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KOKOISTに迫る(続編)

KOKOIST スーパーシャイントップジェル

トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、ウレタンアクリレートオリゴマー、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アクリルコポリマー、メトキシメチルブタノール、アクリロイルモルホリン、HEMA、アクリル酸イソボルニル、紫201

製造販売元:九州コーケン

今まで製造販売元はルーランでしたが、トップは九州コーケン…何故でしょうね。

充填先を複数持っていて(リスクヘッジや単純に工場の充填能力の問題で分けることはあります)たまたまトップだけを九州コーケンにお願いしているのでしょうか。

いずれにせよ、九州コーケンも充填請負先なので、ジェルネイル自体を作っているところではないと思います。

全成分表示ですが、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンは3官能のモノマーです。

入れることで硬さが出るのが特徴です。

トップなのである程度の硬さが必要とのことで入れているのでしょう。

ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシルは有名なウレタンアクリレートモノマーです。

重合性が高く、柔らかいことが特徴です。

海外メーカーの多くの製品で使われています。

ウレタンアクリレートオリゴマーは日本化粧品工業連合会の表示名称リストに収載されていない、またカテゴリーを示す言葉なので成分表示としては認められない名称です。

薬機法違反なので、しかるところにたれ込めば回収騒ぎになりかねない問題です。

早々に解決して欲しいですね。

トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドとヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは光重合開始剤です。

アクリルコポリマーもカテゴリーを示すので、ウレタンアクリレートオリゴマー同様に違反です。

アクリルコポリマーも使うの好きですね、KOKOISTの特徴の一つです。

メトキシメチルブタノールは何のために入っているのでしょうか、溶剤だとは思うのですが、アクリルコポリマーがこの溶剤希釈品とかなのかな…。

アクリロイルモルホリンも表示名称がないですが、この名称から一つの成分を特定はできるので、厳密に言えば違反なのですが、グレーなところです。

いずれにせよ早々に化粧品工業連合会に名称の申請をして、登録された名称にして頂くことが必要です。

HEMA、最近アレルギーで話題の成分の一つです。

アレルギーは皮膚感作性という言葉でSDS中で説明されており、その感作性があることは明らかなので、HEMAアレルギーの方はご使用を控えるべきかもしれません。

アクリル酸イソボルニル、ノルボルネン骨格をもつ単官能モノマーです。

特徴的な匂いがありますが、それ以外に目立った効果もなく、Tg(ガラス転移点)があげられるとかありますが…。

紫201、顔料ですね。

すごく高い顔料です。

確か1kgあたり100万円を越していたような…、とは言えジェルネイルに含まれる紫201の量は0.0001%程度なのでそれほど価格には反映されないと思います。

KOKOIST スーパーシャイントップジェル

トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ジカルバミン酸ジHEMAトリメチルヘキシル、ウレタンアクリレートオリゴマー、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アクリルコポリマー、メトキシメチルブタノール、アクリロイルモルホリン、HEMA、アクリル酸イソボルニル、紫201

製品名と表示名称が全く同じで、ボトルタイプとコンテナタイプがありました。

購入していないので分からないのですが、これらの二製品は全く同じなのでしょうか。

普通に考えると、ボトルタイプの方が粘度が低く、コンテナタイプの方が粘度が高いような気がするのですが…。

もしご存じの方いらっしゃれば、twitter等でメッセージ頂けると助かります。

もし粘度が違うのであれば、それは成分が違うということで…、たとえ同じ成分が入っているとしても、その比率が変われば、それは別製品です(容器も違いますが、容量違いは同じ製品と見なせるので、そこでは区別できません)。

もし粘度が違うのあれば、別製品の登録が必要で、これは化粧品販売届を怠っているということで、またも回収事案レベルです。

KOKOIST ノンワイプトップコートジェル

ポリウレタンアクリレートオリゴマー、アリファティックウレタンアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビフェニルスチルベン、紫201

