化粧品研究者が教えるジェルネイルの真実

油分除去はプレップやエタノールではできない

プレパレーション

プレパレーションはセルフネイルを楽しまれている方やネイルサロンで働いている方には馴染み深いものだと思いますが、その油分・ダスト除去をネイルプレップや消毒用エタノールでしていないでしょうか。

プレパレーションとは、甘皮処理をしたり、爪表面の状態をネイルを塗るのに適した状態にすることです。

どれだけジェルネイルの品質・性能が良くても、このプレパレーションがしっかりとできていなければ、その性能を発揮することはできません。

このプレパレーションの作業の中に、油分・ダスト除去があり、そこに多くの場合、プレップや消毒用エタノールが使われています。

これではその本来の目的を全く達成することはできておりません。

ネイルプレップ

ネイルプレップは成分として、エタノール、水、イソプロパノール、着色剤から構成されていることが多いです。

エタノールやイソプロパノールはご存知の通り、アルコールで消毒に用いられます。

エタノールのほうがその効果は強いですが、アルコール過敏の方にはキツすぎる傾向もあります。

そこで少しマイルドなイソプロパノールに一部置換してあります。

着色剤によってサロンワークなどで取り間違えがないようにリムーバーと色分けされていることが多いです。

しかし重要なのは、水です。

消毒用エタノール

消毒用エタノールはおよそ70%エタノール、30%水といった構成比で作られています。

料理の前や手洗いの後によく使われます。

こちらもエタノールが入っているのでアルコール過敏の方は気をつける必要があります。

サロンワークにおいて、アルコール過敏ではないかを事前に確認しておくことは必要だと思います。

注射の前にアルコールでかぶれたことはありませんか?と聞くのと同じように。

私が見てきたサロンでは、一箇所もそういったことを尋ねられたことはありません。

それだけ使われている道具がどういったものなのか、どういった影響がお客様にあるのかについて無頓着すぎると思います。

水の存在

いずれにせよ、ネイルプレップや消毒用エタノールを使う限り水が含まれていることが問題です。

それで爪を拭くことで多少の油は取れますが、水が含まれていることで油は絶対に拭えません。

それどころか爪に水分が残る為、ジェルネイルを塗ると、その水分によって縮んだり、はじいたりすることになります。

ネイルが縮むと悩まれている方は一度このプレパレーションをネイルプレップや消毒用エタノールからリムーバーなどの協力に脱脂できる水の含まれていないものに変更することをおすすめします。

そうすることで油分除去をしっかりすることができ、裸の爪をむき出しにできます。

ただし、前にも申し上げた通り、ジェルネイルをしてきた爪にはすでにジェルネイルが爪に染み込んでいるので、裸にしたところで、残ったジェルネイルとの相性が悪い場合には弾きや縮みがでる可能性があるのでご注意下さい。

まとめ

ネイルプレップや消毒用エタノールには水分が含まれている為、油分除去をしっかりとできない。

それどころか水分が爪に残る為、ジェルネイルのはじきや縮みの原因となる。

ネイルプレップや消毒用エタノールにはアルコールが含まれている為、アルコール過敏の方には使用できない、してはならない。

サロンワークにおいては必ず事前にアルコール過敏ではないかを確認するべき。

縮みが出るお客様にはリムーバーなどの強力なもので油分と水分の除去をするべき。