化粧品研究者が教えるジェルネイルの真実

どこがジェルネイルを作っているか

ジェルネイルの製造元

業界禁断テーマの一つです。

どこがどこのジェルネイルを作っているか。

出所が定かではない情報としては私もいくつか持っています。

(詳しくは「自主回収となったエースジェルの真実」をご覧ください。)

曖昧な情報をこのブログでは発信したくないので、証拠を揃えてお伝えしようと思います。

(あいまいな情報が飛び交いすぎているジェルネイル業界なので…、ノンサンディングジェルが爪を溶かすとか、化粧品だから安全とか…)

特許検索

どこが作っているかを探すには、「特許検索」しかないと思います。

多分、一般の方であればほぼ馴染みのないことかと思います。

我々研究者は、毎週欠かさず検索してるといっても過言ではありません。

私はほぼ毎日他社特許をチェックしています。

特許の検索には有料ソフトなどもありますが、特許庁の「J-Plat Pat」がタダで使えるのでお勧めです。

ここでテキスト検索や分類等、番号等で検索することができます。

かなり範囲は広くなりますが、「要約+請求の範囲」に「爪」といったキーワードで検索すると、「爪」という言葉が権利化したいことを表した文章に必ず含まれる特許を見ることができます。

結果77,590件見つかりました。

それだけ多くの特許申請が「爪」だけであります。

ここからは検索の妙になりますが、「爪」は「つめ」とも言えますし、「ツメ」とも言えます。

また「ネイル」といった言葉でも表せるので、OR検索(AorB:AかBの言葉で良い)を実施する方が漏れがなくなります。

「爪」だけでの検索では、「爪オイル」なのか「爪切り」なのか、そうしたものも含まれ、ジェルネイルにだけ絞ることは出来ていません。

そこでジェルネイルの特徴を「特許的言葉」で指定することが必要になります。

特許的言葉

なぜそんなことを考えなければならないかというと、「ジェルネイル」で検索すれば早いじゃないかと、そう思われるかもしれませんが、残念ながら皆が共通して「ジェルネイル」のことを「ジェルネイル」と特許上には記載してくれていません。

これはおそらく「ジェルネイル」の定義が曖昧だからだと思います。

「ジェルネイル」って何ですか、と問いかけた時に、範囲に漏れがなく説明できるかどうかは、怪しいと思います。

ある人に言わせればプライマーもジェルネイルかもしれません。

溶剤と光硬化樹脂を含むものもジェルネイルかもしれません。

でも、一方の人はそうではないと思うかもしれません。

そうなると、「ジェルネイル」という言葉が、何を示すのか、人によって解釈が異なることになってしまいます。

つまり、「ジェルネイル」で権利化してしまうと、ある人は「いやいや、この商品はジェルネイルではないので、あなたの特許を侵害していません」といった主張をされてしまうかもしれません。

そうしたことは争いの種になりますし、もちろん重大な損失に繋がったり、会社に体力があれば法廷で争うことで決着は付けられますが、まあそうするよりかはそんな多義的解釈ができる「ジェルネイル」という言葉をあえて選ぶ必要はないのです。

より具体的にことを表す言葉の方が適しているのです。

その一例として「光硬化性樹脂」や「光重合性樹脂」、「ラジカル性樹脂」や「反応性樹脂」といった言葉が挙げられます。

イメージとしてはジェルネイルより大きな範囲を表す言葉がこれらのワードになります。

検索ワード

検索ワードを最適化することは非常に重要です。

「爪」と「光硬化」で検索したとしても、「爪」と「光重合」と記載されている特許は見つけることができません。

「爪」「光重合」「光硬化」と記載しても、「爪」「光反応」の特許は見つけることができません。

なので、関連する思いつくワードをすべて入れてあげることが重要となります。

とりあえず、今日はテストとして「爪 つめ ツメ ネイル」と「光重合 光硬化」で検索してみました。

全部は紹介できませんが、119件ヒットしました。

上から株式会社千趣会、株式会社サクラクレパス、穗曄實業股▲ふん▼有限公司(中国でしょうか)、富士フイルム株式会社…有名な会社が多いですね。

内容まで確認しておりませんが、こうした大手企業が実はジェルネイルを作っているようです。

この特許を一つ一つ確認し、表示名称に当てはめると、どこの製品をどこが作っているっぽいことがわかります。

ぜひまずは検索をして、見てみると勉強になるかもしれません。

化学系のこともぜひ、とっつきにくいと思わず、ちゃんと説明できるネイリストになって頂き、お客様に安心して施術して頂けるようにして下さい。