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エディット カラージェル

タカラベルモント「edit.」回収か

edit.とは

2017年11月に開催されたエキスポにてデビューしたジェルネイルです。

タカラベルモントが製造販売元となっています。

タカラベルモントと言えば、バイオスカルプチュアが有名ですね。

バイオスカルプチュア自体は南アフリカ共和国が原産国となっているので、恐らくタカラベルモントは輸入しているだけと思われます。

バイオスカルプチュアやシェラック等の海外ジェルを販売することで得たジェルネイルの知識を持って、満を持しての「edit.」の販売だったのではないかなと思います。

更に豪華な事に、「edit.」はVETROでアートディレクターをされていた「竹原」先生が監修されています。

華々しくデビューし、3~4ヶ月目でようやくTATで買えるようになっており、気になってはいましたが、不具合が起きているとのことです。

edit.の不具合の内容

詳しくは「edit.」の公式サイトに掲載されています。

edit.冷温時における固化について

このプレスリリースによると、どうやら低温になるとツヤがなくなり、粒が見られる様になるようです。

なぜそうなるのかについては「撹拌不要で、縮まない為」と書かれていますが、実際に何がどうなってそうなっているのかについては書かれていません。

40度程度まで加温すると品質上問題ないとのことですが、なかなか40度まで温めるのは難しいような気がします。

お湯に漬けるのは、ジェルに水が入る可能性があるので、チャック袋などに入れて漬けるのが良いかもしれません。

それこそお風呂に入る時に一緒に連れて行くと手間ではないかもしれません。

必殺技としては電子レンジでの加熱ですが、本当にすぐに熱くなってしまうので、頻繁に様子を見ながらされるのは良いかもしれませんが、どうなっても責任は取れませんので、自己責任でお願いします。

私は時々ベースジェルが冬の朝で硬い時とかにやります。

または時間がかかっても良いならば、一緒に寝るのもありかもしれません。

寝間着のポケット等に袋にいれたジェルを入れて寝ると、朝にはすっかり戻っているかもしれません。

ただこのようにして戻したとしても、または戻りきらなかった場合、粒が残っていれば塗った際にボコボコの原因になる気がします。

edit.不具合の理由

ジェルネイルを作る研究者から見て、これはほぼ間違いなく「ウレタンアクリレート」の結晶化だと思います。

「ウレタンアクリレート」の中には、結晶性が高いものがあります。

結晶性とは、見た目固体のようになってしまうことです。

通常の温度では非常に高粘度の液体であることが多いですが(水飴のよう)、時々低温になると結晶化してしまうものがあります。

すると、モロモロとしたゼリー状になります。

まさにedit.のカラージェルがゼリー状になっているように見えます。

「ウレタンアクリレート」同士の引き合う力が強いものを使用した時にこうした結晶化現象は起きやすい印象です。

恐らくedit.に使用された「ウレタンアクリレート」もお互いに引き合う力が強いものだと思います。

その結果、たしかに強靭な塗膜が出来上がったり、硬化性が良かったりと良いこともたくさんありますが、ゼリー状になるのは困ったものです。

こうしたことが起きないように、通常テストとして低温での保存安定性を確認します。

例えば北海道の冬の朝でも使えるのか、または輸出するのであれば空輸に耐えられるのか、などそうした耐久性は見るべきだと思うのですが、もしかしたら見落としていたのかもしれません。

または逆に高温50度程度での劣化促進テストも行います。

夏場の倉庫内は非常に高温になりやすく、局所的には60度になることもあります。

そうした中でジェルネイルが変性したりしないか、または常温で2年保管した時の状態を数ヶ月で再現したりと、そうしたテストも必ず行います。

edit.は回収か?

恐らく回収になるのではないかと思います。

冬だけとは言え、これが春になっても恐らく一度結晶化したものは元に戻りにくいので(40度以上になる真夏まで待てば自然に戻る?)、今倉庫にあるもの等は回収されるだろうと思います。

既に購入された商品については、イメージの問題もあるので回収しないかもしれませんが、そんなジェル買わないと思ってしまうユーザーも多いと思うので、イメージダウンはいずれにせよ免れないところですね。

ただ回収されれば、次はより良い製品になって帰ってくることは間違いないので、次世代のedit.に期待したいと思います。

もしご購入を検討されている方がいらっしゃれば、お気をつけ下さい。

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カラージェル

カラージェルの退色を防ぐ為にできること

カラージェルが退色する?