もう皆さんもお分かりになってきたかもしれませんが、ポリウレタンアクリレートオリゴマーは表示名称になく、カテゴリーを表す言葉なので違反です。

アリファティックウレタンアクリレートは、何やらカッコイイ言葉が付いていますが、アリファティックとか脂肪族という意味で、グループを表す言葉です。

ウレタンアクリレートの中の脂肪族をアリファティックウレタンアクリレートとは言いますが、またもこれもカテゴリーを表す言葉なので違反です。

イソボルニルメタクリレート、なぜ、ここにきて、こんな間違いを犯すのか、私には分かりません。

上で似たような名前のものは、アクリル酸イソボルニルが該当します。

アクリル酸○○やメタクリル酸☓☓は成分表示として正しいのですが、○○アクリレートや☓☓メタクリレートは表示名称としては正しくありません。

ただどんな成分かはわかるので、グレーではあるのですが、正しい名称があるのであれば、正しいものを使うことが好ましいので、ちゃんとメタクリル酸イソボルニルと記載して欲しいです。

ビフェニルスチルベンは蛍光増白剤や光増感剤と呼ばれるもので、簡単に言うと、405nmの光を365nmに変換してしまうような成分です。

これによりトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを使わなくても、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンで405nmを利用して硬化させることができるようになります。

ライトに入れると蛍光発色するのが特徴です。

KOKOIST製品まとめ

性能は恐らく皆様の方がよくご存知かと思うので、私からは特に申し上げませんでしたが、一方化粧品として販売することの上では、非常にエラーの多い製品であると言わざるを得ません。

いつも繰り返しで大変恐縮ですが、化粧品の表示ルールも守れないのに、より難しい安全性のルールが守れるのか、私には疑問です。

化粧品の表示ルールは難しそうに見えて、一度覚えてしまえばそう難しいものではありません。

簡単に誰でも習得でき、できるだけ準拠した表示ができるものです。

しかしそれすらもちゃんと出来ていないメーカーがほとんどであり、KOKOISTもその一つでした。

残念です。

私としては、どれだけ製品が良くても、そんなことも守れないメーカーの製品が良い製品とは思えません。

たとえば配合禁止成分が入っていたとしても、バレなければいい、そう考えていてもおかしくないと思います。

(実際回収レベルの間違いを犯しながら、気づいているのか気づいていないのか知りませんが、そのまま販売し続けているのが事実です。)

ネイル業界、特にジェルネイル業界はまだまだ新しい業界であり、各メーカーの経験も浅いと言わざるを得ません。

そして社員100名以下のいわゆる中小企業がほとんどで、薬事に強い専門家を雇うこともなく、化粧品を簡単に販売してしまっているところが多い印象です。

この表示名称を見る限りKOKOISTもその一つです。

化粧品は簡単に販売できますが、対しての消費者への責任は他の雑貨とくらべては大きいものです。

そのリスクを理解せずに、儲かるから、やりたいから、といった理由でされているメーカーは、今一度自分たちに行いに間違いがないのかを確認して貰いたいと思います。

まずはルールを遵守しましょう。

安全性や売れる製品を作るのはその次です。

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KOKOISTに迫る

KOKOISTとは

プロが選ぶ確かな品質と使いやすさのネイルプロダクトにこだわり続けています。

世界中のお客様を相手に、ありとあらゆる新商品・新技術を駆使して、プロフェッショナルの柏木KOKOがプロフェッショナルのみなさまが待ち望んでいる商品を自信を持ってお届けしております。

長年のサロンワークから導き出されたジェルシステムの答え、それがKOKOISTです。
サロンワークでより使いやすく、お客様の喜びがより長く。プロネイリストである柏木KOKOのこだわりを凝縮した製品は、ネイルに関わる全ての方にきっとご満足いただけるはずです。

