化粧品研究者が教えるジェルネイルの真実

カラージェルの良い・悪い

発色が良いカラージェル

カラージェルの良い・悪いは発色の良さだけではありません。

発色の良いカラージェルとは

  1. 顔料が沢山入っている
  2. 発色が良い顔料を使用している
  3. 顔料の分散状態が良い

にまとめられます。

もちろんこの三つが揃っていることが「発色」においては一番ですが、カラージェルに求められることは、それでもしっかりと硬化することです。

顔料が沢山入っているカラージェル

顔料はものによってその価格はバラバラです。

1kgあたり2000円程度のものもあれば、1kgで100万円ほどするものもあります。

つまり安い顔料であれば沢山いれてもコストは上がりませんが、高い顔料であれば沢山入れるとそれだけコストが上がってしまいます。

もちろんメーカーも商売なのでできるだけ安く作りたいと思います。

顔料を沢山いれたい、でもコストは下げたい、と考えた時どうするか。

安い顔料を大量に入れる。

そうなってしまうのは必然ですね。

では高い顔料と安い顔料ではどうちがうのでしょうか。

発色の良い顔料

高い顔料と安い顔料があるいう話をしました。

これは同じ品名の顔料にも言えますし、同じような色目を出す顔料においても言えます。

つまり、例えばA社の赤226号とB社の赤226号は同じ品名でありながら、価格が違うとして、もちろん品質も異なります。

A社の赤226号はほんの少しでも発色し、B社の赤226号は沢山いれなければ発色しないということもあります。

これが顔料の品質の差です。

購入してきたばかりの顔料は砂のような状態です。

これを機械的に砕いたりすることでほぐれ、微細化されます。

この時にほぐれやすいものとほぐれにくいものがあり、ここに品質の差がでてきます。

安いものほどほぐれにくく、高いものほどほぐれやすい傾向にあります。

これが発色の良さに繋がります。

顔料の分散状態が良い

ジェルと顔料をそのまま混ぜても、市販されているカラージェルほどの発色は見込めず、むしろ顔料の粒がカラージェルを塗ったときに残ってしまいます。

これは顔料が十分にほぐれていない状態(=分散状態が悪い)と言えます。

カラージェルを製造するときは、単純にクリアジェルと顔料を混ぜるだけではなく、顔料をしっかりと潰し、ほぐれさせ、樹脂を間に入れ込み、もう一度顔料がくっついたりしない(再凝集)状態にしてあげることが大事です。

顔料とクリアジェルは比重が異なるので、重いものほど下に沈みます。

水に砂を入れたら砂が沈みますよね、でも一時かき混ぜたら浮き上がり一見均一なようになりますが、時間の経過とともにまた沈んでしまいます。

カラージェルも、「ご使用前に攪拌してください」といったものがありますが、これはまさしくこのことです。

クリアジェルの方が顔料に比べて比重が小さいので、顔料が沈んでしまいます。

分散状態がすごく良い状態であれば顔料がクリアジェルにしっかり混ざっているのでこうしたことは起きにくくなります。

カラージェルの一番の難点:硬化

カラージェルはベースジェルやトップジェルと異なり、光を通過させない顔料を沢山含んでいるので、それだけ光の侵入が悪くなってしまいます。

すると奥底まで光が届かなくなり、硬化不良(いわゆる半熟)といった状態になってしまうことがあります。

これはどんな顔料であっても避けられない問題です。

ほぐれやすく、微細化されている顔料であれば少量でも発色します。

ほぐれにくく、微細化されていない顔料であれば大量に入れなければ発色しません。

どちらが硬化しやすいかはお分かりになると思います。

とはいえ、いずれにせよカラージェルは硬化し辛い層であることは間違いないので、できる限り薄く塗り、発色が弱ければ何層か重ねるといった方法がムラなくきれいに硬化不良を起こさず発色した層を作る上では重要となります。

硬化不良になったカラージェルはベースジェルの持ちやトップの艶にも影響します。

綺麗なジェルネイルを長く楽しむ為にもカラージェルの硬化不良を避けるようにして頂ければ幸いです。