化粧品研究者が教えるジェルネイルの真実

ノンワイプトップジェルの危険性

ノンワイプトップジェルとは

従来のトップジェルは硬化後に未硬化ジェルの拭き取りが必要でした。

それを不要にしたのがノンワイプトップジェルです。

未硬化ジェルの拭き取りは確かに少し技術が必要で、拭き取りに失敗すると指に付着したり(炎症やアレルギーの原因)、ツヤが出なかったりもします。

あまり通常のサロンワークでは使われることはなかったように思いますが、ミラーネイルが流行ったことにより、サロンワークでもノンワイプトップを使うようになりました。

ちなみにミラーネイルとはノンワイプトップの上に薄いラメを均一にのせることでミラーのような光沢を出すことができます。

未硬化樹脂があるとその分沈んだり、均一にのらないので乱反射が起き、ミラーにはなりません。

そんな利点も多いノンワイプトップジェルですが、いくつか危険性もあるのでご紹介します。

硬化熱が高い

そもそもジェルネイルを硬化する時になぜ未硬化ジェルが残るのかというと、ジェルネイルの重合(硬化)はラジカル反応と呼ばれる反応で、このラジカルは酸素と非常に結合しやすく、酸素とラジカルが反応してしまうと、そこから反応が進まなくなってしまいます。

つまり空気に触れている層はラジカル反応が進行しないので未硬化ジェルとして残ってしまいます。

この空気との反応よりも速く硬化させたり、空気と反応しづらい成分を入れたりして出来上がったのがノンワイプトップジェルです。

硬化は従来のものよりも速い為、硬化熱も自ずと高くなってしまい、少しでも厚めに塗ってしまうと、地獄のような熱さを感じることになってしまいます。

その時の温度は局所的に100度を軽く超えるので火傷といって過言ではありません。

皆様も何度か「あつ!」とライトから手を引っこ抜いてしまったことがあるかと思います。

保管安定性が悪い

もう一つは酸素の反応しにくい成分を含むことによって、保管している間に硬化してしまうということです。

ジェルネイルが保管中になぜ硬化しないのかというと、それは光が当たっていないからだけではありません。

重合禁止剤と呼ばれる成分が入っていたり、容器内に酸素があることによって重合が阻害されるため、反応しないのです。

ところがノンワイプトップジェルでは、その酸素と反応しにくいものが入っているお陰で、暗反応と呼ばれる重合が進むことがあります。

暗反応とは光がなくても進む重合のことです。

つまり、保管しているだけで重合が少しずつ進んでしまい、ボトルタイプの口等に重合物が付着するといったことが起きてしまいます。

特に高温になるとこの現象は盛んになるので、ノンワイプトップはできれば冷蔵庫などで保管されると長持ちするかもしれません。

ただ一度重合がある程度進んでしまったものは、ゲルぽくなったり、塗ってもレベリングしなかったり、また光を当てても完全に重合しなかったりするため、取扱に注意が必要です。

酸素と反応しにくい成分「チオール」

ちなみにこの酸素と反応しにくい成分は、「チオール」や「メルカプタン」と呼ばれる成分で、硫黄のことです。

あの効果がありそうな温泉の匂いです。

ノンワイプトップの多くはこの「チオール」を含んでいる為、匂いもあまり良くないのが特徴です。

人によっては気分が悪くなると思うので、取扱には十分にご注意下さい。

過去には回収事例も

実は今は亡き「エースジェル」のノンワイプトップが昔回収されたことがあります。

確かその時は低温時に白濁または固化してしまうといった内容だったと記憶しておりますが、まさに最近の「edit.」と同じ現象ですね。

ノンワイプトップは自然現象である酸素によるラジカル重合の阻害を超えて作られた製品です。

自然に逆らうということは、無理をしているとも言えます。

そんな無理をしながら作られた製品なので、どこかしら欠点が出てきてしまうのは自然なことかもしれません。

オールグッドな製品を目指して研究は続けていますが、全てが化学で解決できるわけではありません。

ノンワイプトップのお取り扱いにはご注意を。