化粧品研究者が教えるジェルネイルの真実

資生堂と富士フイルムからソークオフが簡単なジェルネイルが出る!?

ソークオフとは

ソークオフとは、ジェルネイルを爪から剥がすことです。

通常はアセトンなどを使い、10分から15分ほど浸し、樹脂を膨らませて取ります。

アセトンは協力な脱脂作用があるので、皮脂なども全て溶かしてしまいます。

その結果、指がカサカサになったりと、嫌なこともいっぱいあります。

アセトンに浸す前にも、トップを削ったりと大変です。

できるだけソークオフが簡単になればいいはネイリストからもセルフネイラーからも聞こえる要望です。

セルフの方にとってもソークオフはとても面倒くさいことだと思います。

資生堂がジェルネイルを検討

特開2009-126833 人工爪組成物

簡単に内容をまとめると、イオン性のモノマーを配合して、pH3.5以下の液体(レモン汁のような)でソークオフできるといったものです。

酸性の水溶液に漬けるだけでソークオフできるのはすごく魅力的ですし、そもそも日本最大の化粧品メーカーである資生堂がジェルネイルをやはり検討していたことが驚きです。

この特許は審査請求されていないので、誰でも使える技術です。

どこかのメーカーからこの技術を応用した簡単に落とすことができるジェルが発売される日も遠くないかもしれません。

または資生堂が本腰を入れてジェルネイルの分野に参入してくることも考えられます。

化粧品の安全性に、ジェルネイルのメーカーとは比べ物にならないほど重きをおいている資生堂がジェルネイルの業界に本当の安全性をもたらしてくれるなら、それは消費者にとってすごく素晴らしいことだとは思いますが、一方でジェルネイル研究者として、資生堂の厳しい安全基準をクリアできるジェルネイルを作ることもまた難しいことを知っています。

この特許自体2009年のものにも関わらず、今になっても資生堂はジェルネイルに参入していないことを考えると、自社の安全基準をクリアできないという結論に至ったのかもしれません。

またはもっと単純に売上面の問題等もあるかとは思います。

富士フイルムもジェルネイルを検討

特開2017-141187 光硬化型人工爪用除去液、光硬化型人工爪の除去方法、及び、ネイルアートセット

以前にも富士フイルムがジェルネイルを検討している可能性について記事にしましたが、こちらは資生堂の特許に似たソークオフ性に関する特許です。

除去液が酸性であり、イオン性のモノマーを含むジェルネイルであるところに共通点がありますが、酸性に偏らす為の成分を限定しており、ピログルタミン酸かグルコノラクトンを使用することとされています。

私はどちらの成分も初めて耳にしました。

明細書中では、高極性(高い親水性)の為に、皮膚を保水する成分として働くといったことが書かれていました。

オフしながら、保水するといった、まさに理想的なソークオフだと思います。

富士フイルムがジェルネイルに参入しているのかどうか分かりませんが、(もしかしたらOEM等でもう世の中に出ているのかもしれません)もしこの技術でソークオフが劇的に改善されるなら、早く商品化してほしいですね。

ソークオフの今後

酸性除去液とイオン性のモノマーの組み合わせはどちらの企業も注目しているようですね。

既にジェルネイルに参入しているメーカーもこの技術に注目して貰えれば、新しいジェルが今後直ぐにでも出てくるかもしれませんね。

いずれにせよ、ソークオフが劇的に改善される日も近いかもしれません。

新しいジェルはきっとエキスポやビューティワールドジャパンで発表されると思うので、今後私もチェックを続けて、素晴らしいものがあればいち早く紹介したいと思います。