ジェルネイルをされている方またはサロンで働くネイリストの方の中には、カラージェルが退色してしまう問題に遭遇したことある人が何人かいらっしゃるかと思います。

カラージェルは残念ながら退色してしまうことがあります。

それはある意味自然の摂理でもあります。

古いベンチやポスターの特に赤が薄いピンクになっているのをご覧になったことがあるかと思います。

これも同じようなことが起きています。

なぜ退色するのか

このポスター等の日光が長時間あたることにより退色してしまったものは、顔料の特性によるものです。

顔料のいくつかは光に弱いものがあり、長い時間光に曝されることで顔料が壊れ退色してしまいます。

ジェルネイルでも結果としては同じような現象が起きる為に退色してしまいます。

具体的には、化粧品のジェルネイルには化粧品として認められた顔料しか配合することができません。

それらの顔料は比較的、光などの外部からの攻撃に弱い性質を持っています。

ジェルネイルにおいても、つけている時に太陽の光は浴びますので、同じように光で退色する可能性もありますが、その期間は長くても二ヶ月程度なので、私はあまりそれを原因とは考えておりません。

むしろ、ベースジェルに含まれる酸やカラージェルを硬化させる光重合開始剤による影響が大きいと考えています。

ちなみにネイルパフェのHPにも同じような記載がありました。

化粧品登録をしている色素を使った場合、必ず色が退色する、というわけではありません。
弊社の今までの商品開発上の実験では、ある特定の化粧品の色素が退色しやすいというところがわかっております。
その色は弊社のカラーの、06レザンや、61グリシーヌ、マグネットジェルのS12エマンマロンなどに入っている色素です。なので、全ての化粧品登録の色素が退色するわけではありません。
また、今までの経験から言えることとしては、「酸が強い」と思われる他社のジェルと、ネイルパフェジェルの組み合わせは退色しやすいということがわかっており、これはまた別のことと認識しております。

どうすれば退色を防ぐことができるか

起こる原因を考えると、対策が見えてきます。

1.光による退色

これはあまり気にする必要もないですし、難しいので対策なしです。

2.光重合開始剤による退色

固まりが良いカラージェルは大抵の場合多くの光重合開始剤を含んでいます。

その結果、カラーが退色しやすいといった問題も起きやすくなります。

発色が良いことは素晴らしいことですが、過剰に開始剤を入れて硬化させ、退色が起きてしまうものを選ぶよりは、少し発色が劣っても退色しないものを選んだほうが、サロンワーク等においてクレームに繋がる可能性は低くなります。

3.酸性ベースによる退色

ベースジェルは常に爪から水分が供給されます。ベースジェルに含まれる酸性成分はその水に乗ってカラージェルに入り込むかもしれません。

そうなるとカラージェルが酸性ベースの酸に犯されて、顔料が退色してしまうので、できるだけ酸性度の低いベースジェルを選ぶことが重要です。

ではどのように酸性度を見極めるかですが、ホイルアートを直接ベースジェルに施し、クリアで仕上げて過ごすと、ホイルアートが消えてしまうものは酸性度が高いです。

ホイルアートは、アルミを使用しています。

アルミは酸性のものに触れると溶けてしまうので、ベースジェルが酸性である場合、時間の経過でアルミが犯されしまいます。

または匂いを嗅ぐといった方法もなくはないですが、アクリル酸イソボルニルやメタクリル酸イソボルニルといった「イソボルニル系」は匂いが強いため、酸性の匂いをマスクしてしまう可能性があります。

または少しお高いですが、pHメーターなどを購入し測定してみると、それぞれのジェルの酸性度が分かります。

または、この酸に触れていなければ良いので、カラージェルとベースジェルの間にトップジェルを挟むのも効果的です。

トップジェルは硬いので水分等も簡単には通過することができない為、酸も同じように通過できません。

退色しないものがベストですが、化粧品顔料を使用する以上避けられない問題の一つでもあります。

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カラージェル 材料

色素沈着しやすい顔料が含まれているカラーに要注意!!

