないのか(でるものもありますが)。
なぜカラージェルでは艶がでないのか(でるものもありますが…)。
なぜトップなら艶がでるのか、どうしたら艶が出るのかを考えていきたいと思います。
艶がでる仕組み
ご存知の通り、ジェルネイルの硬化(ラジカル重合)は酸素阻害を受けて、表面(酸素に触れている面)に未重合層が発生します。
未重合層の下の層は硬化している層です。
この層がしっかりと硬化しており、未重合層をしっかり取り除くことができれば艶を出すことができます。
つまりトップの艶の差はジェル自身のもつ硬化性と酸素阻害の受けやすさ、それとライトとの相性によります。
さらにふき取り方によっても艶の出方は変わります。
トップのふき取り方とは?
未重合層をしっかり取り除くことが大事とお伝えしましたが、ジェルネイルは基本的に油性の為、水等では除くことができません。
つまり本来手消毒用のエタノール水等ではしっかりと未重合層を取り除くことは難しいです。
ただモノマーの選択によってできる限り水性に近づけることはできる為、そういったジェルの未重合層は水溶性に寄る為ふき取りやすくなります。
例えばHEMAはそれ自身が水に溶けるほどなので、HEMAを多く使っているジェルは未重合層が取り除きやすいです。
また別の方法としては未重合層の量をできるだけ少なくすることでふき取る量を少なくし、艶を出しやすくするといった方法もあります。
こういったジェルはどちらかと言えば硬化熱も高くなる傾向にある為、注意が必要です。
水系では拭えないとすれば、アセトン等でふき取れば良いとなるかもしれませんが、あまりお勧めできません。
光重合系の樹脂はライトに晒されている間だけ重合が進むのではなく、その後もアフターキュアと呼ばれ、ずっと硬化を続けます。
つまりライトから出したばかりのジェルはまだ硬化が十分ではないので、アセトン等で拭いてしまうと硬化層が溶けてしまうので艶がでないことがあります。
どうすれば艶がでるか
どのジェルもこうすれば艶がでるということはありません。
各メーカーの思惑があるので、それに沿った硬化のさせ方、ふき取りの仕方が重要になります。
仕上がりが固めのジェルは、硬化性が良いのでどちらかと言えばふき取りはしっかりした方が艶が出ます。
仕上がりが柔らかいジェルは、逆に優しく吹いてあげないと傷がついてしまうことがあります。
またワイプが良いのかコットンが良いのかもメーカーに依ります。
傾向としては、固めのジェルはワイプでも大丈夫ですが、私の感覚としては多くのジェルはコットンの方が艶がでる印象があります。
おそらく厚みがあるためにしっかり拭き取ることができるのではないかと思います。
5本の指の中で1本だけ曇る!?
ということはありませんか?
サロンワークをしていると、こういうこともあるかなと思います。
これはおそらくふき取りやジェルの問題ではなく(ポリッシュタイプ等であまりにもうっすら塗るとそういうことも起きたりしますが、それは別として)、ライトの問題であることが多いです。
特にLEDライトを使ったときに起きます。
というのは、LEDライトの中身を見ていただけるとわかるのですが、ライトは間隔を空けて設置されています。
この間隔の間やライトの真下に爪がない時に十分な硬化が得られず、艶がでないことがあります。
お手を入れていただく位置をコントロールすることで防げるとは思いますが、正直、そうしたライトは良い製品ではないので、交換されるのもありかなと思います。
艶をしっかり出していくのは難しいですが、ぜひいろいろ試して頂いて、出せる方法を見つけていただければと思います。