確かにデビュー当時は真っ黒な容器にクールなロゴで、まるでシャネルの化粧品を思わせるようなデザインでカッコイイなぁと思っていました。

その後も京セラと開発した人工オパールを配合したカラージェルなど真新しいものも展開され、精力的に活動されてるなあといった印象です。

化粧品かどうか

ぼやけてしまって、本当に申し訳ないです…。

ばっちり「爪化粧料」と書かれているので、化粧品として登録されています。

検定にも使えるので間違いありません。

製造販売元は「株式会社ルーラン」となっております。

私が知る限り、この会社は充填請負かまたは名義貸しと思われます。

つまり、中身を本当に作っているメーカーではないと思います。

どこかで作った中身を株式会社ルーランで充填しているか、または充填も別のとこでするが、製造販売元として株式会社ルーランの名前を借りているか、どちらです。

発売元は株式会社KOKO Internationalですね。

KOKOIST ソークオフカラージェルエクセルライン

ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル酸イソボルニル、エポキシアクリレートオリゴマー、アクリロイルモルホリン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジメチルシリル化シリカ、カルボン酸変性コポリマー(以下顔料等、目立つもので言えば、硫酸Ba、HALS、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、含水シリカ)

以前から申し上げている通り、ウレタンアクリレートオリゴマーといった表示名称はないので、全成分表示のルール違反ですね。

続いてエポキシアクリレートオリゴマーも同様に表示名称外です。

アクリロイルモルホリンはその名称から具体的な成分が想像できるので、完全アウトではないのですが、表示名称はありませんので、グレーです。

※表示名称申請中でも化粧品として販売することはできます。その際、該当する成分名は容易に想像が付く適切な名称を与えなければなりません。アクリロイルモルホリンはそれに該当しますが、はたして日本化粧品工業連合会に申請しているのかは分かりません。

トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドは405nm用の光重合開始剤です。

ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは365nm用の光重合開始剤です。

ジメチルシリル化シリカは増粘剤です。

細かな微粒子で粘度を上げたり、タレ性を改善したりできます。

カルボン酸変性コポリマーも表示名称にはないので違反です。

KOKOIST ソークオフクリアジェルエクセルラインII

ウレタンアクリレートオリゴマー、HEMA、アクリロイルモルホリン、メタクリル酸、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アクリルコポリマー、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール

ウレタンアクリレートオリゴマーは違反ですね。

HEMAはアレルギー性があるモノマーなので、もしほかのジェル等でアレルギーが出てしまっている方は使用を控えたほうが良いかもしれません。

アクリロイルモルホリンは先程と同様です。

このメーカーはアクリロイルモルホリンを使うことが特徴のようですね。

メタクリル酸は酸で終わっているので、酸性成分です。

pHを測ると1-2くらいの強酸性を示すかもしれませんね。

トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドとヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは光重合開始剤。

アクリルコポリマーはまた表示名称のないものなので違反です。

何かもよく分かりません。

3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールは溶剤でしょうか。

KOKOIST ソークオフクリアジェルエクセルマットコートジェル

メタクリル酸エステル系コポリマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル酸イソボルニル、鳥メタクリル酸トリメチロールプロパン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、アクリルコポリマー、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール

メタクリル酸エステル系コポリマーは恐らくいわゆる樹脂球と呼ばれるものです。

こうした樹脂球をジェルの中に入れることで、拭き取った際に表面がマットに仕上がります(光の乱反射)。

ただし、どんなコポリマーなのかは全くここからは分からないので、表示名称としては違反です。

KOKOISTまとめ

他の名称等がしっかりとルールに則っているにも関わらず、おそらく化粧品としての表示名称のないものを表示する際には、かなりいい加減に適当なネーミングで成分を表示してしまっているのが、この会社のスタンスですね。

全ての原料に化粧品としての表示名称は確かにありません。

ジェルネイルはまだ新しい分野なので、全然表示名称がないのが事実です。

しかし、申請はすることができます。

そして申請の為には、その名称から何であるかを理解できるような名称でなければならないのに、メタクリル酸エステル系ポリマーや、ウレタンアクリレートオリゴマーといった、いえば、食事の中で言えば「主菜」や「副菜」としか表示してないような状態です。

それでは主菜が何か分からないですよね。

ちゃんと「牛肉とピーマンの炒め物」や「麻婆茄子」といったように具体的に書かれていなければ、それが何かを消費者が知ることはできません。

知らない製品を買わされて、損をするのは消費者です。

もう少し配慮した表示名称を付けてくだされば良いのですが…。

長くなってきたので、次回に続きます。