色素沈着って?

マニキュアでベースコートを塗らずにそのままカラーを塗る方は多いと思います。

すると特に赤系を使った時に除光液で落としても爪や指が赤く染まったことはありませんか?

これが色素沈着です。

細かく砕かれた顔料が爪や皮膚の微細な隙間に入ることで簡単には取れなくなってしまいます。

これを防ぐ為にもマニキュアでもベースコートは塗った方が良いと思います。

ジェルネイルでも色素沈着は起きる!

ジェルネイルはマニキュアよりも多くのカラージェルを塗る為、顔料自体はマニキュアよりも多くなってしまいます。

つまり色素沈着が起きる可能性も高くなってしまいます。

ジェルネイルではほぼ間違いなくベースジェルを塗ると思いますが、残念ながらベースジェルだけでは色素沈着を防ぐことはできません。

色素沈着は付けている間に起こっているのではなく、アセトンでソークオフする時に、アセトン中に顔料が溶出し、その染まったアセトンがベースジェルに入り、または爪とベースジェルの隙間に入り込み、ソークオフもされますが、同時に色素沈着も起こしてしまいます。

これを防ぐ為には、ソークオフする前にカラージェルをほとんど削り取っておく必要があります。

色素沈着を起こしやすい顔料

化粧品に使える顔料は限られています。

化粧品に使える顔料の一覧

この中でも特に「赤104」と呼ばれる顔料は、非常に鮮やかな青みがかった赤色で、蛍光のような色なのですが、とても染着しやすいといった性質を持っています。

実際に「赤104」が含まれるカラージェル数社のものを試したところ、ほぼ全てのカラージェルが染着するといった結果が得られました。

本当にきれいな赤なのですが、残念です。

鮮やかな赤のカラーで成分表示を確認した時に「赤104」と書かれていたら、染着する可能性があることを覚えておかれると良いかもしれません。

またサロンワークにおいては、リピートの方にこの系統のものを使ってしまうと、オフ時にクレームになる可能性があるので削りを多くするとまだ多少マシかもしれません。

 

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カラージェル

攪拌不要のジェルの真実

使用前の攪拌の必要性

カラージェルにはクリアジェルのほかに顔料が含まれています。

顔料はクリアジェルには溶けずに不要成分として浮いているだけです。

その結果、クリアジェルの比重と顔料の比重に差がある場合、たいてい顔料の方が比重が大きいので下に沈んでしまいます。

そのために、カラージェルの上を筆で取っても顔料が少し少なくなってしまっているので、薄くなってしまいます。

それを防ぐためには攪拌が必要でした。

攪拌不要のジェルネイル

攪拌してしまうと空気がジェルに混ざり、気泡になったり、酸素がジェルネイルの中に含まれるので酸素による重合阻害が内部でも起きてしまいます。

そこで攪拌をしなくても良くできないかと考えられたのが、攪拌不要のジェルです。

攪拌不要にするためには、チキソトロピックな性質をジェルネイルに付与する必要があります。

チキソトロピーとは、せん断応力が大きいときに粘度が減少し、せん断応力が小さい時に粘度が減少する性質のことです。

つまり、筆で触ると柔らかくなり、静置された状態では固くなり、流れないようなジェルネイルです。

このような性質を示すジェルはVETROや残念ながら廃番になったラピジェルがそうです。

攪拌不要によるデメリット

ある材料を追加することでチキソトロピー性を付与できますが、その量によって強さが変わります。

刷毛後が残る程になってしまうこともあります。

ある材料は光を透過しない為、カラージェルの硬化性が少し悪くなる可能性があります。

基本的にはそれ以外のデメリットはありません。

もしこれからカラージェルを買われるのであれば、特にセルフの方には攪拌不要のジェルをお勧めします。

一方ネイルサロンでは、朝一で攪拌さえしてしまえば、その日一日は攪拌しなおさなくてもほとんど濃度は変わらないと思うので、入れ替えるほどのメリットはないかもしれません。

攪拌不要で買うべきカラージェル

正直なところ、顔料だけを含むカラー(つまりマットカラー)ではあまり大きな効果はないですが、ラメ系のカラー、特に大きなグリッターなどを含むものでは凄くその効果は大きく、ぎっちり感を味わうことができると思います。

