カラージェルが退色する?
ジェルネイルをされている方またはサロンで働くネイリストの方の中には、カラージェルが退色してしまう問題に遭遇したことある人が何人かいらっしゃるかと思います。
カラージェルは残念ながら退色してしまうことがあります。
それはある意味自然の摂理でもあります。
古いベンチやポスターの特に赤が薄いピンクになっているのをご覧になったことがあるかと思います。
これも同じようなことが起きています。
なぜ退色するのか
このポスター等の日光が長時間あたることにより退色してしまったものは、顔料の特性によるものです。
顔料のいくつかは光に弱いものがあり、長い時間光に曝されることで顔料が壊れ退色してしまいます。
ジェルネイルでも結果としては同じような現象が起きる為に退色してしまいます。
具体的には、化粧品のジェルネイルには化粧品として認められた顔料しか配合することができません。
それらの顔料は比較的、光などの外部からの攻撃に弱い性質を持っています。
ジェルネイルにおいても、つけている時に太陽の光は浴びますので、同じように光で退色する可能性もありますが、その期間は長くても二ヶ月程度なので、私はあまりそれを原因とは考えておりません。
むしろ、ベースジェルに含まれる酸やカラージェルを硬化させる光重合開始剤による影響が大きいと考えています。
ちなみにネイルパフェのHPにも同じような記載がありました。
化粧品登録をしている色素を使った場合、必ず色が退色する、というわけではありません。
弊社の今までの商品開発上の実験では、ある特定の化粧品の色素が退色しやすいというところがわかっております。
その色は弊社のカラーの、06レザンや、61グリシーヌ、マグネットジェルのS12エマンマロンなどに入っている色素です。なので、全ての化粧品登録の色素が退色するわけではありません。
また、今までの経験から言えることとしては、「酸が強い」と思われる他社のジェルと、ネイルパフェジェルの組み合わせは退色しやすいということがわかっており、これはまた別のことと認識しております。
どうすれば退色を防ぐことができるか
起こる原因を考えると、対策が見えてきます。
1.光による退色
これはあまり気にする必要もないですし、難しいので対策なしです。
2.光重合開始剤による退色
固まりが良いカラージェルは大抵の場合多くの光重合開始剤を含んでいます。
その結果、カラーが退色しやすいといった問題も起きやすくなります。
発色が良いことは素晴らしいことですが、過剰に開始剤を入れて硬化させ、退色が起きてしまうものを選ぶよりは、少し発色が劣っても退色しないものを選んだほうが、サロンワーク等においてクレームに繋がる可能性は低くなります。
3.酸性ベースによる退色
ベースジェルは常に爪から水分が供給されます。ベースジェルに含まれる酸性成分はその水に乗ってカラージェルに入り込むかもしれません。
そうなるとカラージェルが酸性ベースの酸に犯されて、顔料が退色してしまうので、できるだけ酸性度の低いベースジェルを選ぶことが重要です。
ではどのように酸性度を見極めるかですが、ホイルアートを直接ベースジェルに施し、クリアで仕上げて過ごすと、ホイルアートが消えてしまうものは酸性度が高いです。
ホイルアートは、アルミを使用しています。
アルミは酸性のものに触れると溶けてしまうので、ベースジェルが酸性である場合、時間の経過でアルミが犯されしまいます。
または匂いを嗅ぐといった方法もなくはないですが、アクリル酸イソボルニルやメタクリル酸イソボルニルといった「イソボルニル系」は匂いが強いため、酸性の匂いをマスクしてしまう可能性があります。
または少しお高いですが、pHメーターなどを購入し測定してみると、それぞれのジェルの酸性度が分かります。
または、この酸に触れていなければ良いので、カラージェルとベースジェルの間にトップジェルを挟むのも効果的です。
トップジェルは硬いので水分等も簡単には通過することができない為、酸も同じように通過できません。
退色しないものがベストですが、化粧品顔料を使用する以上避けられない問題の一つでもあります。