まずはラメ系からご購入されてみてはいかがでしょうか。

 

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カラージェル

カラージェルの良い・悪い

発色が良いカラージェル

カラージェルの良い・悪いは発色の良さだけではありません。

発色の良いカラージェルとは

  1. 顔料が沢山入っている
  2. 発色が良い顔料を使用している
  3. 顔料の分散状態が良い

にまとめられます。

もちろんこの三つが揃っていることが「発色」においては一番ですが、カラージェルに求められることは、それでもしっかりと硬化することです。

顔料が沢山入っているカラージェル

顔料はものによってその価格はバラバラです。

1kgあたり2000円程度のものもあれば、1kgで100万円ほどするものもあります。

つまり安い顔料であれば沢山いれてもコストは上がりませんが、高い顔料であれば沢山入れるとそれだけコストが上がってしまいます。

もちろんメーカーも商売なのでできるだけ安く作りたいと思います。

顔料を沢山いれたい、でもコストは下げたい、と考えた時どうするか。

安い顔料を大量に入れる。

そうなってしまうのは必然ですね。

では高い顔料と安い顔料ではどうちがうのでしょうか。

発色の良い顔料

高い顔料と安い顔料があるいう話をしました。

これは同じ品名の顔料にも言えますし、同じような色目を出す顔料においても言えます。

つまり、例えばA社の赤226号とB社の赤226号は同じ品名でありながら、価格が違うとして、もちろん品質も異なります。

A社の赤226号はほんの少しでも発色し、B社の赤226号は沢山いれなければ発色しないということもあります。

これが顔料の品質の差です。

購入してきたばかりの顔料は砂のような状態です。

これを機械的に砕いたりすることでほぐれ、微細化されます。

この時にほぐれやすいものとほぐれにくいものがあり、ここに品質の差がでてきます。

安いものほどほぐれにくく、高いものほどほぐれやすい傾向にあります。

これが発色の良さに繋がります。

顔料の分散状態が良い

ジェルと顔料をそのまま混ぜても、市販されているカラージェルほどの発色は見込めず、むしろ顔料の粒がカラージェルを塗ったときに残ってしまいます。

これは顔料が十分にほぐれていない状態(=分散状態が悪い)と言えます。

カラージェルを製造するときは、単純にクリアジェルと顔料を混ぜるだけではなく、顔料をしっかりと潰し、ほぐれさせ、樹脂を間に入れ込み、もう一度顔料がくっついたりしない(再凝集)状態にしてあげることが大事です。

顔料とクリアジェルは比重が異なるので、重いものほど下に沈みます。

水に砂を入れたら砂が沈みますよね、でも一時かき混ぜたら浮き上がり一見均一なようになりますが、時間の経過とともにまた沈んでしまいます。

カラージェルも、「ご使用前に攪拌してください」といったものがありますが、これはまさしくこのことです。

クリアジェルの方が顔料に比べて比重が小さいので、顔料が沈んでしまいます。

分散状態がすごく良い状態であれば顔料がクリアジェルにしっかり混ざっているのでこうしたことは起きにくくなります。

カラージェルの一番の難点:硬化

カラージェルはベースジェルやトップジェルと異なり、光を通過させない顔料を沢山含んでいるので、それだけ光の侵入が悪くなってしまいます。

すると奥底まで光が届かなくなり、硬化不良(いわゆる半熟)といった状態になってしまうことがあります。

これはどんな顔料であっても避けられない問題です。

ほぐれやすく、微細化されている顔料であれば少量でも発色します。

ほぐれにくく、微細化されていない顔料であれば大量に入れなければ発色しません。

どちらが硬化しやすいかはお分かりになると思います。

とはいえ、いずれにせよカラージェルは硬化し辛い層であることは間違いないので、できる限り薄く塗り、発色が弱ければ何層か重ねるといった方法がムラなくきれいに硬化不良を起こさず発色した層を作る上では重要となります。

硬化不良になったカラージェルはベースジェルの持ちやトップの艶にも影響します。

綺麗なジェルネイルを長く楽しむ為にもカラージェルの硬化不良を避けるようにして頂ければ幸いです。